JPH0539358A - ポリシラン - Google Patents
ポリシランInfo
- Publication number
- JPH0539358A JPH0539358A JP23269391A JP23269391A JPH0539358A JP H0539358 A JPH0539358 A JP H0539358A JP 23269391 A JP23269391 A JP 23269391A JP 23269391 A JP23269391 A JP 23269391A JP H0539358 A JPH0539358 A JP H0539358A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polysilane
- group
- unsubstituted
- carbon atoms
- dichlorosilane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記一般式[1]で表される反復単位を有
し、ポリシランの主鎖を構成するケイ素原子にフェノー
ル性水酸基を有する基が2個導入されていることを特徴
とする。 【化1】 (式中R1 ,R2 は同一であっても異なっていてもよ
く、各々炭素数が0〜10の非置換もしくは置換アルキレ
ン基、炭素数が6〜14の非置換もしくは置換アリーレン
基を表し、R3 〜R12は同一であっても異なっていても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキ
シ基、炭素数1〜10の非置換もしくは置換アルキル基、
炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリール基を表し、
さらにR3 〜R12の隣接する2個の基が環構造を形成し
ていてもよいが、R3 〜R7 の少なくとも1個及びR8
〜R12の少なくとも1個は水酸基である。) 【効果】 均一性、規則性は富んだポリシランの成形体
を容易に得ることができる。
し、ポリシランの主鎖を構成するケイ素原子にフェノー
ル性水酸基を有する基が2個導入されていることを特徴
とする。 【化1】 (式中R1 ,R2 は同一であっても異なっていてもよ
く、各々炭素数が0〜10の非置換もしくは置換アルキレ
ン基、炭素数が6〜14の非置換もしくは置換アリーレン
基を表し、R3 〜R12は同一であっても異なっていても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキ
シ基、炭素数1〜10の非置換もしくは置換アルキル基、
炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリール基を表し、
さらにR3 〜R12の隣接する2個の基が環構造を形成し
ていてもよいが、R3 〜R7 の少なくとも1個及びR8
〜R12の少なくとも1個は水酸基である。) 【効果】 均一性、規則性は富んだポリシランの成形体
を容易に得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、側鎖に極性基を有する
ポリシランに関する。
ポリシランに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシランは、例えば、セラミックス用
プレカーサ、導電性材料、フォトコンダクター材料、半
導体材料、非線形光学材料等の分野における応用が進め
られており、興味深い物質となっている。
プレカーサ、導電性材料、フォトコンダクター材料、半
導体材料、非線形光学材料等の分野における応用が進め
られており、興味深い物質となっている。
【0003】従来より検討されているポリシランは、一
般的に、側鎖にアルキル基、フェニル基等の疎水基を有
するものである。これに対して、マクロモレキュール
(Macromolecule ),22(1989),p. 293等には側鎖に
極性基を有するポリシランが示されているが、このよう
なポリシランでは有機溶剤に対する親和性が優れてお
り、有機溶剤に分離せずに溶解することが可能である。
さらに、本出願人が先に提供した特開昭63−113021号に
開示のポリシランにおいては、側鎖にフェノール性水酸
基を有しているためアルカリ溶液にも可溶であり、各種
の用途への適用が可能でしかも回転塗布法により薄膜化
されるなど成形も容易であるという優れた利点を有して
いる。
般的に、側鎖にアルキル基、フェニル基等の疎水基を有
するものである。これに対して、マクロモレキュール
(Macromolecule ),22(1989),p. 293等には側鎖に
極性基を有するポリシランが示されているが、このよう
なポリシランでは有機溶剤に対する親和性が優れてお
り、有機溶剤に分離せずに溶解することが可能である。
さらに、本出願人が先に提供した特開昭63−113021号に
