JPH0540801A - タイミングシミユレーシヨンシステム - Google Patents

タイミングシミユレーシヨンシステム

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JPH0540801A
JPH0540801A JP3196571A JP19657191A JPH0540801A JP H0540801 A JPH0540801 A JP H0540801A JP 3196571 A JP3196571 A JP 3196571A JP 19657191 A JP19657191 A JP 19657191A JP H0540801 A JPH0540801 A JP H0540801A
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circuit
gain coefficient
unit
wiring
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Takahiro Tani
隆浩 谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スイッチレベルの動作をする素子を含む論理
回路モデルに対して高精度のタイミングシミュレーショ
ンを高速で実行可能にする。 【構成】 データ抽出部42がレイアウトパターンデー
タから回路接続データ、回路定数データ及び配線面積デ
ータを抽出し、β算出部46及びC算出部47がそれぞ
れ素子及び配線に固有の利得係数及び付随容量を算出し
てβ付与部48及びC付与部49がこれら利得係数及び
付随容量を回路接続データに付与し、タイミングシミュ
レーション実行部51が信号値変化が生じた等電位の配
線群に対して総負荷容量及び総利得係数を求めると共に
配線群上の信号値状態の遷移時間を算出し、これを伝播
遅延時間としてタイミングシミュレーションを実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、論理回路を形成する
レイアウトパターンの回路動作特性及び電気的遅延特性
を検証するタイミングシミュレーションシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6に従来のタイミングシミュレーショ
ンシステムのブロック系統図を示す。論理回路と等価な
レイアウトパターンデータを格納するレイアウトパター
ンデータ格納部1にレイアウトパターンデータから回路
定数データ及び配線面積データを抽出するデータ抽出部
2が接続されている。データ抽出部2には、抽出された
回路定数データ及び配線面積データをそれぞれ格納する
回路定数データ格納部3及び配線面積データ格納部4が
接続されており、これら回路定数データ格納部3及び配
線面積データ格納部4に論理回路を構成するゲート素子
に設定する遅延値を算出する遅延値算出部7が接続され
ている。この遅延値算出部7には、さらに論理回路の製
造工程に必要な種々のプロセスパラメータを格納するプ
ロセスパラメータ格納部5と、電源電圧v、周辺温度t
及び製造工程でのプロセスのばらつき変数p等の動作条
件データを格納する動作条件データ格納部6とが接続さ
れている。
【0003】一方、論理回路と等価な回路図データを入
力するための回路図入力部8に、回路接続データを生成
するための回路接続データ付与部9が接続され、この回
路接続データ付与部9に回路接続データ格納部11が接
続されている。また、遅延値算出部7に、算出された遅
延値を回路接続データ内の該当するゲート素子に設定す
る遅延値付与部10が接続され、この遅延値付与部10
が回路接続データ格納部11に接続されている。さら
に、回路接続データ格納部11には、素子毎に固有な遅
延値を有する回路モデルに対して論理シミュレーション
を実行する論理シミュレーション実行部13が接続され
ている。この論理シミュレーション実行部13には、回
路接続データに入力するためのテストパターンデータを
格納する入力パターンデータ格納部12が接続されると
共に信号値変化情報等のシミュレーション結果を表示す
るシミュレーション結果出力部14が接続されている。
【0004】次に、従来のタイミングシミュレーション
システムの作用を図7〜9を参照して説明する。図7
は、シミュレーション対象となる大規模デジタル回路を
構成する論理回路の回路図例である。図7において、G
1、G4及びG6はそれぞれPMOSトランジスタ、G
2、G3,G5及びG7はそれぞれNMOSトランジス
タを示している。また、N1、N2及びN3はそれぞれ
トランジスタG1、G2及びG3の入力信号線、N4は
トランジスタG1とG2の接続点に接続された内部信号
線、N5はトランジスタG2とG3との接続点に接続さ
れた内部信号線を示している。図7に示した論理回路の
一部に対応するレイアウトパターンデータを図8に示
す。図8において、15及び16は拡散領域、17及び
18はポリシリコン領域、19はアルミニウム(Al)
配線領域、20及び21はコンタクト領域をそれぞれ示
している。また、拡散領域15及び16とポリシリコン
領域17及び18とがそれぞれ重なる部分22及び23
はトランジスタQ1及びQ2のゲート形成領域を示して
いる。なお、トランジスタQ1及びQ2は、それぞれ図
7のトランジスタG1〜G7のいずれかに対応してい
る。
【0005】回路設計者は図6の回路図入力部8から図
8に示したような回路図データを入力すると、回路接続
データ付与部9は入力された回路図データから回路接続
データを得て、これを回路接続データ格納部11に格納
する。次に、レイアウトパターンデータを作成してレイ
アウトパターンデータ格納部1に格納し、データ抽出部
