JPH0540121U - 包装ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂シートを折曲げて形成される包装ケ
ースにおいて、樹脂同士の接着が難しい合成樹脂シート
の使用を可能にする。 【構成】 箱の展開形状で形成した合成樹脂シート１
に、紙シート２を接着し、その紙シート２の一方の側縁
を外側に突出して、接着用ののり代面６を形成する。上
記の構造では、紙シート２を介して合成樹脂シート１を
接着するので、合成樹脂シート同士の接着性能に関係な
く、シートを確実に接合することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、合成樹脂シートを折曲げて形成される包装ケースに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

従来、菓子や化粧品、小物等の包装材として、一目で内容物がわかるクリアボ ックスやクリアパッケージ等と呼ばれる合成樹脂製の包装ケースが多く利用され ている。

【０００３】 この種の包装ケースは、箱の展開形状に形成した透明な合成樹脂シートを箱状 に折曲げ、そのシートの重ね合せた一方の側縁に他方の側縁を接着して形成され ている。

【０００４】 ところで、上記の合成樹脂シートの樹脂材料としては、一般に、製造上の廉価 性や加工の容易性から塩化ビニールが用いられているが、このような塩化ビニー ルのシートは、焼却時に有毒ガスを発生し、環境を阻害する問題がある。

【０００５】 このため、最近では、塩化ビニールに代えて、ポリプロピレン（以下ＰＰとす る）やポリエチレンテレフタレート（以下ＰＥＴとする）等の有毒ガスを発生し ない樹脂材料を合成樹脂シートに使用することが強く求められている。

【０００６】 ところが、上記ＰＰやＰＥＴは、塩化ビニールに比べて硬く脆い特性があり、 それらを貼り加工できる適当な接着剤や、接着以外の手段で確実に固着できる方 法が実際上存在していない。このため、自動組立てによる包装ケースの量産化が 難しく、作業能率の向上が図れない問題があった。

【０００７】 そこで、この考案は、樹脂材料の接着性能等に関係なく、任意の合成樹脂シー トを用いて形成することができる包装ケースを提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案は、合成樹脂シートの接着側の側縁の一 方に、その側縁から外側に突出するのり代用シートを設けた構造としたのである 。

【０００９】 なお、上記のり代用シートには、紙シートを用いることができる。

【００１０】

【作用】

上記の構造においては、のり代用シートに合成樹脂シートと接着性の良い材質 のものを使用することにより、合成樹脂シートの両側縁を確実に接着することが できる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１は、包装ケースを形成するシートを分解状態で示したものであり、１は合 成樹脂シート、２は紙シートである。

【００１２】 合成樹脂シート１は、包装ケースの展開形状で形成され、上下の蓋板とフラッ プの間には予め切れ目３が形成されている。

【００１３】 また、紙シート２は、外形形状が合成樹脂シート１と類似の形状で形成され、 合成樹脂シート１の切れ目３に対応して切れ目４が形成されると共に、内側に複 数の透視窓５が設けられている。

【００１４】 この紙シート２は、図２に示すように合成樹脂シート１と重ね合せた状態で、 一方の側縁が外側に突出し、接着のためののり代面６を形成している。

【００１５】 上記の合成樹脂シート１と紙シート２は、紙シート２の表面全体に接着剤を塗 布し、その上に合成樹脂シート１を重ね合せ、上から加圧して接着される。

【００１６】 次に、図３に示すように、折曲げのためのけい線７に沿って合成樹脂シート１ だけを切断し、両シート１、２をけい線７に沿って折曲げる。

【００１７】 このように折曲げた状態では、図４に示すように、紙シート２ののり代面６が 側縁からはみ出た状態になるため、そののり代面６に、紙シート２の他方の側縁 の内面を接着させ、ケースを組立てる。

【００１８】 この紙シート２の側縁の接着は、紙同士の接着であるため、数多くの接着剤に より確実に接着させることができる。一方、紙シート２と合成樹脂シート１の接 着は、紙シート２がほとんどの接着剤で簡単に接着するため、合成樹脂シート１ の材質や機械的特性にあまり関係なく接着剤を選択することができ、安定して接 着させることができる。

【００１９】 上記のように組立てた包装ケースＡは、各けい線７に沿って折曲げると、図５ に示すように、けい線７の部分で合成樹脂シート１が切離され、紙シート２だけ が折曲げられる。このため、コーナ部の屈曲が柔軟になり、鋭角な角度で折曲げ ることができる。

【００２０】 また、ケースのコーナ部分が紙シート２で接合されるために、折曲げ操作を繰 り返しても破れたり割れたりする心配がない。

【００２１】 上記の構造では、合成樹脂シート同士が接着せずに紙シート２を介して接合さ れるため、合成樹脂シート１には機械的特性や接着性能等に関係なく任意の樹脂 材料を選ぶことができる。したがって、塩化ビニールと同様にＰＰやＰＥＴ等を 使用することが可能となり、有毒ガスを発生しない無公害の包装ケースを形成す ることができる。

【００２２】 また、紙シート２の材質は特に限定されないが、柔軟で簡単に折曲げられるも のがよく、かつ、折曲げ操作を繰り返しても破れない強靱な材質のものを使用す るのが望ましい。

【００２３】 図６は他の実施例を示す。この例では、前記実施例のように合成樹脂シートの 裏面全体に紙シートを接着せずに、合成樹脂シート１１に直接プレス等によって けい線を形成し、そのけい線１２から箱状に折曲げ、そのシートの接着側の一方 の側縁に、のり代用の紙シート１３を取付けている。

【００２４】 この構造では、紙シート１３を介して合成樹脂シート１１の側縁が接合される ので、ＰＰやＰＥＴ等の樹脂同士の接着が難しい合成樹脂製のシートでも確実に 接合することができる。

【００２５】 なお、上述した実施例では、のり代用シートとして紙シートを示したが、包装 ケースの外壁を形成する合成樹脂シートに対して接着性がよく、柔軟性を有する ものであればのり代用シートに使用することができ、例えば異種類の合成樹脂シ ートや、布製のシート、ホットメルトタイプのフィルムなどを利用することがで きる。

【００２６】

【効果】

以上のように、この考案は、合成樹脂シートをのり代用シートを介して接合す るので、合成樹脂シート同士の接着性能に関係なく、ケースを確実に接合するこ とができる。

【００２７】 したがって、包装ケースを自動組立機等によって機械的に組立てることが可能 となり、効率的な量産が図れる利点がある。また、塩化ビニールに代えてＰＰや ＰＥＴ等の合成樹脂材料を使用することができるので、焼却時に有毒ガスを発生 しない無公害の包装ケースを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の包装ケースを分解した状態で示す斜視
図

【図２】同上のシートを接着した状態で示す平面図

【図３】図２のIII −III 線に沿った拡大断面図

【図４】シートを折曲げた状態で示す斜視図

【図５】包装ケースのコーナ部を示す拡大断面図

【図６】他の実施例を示す斜視図

【符号の説明】

１ 合成樹脂シート ２ 紙シート ６ のり代面 ７ けい線 １１ 合成樹脂シート １２ けい線 １３ 紙シート Ａ 包装ケース

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂シートを箱形に折曲げて形成さ
   れる包装ケースにおいて、上記合成樹脂シートの接着側
   の側縁の一方に、その側縁から外側に突出するのり代用
   シートを設けたことを特徴とする包装ケース。
2. 【請求項２】 上記のり代用シートを紙シートとしたこ
   とを特徴とする請求項１に記載の包装ケース。