開示のポリシランにおいては、側鎖にフェノール性水酸
基を有しているためアルカリ溶液にも可溶であり、各種
の用途への適用が可能でしかも回転塗布法により薄膜化
されるなど成形も容易であるという優れた利点を有して
いる。
【0004】しかしながら、上述したようなポリシラン
は、薄膜等に成形された状態では均一性、規則性に欠け
るため、ポリシランが有する光学特性、半導体特性等が
充分に発揮されないという問題があった。
は、薄膜等に成形された状態では均一性、規則性に欠け
るため、ポリシランが有する光学特性、半導体特性等が
充分に発揮されないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ポリ
シランは近年炭素系ポリマに代わる材料としての期待が
大きいが、薄膜等を容易に形成でき、しかもこのときの
均一性、規則性が良好なポリシランが開発されていない
ため、未だ汎用には至っていない。本発明はこのような
問題に鑑み、均一性、規則性に富んだ成形体を容易に得
ることのできるポリシランを提供することを目的として
いる。
シランは近年炭素系ポリマに代わる材料としての期待が
大きいが、薄膜等を容易に形成でき、しかもこのときの
均一性、規則性が良好なポリシランが開発されていない
ため、未だ汎用には至っていない。本発明はこのような
問題に鑑み、均一性、規則性に富んだ成形体を容易に得
ることのできるポリシランを提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、下記
一般式[1]で表される反復単位を有するポリシランで
あり、換言すれば本発明のポリシランは、フェノール性
水酸基を有する基が2個導入されたケイ素原子を主鎖中
に有することを特徴としている。
一般式[1]で表される反復単位を有するポリシランで
あり、換言すれば本発明のポリシランは、フェノール性
水酸基を有する基が2個導入されたケイ素原子を主鎖中
に有することを特徴としている。
【0007】
【化2】
【0008】(式中R1 ,R2 は同一であっても異なっ
ていてもよく、各々炭素数が0〜10の非置換もしくは置
換アルキレン基、炭素数が6〜14の非置換もしくは置換
アリーレン基を表し、R3 〜R12は同一であっても異な
っていてもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、炭素数1〜10の非置換もしくは置換
アルキル基、炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリー
ル基を表し、さらにR3 〜R12の隣接する2個の基が環
構造を形成していてもよいが、R3 〜R7 の少なくとも
1個及びR8 〜R12の少なくとも1個は水酸基であ
る。)
ていてもよく、各々炭素数が0〜10の非置換もしくは置
換アルキレン基、炭素数が6〜14の非置換もしくは置換
アリーレン基を表し、R3 〜R12は同一であっても異な
っていてもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、炭素数1〜10の非置換もしくは置換
アルキル基、炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリー
ル基を表し、さらにR3 〜R12の隣接する2個の基が環
構造を形成していてもよいが、R3 〜R7 の少なくとも
1個及びR8 〜R12の少なくとも1個は水酸基であ
る。)
【0009】式中、炭素数が1〜10の非置換もしくは置
換アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等を意
味し、炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリール基と
は、フェニル,p−トリル,p−メトキシフェニル,p
−トリフルオロメチルフェニル,o−トリル,o−メト
キシフェニル,p−トリメチルシリルフェニル,p−ブ
チルフェニル,1−ナフチル,2−ナフチル,6−メチ
ル−2−ナフチル,6−メトキシ−2−ナフチル等を意
味する。具体的には、
換アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等を意
味し、炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリール基と
は、フェニル,p−トリル,p−メトキシフェニル,p
−トリフルオロメチルフェニル,o−トリル,o−メト
キシフェニル,p−トリメチルシリルフェニル,p−ブ
チルフェニル,1−ナフチル,2−ナフチル,6−メチ
ル−2−ナフチル,6−メトキシ−2−ナフチル等を意
味する。具体的には、
【0010】
【化3】 等が挙げられる。
【0011】本発明のポリシランは、平均分子量(M
