JP3184549B2 - アルコキシ基含有オルガノポリシランおよびその製造方法 - Google Patents
アルコキシ基含有オルガノポリシランおよびその製造方法Info
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- JP3184549B2 JP3184549B2 JP07633991A JP7633991A JP3184549B2 JP 3184549 B2 JP3184549 B2 JP 3184549B2 JP 07633991 A JP07633991 A JP 07633991A JP 7633991 A JP7633991 A JP 7633991A JP 3184549 B2 JP3184549 B2 JP 3184549B2
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明はポリシランおよびその製造
方法に関するものであり、詳しくは分岐状の骨格を持つ
アルコキシ基含有オルガノポリシランおよびその製造方
法に関するものである。
方法に関するものであり、詳しくは分岐状の骨格を持つ
アルコキシ基含有オルガノポリシランおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】ポリシランは、その
持っているケイ素−ケイ素結合に基づく特異な性質によ
り、様々な特性を発揮しうることで高機能性高分子とし
て期待されている。その技術的な応用可能性としては、
炭化ケイ素ファイバーなどのセラミックプレカーサー
や、フォトレジスト・光導電材料・非線形光学材料・光
反応開始剤などの光関連材料等が挙げられ、これらにつ
いては一部実用化が成されている。また金属を凌ぐ高導
電性も原理的には期待され、その検討も始まっている。
持っているケイ素−ケイ素結合に基づく特異な性質によ
り、様々な特性を発揮しうることで高機能性高分子とし
て期待されている。その技術的な応用可能性としては、
炭化ケイ素ファイバーなどのセラミックプレカーサー
や、フォトレジスト・光導電材料・非線形光学材料・光
反応開始剤などの光関連材料等が挙げられ、これらにつ
いては一部実用化が成されている。また金属を凌ぐ高導
電性も原理的には期待され、その検討も始まっている。
【0003】このように将来性が期待されているポリシ
ランではあるが、その合成法としては次のようなものが
知られている。 キッピング法:金属ナトリウムによ
るジクロロシランの縮合反応(ウルツカップリング)
ランではあるが、その合成法としては次のようなものが
知られている。 キッピング法:金属ナトリウムによ
るジクロロシランの縮合反応(ウルツカップリング)
【0004】
【化2】
【0005】 ヒドロシランの触媒的脱水素カップリ
ング(J. F. Harrodら、ジャーナルオブアメリカンケミ
カルソサエティ、 106巻、1859頁)
ング(J. F. Harrodら、ジャーナルオブアメリカンケミ
カルソサエティ、 106巻、1859頁)
【0006】
【化3】
【0007】 マスクドジシレンのアニオン重合(桜
井ら、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ、
111巻、7641頁)
井ら、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ、
111巻、7641頁)
【0008】
【化4】
【0009】(上記式中、R'はアルキル基、フェニル基
等である)現状では、では得られるポリシランの重合
度に限度があり、は出発原料の合成の問題があるた
め、未だ実験室レベルの検討段階である。現在工業的に
生産されているポリシランはすべてのキッピング法を
採っている。のキッピング法は操作としては簡便であ
り、出発原料は入手しやすいものであるが、反応機構と
しては複雑なものである。そのため、重合度の制御が困
難であり、分子量分布に2つのピークができる。また収
率も低く、置換基の位置制御や立体規則性の制御が難し
いという問題がある。これらの改善のために種々の検討
がなされている。例えば、S. Gauthier らはクラウンエ
ーテルのような相間移動触媒を添加することにより分子
量分布が改善され、重合反応速度も増加することを報告
している(マクロモレキュールズ、22巻、2213頁)。H.
K. Kim らは超音波の照射下に反応を行わせることによ
り単分散のポリマーが得られることを報告している(ジ
ャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ、 110巻、
3321頁)。松本らはジイソプロピルテトラクロロジシラ
ンのリチウムによる縮合により、梯子状の骨格を持つと
考えられるラダーポリシランの合成に成功した(ジャー
ナルオブケミカルソサエティ、ケミカルコミュニケーシ
ョン、1987年、1316頁)。また、P. A. Bianconiらはヘ
キシルトリクロロシランを超音波照射下、Na-K合金で処
理してケイ素骨格の不規則ネットワークを有するポリマ
ーを得ている(ジャーナルオブアメリカンケミカルソサ
エティ、 110巻、2342頁)。このように種々の検討が加
えられているが、キッピング法はアルカリ金属を用いる
反応であるため、本質的にアルカリ金属が化学量論量だ
け必要であり、大量の塩が副生するという問題がある。
等である)現状では、では得られるポリシランの重合
度に限度があり、は出発原料の合成の問題があるた
め、未だ実験室レベルの検討段階である。現在工業的に
生産されているポリシランはすべてのキッピング法を
採っている。のキッピング法は操作としては簡便であ
り、出発原料は入手しやすいものであるが、反応機構と
しては複雑なものである。そのため、重合度の制御が困
難であり、分子量分布に2つのピークができる。また収
率も低く、置換基の位置制御や立体規則性の制御が難し
いという問題がある。これらの改善のために種々の検討
がなされている。例えば、S. Gauthier らはクラウンエ
ーテルのような相間移動触媒を添加することにより分子
量分布が改善され、重合反応速度も増加することを報告
している(マクロモレキュールズ、22巻、2213頁)。H.
