JPH0541563B2 - - Google Patents
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- JPH0541563B2 JPH0541563B2 JP62271717A JP27171787A JPH0541563B2 JP H0541563 B2 JPH0541563 B2 JP H0541563B2 JP 62271717 A JP62271717 A JP 62271717A JP 27171787 A JP27171787 A JP 27171787A JP H0541563 B2 JPH0541563 B2 JP H0541563B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
- C01F5/00—Compounds of magnesium
- C01F5/02—Magnesia
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- Inorganic Chemistry (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はマグネシア(MgO)を主成分とする
流動特性の優れたマグネシアからなる電気絶縁材
料に関するもので、特にシースヒーターの絶縁充
填材として適するものである。 〔従来の技術〕 MgOは高周波電気絶縁抵抗および高温下での
電気絶縁抵抗が非常に高いという特徴がある。従
来電気絶縁材料、特にシースヒーターの絶縁充填
材として、絶縁特性の良いことから電融マグネシ
アを破砕した粉体が使用されている。ところが電
融マグネシアを原料とする場合、破砕する必要が
あり、得られるマグネシア粉体も角ばつた形状の
粉体となり使用上難点があつた。この点の改良を
目的として特公昭57−55646号で提案された電融
マグネシアを原料とするものもあるが、なお十分
な特性でなく、その製造も困難であり、したがつ
て製造原価も大である。 一方、海水等を原料とする焼結マグネシアは流
動性が優れているが電気絶縁材料としては不向き
とされ、この点が改善されたものを特開昭62−
90807に提案したが、単結晶であり、粒度が細か
い部分に偏つていたためにフロータイムが
200sec/100g以上になつて実用上問題があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 すなわち、金属パイプとヒーターとの間に充填
材料として詰めるシースヒーター用マグネシアと
して製上造問題が少なく、優れた粉末形状をも
ち、充填の作業性、充填密度やシースヒーターの
寿命にも密接に関係する特性として重視されてい
る粉末の流動性等が満足すべきものはなかつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記問題点を解決した電気絶縁材料
およびその製造方法を提案するものである。 すなわち、球形である多結晶のマグネシア粉体
であつて、 (a) 化学組成が、 MgO≧96wt% CaO≦2.0wt% SiO2≦1.0wt% Fe2O3≦0.2wt% Al2O3≦1.2wt% B2O3≦0.1wt% (b) 絶縁抵抗が600℃で107Ω・cm以上、 (c) 粒径が420〜44μmの範囲の粒子が90wt%以
上で、420μmを超えるものが5wt%以下で、
44μm未満が6wt%以下、 (d) フロータイムが200sec/100g以下、 (e) タツプ密度が2.30g/cm3以上である電気絶縁
材料用マグネシア焼結粉体である。 化学組成が上記範囲を外れると絶縁抵抗が低く
なり、実用に適さなくなる。 上記化学組成は次の範囲がさらに好ましい。 MgO≧98wt% CaO≦1.2wt% SiO2≦0.5wt% Fe2O3≦0.12wt% Al2O3≦0.1wt% B2O3≦0.07wt% そして、600℃の絶縁抵抗が107Ωcm以上、好ま
しくは108Ωcm以上、より好ましくは109Ωcm以上
であり、粒径420〜44μmの範囲の粒子が90wt%
以上、フロータイムが200sec/100g以下、好まし
くは183sec/100g以下、且つタツプ密度が
2.30g/cm3以上である電気絶縁充填物である。 本発明の電気絶縁用マグネシア焼結粉体の製造
に当り、ロータリーキルン等で焼成された所定の
組成の多結晶とした粉体を利用し、420μmの篩を
通過し、44μmの篩を通過しない部分を採取する