2によりレイアウトパターンデータから回路定数データ
及び配線面積データを抽出してこれらをそれぞれ回路定
数データ格納部3及び配線面積データ格納部4に格納す
る。なお、回路定数データとしては例えば図8のトラン
ジスタQ1のチャネル長L及びチャネル幅Wを抽出
し、配線面積データとしては例えばトランジスタQ1の
ドレイン拡散領域15aの幅a及び長さb、アルミ
ニウム配線領域19の面積A、ポリシリコン領域18
の面積A及びトランジスタQ2のゲート面積AG2を抽
出する。
【0006】次に、遅延値算出部7は回路定数データ格
納部3及び配線面積データ格納部4から回路定数データ
及び配線面積データを読み出すと共に予めプロセスパラ
メータ格納部5及び動作条件データ格納部6に格納され
ているプロセスパラメータ及び動作条件データを読み出
し、これらのデータを一般的な遅延値算出式に代入して
遅延値dを算出する。すると、遅延値付与部10は遅延
値算出部7で算出された遅延値dを回路接続データにト
ランジスタQ1の遅延値として設定する。以上の回路定
数データ及び配線面積データの抽出、遅延値の算出及び
付与の処理を回路接続データ内の全ての素子について実
行することにより、次の表1に示されるような遅延値が
付与された回路接続データが生成される。
【0007】
【0008】なお、この表1において、31は素子毎に
固有なゲート名、32は素子のタイプで、PはPMOS
トランジスタ、NはNMOSトランジスタを示す。ま
た、33、34及び35はそれぞれ素子のゲート端子、
ソース端子及びドレイン端子に接続される信号線(ネッ
ト)、36は素子毎に設定された遅延値を示している。
次に、上記の表1に示されるような遅延値付きの回路接
続データと入力パターンデータ格納部12に予め格納さ
れている機能評価用のテストパターンデータとから論理
シミュレーション実行部13は論理シミュレーションを
実行し、その後シミュレーション結果出力部14が回路
設計者に対して信号値変化情報等のシミュレーション結
果情報を表示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際の回路
においては、回路を構成するトランジスタ素子がスイッ
チレベルの動作をする場合、すなわちパスゲートとして
動作する場合、そのトランジスタ素子のオン/オフによ
って等電位となるネットの集合が動的に変化するためそ
のネットの集合の負荷容量の総和も動的に変動する。そ
の結果、このようなネットの集合を駆動するトランジス
タの総合的な利得係数も動的に変化し、トランジスタ素
子間の信号値伝播遅延値も動的に変化する。しかしなが
ら上述したように、従来は大規模デジタル回路の動特性
を高速に検証するため、まずレイアウトパターン情報に
対応した遅延値を算出し、この遅延値を回路を構成する
各素子に固有な定数として設定した上で回路動作のシミ
ュレーションを行っていた。このため、従来は正確な遅
延をシミュレートすることが困難であるという問題点が
あった。
【0010】例えば、図7の回路において、入力信号線
N3上に論理値0から1への信号値変化が生じ、これに
よってトランジスタG3の出力信号値すなわちネットN
5上の信号値が変化する場合、次段のトランジスタG6
及びG7に対する信号値伝播遅延時間dはネットN5
に接続されているトランジスタG2がオン状態にあるか
否かによって変化する。ところが、従来のタイミングシ
ミュレーションシステムでは遅延時間がトランジスタG
3に固有の定数として設定されるため、実際の回路の動
作を正確にシミュレートすることができなかった。この
発明はこのような問題点を解消するためになされたもの
で、スイッチレベルの動作をする素子を含む論理回路モ
デルに対して高精度のタイミングシミュレーションを高
速で行うことができるタイミングシミュレーションシス
テムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のタイミ
ングシミュレーションシステムは、論理回路のレイアウ
トパターンを規定したレイアウトパターンデータを格納
するレイアウトパターンデータ格納部と、前記レイアウ
トパターンデータ格納部に格納されたレイアウトパター
ンデータから論理回路を構成する素子間の接続関係を規
定した回路接続データ、素子の回路定数データ及び各素
子の拡散領域の寸法情報と各素子間の配線の寸法情報と
を含む配線面積データを抽出するデータ抽出部と、論理
回路の製造工程に必要なプロセスパラメータを格納する
プロセスパラメータ格納部と、前記データ抽出部で抽出
された回路定数データ及び前記プロセスパラメータ格納
部に格納されたプロセスパラメータに基づいて各素子の
利得係数を算出する利得係数算出部と、前記データ抽出
部で抽出された配線面積データ及び前記プロセスパラメ
ータ格納部に格納されたプロセスパラメータに基づいて
各配線に付随する容量を算出する付随容量算出部と、前
記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の各素子
に前記利得係数算出部で算出された利得係数を付与する
利得係数付与部と、前記データ抽出部で抽出された回路
接続データ内の各配線に前記付随容量算出部で算出され
た容量を付与する付随容量付与部と、前記利得係数付与
部及び前記付随容量付与部によりそれぞれ利得係数及び
付随容量が付与された回路接続データに対して、入力信
号を印加した場合の各素子の導通/遮断状態に伴って動
的に変化する互いに等電位の配線群の総負荷容量及びこ
れらの配線群を駆動する素子群の総利得係数を算出する
と共にこれらの配線群上に発生する信号値状態の遷移時
間を回路動作に応じて動的に算出し且つこの遷移時間を
次段の素子に論理信号値が伝播するのに要する遅延時間
としてタイミングシミュレーションを実行するタイミン
