JPH0542643U - エンジンのターボチヤージヤ装置 - Google Patents

エンジンのターボチヤージヤ装置

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JPH0542643U
JPH0542643U JP9244291U JP9244291U JPH0542643U JP H0542643 U JPH0542643 U JP H0542643U JP 9244291 U JP9244291 U JP 9244291U JP 9244291 U JP9244291 U JP 9244291U JP H0542643 U JPH0542643 U JP H0542643U
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JP
Japan
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engine
turbocharger
compressor
pressure
movable vane
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JP9244291U
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English (en)
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悦正 松良
美政 野々村
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイルより回転駆動されるアシストタービン
を備えたターボチャージャに於いて、そのコンプレッサ
がサージング域に入るのを防止し、特に、車両の発進性
を改善したエンジンのターボチャージャ装置を提供する
ことにある。 【構成】 ターボチャージャ装置は、ターボチャージャ
1と、このターボチャージャ1に同軸にして連結された
アシストタービン9と、エンジン5により駆動され、ア
シストタービンにオイルを供給するオイルポンプ18
と、ターボチャージャ1のコンプレッサ3の後流に位置
して設けられた可動ベーン36付きディフューザと、こ
の可動ベーン36のディフューザ角βを可変するアクチ
ュエータと、前記コンプレッサ3の吸気のブースト圧を
ブースト圧センサ47にて検出し、そのセンサ信号に基
づき、ブースト圧がコンプレッサ3のサージング限界圧
Psを越えようとするとき、前記アクチャエータを介し
て可動ベーン36のディフューザ角βを可変し、サージ
ング限界圧Psを高くさせるコントローラ33とを備え
ている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、エンジンの排ガスを利用して、吸気を過給するエンジンのターボ チャージャ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のターボチャージャは、ターボラグの発生を避けることができず、この ため、エンジンが低速域にあるときにあっては、ターボチャージャを有効に機能 させることができない。 それ故、ターボラグを解消するため、ターボチャージャに液圧駆動型のアシス トタービンを組み込んだものが知られている。このアシストタービンは、ターボ チャージャと同軸にして連結されている一方、圧液の噴出を受けて回転駆動され るものとなっており、その圧液は、エンジンによって駆動される液圧ポンプから アシストタービンに供給されるようになっている。
【0003】 従って、上述したアシストタービンを備えたターボチャージャ装置によれば、 エンジンが低速域にあってターボラグが発生する運転状況にあっても、アシスト タービンを圧液の噴出より回転駆動して、ターボチャージャの回転速度を十分に 高め、これにより、ターボチャージャの発生を防止することができる。
【0004】
【考案が解決しようする課題】
ところで、ターボチャージャ装置のアシストタービンに圧液を供給する液圧ポ ンプは、エンジン自体によって駆動され、それ故、液圧ポンプは、エンジンの始 動後、常時駆動されるものとなっている。このため、エンジンの運転状況によっ ては、ターボチャージャに於けるコンプレッサの回転速度が上昇し過ぎ、吸気の ブースト圧がコンプレッサのサージング限界圧を越えてしまう虞がある。このよ うな状態に至ると、コンプレッサ内にて、吸気が逆流してしまい、排煙の悪化を 招くばかりでなく、エンジンの出力が急激に低下してしまうことにもなる。