ことが必要である。 また、本発明のマグネシア粉体は球状の多結晶
体であつて粉体粒子が断面で100個以下の単結晶
の集合体であることが好ましい。なお、電融マグ
ネシアでは粉砕した際、生じる格子歪みや微細な
亀裂が抵抗低下の原因となるため、さらに熱処理
の必要があり、製造コストが大きくなるうえに熱
処理が不十分な場合は抵抗劣化の原因になる。本
発明のマグネシア粉体は破砕を必要とせず、さら
に球状の多結晶体であるため、ヒートシヨツクを
粒界でやわらげ亀裂が入り難く、安価に安定した
品質のものを製造できる。 充填物のフロータイムはシースヒーターに粉体
を充填する際、製造上、特に作業効率上、重要な
要素であることはよく知られており、フロータイ
ムが200sec/100g以下、特に、183sec/100g以下
であることは従来の充填材に比較して、極めて生
産性が高くなり、産業上、意義のあることであ
る。 上記タツプ密度2.30g/cm3以上、フロータイム
が200sec/100g以下であつても、絶縁抵抗が600
℃で107Ω・cm以下であるマグネシア粉体はシー
スヒーターの充填物として実用に支障がある。 また、球形をしたマグネシア粉体であつても、
420〜44μmが90wt%未満になると流動性が悪い。
また、流動性から粒径44μm未満の割合は6wt%
とする必要があり、好ましくは2wt%以下がよ
い。更に同様の理由から粒径420μmを超える割合
は5wt%以下とする必要がある。 さらに、マグネシアの粒径は44〜420μmの範囲
のものが95重量%以上であることが好ましい。 これを第3図を参照して説明すれば、粒径
44μm未満の粒子、420μmを越える粒子、44〜
420μmの範囲の粒子の量を示す三角座標におい
て、X印の点と各辺で囲まれた領域、すなわち、
〇印の点が存在する領域の粒度分布が適当なより
好ましい範囲である。 上記領域外の粒度分布をもつマグネシア粉体で
はシースヒーターの寿命が低下する。これは粒径
のバラツキが多いため、シースに充填る際に偏析
が生じ、均一な絶縁性を有するヒーターが作れな
いためであると考えられる。 本発明において流動性の改良されたマグネシア
粉体は球形をした粉体である。ここで言う球形と
は断面がほぼ円に近い形をしているものである
が、必ずしも真円を意味するものではなく、第1
図に示すように断面の外周が凸の鋭角をもたず、
曲線または直線と曲線に囲まれているものを言
う。すなわち、全体の形状が球形をしているので
あつて、表面の平滑度の粗さに基づく程度の凹凸
があつても本発明で言う球形と言えるものであ
る。 上記マグネシア粉体の製造方法、例えば1600〜
1800℃以上の温度で焼成された1mm以下の所定の
組成の多結晶の高純度マグネシア粉を風力分級等
により、420μm以下、かつ、44μm以上に篩分す
る。 また、上記マグネシア焼結粉体をPH3以下の酸
性水溶液中で1分間以上攪拌し、上澄液を分離
後、水洗を充分に、例えば2回以上繰り返し、濾
過、乾燥するのが適当である。 以上説明したように本発明の、球形をした流動
性の良好なマグネシア粉体を、従来シースヒータ
ー用いられている電融マグネシア粉砕物と混合す
ると電融マグネシア単味のものよりも流動性が著
しく改良され、本発明のマグネシア焼結粉体を10
〜100重量%に従来の破砕した電融マグネシアを
90重量%以下混合して用いてもよい。また、単結
晶のマグネシア焼結粉体と混合して用いてもよ
い。 また上述の44〜420μmに粒度調整されたマグネ
シア焼結粉体をPH3以下の酸性溶液中で1分間以
上攪拌し、上澄液を分離後、十分に水洗をしたの
ち、濾過、乾燥したものも、本発明のマグネシア
焼結粉体である。すなわち、その表面に純物の少
ないマグネシア焼結粉体は前述の充填性、流動性
を損なうことなく、高温での絶縁抵抗が優れてい
る。 ここで言うマグネシアとは化学成分としては通
常マグネシアに不純物として含まれるCaO,
SiO2,Fe2O3,Al2O3,B2O3を含むとともに、焼
結助剤例えばZrO2を任意に含むもの、又、マグ
ネシア焼結粉体が高温多湿の雰囲気中に放置され
たときに、絶縁抵抗材が低下するのを防止する目
的でマグネシア粉末の表面にシリカやジコニア等
をコーテイングしてもよい。 本発における実施例の化学組成のうちMgO,
CaO,SiO2,Fe2O3,Al2O3,B2O3はマグネシア
粉末を塩酸水溶液で熱溶解したのち、またZrO2
はNa2CO3,Na2B2O7・10H2Oを用い、アルカリ