W)が、1,000 〜1,000,000 、さらには4,000 〜500,00
0 であることが好ましい。この理由は、平均分子量が1,
000 未満では溶剤に溶かし塗布した際に良好な塗膜が得
られず、1,000,000 を越えると溶剤に対する溶剤性が低
下してしまうからである。
W)が、1,000 〜1,000,000 、さらには4,000 〜500,00
0 であることが好ましい。この理由は、平均分子量が1,
000 未満では溶剤に溶かし塗布した際に良好な塗膜が得
られず、1,000,000 を越えると溶剤に対する溶剤性が低
下してしまうからである。
【0012】また本発明のポリシランは、上記一般式
[1]で表される反復単位を含む共重合体であってよ
く、このとき、上記一般式[1]で表される反復単位以
外のものを含むことも許容される。ただしこの場合、上
記一般式[1]で表される反復単位が分子中に10%以
上、さらには50%以上存在することが好ましい。
[1]で表される反復単位を含む共重合体であってよ
く、このとき、上記一般式[1]で表される反復単位以
外のものを含むことも許容される。ただしこの場合、上
記一般式[1]で表される反復単位が分子中に10%以
上、さらには50%以上存在することが好ましい。
【0013】上述したような本発明のポリシランでは、
上記一般式[1]で表される反復単位において側鎖にフ
ェノール性水酸基を有する基が2個導入され対称性が良
好であるため、結晶性が高く、ひいては薄膜等に成形し
たとき均一性、規則性に富んだ成形体を得ることができ
る。
上記一般式[1]で表される反復単位において側鎖にフ
ェノール性水酸基を有する基が2個導入され対称性が良
好であるため、結晶性が高く、ひいては薄膜等に成形し
たとき均一性、規則性に富んだ成形体を得ることができ
る。
【0014】本発明のポリシランは、シリルエーテルで
保護したフェノール性水酸基を2個有するジクロロシラ
ンを有機溶剤中金属ナトリウムと反応させて容易に得る
ことができ、例えば、次のような方法により合成され
る。すなわちジ(m−フェノール)ジクロロシランの水
酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護し、トルエン
とヘプタンの混合溶剤中60〜80℃で金属ナトリウムと反
応させてポリマ化した後、テトラブチルアンモニウムフ
ルオライドを加え保護基を分解する。なお上記反応を60
〜80℃で行なうのは、80℃を越えるとポリマ化の際に保
護基が反応するおそれがあり、60℃未満だと金属ナトリ
ウムの分散が悪く反応が遅くなるからである。またこの
とき、ナトリウムカリウム合金やクラウンエーテル等を
添加して反応条件を制御してもよい。
保護したフェノール性水酸基を2個有するジクロロシラ
ンを有機溶剤中金属ナトリウムと反応させて容易に得る
ことができ、例えば、次のような方法により合成され
る。すなわちジ(m−フェノール)ジクロロシランの水
酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護し、トルエン
とヘプタンの混合溶剤中60〜80℃で金属ナトリウムと反
応させてポリマ化した後、テトラブチルアンモニウムフ
ルオライドを加え保護基を分解する。なお上記反応を60
〜80℃で行なうのは、80℃を越えるとポリマ化の際に保
護基が反応するおそれがあり、60℃未満だと金属ナトリ
ウムの分散が悪く反応が遅くなるからである。またこの
とき、ナトリウムカリウム合金やクラウンエーテル等を
添加して反応条件を制御してもよい。
【0015】本発明のポリシランは、光,電子線,X線
等の高エネルギー線により分解する。この性質を利用し
レジスト材料として使用することができる。その際、照
射する高エネルギー線の種類とポリシランの置換基の組
合わせにより、ポジ型,ネガ型両方のパターン形成が可
能となる。これは高エネルギー線照射により分解し、低
分子量化したポリシランが照射前の状態よりもアルカリ
性溶液に対する溶解性が高くなる場合と、照射による分
解で新しくできた活性種が反応してより高分子量化さ
れ、アルカリ可溶性が低くなる場合があるからである。
等の高エネルギー線により分解する。この性質を利用し
レジスト材料として使用することができる。その際、照
射する高エネルギー線の種類とポリシランの置換基の組
合わせにより、ポジ型,ネガ型両方のパターン形成が可
能となる。これは高エネルギー線照射により分解し、低
分子量化したポリシランが照射前の状態よりもアルカリ
性溶液に対する溶解性が高くなる場合と、照射による分
解で新しくできた活性種が反応してより高分子量化さ
れ、アルカリ可溶性が低くなる場合があるからである。
【0016】また、アクリロイル基(メタクロイル基,
ビニル基,ベンジル基)のような高エネルギー線により
重合する官能基をフェノール性水酸基、あるいはベンゼ
ン環に一部導入することによりネガ型のレジスト材料と