グシミュレーション実行部とを備えたものである。
【0012】また、請求項2に記載のタイミングシミュ
レーションシステムは、論理回路と等価な回路図データ
を入力するための回路図入力部と、前記回路図入力部に
より入力された回路図データに論理回路を構成する素子
の回路定数データ及び各素子間の配線に付随する容量を
付与するデータ付与部と、前記回路図入力部により入力
された回路図データから論理回路を構成する素子間の接
続関係を規定した回路接続データを抽出するデータ抽出
部と、論理回路の製造工程に必要なプロセスパラメータ
を格納するプロセスパラメータ格納部と、前記データ付
与部により付与された回路定数データ及び前記プロセス
パラメータ格納部により付与されたプロセスパラメータ
に基づいて各素子の利得係数を算出する利得係数算出部
と、前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の
各素子に前記利得係数算出部で算出された利得係数を付
与する利得係数付与部と、前記データ付与部及び前記利
得係数付与部によりそれぞれ付随容量及び利得係数が付
与された回路接続データに対して、入力信号を印加した
場合の各素子の導通/遮断状態に伴って動的に変化する
互いに等電位の配線群の総負荷容量及びこれらの配線群
を駆動する素子群の総利得係数を算出すると共にこれら
の配線群上に発生する信号値状態の遷移時間を回路動作
に応じて動的に算出し且つこの遷移時間を次段の素子に
論理信号値が伝播するのに要する遅延時間としてタイミ
ングシミュレーションを実行するタイミングシミュレー
ション実行部とを備えたものである。
【0013】
【作用】請求項1に記載のタイミングシミュレーション
システムにおいては、利得係数算出部及び付随容量算出
部が回路接続データ内の素子及び配線にそれぞれ固有の
利得係数及び付随容量を算出して利得係数付与部及び付
随容量付与部がそれぞれこれらを設定し、タイミングシ
ミュレーション実行部が信号値変化が発生した等電位の
配線群に対して総負荷容量及び総利得係数を求めると共
にこれらの値から配線群上の信号値状態の遷移時間を算
出し、これを伝播遅延時間としてタイミングシミュレー
ションを実行する。また、請求項2に記載のタイミング
シミュレーションシステムにおいては、利得係数算出部
が回路接続データ内の素子に固有の利得係数を算出して
利得係数付与部がこれを設定し、タイミングシミュレー
ション実行部が信号値変化が発生した等電位の配線群に
対して総負荷容量及び総利得係数を求めると共にこれら
の値から配線群上の信号値状態の遷移時間を算出し、こ
れを伝播遅延時間としてタイミングシミュレーションを
実行する。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1はこの発明の第1実施例に係るタイミ
ングシミュレーションシステムを示すブロック系統図で
ある。計算機上に構築されると共に論理回路と等価なレ
イアウトパターンデータを格納するレイアウトパターン
データ格納部41にデータ抽出部42が接続されてい
る。データ抽出部42は、レイアウトパターンデータか
ら論理回路を構成するトランジスタ素子間の接続関係を
規定した回路接続データ、各素子の回路定数データ及び
各素子の拡散領域の寸法情報と各素子間の配線の寸法情
報とを含む配線面積データを抽出するためのものであ
る。このデータ抽出部42には、抽出された回路定数デ
ータ及び配線面積データをそれぞれ格納する回路定数デ
ータ格納部43及び配線面積データ格納部44が接続さ
れている。
【0015】また、論理回路の製造工程に必要な種々の
プロセスパラメータを格納するプロセスパラメータ格納
部45が設けられており、このプロセスパラメータ格納
部45及び回路定数データ格納部43にプロセスパラメ
ータと回路定数データとに基づいて各トランジスタ素子
Gi(i=1,2,・・・)のトランジスタ利得係数β
iを算出するβ算出部46が接続されている。また、プ
ロセスパラメータ格納部45及び配線面積データ格納部
44にプロセスパラメータと配線面積データとに基づい
て各ネットNj(j=1,2,・・・)に付随する容量
Cjを算出するC算出部47が接続されている。なお、
ここで算出される容量Cjは、そのネットNj内に含ま
れる金属及びポリシリコン等の配線容量、そのネットN
jに接合するトランジスタ素子のドレイン拡散容量、ソ
ース拡散容量及びゲート容量を含むものである。さら
に、β算出部46及びC算出部47には、それぞれ算出
された利得係数βiを回路接続データ内のトランジスタ
素子Giに固有の属性値として設定するβ付与部48及
び算出された付随容量Cjを回路接続データ内のネット
Njに固有の属性値として設定するC付与部49が接続
されている。
【0016】データ抽出部42、β付与部48及びC付
与部49に回路接続データ格納部50が接続されてい
る。また、回路接続データに入力される論理回路評価用
のテストパターンデータを格納する入力パターンデータ
格納部52と、電源電圧v、周辺温度t及び製造工程で
のプロセスのばらつき変数p等の動作条件データを格納
する動作条件データ格納部53とが設けられており、回
路接続データ格納部50、入力パターンデータ格納部5
2及び動作条件データ格納部53にタイミングシミュレ
ーション実行部51が接続されている。このタイミング
シミュレーション実行部51は、回路接続データ格納部
50に格納されている回路接続データに対してタイミン
グシミュレーションを実行するものであり、入力パター
ンデータ格納部52に格納されたテストパターンデータ
に基づいてトランジスタ素子のオン/オフ状態に伴って
動的に変化する互いに等電位の配線群の総負荷容量C
total及びこれらの配線群を駆動する素子群の総利得係