溶融したのち、硝酸水溶液に熱溶解した後、日本
ジヤーレルアツシユ製の575−製のICAPを用
いて測定した。 本発明の実施例のマグネシアにおける高温絶縁
抵抗は内径10mmの金属パイプと外径5mmの中心棒
の間〓に絶縁充填材を約25mmのさに1.5T/cm2の
圧力で圧縮充填したものに、白金線を取り付けて
電気炉内に置き、各温度での絶縁抵抗を測定した
(フエタリー法)。なお、用いた金属パイプならび
に中心棒の材質はsus.304である。 また、粉末のタツプ密度、フロータイムは
ASTM standards D2755に規定されている方法
によりアメリカのBoeh Tool and Die
Company製の装置を用いて測定した。 粒度分布はJIS標準篩を用いて篩分けて求めた。 また第1図および第2図のマグネシア焼結粉体
の断面の様子は供試料をエポキシ樹脂に埋め込
み、固化させたのち、アルミナ粉末やダイヤモン
ドペーストで研磨して、粉体の断面を出し反射顕
微鏡で撮影した。 つぎに実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。なお実施例に示す各成分の量(%)は重量%
である。 実施例 1 ロータリーキルンで2000℃の温度で焼成した1
mm以下の高純度マグネシア粉をステンレス製の金
鋼を用いて、420μmかつ44μmで篩い分けた。こ
のマグネシア焼結粉体の粒度分布を第1表に示
す。 また、本発明のマグネシア粉体をエポキシ樹脂
に埋め込み、固化させた後、研磨し、その断面を
反射顕微鏡で観察し、平均的な視野を三つ選び、
写真撮影したものである。その一つが第1図であ
り、本発明のマグネシア粉体の球形をしているの
が判る。 さらに、各視野の最大粒を選び、単結晶の数を
数えたところ、55個、87個、80個であつた。 さらにこのマグネシア焼結粉体の化学組成、タ
ツプ密度、フロータイムおよび600℃における絶
縁抵抗を第1表に示した。 実施例 2 実施例1のマグネシア焼結粉体2.5Kgを0.2N塩
酸溶液10に入れて5分間攪拌し、上澄液を捨て
て、水10を加えて攪拌水洗を2回行ない真空濾
過した。この濾滓をさらに水5をふりかけて水
洗し、120℃の熱風中で乾燥した。 このマグネシア焼結粉体の化学組成、タツプ密
度フロータイムおよび600℃における絶縁抵抗を
第1表に示した。 実施例 3 実施例1のマグネシア焼結粉体および市販のシ
ースヒーター用の電融マグネシアの粉末を下記の
第2表の混合重量割合で均一に混合し、タツプ密
度とフロータイムを測定した。その結果を第2表
に示す。 また、ここで用いた市販のシースヒーター用の
電融マグネシアの粉末を反射顕微鏡で観察した写
真が第2図であり、直線が交差した角張つた粉末
であつた。また、その粒度分布を第1表に示し
た。 また市販の電融マグネシアの化学組成、タツプ
密度、フロータイムを第1表の比較例として示
す。 実施例 4 ロータリーキルンで1900℃以上の温度で焼成し
た1mm以下の高純度マグネシア粉を風力分級機を
用いて420μm以上、44μm以下を分級除去した。
このマグネシア焼結粉体の化学組成タツプ密度、
フロータイムを第1表に示した。
流動特性の優れたマグネシアからなる電気絶縁材
料に関するもので、特にシースヒーターの絶縁充
填材として適するものである。 〔従来の技術〕 MgOは高周波電気絶縁抵抗および高温下での
電気絶縁抵抗が非常に高いという特徴がある。従
来電気絶縁材料、特にシースヒーターの絶縁充填
材として、絶縁特性の良いことから電融マグネシ
アを破砕した粉体が使用されている。ところが電
融マグネシアを原料とする場合、破砕する必要が
あり、得られるマグネシア粉体も角ばつた形状の
粉体となり使用上難点があつた。この点の改良を
目的として特公昭57−55646号で提案された電融
マグネシアを原料とするものもあるが、なお十分
な特性でなく、その製造も困難であり、したがつ
て製造原価も大である。 一方、海水等を原料とする焼結マグネシアは流
動性が優れているが電気絶縁材料としては不向き
とされ、この点が改善されたものを特開昭62−
90807に提案したが、単結晶であり、粒度が細か
い部分に偏つていたためにフロータイムが
200sec/100g以上になつて実用上問題があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 すなわち、金属パイプとヒーターとの間に充填
材料として詰めるシースヒーター用マグネシアと
して製上造問題が少なく、優れた粉末形状をも
