JPH0540160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はトンネル掘削断面に対する吹付けコン
クリート施工法等に使用されるコンクリート型枠
に係るものである。

（従来の技術） 吹付けコンクリートの施工においては、型枠な
しで施工面にコンクリートを吹付けるため、コン
クリートの跳ね返り量が多く不経済となり、また
コンクリートの跳ね返りのため粉塵の発生による
環境の悪化等の問題が生起する。

このような問題点に対処するため、本考案者等
は曩に実開昭63−27600号公報において、型枠本
体に循環移動するように配設された吹付けコンク
リート面摺動用無端状型枠ベルトと、前記型枠本
体に内蔵された前記型枠ベルトの吹付けコンクリ
ート面圧着用加圧装置とを具えた型枠装置を提案
した。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら前記型枠装置は、トンネルの覆工
断面に即応して設計、製作されるもので、トンネ
ル掘削断面が異なる場合の転用性はない。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたものであつて、型枠本体、同本体に夫々
前後方向に亘つて循環自在に装架された吹付コン
クリート面摺動用の外側無端状型枠ベルト及び同
ベルトの内側面に添接された内側無端状駆動鎖
帯、前記型枠本体にコンクリート吹付面側に指向
して配設された前記無端状鎖帯の内側面加圧用回
転ローラ、同各回転ローラを夫々コンクリート吹
付面側に伸縮自在に支持する支持部材及び同支持
部材を支持する前後ローラ支持台よりなり、前記
後部ローラ支持台の前端部は段差を以つて前部ロ
ーラ支持台の下方に延設され、同延設部と前部後
部ローラ支持台との間に加圧用油圧ジヤツキが介
装されたことを特徴とする型枠装置に係るもので
ある。

（作用） 本考案に係る型枠装置は前記したように構成さ
れているので、同型枠装置をコンクリート吹付面
にセツトし、コンクリート打設時に前部ローラ支
持台の延段部上の油圧ジヤツキを作動して後部油
圧シリンダを引いて地山と前記型枠ベルトとの間
隙を大にし、コンクリートを容易に打設しうるよ
うにし、コンクリート打設後、油圧シリンダを作
動して前記無端状型枠ベルトを介してコンクリー
トを地山に圧着し、前記無端状型枠ベルト及び無
端状鎖帯を型枠本体の前後方向に亘つて循環移動
させ、前記型枠ベルトをしてコンクリート吹付面
を摺動せしめると同時に、加圧用ローラ群によつ
て無端状鎖帯を介して前記無端状型枠ベルトをコ
ンクリート吹付面に圧着し、同コンクリート吹付
面を平滑に仕上げる。

一方、型枠本体は前記型枠ベルト及び無端状鎖
帯に反力をとつて前進する。

而して本考案の型枠装置による施工対象となる
トンネル覆工断面が異なる場合、前記無端状鎖帯
の内側面加圧用ローラ群を構成する各ローラを型
枠本体に支持する支持部材を、コンクリート吹付
面側に伸縮調整することによつて、前記各ローラ
によつて加圧される無端状鎖帯によつて支持され
た型枠ベルトの表面形状を、前記トンネル覆工断
面に即応する形状に修正するものである。

（考案の効果） このように本考案に係る型枠装置によれば、型
枠本体に循環移動自在に装架された外側無端状型
枠ベルトの内側面に添接された、内側無端状鎖帯
の内側面加圧用回転ローラを、コンクリート吹付
面側に伸縮自在な支持部材を介して支持したこと
によつて、トンネル掘削断面曲線部の変化に対応
させることができ、単一の型枠装置でトンネル掘
削断面の異なる場合に転用することができるもの
である。また本考案によれば支保工なしにトンネ
ルの覆工工事に対応することができる。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１は門型の型枠本体で、その両側部片間に亘
り、前後両端において駆動ローラ２及び従動ロー
ラ３が軸架され、同両ローラ２，３間に亘つて外
側の無端状型枠ベルト４及び同型枠ベルト４の両
側縁内側面に添接された内側無端状鎖帯５が架渡
されている。

図中６，７は型枠ベルト４及び無端状鎖帯５の
テンシヨンローラ８はマニピユレータである。

９は前記無端状鎖帯５の内側面加圧用回転ロー
ラで、後述のようにコンクリート吹付面側に伸縮
自在な支持部材を介して前後の回転ローラ支持台
１０，１０′に支持され、後部支持台１０′は段差
を以つて前部ローラ支持台１０の下部に延設さ
れ、同延設部と前記ローラ支持台１０との間に加
圧用油圧ジヤツキ１１が介装されている。