数βtotal を算出する。さらに、タイミングシミュレー
ション実行部51は、これらの配線群上に発生する信号
値状態の遷移時間すなわち立ち下がり時間及び立ち上が
り時間を回路動作に応じて逐次動的に算出し、この遷移
時間を次段の素子に論理信号値が伝播するのに要する遅
延時間としてタイミングシミュレーションを実行する。
また、タイミングシミュレーション実行部51には、信
号値変化情報等のシミュレーション結果を表示するシミ
ュレーション結果出力部54が接続されている。
【0017】次に、この第1実施例に係るタイミングシ
ミュレーションシステムの作用を図2〜図4のフローチ
ャートを参照して説明する。シミュレーションの対象と
しては、図7に示した論理回路を例にとる。上述したよ
うに、この論理回路はPMOSトランジスタG1、G4
及びG6とNMOSトランジスタG2、G3,G5及び
G7とを有しており、図7において、N1、N2及びN
3はそれぞれトランジスタG1、G2及びG3の入力信
号線、N4はトランジスタG1とG2との接続点に接続
された内部信号線、N5はトランジスタG2とG3との
接続点に接続された内部信号線を示している。また、図
7の論理回路の一部に対応するレイアウトパターンデー
タが図8に示されている。図8において、15及び16
は拡散領域、17及び18はポリシリコン領域、19は
アルミニウム(Al)配線領域、20及び21はコンタ
クト領域をそれぞれ示している。また、拡散領域15及
び16とポリシリコン領域17及び18とがそれぞれ重
なる部分22及び23はトランジスタQ1及びQ2のゲ
ート形成領域を示している。なお、トランジスタQ1及
びQ2は、それぞれ図7のトランジスタG1〜G7のい
ずれかに対応している。
【0018】まず、回路設計者は図2のステップ57に
おいて、図7の論理回路と等価なレイアウトパターンデ
ータを作成してレイアウトパターンデータ格納部41に
格納すると共にテストパターンデータ及び動作条件デー
タを作成してそれぞれ入力パターンデータ格納部52及
び動作条件データ格納部53に格納する。次に、データ
抽出部42は、ステップ58で、レイアウトパターンデ
ータ格納部41に格納されたレイアウトパターンデータ
から回路接続データ、回路定数データ及び配線面積デー
タを抽出し、これらのデータをそれぞれ回路接続データ
格納部50、回路定数データ格納部43及び配線面積デ
ータ格納部44に格納する。ここで、回路接続データと
しては例えば以下の表2に示されるような内容のデータ
を抽出する。
【0019】
【0020】なお、この表2において、81は素子毎に
固有なゲート名、82は素子のタイプで、PはPMOS
トランジスタ、NはNMOSトランジスタを示す。ま
た、83、84及び85はそれぞれ素子のゲート端子、
ソース端子及びドレイン端子に接続される信号線(ネッ
ト)、86は素子毎に設定された利得係数、87はネッ
ト名、88はネット毎に設定された付随容量を示してい
る。ただし、図2のステップ58では、まだ利得係数8
6及び付随容量88は設定されない。また、回路定数デ
ータとしては例えば図8のトランジスタQ1のチャネル
長L及びチャネル幅Wを抽出し、配線面積データと
しては例えばトランジスタQ1のドレイン拡散領域15
aの幅a及び長さb、アルミニウム配線領域19の
面積A、ポリシリコン領域18の面積A及びトラン
ジスタQ2のゲート面積AG2を抽出する。
【0021】次に、β算出部46はステップ59で、回
路定数データ格納部43に格納されているトランジスタ
Giのチャネル長L及びチャネル幅Wとプロセスパ
ラメータ格納部45に予め格納されているゲート酸化膜
の誘電率ε及び膜厚toxとを読み出し、これらの値と予
めβ算出部46に保持されているチャネル内の電子の実
効的な表面移動度μとを用いて、以下の式1によりトラ
ンジスタGiの利得係数βiを算出する。
【0022】 βi=(με/tox)・(Wi/Li) ・・・(1)
【0023】このようにして算出された各トランジスタ
Giの利得係数βiは、β付与部48により、回路接続
データ格納部50に格納されている回路接続データの利
得係数86の指定欄に設定される。
【0024】一方、C算出部47はステップ60におい
て、配線面積データ格納部44及びプロセスパラメータ
格納部45から演算に必要なデータを読み出し、各ネッ
トNjに付随する容量Cjを算出する。以下、算出手順
を図7の回路を例にとって説明する。例えば、ネットN
4はPMOSトランジスタG1及びNMOSトランジス
タG2のドレイン端子とPMOSトランジスタG4及び
NMOSトランジスタG5のゲート端子に接合している
ため、このネットN4に付随する容量C4は次の式2に
より決定される。
【0025】 C4=CM4+CP4+CP5+CD1+CD2+CG4+CG5 ・・・(2)
【0026】この式2において、CM4は、ネットN4に
対応したレイアウト上のアルミニウム配線領域19とこ
の配線領域19の下に形成されている絶縁膜とこの絶縁
膜の下に形成されている半導体層とからなるキャパシタ
の配線容量を示しており、次の式3により算出される。
【0027】 CM4=(ε1/t1)A1 ・・・(3)
【0028】ここで、ε及びtはそれぞれ絶縁膜の
誘電率及び厚さ、Aは配線面積を示す。なお、絶縁膜
の誘電率ε及び厚さtはプロセスパラメータとして
プロセスパラメータ格納部45に格納されており、配線
面積Aは配線面積データ格納部44に格納されてい
る。同様にして、トランジスタG4及びG5のポリシリ
コン領域の容量CP4及びCP5を算出する。
【0029】一方、式2のCD1及びCD2はそれぞれトラ
ンジスタG1及びG2のドレイン拡散領域の容量を示す
が、一般に例えば図8に示されるトランジスタQ1のド
レイン拡散領域またはソース拡散領域の容量Cは次の