して使用することができる。この場合、露光した部分が
高分子量化し、他の部分よりもアルカリ溶液に対する溶
解性が低くなる。
ビニル基,ベンジル基)のような高エネルギー線により
重合する官能基をフェノール性水酸基、あるいはベンゼ
ン環に一部導入することによりネガ型のレジスト材料と
して使用することができる。この場合、露光した部分が
高分子量化し、他の部分よりもアルカリ溶液に対する溶
解性が低くなる。
【0017】さらに本発明のポリシランにおいては、ポ
リシランにアルカリ可溶性樹脂や感光剤を配合して感光
性組成物を調製することもできる。前記アルカリ可溶性
樹脂の配合により、精度の良いパターンの形成が可能と
なり、感光剤の配合により、ポリシラン単独では感光性
が低い波長の光に対する感度を向上できる。
リシランにアルカリ可溶性樹脂や感光剤を配合して感光
性組成物を調製することもできる。前記アルカリ可溶性
樹脂の配合により、精度の良いパターンの形成が可能と
なり、感光剤の配合により、ポリシラン単独では感光性
が低い波長の光に対する感度を向上できる。
【0018】また本発明のポリシランは、高温で加熱す
ることによりSiCとなるので、セラミック材料として
利用してもよい。この他本発明のポリシランは、アルコ
ール、ケトン、エーテル、エステル系の溶剤に対する溶
解性に優れスピンコーティング法、LB法等により容易
に成膜できることから、各種の用途への適用が可能であ
る。
ることによりSiCとなるので、セラミック材料として
利用してもよい。この他本発明のポリシランは、アルコ
ール、ケトン、エーテル、エステル系の溶剤に対する溶
解性に優れスピンコーティング法、LB法等により容易
に成膜できることから、各種の用途への適用が可能であ
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく
説明する。 実施例1
説明する。 実施例1
【0020】m−ブロモフェノール173 gをTHF(テ
トラヒドロフラン)300 mlに溶解し、得られた溶液にt
−ブチルジメチルシリルクロライド151 gのTHF溶液
300ml及びトリエチルアミン101 gのTHF溶液200 ml
を滴下した。滴下終了後、混合物を3時間加熱還流し
た。続いて、析出した塩を濾別し、濾液を濃縮後減圧蒸
留(b.p.120 〜125 ℃/4mmHg)を行なうことによっ
て、m−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベ
ンゼンを得た(収率52%)。
トラヒドロフラン)300 mlに溶解し、得られた溶液にt
−ブチルジメチルシリルクロライド151 gのTHF溶液
300ml及びトリエチルアミン101 gのTHF溶液200 ml
を滴下した。滴下終了後、混合物を3時間加熱還流し
た。続いて、析出した塩を濾別し、濾液を濃縮後減圧蒸
留(b.p.120 〜125 ℃/4mmHg)を行なうことによっ
て、m−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベ
ンゼンを得た(収率52%)。
【0021】次に、上記m−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)ブロモベンゼン28gと金属マグネシウム2.5
gをジエチルエーテルに溶解させてグリニャ試薬を調製
し、この試薬にテトラクロロシラン8.0 gのジエチルエ
ーテルに溶解させてグリニャ試薬を調製し、この試薬に
テトラクロロシラン8.0 gのジエチルエーテル溶液20ml
を滴下した。滴下終了後、混合物を3時間加熱還流し
た。続いて、不溶物を濾別し、濾液を濃縮後減圧蒸留
(b.p.230 〜250 ℃/1mmHg)を行なうことによって、
ジ[m−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニ
ル]ジクロロシランを得た(収率13%)。
ルオキシ)ブロモベンゼン28gと金属マグネシウム2.5
gをジエチルエーテルに溶解させてグリニャ試薬を調製
し、この試薬にテトラクロロシラン8.0 gのジエチルエ
ーテルに溶解させてグリニャ試薬を調製し、この試薬に
テトラクロロシラン8.0 gのジエチルエーテル溶液20ml
を滴下した。滴下終了後、混合物を3時間加熱還流し
た。続いて、不溶物を濾別し、濾液を濃縮後減圧蒸留
(b.p.230 〜250 ℃/1mmHg)を行なうことによって、
ジ[m−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニ
ル]ジクロロシランを得た(収率13%)。
【0022】次いで、前記ジ[m−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)フェニル]ジクロロシラン5.13gをヘ
プタン10mlに溶解させ溶液を調製する。一方、四つ口フ