ち、充填の作業性、充填密度やシースヒーターの
寿命にも密接に関係する特性として重視されてい
る粉末の流動性等が満足すべきものはなかつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記問題点を解決した電気絶縁材料
およびその製造方法を提案するものである。 すなわち、球形である多結晶のマグネシア粉体
であつて、 (a) 化学組成が、 MgO≧96wt% CaO≦2.0wt% SiO2≦1.0wt% Fe2O3≦0.2wt% Al2O3≦1.2wt% B2O3≦0.1wt% (b) 絶縁抵抗が600℃で107Ω・cm以上、 (c) 粒径が420〜44μmの範囲の粒子が90wt%以
上で、420μmを超えるものが5wt%以下で、
44μm未満が6wt%以下、 (d) フロータイムが200sec/100g以下、 (e) タツプ密度が2.30g/cm3以上である電気絶縁
材料用マグネシア焼結粉体である。 化学組成が上記範囲を外れると絶縁抵抗が低く
なり、実用に適さなくなる。 上記化学組成は次の範囲がさらに好ましい。 MgO≧98wt% CaO≦1.2wt% SiO2≦0.5wt% Fe2O3≦0.12wt% Al2O3≦0.1wt% B2O3≦0.07wt% そして、600℃の絶縁抵抗が107Ωcm以上、好ま
しくは108Ωcm以上、より好ましくは109Ωcm以上
であり、粒径420〜44μmの範囲の粒子が90wt%
以上、フロータイムが200sec/100g以下、好まし
くは183sec/100g以下、且つタツプ密度が
2.30g/cm3以上である電気絶縁充填物である。 本発明の電気絶縁用マグネシア焼結粉体の製造
に当り、ロータリーキルン等で焼成された所定の
組成の多結晶とした粉体を利用し、420μmの篩を
通過し、44μmの篩を通過しない部分を採取する
ことが必要である。 また、本発明のマグネシア粉体は球状の多結晶
体であつて粉体粒子が断面で100個以下の単結晶
の集合体であることが好ましい。なお、電融マグ
ネシアでは粉砕した際、生じる格子歪みや微細な
亀裂が抵抗低下の原因となるため、さらに熱処理
の必要があり、製造コストが大きくなるうえに熱
処理が不十分な場合は抵抗劣化の原因になる。本
発明のマグネシア粉体は破砕を必要とせず、さら
に球状の多結晶体であるため、ヒートシヨツクを
粒界でやわらげ亀裂が入り難く、安価に安定した
品質のものを製造できる。 充填物のフロータイムはシースヒーターに粉体
を充填する際、製造上、特に作業効率上、重要な
要素であることはよく知られており、フロータイ
ムが200sec/100g以下、特に、183sec/100g以下
であることは従来の充填材に比較して、極めて生
産性が高くなり、産業上、意義のあることであ
る。 上記タツプ密度2.30g/cm3以上、フロータイム
が200sec/100g以下であつても、絶縁抵抗が600
℃で107Ω・cm以下であるマグネシア粉体はシー
スヒーターの充填物として実用に支障がある。 また、球形をしたマグネシア粉体であつても、
420〜44μmが90wt%未満になると流動性が悪い。
また、流動性から粒径44μm未満の割合は6wt%
とする必要があり、好ましくは2wt%以下がよ
い。更に同様の理由から粒径420μmを超える割合
は5wt%以下とする必要がある。 さらに、マグネシアの粒径は44〜420μmの範囲
のものが95重量%以上であることが好ましい。 これを第3図を参照して説明すれば、粒径
44μm未満の粒子、420μmを越える粒子、44〜
420μmの範囲の粒子の量を示す三角座標におい
て、X印の点と各辺で囲まれた領域、すなわち、
〇印の点が存在する領域の粒度分布が適当なより
好ましい範囲である。 上記領域外の粒度分布をもつマグネシア粉体で
はシースヒーターの寿命が低下する。これは粒径
のバラツキが多いため、シースに充填る際に偏析
が生じ、均一な絶縁性を有するヒーターが作れな
いためであると考えられる。 本発明において流動性の改良されたマグネシア
粉体は球形をした粉体である。ここで言う球形と
は断面がほぼ円に近い形をしているものである
が、必ずしも真円を意味するものではなく、第1
図に示すように断面の外周が凸の鋭角をもたず、
曲線または直線と曲線に囲まれているものを言
う。すなわち、全体の形状が球形をしているので
あつて、表面の平滑度の粗さに基づく程度の凹凸
があつても本発明で言う球形と言えるものであ
る。 上記マグネシア粉体の製造方法、例えば1600〜