式4により算出することができる。
【0030】 CD=a1・b1・Ca+2(a1+b1)CP ・・・(4)
【0031】ここで、a及びbはそれぞれドレイン
拡散領域の幅及び長さを示し、配線面積データ格納部4
4に格納されている。また、C及びCはそれぞれド
レイン拡散領域とその直下の半導体層との単位面積当た
りの接合容量及びドレイン拡散領域とその周辺の半導体
層との単位長さ当たりの周辺容量を示しており、プロセ
スパラメータとトランジスタQ1の導電型式により決定
される。トランジスタQ1の導電型式は、図8のレイア
ウトパターンデータにおいてトランジスタQ1を形成す
る拡散領域の導電型成より得ることができる。この式4
を用いてトランジスタG1及びG2のドレイン拡散領域
の容量CD1及びCD2を算出する。
【0032】また、式2において、CG4及びCG5はそれ
ぞれトランジスタG4及びG5のMOSゲート容量を示
すが、一般に遅延に最も影響する線形領域におけるMO
Sゲート容量Cは次の式5により算出することができ
る。
【0033】 CG=(ε/tox)AG ・・・(5)
【0034】ここで、ε及びtoxはそれぞれゲート酸化
膜の誘電率及び厚さを示し、プロセスパラメータ格納部
45に格納されている。一方、Aはゲート面積を示
し、配線面積データ格納部44に格納されている。この
式5を用いてトランジスタG4及びG5のMOSゲート
容量CG4及びCG5を算出する。
【0035】以上のようにして、式2〜5によりネット
N4の付随容量C4を算出することができる。同様に、
回路内の任意のネットNjに付随する容量Cjは次の式
6で表現することができ、この式6を用いてC算出部4
7により各ネットNjの付随容量Cjが算出される。
【0036】
【数1】
【0037】式6において、ε及びtはそれぞれポ
リシリコン領域の直下に形成された絶縁膜の誘電率及び
厚さ、mはネットNjに接合されるドレイン及びソース
端子の数、kはネットNjに接合されるゲート端子の数
を示している。
【0038】このようにして算出された各ネットNjの
付随容量Cjは、C付与部49により、回路接続データ
格納部50に格納されている回路接続データの付随容量
88の指定欄に設定される。次に、タイミングシミュレ
ーション実行部51は、先のステップ57において回路
設計者が作成すると共にそれぞれ入力パターンデータ格
納部52及び動作条件データ格納部53に格納したテス
トパターンデータ及び動作条件データを読み出し、ステ
ップ61で回路接続データ格納部50に格納されている
回路接続データに対するタイミングシミュレーションを
開始する。
【0039】以下に、タイミングシミュレーション実行
部51の作用を説明する。まず、回路接続データに対し
てテストパターンデータを与えることにより論理回路内
のネット上に発生する論理的信号値変化(イベント)を
ステップ62で抽出する。次に、ステップ63で、イベ
ントが発生したネットに入力端子が接続されている次段
のトランジスタGiにおける入力イベント評価が行われ
る。すなわち、トランジスタGiの入力端子に生じたイ
ベントによって現時刻での出力信号値(出力端子に接続
されたネット上の信号値)が変化するか否かが評価され
る。そして、ステップ64でトランジスタGiの出力信
号値が変化しないと判定された場合はステップ62に戻
り、変化すると判定された場合は、ステップ65に進ん
でトランジスタGiの利得係数βi及びトランジスタG
iの出力端子に接続されるネットNjの付随容量Cjが
抽出される。
【0040】次に、ステップ66で、このネットNjに
接続される次段のトランジスタGnの端子タイプ(ドレ
イン端子、ソース端子及びゲート端子のいずれがネット
Njに接続しているかの情報)と素子タイプ及び現時刻
におけるトランジスタGnのオン/オフ情報が回路接続
データから抽出される。続くステップ67で次段のトラ
ンジスタGnの端子タイプ及びオン/オフ状態が判別さ
れ、端子タイプがソース端子で且つオン状態である場合
にはこのトランジスタGnの出力端子に接合するネット
NmがネットNjと等電位になると判断してステップ7
1に進み、それ以外の場合には等電位になる他のネット
は存在しないと判断してステップ75に進む。なお、M
OSトランジスタにおいては一般にソース及びドレイン
に関して双方向性を有しているため、通常はソース端子
とドレイン端子とを区別する必要はなく、トランジスタ
Gnの端子タイプがドレイン端子であってもステップ6
7の条件を満たしているものとする。
【0041】ステップ71に進むと、トランジスタGn
の利得係数βn及びトランジスタGnの出力端子に接続
されるネットNmの付随容量Cmが回路接続データから
抽出される。そして、ステップ72で等電位ネットの総
負荷容量Ctotal 及びこのネット群を駆動するトランジ
スタ群の総利得係数βtotal が求められる。総負荷容量
total は次の式7にネットNj及びNmの付随容量C
j及びCmを代入することにより算出され、変数Cjに
保持される。
【0042】 Ctotal=Cj+Cm ・・・(7)
【0043】一方、総利得係数βtotal は、トランジス
タが互いにシリアル接続されている場合、以下のように
して求めることができる。一般に、MOSトランジスタ
の線形領域におけるソース・ドレイン間電流Idsは第1
次近似により次の式8で表される。
【0044】 Ids=β[(Vgs−Vt)Vds−Vds ] ・・・(8)
【0045】ただし、0<Vds<Vgs−Vt であり、β
はトランジスタの領域係数、Vgsはゲート・ソース間電
圧、Vdsはドレイン・ソース間電圧、Vはしきい値電
圧を示す。また、トランジスタの出力コンダクタンス
は、式8をVdsについて微分することにより次の式9の
ようになる。
【0046】
【数2】
