JPH0540378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、漏洩防止機能を備えたベローズ弁の
改良に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種のベローズ弁においては、第２図
に示すように、ハンドル１の回転操作によるステ
ム２の上下動作に、使用流体が流通するボデイー
本体３内の流通路４の連通口５を全閉位置、中間
位置または全開位置に設定するデイスク６を追従
させて可動させるとともに、このデイスク６とス
テム２の周囲に使用流体と大気とを分離するベロ
ーズ７及び二次シール用のグランドパツキン８を
設けてなる構成を有するものがある。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記した従来構造のベローズ弁
にあつては、ベローズ７が疲労破壊した場合、た
とえグランドパツキン８により二次シールしてな
る構成であつても、使用流体の外部への漏洩を完
全に防止することが困難であるといつた問題があ
つた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の事情のもとになされたもの
で、その目的とするところは、使用流体の外部へ
の漏洩を完全に防止することができるようにした
ベローズ弁を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記した問題点を解決するために、本考案は、
ボデイー本体内の流通路に臨む弁室に軸方向移動
自在に挿通されたステムと、このステムの内端に
設けられて前記流通路を開閉するデイスクと、前
記ステムの外周にあつて両端が前記デイスク及び
弁室の一端内面に密封的に固定された第１のベロ
ーズと、この第１のベローズの外周空間に移動自
在に設けられた可動板と、前記第１のベローズの
外周にあつて両端が前記デイスク及び可動板に密
封的に固定された第２ベローズと、この第２のベ
ローズの外周にあつて両端が前記弁室の他端内面
及び可動板に密封的に固定された第３のベローズ
と、を含み、前記ボデイー本体、第１のベロー
ズ、デイスク、第２のベローズ、可動板及び第３
のベローズで囲まれた密閉空間に非圧縮性流体を
封入してなる構成としたものである。

［作用］ すなわち、本考案は、上記の構成とすることに
よつて、ボデイー本体、第１のベローズ、デイス
ク、第２のベローズ、可動板及び第３のベローズ
で囲まれた密閉空間に封入された非圧縮性流体の
圧力はボデイー本体内の流通路を流通する使用流
体の圧力と等しくなるため、第２のベローズ及び
第３のベローズの内外で差圧が発生することがな
く、第１のベローズが非圧縮性流体を介して使用
流体の圧力により疲労破壊しても非圧縮性流体が
外部に漏洩するだけで、使用流体の外部への漏洩
を第２のベローズ及び第３のベローズで完全に抑
えることが可能になる。

［実施例］ 以下、本考案を第１図に示す一実施例を参照し
ながら詳細に説明する。

第１図は本考案に係るベローズ弁の要部構成を
示すもので、図中１１はハンドルで、このハンド
ル１１の回転操作によるステム１２の上下動作
に、使用流体が流通するボデイー本体１３内の流
通路１４の連通口１５を全閉位置、中間位置また
は全開位置に設定するデイスク１６を追従させて
可動させるようになつている。

前記連通口１５に臨むボデイー本体１３の弁室
１３ａ内であつてステム１２の外周には、両端が
デイスク１６上面及びボデイー本体１３の内面の
上端に密封的に固定された第１のベローズ１７が
設けられ、この第１のベローズ１７の外周には、
デイスク１６上面及びその上方に移動自在に配置
された可動板２２の下面に密封的に固定された第
２のベローズ１８が設けられ、この第２のベロー
ズ１９の外周には、両端がボデイー本体１３の内
面の下端及び可動板２２の下面に密封的に固定さ
れた第３のベローズ１９が設けられている。２０
は第１のベローズ１７と第２のベローズ１８の間
から可動板２２の上面側に延びる空間と、第３の
ベローズ１９の外周側の空間とを連通させて一連
の密閉空間Ｓを形成するために可動板２２の外周
部に開設した連通孔である。ボデイー本体１３、
第１のベローズ１７、デイスク１６、第２ベロー
ズ１８、可動板２０及び第３のベローズ１９で囲
まれた密閉空間Ｓに非圧縮性流体２１が封入され
ている。

このため、ハンドル１１の回転操作によつて、
デイスク１６が図示の閉弁状態から開弁動作して
第１のベローズ１７が収縮されると、同時に第２
及び第３のベローズ１８，１９も収縮して、前記
密閉空間Ｓの容積が一定となるように可動板２２
が移動する。そして、常に前記密閉空間Ｓの非圧
縮性流体２１の圧力が、第２及び第３のベローズ
１８，１９の間の隙間１４ａに連なる流通路１４
内の使用流体の圧力と同圧になり、これによつ
て、第２のベローズ１８及び第３のベローズ１９
の内外で差圧が発生することがないため、第１の
ベローズ１７が非圧縮性流体２１を介して使用流
体の圧力により疲労破壊しても、非圧縮性流体２
１が外部に漏洩するだけで、使用流体の外部への
漏洩を第２のベローズ１８及び第３のベローズ１
９で完全に抑えるを可能にしているものである。

なお、本考案は、上記の実施例には何等限定さ
れず、本考案の要旨を変えない範囲で種々変更実
施されることは勿論である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、ステムの外周を、第１のベローズと、第２及
び第３のベローズからなる二重の密封構造とし、
これらのベローズの間に形成された密閉空間に非
圧縮性流体を封入したため、この密閉空間の圧力
は常に流通路内の使用流体の圧力と同圧になり、
第２のベローズ及び第３のベローズの内外で差圧
が発生することがなく、これによつて、第１のベ
ローズが非圧縮性流体を介して使用流体の圧力に
より疲労破壊しても非圧縮性流体が外部に漏洩す
るだけで、使用流体の外部への漏洩を第２のベロ
ーズ及び第３のベローズで完全に抑えることがで
きるというすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るベローズ弁の一実施例を
示す要部縦断側面図、第２図は従来のベローズ弁
の要部縦断側面図である。 １１……ハンドル、１２……ステム、１３……
ボデイー本体、１４……流通路、１５……連通
口、１６……デイスク、１７……第１のベロー
ズ、１８……第２のベローズ、１９……第３のベ
ローズ、２０……連通孔、２１……非圧縮性流
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイー本体内の流通路に臨む弁室に軸方向移
   動自在に挿通されたステムと、このステムの内端
   に設けられて前記流通路を開閉するデイスクと、
   前記ステムの外周にあつて両端が前記デイスク及
   び弁室の一端内面に密封的に固定された第１のベ
   ローズと、この第１のベローズの外周空間に移動
   自在に設けられた可動板と、前記第１のベローズ
   の外周にあつて両端が前記デイスク及び可動板に
   密封的に固定された第２のベローズと、この第２
   のベローズの外周にあつて両端が前記弁室の他端
   内面及び可動板に密封的に固定された第３のベロ
   ーズと、を含み、前記ボデイー本体、第１のベロ
   ーズ、デイスク、第２のベローズ、可動板及び第
   ３のベローズで囲まれた密閉空間に非圧縮性流体
   を封入したことを特徴とするベローズ弁。