1800℃以上の温度で焼成された1mm以下の所定の
組成の多結晶の高純度マグネシア粉を風力分級等
により、420μm以下、かつ、44μm以上に篩分す
る。 また、上記マグネシア焼結粉体をPH3以下の酸
性水溶液中で1分間以上攪拌し、上澄液を分離
後、水洗を充分に、例えば2回以上繰り返し、濾
過、乾燥するのが適当である。 以上説明したように本発明の、球形をした流動
性の良好なマグネシア粉体を、従来シースヒータ
ー用いられている電融マグネシア粉砕物と混合す
ると電融マグネシア単味のものよりも流動性が著
しく改良され、本発明のマグネシア焼結粉体を10
〜100重量%に従来の破砕した電融マグネシアを
90重量%以下混合して用いてもよい。また、単結
晶のマグネシア焼結粉体と混合して用いてもよ
い。 また上述の44〜420μmに粒度調整されたマグネ
シア焼結粉体をPH3以下の酸性溶液中で1分間以
上攪拌し、上澄液を分離後、十分に水洗をしたの
ち、濾過、乾燥したものも、本発明のマグネシア
焼結粉体である。すなわち、その表面に純物の少
ないマグネシア焼結粉体は前述の充填性、流動性
を損なうことなく、高温での絶縁抵抗が優れてい
る。 ここで言うマグネシアとは化学成分としては通
常マグネシアに不純物として含まれるCaO,
SiO2,Fe2O3,Al2O3,B2O3を含むとともに、焼
結助剤例えばZrO2を任意に含むもの、又、マグ
ネシア焼結粉体が高温多湿の雰囲気中に放置され
たときに、絶縁抵抗材が低下するのを防止する目
的でマグネシア粉末の表面にシリカやジコニア等
をコーテイングしてもよい。 本発における実施例の化学組成のうちMgO,
CaO,SiO2,Fe2O3,Al2O3,B2O3はマグネシア
粉末を塩酸水溶液で熱溶解したのち、またZrO2
はNa2CO3,Na2B2O7・10H2Oを用い、アルカリ
溶融したのち、硝酸水溶液に熱溶解した後、日本
ジヤーレルアツシユ製の575−製のICAPを用
いて測定した。 本発明の実施例のマグネシアにおける高温絶縁
抵抗は内径10mmの金属パイプと外径5mmの中心棒
の間〓に絶縁充填材を約25mmのさに1.5T/cm2の
圧力で圧縮充填したものに、白金線を取り付けて
電気炉内に置き、各温度での絶縁抵抗を測定した
(フエタリー法)。なお、用いた金属パイプならび
に中心棒の材質はsus.304である。 また、粉末のタツプ密度、フロータイムは
ASTM standards D2755に規定されている方法
によりアメリカのBoeh Tool and Die
Company製の装置を用いて測定した。 粒度分布はJIS標準篩を用いて篩分けて求めた。 また第1図および第2図のマグネシア焼結粉体
の断面の様子は供試料をエポキシ樹脂に埋め込
み、固化させたのち、アルミナ粉末やダイヤモン
ドペーストで研磨して、粉体の断面を出し反射顕
微鏡で撮影した。 つぎに実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。なお実施例に示す各成分の量(%)は重量%
である。 実施例 1 ロータリーキルンで2000℃の温度で焼成した1
mm以下の高純度マグネシア粉をステンレス製の金
鋼を用いて、420μmかつ44μmで篩い分けた。こ
のマグネシア焼結粉体の粒度分布を第1表に示
す。 また、本発明のマグネシア粉体をエポキシ樹脂
に埋め込み、固化させた後、研磨し、その断面を
反射顕微鏡で観察し、平均的な視野を三つ選び、
写真撮影したものである。その一つが第1図であ
り、本発明のマグネシア粉体の球形をしているの
が判る。 さらに、各視野の最大粒を選び、単結晶の数を
数えたところ、55個、87個、80個であつた。 さらにこのマグネシア焼結粉体の化学組成、タ
ツプ密度、フロータイムおよび600℃における絶
縁抵抗を第1表に示した。 実施例 2 実施例1のマグネシア焼結粉体2.5Kgを0.2N塩
酸溶液10に入れて5分間攪拌し、上澄液を捨て
て、水10を加えて攪拌水洗を2回行ない真空濾
過した。この濾滓をさらに水5をふりかけて水
洗し、120℃の熱風中で乾燥した。 このマグネシア焼結粉体の化学組成、タツプ密
度フロータイムおよび600℃における絶縁抵抗を
第1表に示した。 実施例 3 実施例1のマグネシア焼結粉体および市販のシ
ースヒーター用の電融マグネシアの粉末を下記の
第2表の混合重量割合で均一に混合し、タツプ密
度とフロータイムを測定した。その結果を第2表
に示す。 また、ここで用いた市販のシースヒーター用の
電融マグネシアの粉末を反射顕微鏡で観察した写