【0047】従って、トランジスタの出力抵抗(チャネ
ル抵抗)Rは次の式10で近似できる。
【0048】 RC=1/β(Vgs−Vt) ・・・(10)
【0049】すなわち、互いにシリアル接続されたトラ
ンジスタ群の総出力抵抗Rtotal は次の式11で表され
る。
【0050】
【数3】
【0051】また、式10から線形領域でのトランジス
タ利得係数βは次の式12で表すことができる。
【0052】 β=1/RC(Vgs−Vt) ・・・(12)
【0053】従って、総利得係数βtotal は式11及び
式12により、次の式13で表される。
【0054】 βtotal=βi・βn/(βi+βn) ・・・(13)
【0055】このようにして算出された総利得係数β
total は変数βiに保持される。なお、トランジスタ群
が互いにパラレル接続されている場合は、総出力抵抗R
totalがRtotal=1/(βi+βn)・(Vgs−Vt
となるので、総利得係数βtota l はβtotal=βi+β
n で表される。
【0056】次に、ステップ73においてネットNjの
名前を等電位ネットとして等電位テーブルに格納し、続
くステップ74で等電位ネットの検索対象をトランジス
タGiから等電位となる次段のトランジスタGnに移動
すると共にネットもネットNjから次段のネットNmに
移動させてステップ66に戻る。
【0057】以上のようにして総負荷容量Ctotal 及び
総利得係数βtotal が求められるが、ステップ67で等
電位になる他のネットがないと判断されると、ステップ
75に進んで等電位ネット上に発生する論理的な信号値
変化に要する遅延時間tが次のように算出される。電
源電圧をVddとして、信号値の立ち下がり時間を、出力
電圧Vが0.9Vddから0.1Vddまで変化するのに
要する時間であると定義すると、飽和領域V≧Vdd
においては一般的に次の式14が成立する。
【0058】 C(dV0/dt)+β(Vdd−Vt2/2=0 ・・・(14)
【0059】この式14を出力電圧Vについて0.9
ddからVdd−Vまで積分することにより、次の式1
5で表される飽和領域の立ち下がり時間tf1が求められ
る。
【0060】
【数4】
【0061】一方、非飽和領域V<Vdd−Vにおい
ては一般的に次の式16が成立する。
【0062】 C(dV0/dt)+β(Vdd−Vt)V0−V0 2/2=0 ・・・(16)
【0063】この式16を出力電圧VについてVdd
から0.1Vddまで積分することにより、次式17
で表される非飽和領域の立ち下がり時間tf2が求められ
る。
【0064】
【数5】
【0065】従って、立ち下がり時間tは次の式18
で表される。
【0066】
【数6】
【0067】式18においてV≒0.2Vddとする
と、立ち下がり時間tはt≒3.7C/βVddとな
る。同様に、立ち上がり時間tも│V│≒0.2V
ddとすると、t≒3.7C/βVddとなる。ここで、
遅延時間tを入力波形の50%値から出力波形の50
%値に至るまでの時間であると定義すると、遅延時間t
は次式19で表される。
【0068】 td=tf/2=tr/2=3.7C/2βVdd ・・・(19)
【0069】また、MOSトランジスタの温度tが上昇
すると、チャネルでの実効キャリア移動度μが減少す
る。このため、kを定数として一般的に次の式20が成
立する。
【0070】 β=kt-3/2 ・・・(20)
【0071】さらに、製造工程におけるプロセスのばら
つき変数pの遅延に対する関数f(p)を近似的に定義
できるとすると、上記の式19及び20から遅延時間t
は次の式21のようになる。
【0072】
【数7】
【0073】ここで、プロセス変数pは一回のシミュレ
ーション実行処理の間は変動しないため、そのシミュレ
ーションの前処理で関数f(p)の値を算出してこれを
定数としておけばよい。また、回路動作中にMOSトラ
ンジスタの温度t及び電源電圧Vddがそれぞれ一定であ
るとすると、上記の式21は次式22に変形できる。
【0074】 td=K・Ctotal/βtotal ・・・(22)
【0075】ただし、Kは次式23で表される定数であ
って、シミュレーションの前処理で算出することができ
る。
【0076】
【数8】
【0077】次に、ステップ76において、ネットNj
及び等電位テーブル内のネットに対して、変化後の信号
値をイベント情報として現シミュレーション時刻からt
時間後にスケジュールする。その後、ステップ77で
現シミュレーション時刻でのイベントを全て抽出・評価
したか否か判定し、まだ全てのイベントを抽出・評価し
終わっていない場合は、ステップ62に戻って次のイベ
ントの抽出が行われる。一方、ステップ77で全てのイ
ベントを抽出・評価し終わったと判定した場合には、ス
テップ78に進んで現シミュレーション時刻が予め回路
設計者により設定されたシミュレーション終了時刻に達
したか否かが判定される。そして、まだ終了時刻に達し
ていないと判定された場合は、ステップ79でタイミン
グシミュレーション実行部51によりシミュレーション
時刻が次のイベント発生の時点まで進められた後、ステ
ップ62に戻る。また、ステップ78の判定の結果、終
了時刻に達したと判定された場合には、ステップ80に
進んでシミュレーション結果出力部54により回路設計
者に対して信号値変化情報等、回路が正常に動作したか
否かを判断するのに必要なシミュレーション結果情報を
表示する。
【0078】なお、上記の実施例では、タイミングシミ
ュレーション実行部51が式22を用いて遅延時間t
を算出したが、回路動作中にMOSトランジスタの温度
tが変動するような環境におけるシミュレーションを実
行する場合には、次の式24を用いて遅延時間tを算
出すればよい。この式24において、KはK=3.