【0005】 この考案は、上述した事情に基づいてなされたもので、その目的とするところ は、アシストタービンの駆動により、ターボチャージャに於けるコンプレッサの ブースト圧がそのサージング限界圧を越えようとする際、そのサージング限界圧 を上昇させて、コンプレッサがサージング域に入るのを防止することができるエ ンジンのターボチャージャ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案のエンジンのターボチャージャ装置は、エンジンからの排ガスによっ て駆動され、エンジンへの吸気を過給するターボチャージャと、このターボチャ ージャに同軸にして連結されたアシストタービンと、このアシストタービンとエ ンジンにより駆動される液圧ポンプとを接続し、アシストタービンに向け圧液を 噴射し、アシストタービンを回転駆動可能とする液圧回路と、ターボチャージャ 内にコンプレッサの後流に位置して設けられた可動ベーン付きディフューザと、 この可動ベーンのディフューザ角を可変するアクチュエータと、前記コンププレ ッサの吸気のブースト圧を検出するブースト圧センサと、このブースト圧センサ からのセンサ信号に基づき、ブースト圧がコンプレッサのサージング限界圧を越 えようとするとき、前記アクチャエータを介して可動ベーンのディフューザ角を 可変し、サージング限界圧を高くさせるコントローラとを備えて構成されている 。
【0007】
【作用】
上述したターボチャージャ装置によれば、エンジンが始動されれば、液圧ポン プもまた駆動され、この液圧ポンプからアシストタービンに圧液が供給されて、 アシストタービンが回転駆動される。従って、ターボチャージャはアシストター ビンに助けられて回転駆動され、これにより、そのコンプレッサからエンジンに 向けて供給される吸気のブースト圧が高められることになる。このようにしアシ ストタービンが駆動されている状態で、エンジンが低速域にあってコンプレッサ のサージング限界圧が比較的低い場合、コンプレッサのブースト圧がサージング 限界圧を越えようとするような状況に至ると、この場合、コントローラは、アク チュエータを作動させて、可動ベーンのディフューザ角を可変し、これにより、 コンプレッサのサージング限界圧を上昇させる。従って、ブースト圧がサージン グ限界圧を越えるようなことはなく、コンプレッサは、サージング限界圧に対し 、そのブースト圧に余裕を持たせるようにして駆動されることになる。
【0008】
【実施例】
図1を参照すると、一実施例のターボチャージャ装置が概略的に示されており 、このターボチャージャ装置は、ターボチャージャ1を備えている。このターボ チャージャ1は、タービン2とコンプレッサ3とを備えており、これらタービン 2及びコンプレッサ3は、タービン軸4により相互に連結されている。公知のよ うに、ターボチャージャ1のタービン2は、エンジン5から延びる排ガス管路6 中に介挿されており、一方、そのコンプレッサ3は、エンジン5の吸気管路7の 途中に介挿されている。なお、図1に於いて、その作図を容易にするために、排 気管路6及び吸気管路7とエンジン5とは接続された状態で示されてはいない。
【0009】 ターボチャージャ1のタービン軸4には、この実施例の場合、1点鎖線で示さ れたアシストタービンユニット8が介装されている。このアシストタービンユニ ット8は、タービン軸4に取り付けられたアシストタービン9を備えており、従 って、アシストタービン9の軸とタービン軸4とは共用となっている。アシスト タービンユニット8内には、アシストタービン9の両側の位置して、一対の軸受 10,11が配置されており、これら軸受10,11は、タービン軸4を回転自 在に支持している。
【0010】 更に、アシストタービン9の近傍には、その外周縁側に位置して、圧液の噴出 ノズル13が配置されており、この噴出ノズル13は液圧回路14に接続されて いる。 液圧回路14は、エンジン5の潤滑油を蓄えたオイルパン15を備えており、 このオイルパン15と前記噴出ノズル13との間は、メイン供給管路16を介し て接続されている。このメイン供給管路16には、オイルパン15側からオイル フィルタ17及び液圧ポンプとしてのオイルポンプ18が順次介挿されている。
【0011】 オイルポンプ18は、図1に示されているように、動力伝達経路19を介して エンジン5に接続され、このエンジン5からの駆動力を受けて駆動されるように なっている。この実施例の場合、動力伝達経路19は、エンジン5のクランク軸 20に取り付けられたプーリ21と、このプーリ21にベルト22を介して接続 されたプーリ23とを備えており、このプーリ23側のプーリ軸は、オイルポン プ18のポンプ軸に連結されている。
【0012】 従って、エンジン5が始動つまり駆動されると、エンジン5の駆動力が動力伝 達経路19を介してオイルポンプ18に伝達されることで、このオイルポンプ1 8が駆動され、これにより、オイルパン15内の潤滑油即ちオイルは、メイン供 給管路16内を通じて吸い上げられ、そして、加圧された後、噴出ノズル13に 供給される。従って、噴出ノズル13からアシストタービン9に向けて高圧のオ イルが噴出されて、アシストタービン9が回転駆動され、これにより、ターボチ ャージャ1の駆動が助けられることになる。