ラスコに金属ナトリウム4.7 g、トルエン20g、ヘプタ
ン5gを加え加熱還流しながら激しく攪拌して、金属ナ
トリウムを分散させる。続いて系の温度を65℃に下げ、
前記溶液を滴下し、滴下終了後さらに3時間反応させ
た。反応終了後、アルゴン雰囲気中で未反応の金属ナト
リウムや析出した塩を濾別した。続いて濾液を減圧下濃
縮した後、メタノールとエタノールの混合溶剤中で攪拌
して下記構造[2]で表される反復単位を有するポリシ
ランを得た(収率6%)。得られたポリシランは、370n
m にλmax を有し、分子量(MW)は8000(GPC極大
値)であった。またIRには、シロキサンに対応する吸
収がなく、 1H−NMRには、6.5〜7.5ppmにかけてフ
ェニル基に基づく共鳴ピーク、1.0 〜2.5ppmにかけて、
t−ブチルジメチルシリル基に基づくピークが見られ、
上記のポリシランが合成されていることが確認された。
ルシリルオキシ)フェニル]ジクロロシラン5.13gをヘ
プタン10mlに溶解させ溶液を調製する。一方、四つ口フ
ラスコに金属ナトリウム4.7 g、トルエン20g、ヘプタ
ン5gを加え加熱還流しながら激しく攪拌して、金属ナ
トリウムを分散させる。続いて系の温度を65℃に下げ、
前記溶液を滴下し、滴下終了後さらに3時間反応させ
た。反応終了後、アルゴン雰囲気中で未反応の金属ナト
リウムや析出した塩を濾別した。続いて濾液を減圧下濃
縮した後、メタノールとエタノールの混合溶剤中で攪拌
して下記構造[2]で表される反復単位を有するポリシ
ランを得た(収率6%)。得られたポリシランは、370n
m にλmax を有し、分子量(MW)は8000(GPC極大
値)であった。またIRには、シロキサンに対応する吸
収がなく、 1H−NMRには、6.5〜7.5ppmにかけてフ
ェニル基に基づく共鳴ピーク、1.0 〜2.5ppmにかけて、
t−ブチルジメチルシリル基に基づくピークが見られ、
上記のポリシランが合成されていることが確認された。
【0023】
【化4】
【0024】さらに前記ポリシラン0.1 gをTHF10g
に溶解させ、得られた溶液にテトラブチルアンモニウム
フルオライドの1M%THF溶液0.46mlを加え、室温で
10分反応させた。次いで、過剰のテトラブチルアンモニ
ウムフルオライドを0.5 N塩酸で中和した後、ジエチル
エーテルで有機層を分離してポリシランを抽出した。さ
らに、このポリシランの溶液を濃縮後、トルエン中に滴
下し不溶分を乾燥してポリシランを精製した(収率59
%)。
に溶解させ、得られた溶液にテトラブチルアンモニウム
フルオライドの1M%THF溶液0.46mlを加え、室温で
10分反応させた。次いで、過剰のテトラブチルアンモニ
ウムフルオライドを0.5 N塩酸で中和した後、ジエチル
エーテルで有機層を分離してポリシランを抽出した。さ
らに、このポリシランの溶液を濃縮後、トルエン中に滴
下し不溶分を乾燥してポリシランを精製した(収率59
%)。
【0025】得られたポリシランは、370 nmにλmax を
有し、分子量(MW)は5000(GPC極大値)であっ
た。またIRには、シロキサンに対応する吸収がなく、
1H−NMRには、6.5 〜7.5 ppm にかけて、フェニル
基に基づく共鳴ピークが見られ、得られたポリシランは
下記構造式[3]で表される反復単位を有することがわ
かった。
有し、分子量(MW)は5000(GPC極大値)であっ
た。またIRには、シロキサンに対応する吸収がなく、
1H−NMRには、6.5 〜7.5 ppm にかけて、フェニル
基に基づく共鳴ピークが見られ、得られたポリシランは
下記構造式[3]で表される反復単位を有することがわ
かった。
【0026】
【化5】
【0027】さらに、このポリシランをエタノールに溶
解後、徐々にトルエンを加え、一夜放置してポリシラン
を析出させた。析出物をSEMにより観察したところ、
直径30μmの結晶状ポリマであり、得られたポリシラン
では結晶性が良好であることが確認された。 実施例2
解後、徐々にトルエンを加え、一夜放置してポリシラン
を析出させた。析出物をSEMにより観察したところ、
直径30μmの結晶状ポリマであり、得られたポリシラン
では結晶性が良好であることが確認された。 実施例2
【0028】p−ブロモフェノール173 gを出発原料と
して、以下実施例1と全く同様にして合成を行なった。
すなわち、まず前記p−ブロモフェノールのフェノール
性水酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護して、p
−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン
を得た(b.p.135 〜140 ℃/3mmHg、収率66%)。次
に、上記p−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロ
モベンゼンのグリニャ試薬を調製し、テトラクロロシラ
ンと反応させることによって、ジ[p−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)フェニル]ジクロロシランを得た
(b.p.179 ℃/0.5mmHg 、収率23%)。さらに金属ナト
リウムと反応させてポリマ化し、下記構造式[4]で表
される反復単位を有するポリシランを得た(収率8
%)。得られたポリシランは、365 nmにλmax を有し、
分子量(MW)は6000(GPC極大値)であった。また
IRには、シロキサンに対応する吸収がなく、 1H−N
MRには、6.5 〜7.0 ppm にかけて、フェニル基に基づ
く共鳴ピーク、1.0 〜2.5 ppm にかけて、t−ブチルジ
メチルシリル基に基づくピークが見られ、上記のポリシ
ランが合成されていることが確認された。
して、以下実施例1と全く同様にして合成を行なった。
すなわち、まず前記p−ブロモフェノールのフェノール
性水酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護して、p
−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン
を得た(b.p.135 〜140 ℃/3mmHg、収率66%)。次
に、上記p−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロ
モベンゼンのグリニャ試薬を調製し、テトラクロロシラ
ンと反応させることによって、ジ[p−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)フェニル]ジクロロシランを得た
(b.p.179 ℃/0.5mmHg 、収率23%)。さらに金属ナト
リウムと反応させてポリマ化し、下記構造式[4]で表
される反復単位を有するポリシランを得た(収率8
%)。得られたポリシランは、365 nmにλmax を有し、
分子量(MW)は6000(GPC極大値)であった。また
IRには、シロキサンに対応する吸収がなく、 1H−N
MRには、6.5 〜7.0 ppm にかけて、フェニル基に基づ
く共鳴ピーク、1.0 〜2.5 ppm にかけて、t−ブチルジ
メチルシリル基に基づくピークが見られ、上記のポリシ
ランが合成されていることが確認された。
【0029】
【化6】
【0030】さらに、前記ポリシランにテトラブチルア
ンモニウムフルオライドを加え保護基を分解し、得られ
たポリシランの溶液をジエチルエーテルで抽出後精製し
た(収率51%)。
ンモニウムフルオライドを加え保護基を分解し、得られ
たポリシランの溶液をジエチルエーテルで抽出後精製し
た(収率51%)。
【0031】得られたポリシランは、370 nmにλmax を
有し、分子量(MW)は4000(GPC極大値)であっ
た。またIRには、シロキサンに対応する吸収がなく、
1H−NMRには、6.5 〜7.0 ppm にかけて、フェニル
基に基づく共鳴ピークが見られ、得られたポリシランは
下記構造式[5]で表される反復単位を有することがわ
かった。
有し、分子量(MW)は4000(GPC極大値)であっ
た。またIRには、シロキサンに対応する吸収がなく、
1H−NMRには、6.5 〜7.0 ppm にかけて、フェニル
基に基づく共鳴ピークが見られ、得られたポリシランは
下記構造式[5]で表される反復単位を有することがわ
かった。
【0032】
【化7】
【0033】さらに、このポリシランをエタノールに溶
解後、徐々にトルエンを加え、一夜放置してポリシラン
を析出させた。析出物をSEMにより観察したところ、
直径30μmの結晶状ポリマであり、得られたポリシラン
では結晶性が良好であることが確認された。 比較例
解後、徐々にトルエンを加え、一夜放置してポリシラン
を析出させた。析出物をSEMにより観察したところ、
直径30μmの結晶状ポリマであり、得られたポリシラン
では結晶性が良好であることが確認された。 比較例
【0034】比較例として下記構造式[6]で表される
反復単位を有するポリシランを合成し、このポリシラン
をトルエンに溶解後、徐々にエタノールを加え、一夜放
置してポリシランを析出させた。析出物をSEMにより
観察したところ、アモルファス状の模様が見えるだけで
結晶状ポリマは確認できなかった。
反復単位を有するポリシランを合成し、このポリシラン
をトルエンに溶解後、徐々にエタノールを加え、一夜放
置してポリシランを析出させた。析出物をSEMにより
観察したところ、アモルファス状の模様が見えるだけで
結晶状ポリマは確認できなかった。
【0035】
【化8】 このように本発明のポリシランでは結晶性が高く、この
ため薄膜等に成形したときに均一性、規則性の良好な成
形体が得られることがわかる。
ため薄膜等に成形したときに均一性、規則性の良好な成