7f(p)/2kVddから求められる定数、a及びbは
定数、tはシミュレーション絶対時刻を示す。
【0079】 td=K1(Ctotal/βtotal)・(a・tA+b)3/2 ・・・(24)
【0080】また、回路動作中に電源電圧Vddが周期的
に変動するような環境におけるシミュレーションを実行
する場合には、次の式25を用いて遅延時間tを算出
すればよい。この式25において、KはK=3.7
3/2f(p)/2kから求められる定数、a及びbは
定数、tはシミュレーション絶対時刻を示す。
【0081】
【数9】
【0082】図5に第2実施例に係るタイミングシミュ
レーションシステムのブロック系統図を示す。図1のシ
ステムでは、レイアウトパターンデータについてシミュ
レーションを実施したが、この第2実施例においては回
路設計者が回路接続データに直接的に回路定数データ及
び付随容量を付与し、これをシミュレーションの対象と
する。これにより、レイアウト設計前の回路設計の検証
が可能になる。回路設計者が論理回路と等価な回路図デ
ータを入力するための回路図入力部89にデータ付与部
90が接続されている。データ付与部90は、回路図入
力部89から入力された回路図データにトランジスタの
回路定数データ及び各ネットの適当な付随容量Cjを付
与するためのものである。このデータ付与部90に回路
図データから回路接続データを抽出するデータ抽出部9
1が接続され、データ抽出部91にβ算出部46が接続
されている。このβ算出部46の他、プロセスパラメー
タ格納部45、β付与部48、回路接続データ格納部5
0、タイミングシミュレーション実行部51、入力パタ
ーンデータ格納部52、動作条件データ格納部53及び
シミュレーション結果出力部54は、それぞれ図1に示
される同一番号の部材と同じものを示している。
【0083】この第2実施例では、回路設計者が回路図
入力部89から回路図データを入力すると、データ付与
部90により回路図データに論理回路を構成するトラン
ジスタの回路定数データ及び各ネットの付随容量Cjが
付与される。次に、データ抽出部91で回路図データか
ら回路接続データが抽出され、回路接続データ格納部5
0に格納される。また、β算出部46はデータ付与部9
0により付与された回路定数データとプロセスパラメー
タ格納部45に格納されているプロセスパラメータとか
ら各トランジスタの利得係数βiを算出し、β付与部4
8がこの利得係数βiを回路接続データに付与する。こ
の回路接続データに対してタイミングシミュレーション
実行部51は第1実施例と同様にタイミングシミュレー
ションを実施する。
【0084】以上のように第2実施例によれば、各ネッ
トに適当な容量Cjを仮想的に付与して回路設計の検証
をレイアウト設計前に行うことが可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
タイミングシミュレーションシステムは、論理回路のレ
イアウトパターンを規定したレイアウトパターンデータ
を格納するレイアウトパターンデータ格納部と、前記レ
イアウトパターンデータ格納部に格納されたレイアウト
パターンデータから論理回路を構成する素子間の接続関
係を規定した回路接続データ、素子の回路定数データ及
び各素子の拡散領域の寸法情報と各素子間の配線の寸法
情報とを含む配線面積データを抽出するデータ抽出部
と、論理回路の製造工程に必要なプロセスパラメータを
格納するプロセスパラメータ格納部と、前記データ抽出
部で抽出された回路定数データ及び前記プロセスパラメ
ータ格納部に格納されたプロセスパラメータに基づいて
各素子の利得係数を算出する利得係数算出部と、前記デ
ータ抽出部で抽出された配線面積データ及び前記プロセ
スパラメータ格納部に格納されたプロセスパラメータに
基づいて各配線に付随する容量を算出する付随容量算出
部と、前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内
の各素子に前記利得係数算出部で算出された利得係数を
付与する利得係数付与部と、前記データ抽出部で抽出さ
れた回路接続データ内の各配線に前記付随容量算出部で
算出された容量を付与する付随容量付与部と、前記利得
係数付与部及び前記付随容量付与部によりそれぞれ利得
係数及び付随容量が付与された回路接続データに対し
て、入力信号を印加した場合の各素子の導通/遮断状態
に伴って動的に変化する互いに等電位の配線群の総負荷
容量及びこれらの配線群を駆動する素子群の総利得係数
を算出すると共にこれらの配線群上に発生する信号値状
態の遷移時間を回路動作に応じて動的に算出し且つこの
遷移時間を次段の素子に論理信号値が伝播するのに要す
る遅延時間としてタイミングシミュレーションを実行す
るタイミングシミュレーション実行部とを備えているの
で、スイッチレベルの動作をする素子を含む論理回路モ
デルに対して高精度のタイミングシミュレーションを高
速で行うことができる。
【0086】また、請求項2に記載のタイミングシミュ
レーションシステムは、論理回路と等価な回路図データ
を入力するための回路図入力部と、前記回路図入力部に
より入力された回路図データに論理回路を構成する素子
の回路定数データ及び各素子間の配線に付随する容量を
付与するデータ付与部と、前記回路図入力部により入力
された回路図データから論理回路を構成する素子間の接
続関係を規定した回路接続データを抽出するデータ抽出
部と、論理回路の製造工程に必要なプロセスパラメータ
を格納するプロセスパラメータ格納部と、前記データ付
与部により付与された回路定数データ及び前記プロセス
パラメータ格納部により付与されたプロセスパラメータ
に基づいて各素子の利得係数を算出する利得係数算出部
と、前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の
各素子に前記利得係数算出部で算出された利得係数を付
与する利得係数付与部と、前記データ付与部及び前記利
得係数付与部によりそれぞれ付随容量及び利得係数が付
与された回路接続データに対して、入力信号を印加した
場合の各素子の導通/遮断状態に伴って動的に変化する
互いに等電位の配線群の総負荷容量及びこれらの配線群
を駆動する素子群の総利得係数を算出すると共にこれら
の配線群上に発生する信号値状態の遷移時間を回路動作
に応じて動的に算出し且つこの遷移時間を次段の素子に
論理信号値が伝播するのに要する遅延時間としてタイミ
ングシミュレーションを実行するタイミングシミュレー
ション実行部とを備えているので、レイアウト設計前の
回路設計に対して高精度のタイミングシミュレーション
を高速で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るタイミングシミュ
レーションシステムを示すブロック系統図である。
【図2】第1実施例の作用を示すフローチャート図であ
る。
【図3】第1実施例の作用を示すフローチャート図であ