真が第2図であり、直線が交差した角張つた粉末
であつた。また、その粒度分布を第1表に示し
た。 また市販の電融マグネシアの化学組成、タツプ
密度、フロータイムを第1表の比較例として示
す。 実施例 4 ロータリーキルンで1900℃以上の温度で焼成し
た1mm以下の高純度マグネシア粉を風力分級機を
用いて420μm以上、44μm以下を分級除去した。
このマグネシア焼結粉体の化学組成タツプ密度、
フロータイムを第1表に示した。
【表】
【表】
*の列は比較例
実施例5および比較例 実施例1と同様にして得たマグネシア粉体に対
して、実施例1と同様に篩分した44μm未満の粒
子および420μmを越える粒子を加えた粉体の配合
割合とその粉体のフロータイムおよびタツプ密度
を下記第3表に示す。 第3図は上記配合割合を図示したものである。
実施例5および比較例 実施例1と同様にして得たマグネシア粉体に対
して、実施例1と同様に篩分した44μm未満の粒
子および420μmを越える粒子を加えた粉体の配合
割合とその粉体のフロータイムおよびタツプ密度
を下記第3表に示す。 第3図は上記配合割合を図示したものである。
以上説明したように、本発明の電気絶縁材料は
400〜600℃程度の高温における絶縁抵抗が高く、
かつ従来シースヒーターに使われている破砕され
た電融マグネシアに比べて、充填性、流動性に優
れており、また多結晶体なので品質安定性に優れ
ていて、シースヒーターの絶縁充填材として優れ
ているものである。
400〜600℃程度の高温における絶縁抵抗が高く、
かつ従来シースヒーターに使われている破砕され
た電融マグネシアに比べて、充填性、流動性に優
れており、また多結晶体なので品質安定性に優れ
ていて、シースヒーターの絶縁充填材として優れ
ているものである。
第1図は本発明のマグネシア粉の粒子構造を示
す顕微鏡写真、第2図は電融マグネシアを粉砕し
た従来のマグネシア粉の粒子構造を示す顕微鏡写
真、第3図は本発明のマグネシア粉の粒度分布の
一例を示すグラフである。
す顕微鏡写真、第2図は電融マグネシアを粉砕し
た従来のマグネシア粉の粒子構造を示す顕微鏡写
真、第3図は本発明のマグネシア粉の粒度分布の
一例を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 球形である多結晶のマグネシア粉体であつ
て、 (a) 化学組成が、 MgO≧96wt% CaO≦2.0wt% SiO2≦1.0wt% Fe2O3≦0.2wt% Al2O3≦1.2wt% B2O3≦0.1wt% (b) 絶縁抵抗が600℃で107Ω・cm以上、 (c) 粒径が420〜44μmの範囲の粒子が90wt% 以上で420μmを超えるものが5wt%以下で、
44μm未満が6wt%以下、 (d) フロータイムが200sec/100g以下、 (e) タツプ密度が2.30g/cm3以上 であるとを特徴とする電気絶縁材料用マグネシア
焼結粉体。 2 フロータイムが183sec/100g以下である特許
請求の範囲第1項に記載の電気絶縁材料用マグネ
シア焼結粉体。 3 絶縁抵抗が600℃で109Ω・cm以上である特許
請求の範囲第1項または第2項に記載の電気絶縁
材料用マグネシア焼結粉体。 4 マグネシア粉体が断面で100個以下の単結晶
の集合体である特許請求の範囲第1項ないし第3
項の何れかに記載の電気絶縁材料用マグネシア焼
結粉体。 5 球形である多結晶のマグネシア粉体であつ
て、 (a) 化学組成が、 MgO≧96wt% CaO≦2.0wt% SiO2≦1.0wt% Fe2O3≦0.2wt% Al2O3≦1.2wt% B2O3≦0.1wt% (b) 絶縁抵抗が600℃で107Ω・cm以上、 (c) 粒径が420〜44μmの範囲の粒子が90wt%以
上で420μmを超えるものが5wt%以下で、
44μm未満が6wt%以下、 (d) フロータイムが200sec/100g以下、 (e) タツプ密度が2.30g/cm3以上 である電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体を含有
することを特徴とする電気絶縁材料用マグネシア
粉体。 6 フロータイムが183sec/100g以下である特許
請求の範囲第5項に記載の電気絶縁材料用マグネ
シア粉体。 7 絶縁抵抗が600℃で109Ω・cm以上である特許
請求の範囲第5項または第6項に記載の電気絶縁
材料用マグネシア粉体。 8 マグネシア粉体が断面で100個以下の単結晶
