JPH0232946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は各種プラントの配管内に設置され、シ
リンダ内への導入圧力によつて作動するベローズ
バルブに関する。

〔従来の技術〕

従来、上記ベローズバルブの一種として、第２
図に示すようなものがある。すなわち、図におい
て符号１は内部にシリンダ２および流体流路３を
形成してなるボデイ、４は前記シリンダ２に軸方
向往復動自在に内挿されて、一端部が、流体流路
３，３間に設けた弁孔５を開閉するデイスク６と
結合され、他端部が、ボデイ１の外部にヨーク７
を介して固設されているエアシリンダ８に気密的
かつ摺動自在に内挿されたピストン９より延びる
ピストンロツド１０にステムジヨイント１１によ
つて結合されてなるステム、１２はシリンダ２と
ステム４との間の空間内に伸縮自在に組込まれ
て、一端部がデイスク６に、他端部がベローズホ
ルダ１３を介してボデイ１に、それぞれ気密的に
固着されたベローズである。また、１４はエアシ
リンダ８内に弾装されてピストン９を押圧してな
るコイルスプリング、１５はボデイ１上端部のス
タフインボツクス内に圧入され、ヨーク７に固定
されたグランドプレート１６によりグランドプツ
シユ１７を介して抜止めされたグランドパツキ
ン、１８は前記ヨーク７をボデイ１に締付け固定
するロツクナツト、１９はステム４に植設され、
ボデイ１側の係合溝２０に対して軸方向摺動自在
に係合することにより前記ステム４の回り止め作
用を行なうガイドピンである。

かかる構成のベローズバルブは、エアシリンダ
８内に導入する空気圧の高低によるピストン９の
作動がピストンロツド１０、ステムジヨイント１
１およびステム４を介してデイスク６に伝達さ
れ、該デイスク６が充孔５の開閉を行ない、ま
た、該デイスク６とシリンダ２との摺動部から漏
洩した流体をベローズ１２によつてシールするも
のである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記構成においては、エアシリンダ８
とバルブ本体（ボデイ１）が分離されているた
め、該両者を結合せしめるヨーク７やロツクナツ
ト１８をはじめとして部品数が多くなり、当該バ
ルブ装置全体の寸法も比較的大きいものとなつて
いる。また、流路３内の流体が高圧である場合に
は、ベローズ１２の外周に掛かる、該流体の圧力
により、該ベローズ１２が破損し易くなる問題を
も有している。

本考案は、以上の点に鑑み、これを解消せんと
するためになされたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成する手段として、本考案ベロー
ズバルブは、内部にシリンダおよび流体流路の形
成してなるボデイの前記シリンダに、前記流体流
路を開閉するデイスクと、一端部が該デイスクに
結合されたステムを軸方向往復動自在に内挿する
とともに、前記シリンダの内室を前記デイスク側
の第１室と他側の第２室とに分離するごとく該シ
リンダに気密的かつ軸方向摺動自在に内挿され前
記両室の少なくとも一方の圧力変動によつて作動
するピストンに、前記ステムの他端部を結合し、
また、前記第１室に、一端が前記シリンダの内
壁、他端が前記ピストンへそれぞれ気密的に固着
されて内周空間が前記流体流路側に連通するベロ
ーズを内挿し、かつ前記ボデイに、前記第１室に
おけるベローズ外周空間へ圧力を導入するノズル
を開設した構成としたものである。

（作 用〕 すなわち、本考案によれば、デイスク、ステ
ム、ベローズおよびピストンがひとつのシリンダ
内に内挿されているため部品点数が少なく、全体
的に小型に設計することが可能となるほか、ベロ
ーズ内周に作用する前記流体流路側からの流体圧
力を、前記第１室（ベローズ外周空間）への圧力
導入によつて相殺し、ベローズの早期破損を防止
することができる。