【0013】 また、オイルパン15からは、エンジン5内を通じてアシストタービンユニッ ト8側に延びるサブ供給管路24が延びている。このサブ供給管路24の先端側 は、二股に分かれて、そして、前述した一対の軸受10,11に夫々接続されて いる。サブ供給管路24に於いて、エンジン4とオイルパン15との間には、オ イルパン15側から、供給ポンプ25、オイルフィルタ26及びオイルクーラ2 7が順次介挿されている。従って、供給ポンプ25が駆動されると、オイルパン 15内のオイルは、エンジン5に供給された後、このエンジン5から一対の軸受 10,11にも供給されることになる。なお、図1には図示されていないけれど も、供給ポンプ25は、オイルポンプ18と同様にエンジン5によって駆動され るものとなっている。
【0014】 一方、軸受10,11からは、オイルの戻り管路28が延びている。つまり、 戻り管路28の上流側の部位は二股に分かれて、軸受10,11に夫々接続され ており、その下流端は、オイルパン15に接続されている。従って、一対の軸受 10,11に供給されて、これらの潤滑及び冷却に供せられたオイルは、戻り管 路28を介してオイルパン15に戻されることになる。
【0015】 前述したアシストタービンユニット8内には、図示しないけれども、噴出ノズ ル13から噴射されたオイルを回収するための手段が備えられており、そして、 この手段からは回収管路29が延びている。この実施例の場合、回収管路29は 、軸受10,11とエンジン5との間のサブ供給管路24に接続されており、ま た、回収管路29には逆止弁30が介挿されている。従って、アシストタービン 9の回転駆動に供されたオイルは、この後、回収管路29を介してサブ供給管路 28に供給されることなる。なお、回収管路29を戻り管路28やオイルパン1 5に直接接続することも勿論可能である。
【0016】 更に、メイン供給管路16に於いて、オイルポンプ18の直下流の部位からは 、逃し管路31が延びており、この逃し管路31は、戻り管路28に接続されて いる。逃し管路31の途中には、常閉の電磁弁32が介挿されており、この電磁 弁32は、コントローラ33に電気的に接続されて、このコントローラ33によ り、その開閉が制御されるものとなっている。なお、オイルポンプ18からは、 オイルのリーク戻し管路34が延びており、このリーク戻し管路34もまた、戻 り管路28に接続されている。
【0017】 そして、ターボチャージャ1に於いて、コンプレッサ3のディフューザ35に は、複数の可動ベーン36が備えられている。これら可動ベーン36は、そのイ ンペラ37を囲むようにて位置付けられ、そして、そのディフューズ角を連動し て可変可能となっている。 可動ベーン36のディフューズ角は、アクチュエータによって可変されるもの となっており、アクチュエータ37は、この実施例の場合、コンプレッサ3とア シストタービンユニット8との間に、タービン軸4を同心にして囲む回転自在な 駆動リング38を備えており、この駆動リング38と各可動ベーン36の軸とは 、リンクアーム39を介して夫々連結されている。リンクアーム39と駆動リン グ38との間の連結の詳細は図2に示されている。図2から明かなように、リン クアーム39の一端は、コンプレッサ3から突出した可動ベーン36の回動軸に 連結されて、その他端側は駆動リング38の径方向外側に延びている。リンクア ーム38の他端部には、その長手方向に延びるスロット40が形成されており、 このスロット40には、駆動リング38の側端面から突出された連結ピン41が 挿通されている。従って、駆動リング38が回転されると、連結ピン41を介し てリンクアーム39が回動され、これにより、可動ベーン36のディフューザ角 が可変されることになる。なお、各可動ベーン36は、同様なリンクアーム39 及び連結ピン41を介して駆動リング38に連結されているから、駆動リング3 8が正逆回転されることで、各可動ベーン36のディフューザ角を連動して可変 することができる。
【0018】 駆動リング38を正逆回転させるため、この実施例では、駆動リング38の一 部にギヤ部42が設けられており、このギヤ部42には、駆動ギヤ43が噛合さ れている。この駆動ギヤ43は、例えばモータ44(図1参照)の出力軸に取り 付けられており、このモータ44により、駆動ギヤ43は、所定の回転角ずつ正 逆方向に回転可能となっている。
【0019】 モータ44は、前述した電磁弁32と同様にコントローラ33に電気的に接続 されており、これらモータ44及び電磁弁32は、エンジン5の運転状況及びタ ーボチャージャ1の駆動状況に応じ、コントローラ33からの指令信号を受けて 、その作動が制御されるようになっている。 エンジン5の運転状況及びターボチャージャ1の駆動状況を検出するため、コ ントローラ33には、各種のセンサが接続されており、これらのセンサには、エ ンジン5の回転速度を検出する回転速度センサ45、ターボチャージャ1のコン プレッサ出口の圧力、つまり、エンジン5に供給される吸気のブースト圧を検出 するブースト圧センサ47、大気圧を検出する大気圧センサ48及び大気温度を 検出する大気温度センサ49がある。