形体が得られることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のポリシラ
ンは有機溶剤に対する親和性、アルカリ溶液に対する溶
解性に優れ、薄膜等の成形体を容易に得ることができ
る。しかも本発明のポリシランによれば、結晶性が高く
得られる成形体の均一性、規則性も良好であることか
ら、ポリシランが本来有する特性が成形体でもそのまま
保持され各種の用途に好適に供することが可能である。
ンは有機溶剤に対する親和性、アルカリ溶液に対する溶
解性に優れ、薄膜等の成形体を容易に得ることができ
る。しかも本発明のポリシランによれば、結晶性が高く
得られる成形体の均一性、規則性も良好であることか
ら、ポリシランが本来有する特性が成形体でもそのまま
保持され各種の用途に好適に供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 義彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式[1]で表される反復単位を
有することを特徴とするポリシラン。 【化1】 (式中R1 ,R2 は同一であっても異なっていてもよ
く、各々炭素数が0〜10の非置換もしくは置換アルキレ
ン基、炭素数が6〜14の非置換もしくは置換アリーレン
基を表し、R3 〜R12は同一であっても異なっていても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキ
シ基、炭素数1〜10の非置換もしくは置換アルキル基、
炭素数6〜14の非置換もしくは置換アリール基を表し、
さらにR3 〜R12の隣接する2個の基が環構造を形成し
ていてもよいが、R3 〜R7 の少なくとも1個及びR8
〜R12の少なくとも1個は水酸基である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23269391A JPH0539358A (ja) | 1990-09-28 | 1991-09-12 | ポリシラン |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25695290 | 1990-09-28 | ||
JP2-256952 | 1990-09-28 | ||
JP23269391A JPH0539358A (ja) | 1990-09-28 | 1991-09-12 | ポリシラン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539358A true JPH0539358A (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=26530612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23269391A Pending JPH0539358A (ja) | 1990-09-28 | 1991-09-12 | ポリシラン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0539358A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8163863B2 (en) | 2005-12-07 | 2012-04-24 | Osaka Gas Co., Ltd. | Polysilane and polysilane-containing resin composition |
US10017610B2 (en) * | 2015-09-16 | 2018-07-10 | International Business Machines Corporation | Silicone-based thermal interface materials |
-
1991
- 1991-09-12 JP JP23269391A patent/JPH0539358A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8163863B2 (en) | 2005-12-07 | 2012-04-24 | Osaka Gas Co., Ltd. | Polysilane and polysilane-containing resin composition |
US10017610B2 (en) * | 2015-09-16 | 2018-07-10 | International Business Machines Corporation | Silicone-based thermal interface materials |
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