の集合体である特許請求の範囲第5項ないし第7
項の何れかに記載の電気絶縁材料用マグネシア粉
体。 9 球形をしたマグネシア焼結粉体を420μmの篩
と44μmの篩で篩分することを特徴とする下記の
構成を有する電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体
の製造方法。 記 球形である多結晶のマグネシア粉体であつて、 (a) 化学組成が、 MgO≧96wt% CaO≦2.0wt% SiO2≦1.0wt% Fe2O3≦0.2wt% Al2O3≦1.2wt% B2O3≦0.1wt% (b) 絶縁抵抗が600℃で107Ω・cm以上、 (c) 粒径が420〜44μmの範囲の粒子が90wt% 以上で420μmを超えるものが5wt%以下で、
44μm未満が6wt%以下、 (d) フロータイムが200sec/100g以下、 (e) タツプ密度が2.30g/cm3以上。 10 マグネシア粉体を酸性溶液で洗浄する特許
請求の範囲第9項記載の電気絶縁材料用マグネシ
ア焼結粉体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27171787A JPH01115816A (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体、それを含有する電気絶縁材料用マグネシア粉体および電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27171787A JPH01115816A (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体、それを含有する電気絶縁材料用マグネシア粉体および電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01115816A JPH01115816A (ja) | 1989-05-09 |
JPH0541563B2 true JPH0541563B2 (ja) | 1993-06-23 |
Family
ID=17503858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27171787A Granted JPH01115816A (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体、それを含有する電気絶縁材料用マグネシア粉体および電気絶縁材料用マグネシア焼結粉体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01115816A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210135922A (ko) * | 2019-03-29 | 2021-11-16 | 다테호 가가쿠 고교 가부시키가이샤 | 구상 산화마그네슘, 그 제조 방법, 열전도성 필러 및 수지조성물 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS595505A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-12 | 日本電熱株式会社 | 発熱体用絶縁粉末の製造方法 |
JPS6286604A (ja) * | 1985-10-11 | 1987-04-21 | タテホ化学工業株式会社 | 電気絶縁充填材料の製造方法 |
-
1987
- 1987-10-29 JP JP27171787A patent/JPH01115816A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS595505A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-12 | 日本電熱株式会社 | 発熱体用絶縁粉末の製造方法 |
JPS6286604A (ja) * | 1985-10-11 | 1987-04-21 | タテホ化学工業株式会社 | 電気絶縁充填材料の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01115816A (ja) | 1989-05-09 |
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