【0020】 更に、コントローラ33には、上述したセンサの異常を表示するセンサ異常ラ ンプ50及びサージングランプ51が接続されており、これらのランプ50,5 1は、エンジン5が搭載される車両の運転席に配置されている。 次に、図3及び図4を参照すると、コントローラ33にて実施される電磁弁3 2及びモータ44つまり可動ベーン36の作動制御ルーチンが示されており、以 下には、この作動制御ルーチンについて説明する。
【0021】 先ず、ステップS1にて、エンジン5が始動されると、次のステップS2では 、前述した各種のセンサ45,47,48,49により、エンジン回転速度Ne 、ブースト圧Pb、大気圧Pa、大気温度Ta及びコンプレッサ3に於ける可動 ベーン36のディフューザ角βが夫々読み込まれる。ここで、ディフューザ角β は、具体的には、コントローラ33からモータ44に出力された指令信号の累積 値に基づき、コントローラ33にて求めることもできるし、又は、可動ベーン3 6の回動軸にロータリエンコーダを取り付け、このロータリエンコーダからのセ ンサ信号に基づき、コントローラ33にて算出することも可能である。
【0022】 この後、ステップS3では、各種センサからのセンサ信号が正常か否かが判別 される。具体的には、Ne,Pb,Pa及びTaの何れもが0でないか否かが判 別される。ここでの判別結果がエンジン5の始動後に否(NO)の場合には、ステ ップS4にて、センサ異常ランプ50が点灯され、運転者にその異常を認識させ ることができる。
【0023】 一方、ステップS3の判別結果が正(YES)の場合には、ステップS5に進み 、このステップでは、ターボチャージャ1つまりそのコンプレッサ3に於けるサ ージング限界圧Psが演算される。サージング限界圧Psは、図5に示されてい るコンプレッサマップのサージングラインSLに基づいて算出することができき る。具体的には、サージングラインSLは、コンプレッサ3に於ける可動ベーン 36のディフューザ角βによって図示されているように変化することから、先ず 、その時点でのディフューザ角βに対応したサージングラインSLが求められ、 そして、そのサージングラインSL上のコンプレッサ圧力比Πsが次式に示され ているように、エンジン回転速度Neの関数として算出される。
【0024】 Πs=Π(Nen) ここで、Nenは、その時点でのエンジン回転速度を示している。 従って、コンプレッサ圧力比Πsとコンプレッサ2の入口圧とから、その時点 でのサージング限界圧Psを算出することができる。しかしながら、このサージ ング限界圧Psは、大気圧Pa及び大気温度Taによって吸気の密度が変動する ことから、この実施例では、これら大気圧Pa及び大気温度Taに基づき、サー ジング限界圧Psを補正して求めるようにしている。即ち、次式に示すようにサ ージング限界圧Psは、Πs,Pa,Taの関数として算出することができる。
【0025】 Ps=P(Πs,Pa,Ta) なお、コンプレッサ圧力比Πsを算出するにあたっては、コントローラ33内 の不揮発性メモリに、可動ベーン36のディフューザ角βに対応したサージング ライン及びそのサージングライン上でのエンジン回転速度Neに対応したコンプ レッサ圧力比Πsを予めマップ化して記憶しておき、このマップからディフュー ザ角β及びエンジン回転速度Neに基づき、コンプレッサ圧力比Πsを読み出す ようにしてもよい。なお、図5中、Xは、アシストタービン9が液圧で回転駆動 されていない場合でのエンジン5の4/4負荷作動ラインを表している。
【0026】 ステップS5からは、ステップS6が実施され、このステップでは、ターボチ ャージャ即ちそのタービンのアシスト条件が満たされているか否かが判別される 。この実施例の場合、アシスト条件は、例えばエンジン回転速度Neが所定値N ek以下であるか否かでもって判別される。ここで、所定値Nekは次式で表される 値をとる。
【0027】 Nek=(0.4〜0.5)・Nemax(=エンジン5の最大回転速度) ステップS6の判別結果が否の場合には、ステップS7にて、電磁弁32が開 作動され、逃し管路31が開かれることになる。従って、この場合には、オイル ポンプ18が駆動されていても、このオイルポンプ18から吐出された高圧のオ イルが逃し管路31を通じて低圧側つまりオイルパン15に戻されるだけである から、アシストタービン9がオイルよって回転駆動されることはなく、ターボチ ャージャ1はエンジン5の排ガスによってのみ駆動される。なお、ステップS7 からは、ステップS2に戻って、上述したステップが繰り返して実施される。