〔実施例〕

つぎに、本考案ベローズバルブの一実施例を第
１図にもとづいて説明する。

符号２１は内部にシリンダ２２および流体流路
２３を形成してなるボデイ、２４はシリンダ２２
内に軸方向往復動自在に内挿されて、一端部が流
体流路２３，２３間に設けた弁孔２５を開閉する
デイスク２６と結合され、他端部がシリンダ２２
内室を前記デイスク２６側の第１室２７と他側の
第２室２８とに分離するごとく、該シリンダ２２
に気密的かつ摺動自在に内挿されたピストン２９
に結合されてなるステム、３０，３１はそれぞれ
第１室２７、第２室２８に開口された空気圧導入
用ノズル、３２は前記第１室２７内にあつて一端
がベローズホルダ３３を介してボデイ２１（シリ
ンダ２２）に、他端がピストン２９にそれぞれ気
密的に固着され、該ピストン２９の作動に伴つて
伸縮するベローズ、３４は前記第２室２８内に弾
装されてピストン２９を押圧し、ステム２４を介
してデイスク２６を常時閉動作せしめる方向に付
勢してなるコイルスプリングである。

以上の構成になる本実施例によれば、流体流路
２３内の流体圧力がデイスク２６とシリンダ２２
との摺動部３５およびステム２４とベローズホル
ダ３３との摺動部３６を通じてベローズ３２の内
周空間３７におよんでおり、ピストン２９を図上
上方へ移動せしめる方向に作用しているため、該
流体圧力が高圧である場合には第２室２８内の空
気圧を解除することにより、ピストン２９が上方
へ摺動してデイスク２６が開弁動作を行なう。こ
の場合には、ベローズ３２はその内周空間３７か
ら高い流体圧力を受けることとなるが、ノズル３
０より外周空間３８へ空気圧を導入することによ
つてこれを相殺することが可能であるため、該ベ
ローズ３２の早期破損を防止することができる。
また、可動部材であるデイスク２６、ステム２
４、ベローズ３２、ピストン２９およびコイルス
プリング３４がひとつのシリンダ２２内に内挿さ
れているため、既述第２図に示すような従来型の
ベローズバルブに比較して部品数が大幅に削減さ
れかつ著しく小型に設計可能となつている。

なお、上記においては、第２室２８内の空気圧
の解除により開弁動作するものとして説明した
が、配管システムによつては、これを第１室２７
（ベローズ外周空間３８）への加圧によつて開弁
動作するよう構成することも可能である。

〔考案の効果〕

以上の説明のとおり、本考案ベローズバルブ
は、可動部分であるデイスク、ステムおよびピス
トン等をひとつのシリンダ内に内挿し、かつベロ
ーズを前記ピストンに直結して、該ベローズ内周
において流体圧を受圧する構成としたため、部品
数を大幅に削減し、また装置を著しく小型化して
コストの低減を図ることができるばかりでなく、
ベローズの外周を加圧して、該ベローズ内周に掛
かる流体圧を相殺し、よつて該ベローズの寿命を
長久化することが可能となる等の著効を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るベローズバル
ブの縦断面図、第２図は従来例に係るベローズバ
ルブの縦断面図である。 ２１……ボデイ、２２……シリンダ、２３……
流体流路、２４……ステム、２６……デイスク、
２７……第１室、２８……第２室、２９……ピス
トン、３０，３１……ノズル、３２……ベロー
ズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にシリンダおよび流体流路を形成してなる
   ボデイの前記シリンダに、前記流体流路を開閉す
   るデイスクと、一端部が該デイスクに結合された
   ステムを軸方向往復動自在に内挿するとともに、
   前記シリンダの内室を前記デイスク側の第１室と
   他側の第２室とに分離するごとく、該シリンダに
   気密的かつ軸方向摺動自在に内挿され前記第１室
   および第２室のうち少なくとも一方の圧力変動に
   よつて作動するピストンに、前記ステムの他端部
   を結合し、また、前記第１室に、一端が前記シリ
   ンダの内壁、他端が前記ピストンへそれぞれ気密
   的に固着されて内周空間が前記流体流路側に連通
   するベローズを内挿し、かつ前記ボデイに、前記
   第１室におけるベローズ外周空間へ圧力を導入す
   るノズルを開設したことを特徴とするベローズバ
   ルブ。