る。
【図4】第1実施例の作用を示すフローチャート図であ
る。
【図5】第2実施例に係るタイミングシミュレーション
システムを示すブロック系統図である。
【図6】従来のタイミングシミュレーションシステムを
示すブロック系統図である。
【図7】タイミングシミュレーションの対象となる回路
図である。
【図8】レイアウトパターンデータを示す図である。
【符号の説明】
41 レイアウトパターンデータ格納部 42 データ抽出部 43 回路定数データ格納部 44 配線面積データ格納部 45 プロセスパラメータ格納部 46 β算出部 47 C算出部 48 β付与部 49 C付与部 50 回路接続データ格納部 51 タイミングシミュレーション実行部 89 回路図入力部 90 データ付与部 91 データ抽出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 Ids=β[(Vgs−Vt)Vds−Vds /2] ・・・(8)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】ただし、0<Vds<Vgs−Vt であり、β
はトランジスタの利得係数、Vgsはゲート・ソース間電
圧、Vdsはドレイン・ソース間電圧、Vはしきい値電
圧を示す。また、トランジスタの出力コンダクタンス
は、式8をVdsについて微分することにより次の式9の
ようになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】以上のようにして総負荷容量Ctotal 及び
総利得係数βtotal が求められるが、ステップ67で等
電位になる他のネットがないと判断されると、ステップ
75に進んで等電位ネット上に発生する論理的な信号値
変化に要する遅延時間tが次のように算出される。電
源電圧をVddとして、信号値の立ち下がり時間を、出力
電圧Vが0.9Vddから0.1Vddまで変化するのに
要する時間であると定義すると、飽和領域V≧Vdd
においては、電荷Q=CVがIds=β(Vgs−V
)/2で放電するから、一般的に次の式14が成立す
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】一方、非飽和領域V<Vdd−Vにおい
ては、電荷Q=CVがIds=β[(Vgs−V)Vds
−Vds /2]で放電するから、一般的に次の式16が
成立する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 C(dV0/dt)+β{(Vdd−Vt)V0−V0 2/2}=0 ・・・(16)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 論理回路のレイアウトパターンを規定し
    たレイアウトパターンデータを格納するレイアウトパタ
    ーンデータ格納部と、 前記レイアウトパターンデータ格納部に格納されたレイ
    アウトパターンデータから論理回路を構成する素子間の
    接続関係を規定した回路接続データ、素子の回路定数デ
    ータ及び各素子の拡散領域の寸法情報と各素子間の配線
    の寸法情報とを含む配線面積データを抽出するデータ抽
    出部と、 論理回路の製造工程に必要なプロセスパラメータを格納
    するプロセスパラメータ格納部と、 前記データ抽出部で抽出された回路定数データ及び前記
    プロセスパラメータ格納部に格納されたプロセスパラメ
    ータに基づいて各素子の利得係数を算出する利得係数算
    出部と、 前記データ抽出部で抽出された配線面積データ及び前記
    プロセスパラメータ格納部に格納されたプロセスパラメ
    ータに基づいて各配線に付随する容量を算出する付随容
    量算出部と、 前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の各素
    子に前記利得係数算出部で算出された利得係数を付与す
    る利得係数付与部と、 前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の各配
    線に前記付随容量算出部で算出された容量を付与する付
    随容量付与部と、 前記利得係数付与部及び前記付随容量付与部によりそれ
    ぞれ利得係数及び付随容量が付与された回路接続データ
    に対して、入力信号を印加した場合の各素子の導通/遮
    断状態に伴って動的に変化する互いに等電位の配線群の
    総負荷容量及びこれらの配線群を駆動する素子群の総利
    得係数を算出すると共にこれらの配線群上に発生する信
    号値状態の遷移時間を回路動作に応じて動的に算出し且
    つこの遷移時間を次段の素子に論理信号値が伝播するの
    に要する遅延時間としてタイミングシミュレーションを
    実行するタイミングシミュレーション実行部とを備えた
    ことを特徴とするタイミングシミュレーションシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 論理回路と等価な回路図データを入力す
    るための回路図入力部と、 前記回路図入力部により入力された回路図データに論理
    回路を構成する素子の回路定数データ及び各素子間の配
    線に付随する容量を付与するデータ付与部と、 前記回路図入力部により入力された回路図データから論
    理回路を構成する素子間の接続関係を規定した回路接続
    データを抽出するデータ抽出部と、 論理回路の製造工程に必要なプロセスパラメータを格納
    するプロセスパラメータ格納部と、 前記データ付与部により付与された回路定数データ及び
    前記プロセスパラメータ格納部により付与されたプロセ
    スパラメータに基づいて各素子の利得係数を算出する利
    得係数算出部と、 前記データ抽出部で抽出された回路接続データ内の各素
    子に前記利得係数算出部で算出された利得係数を付与す
    る利得係数付与部と、 前記データ付与部及び前記利得係数付与部によりそれぞ
    れ付随容量及び利得係数が付与された回路接続データに
    対して、入力信号を印加した場合の各素子の導通/遮断
    状態に伴って動的に変化する互いに等電位の配線群の総
    負荷容量及びこれらの配線群を駆動する素子群の総利得
    係数を算出すると共にこれらの配線群上に発生する信号
    値状態の遷移時間を回路動作に応じて動的に算出し且つ
    この遷移時間を次段の素子に論理信号値が伝播するのに
    要する遅延時間としてタイミングシミュレーションを実
    行するタイミングシミュレーション実行部とを備えたこ
    とを特徴とするタイミングシミュレーションシステム。
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