【0028】 一方、ステップS6の判別結果が正の場合には、ステップS8にて、電磁弁3 2が閉作動された後、図4のステップS9に進む。このステップでは、ブースト 圧Pbがサージング限界圧Ps以上に達したか否かが判別される。ここでの判別 結果が否であると、次のステップS10にて、サージング限界圧Psに対するブ ースト圧Pbの余裕が所定値α以内であるか否か、つまり、次式が評価される。
【0029】 Ps−Pb≦α ステップS10での判別結果が否であると、ステップS11にて、ディフュー ザ角βは一定角だけ増加された後、図3のステップS2に戻って、このステップ 以降のステップが繰り返して実施される。 ここで、ステップS11の実施に関して具体的に説明すると、この場合、コン トローラ33からモータ44に向けて指令信号が出力されて、モータ44が駆動 され、これにより、駆動リング38及びリンクアーム39等を介して各可動ベー ン36が回動されることで、そのディフューザ角βが拡大する方向に可変される ことになる。
【0030】 このようにして可動ベーン36のディフューザ角βが大きくなると、例えば、 図5に示されているように、ディフューザ角βが基準角であるβ0からβ1へと拡 大されると、そのサージングラインSLが図5中破線で示すように上昇し、これ により、サージング限界圧Psは高くなる。従って、例え、ステップS10の判 別結果が否となっても、次にステップS11が実施されることで、サージグング 限界圧Psに対して、ブースト圧Pbの余裕を確保することができる。
【0031】 一方、ステップS10の判別結果が正である場合には、ステップS12に進み 、このステップでは、可動ベーン36のディフューザ角βが基準角β0よりも大 きいか否かが判別される。ここでの判別結果が正であると、次のステップS13 に進み、ここでは、前述のステップS11の場合とは異なり、可動ベーン36の ディフューザ角βが一定角だけ減少されることになる。
【0032】 ステップS12の判別結果が否となる場合には、つまり、可動ベーン36のデ ィフューザ角βが既に基準角β1となっている場合には、図3のステップS2に 直ちに戻って、その以降のステップが繰り返される。 また、ステップS9の判別結果が正となる状況にあっては、このステップから 直ちにステップS14に進み、このステップにて、電磁弁32が開作動されて、 前述したようにアシストタービン9のオイルによる回転駆動が停止され、そして 、次のステップS15にて、サージングランプ51が点灯される。
【0033】 上述した作動制御ルーチンから明かなように、この実施例のターポチャージャ 装置によれば、エンジン5の回転速度NeがNek以下のアシスト条件を満たして いるときには、前記ステップS6での判別結果は正となって、電磁弁32は閉位 置に維持され、これにより、アシストタービン9はオイルによって回転駆動され る。
【0034】 このような運転状況に於いて、コンプレッサ3のブースト圧Pbがサージング 限界圧Psに近づき、これを越えようとすると、前述したようにステップS11 の実施により、サージング限界圧Pbが上昇し、これにより、ブースト圧Pbが サージング限界圧Psを越え、コンプレッサ3がサージング域で作動してしまう ことはない。従って、コンプレッサ3がサージング域に入ることで生じる排煙の 悪化や急激なエンジン5の出力低下を招くようなことはない。
【0035】 また、上述したようにしてサージング限界圧Psを上昇させることができると 、その分だけブースト圧Pbもまた高く維持できるので、例えば、車両の発進時 にも、エンジン5への吸気の過給圧を十分に高めて、その高圧力化を図ることが でき、車両の発進性を大きく改善することが可能となる。 また、この実施例の場合、ステップS10,S12の判別結果が共に正となる 状況、つまり、可動ベーン36のディフューザ角βが基準角β0よりも大きく且 つブースト圧Pbに余裕がある状況にあっては、そのディフューザ角βを基準角 β0に向けて戻すようにしたので、可動ベーン36のディフューザ角βが不所望 にして大きな角度に維持され続けるようなこともない。
【0036】 一方、エンジン回転速度NeがNekよりも高速側に達すると、ステップS6の 判別結果が否となるから、この場合には、ステップS7の実施により、電磁弁3 2が開かれ、アシストタービン9のオイルによる回転駆動は停止される。従って 、エンジン5の回転速度Neが高速域側にあり、エンジン5からの排ガスのみに より、ターボチャージャ1のタービン2に十分な回転速度が得られるような状況 にあるとき、噴出ノズル13からアシストタービン9に噴出されるオイルよって 、ターボチャージャ1の回転駆動が損なわれるようなこともなく、ターボチャー ジャ1の回転速度を十分に上昇させることができる。