第４図及び第５図は前記回転ローラ９の支持部
の詳細を示し、同回転ローラ９を軸架した回転ロ
ーラ保持枠１２より垂設された曲率修正用ボルト
１３が、回転ローラ支持台１０に固着された曲率
修正用ボルト支持枠１４に貫挿され、ナツト１５
によつて固定されるようになつている。

従つて同ナツト１５を操作することによつて前
記ボルト１３が吹付コンクリート面側に対して伸
縮するようになつている。

なお前記ボルト１３、回転ローラ保持枠１２、
曲率修正用ボルト支持枠１４及びナツト１５が前
記した回転ローラの伸縮自在な支持部材を構成す
るものである。

第６図及び第７図は同伸縮自在な支持部材の他
の例を示し、回転ローラ保持枠１２が回転ローラ
支持台１０上に支持された曲率修正用油圧ジヤツ
キ１６のピストンロツド１７に支持されている。
図中１８は同ピストンロツド１７が貫挿されたピ
ストンロツド保持枠である。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、マニピユレータ８によつて型枠本体１をト
ンネル掘削断面におけるコンクリート吹付面にセ
ツトし、前記ジヤツキ１１によつて前部支持台１
０と地山との間隙を大きくしてコンクリートの吹
付、打設作業を容易ならしめ、前記駆動ローラ２
を適宜駆動機構（図示せず）によつて駆動回転
し、同ローラ２と従動ローラ３との間に亘つて型
枠ベルト４及び無端状鎖帯５を循環移動せしめ、
型枠ベルト４を吹付けコンクリート面に沿つて移
動せしめると同時に、油圧ジヤツキ１１を作動し
て回転ローラ９、無端状鎖帯５を介して型枠ベル
ト４を吹付コンクリート面に圧着し、同面を平滑
に仕上げるとともに、吹付コンクリートを吹付面
に密着せしめ、吹付コンクリートの跳ね返り、及
びこれに伴なう粉塵の発生を防止する。

而してトンネル掘削断面の変化に伴なつて型枠
表面の曲線を修正するのに当つては、前記曲率修
正用ボルト１３、または油圧ジヤツキ１６のピス
トンロツド１７を伸縮することによつて、前記無
端状鎖帯５を介して型枠ベルト４の曲線形状を修
正するものである。

第１図の鎖線部４′はこのようにして型枠ベル
ト４の曲線形状を修正した状態を示すものであ
る。

図示の実施例によればこのように簡単な操作で
型枠ベルト４表面の曲線形状をトンネル掘削断面
の曲線部の変化に対応させ、同トンネル掘削断面
が異なる場合にも転用しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る型枠装置の一実施例の一
部を欠截して示した側面図、第２図及び第３図は
夫々第１図の矢視−図並に矢視−図、第
４図及び第５図は夫々回転ローラ支持部材の一例
を示し側面図並に部分正面図、第６図及び第７図
は夫々回転ローラ支持部材の他の例を示す側面図
並に部分正面図である。 １……型枠本体、４……型枠ベルト、５……無
端状鎖帯、９……回転ローラ、１３……曲率修正
用ボルト、１４……曲率修正用ボルト支持枠、１
５……ナツト、１６……曲率修正用油圧ジヤツ
キ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 型枠本体１、同本体に夫々前後方向に亘つて循
   環移動自在に装架された吹付コンクリート面摺動
   用の外側無端状型枠ベルト４及び同ベルト４の内
   側面に添接された内側無端状駆動鎖帯５、前記型
   枠本体１にコンクリート吹付面側に指向して配設
   された前記無端状鎖帯５の内側面加圧用回転ロー
   ラ９、同各回転ローラ９を夫々コンクリート吹付
   面側に伸縮自在に支持する支持部材１３及び同支
   持部材１３を支持する前後ローラ支持台１０，１
   ０′よりなり、前記後部ローラ支持台１０′の前端
   部は段差を以つて前部ローラ支持台１０の下方に
   延設され、同延設部と前部後部ローラ支持台１
   ０′との間に加圧用油圧ジヤツキ１１が介装され
   たことを特徴とする型枠装置。