【0037】 この考案は、上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能 となる。例えば、一実施例では、コンプレッサ3の可動ベーン36を駆動するア クチュエータに駆動リング36、リンクアーム39及びモータ44からなる機構 を採用したが、アクチュエータはこの機構に限られるものではない。また、一実 施例では、サージング限界圧に対するブースト圧の余裕度に応じて、可動ベーン 36のディフューザ角βを段階的に可変するようにしたが、このディフューザ角 βを無段階に可変することも可能である。
【0038】 一実施例の場合、アシストタービン9の一対の軸受10,11には、エンジン 5内を通過した後のオイルがサブ供給管路24を介して供給されているが、この サブ供給管路24をエンジン5にオイルを供給する経路とは別にして設けること も可能である。この場合、サブ供給管路24がエンジン5とオイルクーラ17と の間の経路から分岐されていれば、一対の軸受10,11にも冷却されたオイル を供給することができ、そのオイルにより軸受10,11を効果的に冷却するこ とが可能となる。
【0039】 また、一実施例の場合、エンジン5とオイルポンプ18とを連結する動力伝達 経路19は、単に一対のプーリ21,23と、ベルト22とから構成されている が、この動力伝達経路19を無段変速機いわゆるCVTに置き換えることも可能 である。このようなCVTを備えていれば、エンジン5の運転状況がアシスト条 件を満たさないとき、CVTのプーリ比を可変することで、オイルポンプ18の 駆動力を低減し、これにより、アシストタービン9のオイルによる回転駆動を実 質的に停止させることもできる。従って、この場合にあっては、前述した電磁弁 32を省略することも可能となる。
【0040】 更に、CVTを備えていれば、サージング限界圧Psに対してコンプレッサ3 のブースト圧Pbに余裕がないとき、前述したようにコンプレッサ3に於ける可 動ベーン36のディフューザ角βを可変すると同時に、CVTのプーリ比をも可 変することで、コンプレッサ3がサージング域で作動するのを確実に防止してな お且つ、コンプレッサ3のブースト圧Pbを最適に上昇可能とすることも可能と なる。
【0041】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案のエンジンのターボチャージャ装置によれば、 アシストタービンの働きにより、コンプレッサに於ける吸気のブースト圧がサー ジング限界圧を越えようとする状況にあると、コンプレッサの可動ベーンを作動 させることで、そのディフューザ角を可変し、これにより、サージング限界圧を 上昇させるようにしたから、コンプレッサがサージング域に入って作動するよう なことはない。従って、車両の発進時等のエンジンが低回転域にあっても、コン プレッサがサージング域に入って作動するのを確実に防止して、なお且つ、吸気 のブースト圧を高めることができるので、エンジンの高出力化を図って、車両の 発進性を大きく改善できる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のターボチャージャ装置を示した概略
構成図である。
【図2】図1のコンプレッサの可動ベーンを駆動するア
クチュエータを示した詳細図である。
【図3】図1のコントローラにて実行される作動制御ル
ーチンの一部を示したフローチャートである。
【図4】作動制御ルーチンの残りの部分を示したフロー
チャートである。
【図5】図1のターボチャージャ装置のコンプレッサマ
ップを示したグラフである。
【符号の説明】
1 ターボチャージャ 8 アシストタービンユニット 9 アシストタービン 13 噴出ノズル 14 液圧回路 18 オイルポンプ 19 動力伝達経路 32 電磁弁 34 コントローラ 36 可動ベーン 38 駆動リング 39 リンクアーム 44 モータ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの排ガスによって駆動さ
    れ、エンジンへの吸気を過給するターボチャージャと、
    このターボチャージャに同軸にして連結されたアシスト
    タービンと、このアシストタービンとエンジンにより駆
    動される液圧ポンプとを接続し、アシストタービンに向
    け圧液を噴射し、アシストタービンを回転駆動可能とす
    る液圧回路と、ターボチャージャ内にコンプレッサの後
    流に位置して設けられた可動ベーン付きディフューザ
    と、この可動ベーンのディフューザ角を可変するアクチ
    ュエータと、前記コンププレッサの吸気のブースト圧を
    検出するブースト圧センサと、このブースト圧センサか
    らのセンサ信号に基づき、ブースト圧がコンプレッサの
    サージング限界圧を越えようとするとき、前記アクチャ
    エータを介して可動ベーンのディフューザ角を可変し、
    サージング限界圧を高くさせるコントローラとを具備し
    たことを特徴とするエンジンのターボチャージャ装置。
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