K. Kim らは超音波の照射下に反応を行わせることによ
り単分散のポリマーが得られることを報告している(ジ
ャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ、 110巻、
3321頁)。松本らはジイソプロピルテトラクロロジシラ
ンのリチウムによる縮合により、梯子状の骨格を持つと
考えられるラダーポリシランの合成に成功した(ジャー
ナルオブケミカルソサエティ、ケミカルコミュニケーシ
ョン、1987年、1316頁)。また、P. A. Bianconiらはヘ
キシルトリクロロシランを超音波照射下、Na-K合金で処
理してケイ素骨格の不規則ネットワークを有するポリマ
ーを得ている(ジャーナルオブアメリカンケミカルソサ
エティ、 110巻、2342頁)。このように種々の検討が加
えられているが、キッピング法はアルカリ金属を用いる
反応であるため、本質的にアルカリ金属が化学量論量だ
け必要であり、大量の塩が副生するという問題がある。
【0010】そのため、入手しやすい原料を用いて、化
学量論量のアルカリ金属を用いることなくポリシランを
得る方法が望まれている。このような方法はオリゴシラ
ンの合成についてはいくつかが知られている。例えば、
特開昭54−24874号公報には1,2−ジメトキシ
テトラメチルジシランを触媒量のナトリウムメトキシド
で処理することによってドデカメチルシクロヘキサシラ
ンが得られることが開示されている。また、特開昭57
−146790号公報にはその反応の反応条件を選ぶこ
とにより、その反応を中間段階のα,ω−ジメトキシオ
リゴシランの生成に止めておくことができることが述べ
られている。しかしながら、分子量の大きなアルコキシ
基含有のポリシランの簡便な合成法については知られて
いなかった。
学量論量のアルカリ金属を用いることなくポリシランを
得る方法が望まれている。このような方法はオリゴシラ
ンの合成についてはいくつかが知られている。例えば、
特開昭54−24874号公報には1,2−ジメトキシ
テトラメチルジシランを触媒量のナトリウムメトキシド
で処理することによってドデカメチルシクロヘキサシラ
ンが得られることが開示されている。また、特開昭57
−146790号公報にはその反応の反応条件を選ぶこ
とにより、その反応を中間段階のα,ω−ジメトキシオ
リゴシランの生成に止めておくことができることが述べ
られている。しかしながら、分子量の大きなアルコキシ
基含有のポリシランの簡便な合成法については知られて
いなかった。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は高分子量のアルコキシ基
含有オルガノポリシランの簡便な合成法を提供すること
であり、他の目的は従来のα,ω−ジメトキシオリゴシ
ランよりも分子量が大きく、更に高分子量のオルガノポ
リシランを合成するための中間体材料としても有用なア
ルコキシ基含有オルガノポリシランを提供することであ
る。
含有オルガノポリシランの簡便な合成法を提供すること
であり、他の目的は従来のα,ω−ジメトキシオリゴシ
ランよりも分子量が大きく、更に高分子量のオルガノポ
リシランを合成するための中間体材料としても有用なア
ルコキシ基含有オルガノポリシランを提供することであ
る。
【0012】
【発明の構成】本発明者は上記問題を解決し、入手しや
すい原料を用いて、化学量論量のアルカリ金属を用いる
ことなく、高分子量のポリシランを得る方法について検
討を行った結果、分子中に分岐構造を導入することによ
り、アルカリ金属を用いなくても簡便に高分子量化しう
ることを見出し、本発明をなすに到った。
すい原料を用いて、化学量論量のアルカリ金属を用いる
ことなく、高分子量のポリシランを得る方法について検
討を行った結果、分子中に分岐構造を導入することによ
り、アルカリ金属を用いなくても簡便に高分子量化しう
ることを見出し、本発明をなすに到った。
【0013】即ち、本発明は、
【0014】
【化5】
【0015】(式中、 Rはメチル基またはエチル基、R1
は炭素原子数1〜10のアルキル基、aは1,2または3
の数、bは0,1,2または3の数をそれぞれ表し、a
+bは1,2または3である)で表される構成単位から
なり、平均組成においてa/b比が1以上であり、かつ
一分子中のケイ素原子数が少なくとも8であることを特
徴とするアルコキシ基含有オルガノポリシラン、及び 一般式 R3-n(R1O)nSiSi(OR1)2R (II) (式中、 Rはメチル基またはエチル基、R1は炭素原子数
1〜10のアルキル基、nは1または2の数を表す)で表
されるオルガノトリアルコキシジシランおよび/または
オルガノテトラアルコキシジシランの少なくとも1種を
含むオルガノアルコキシジシランを 一般式 R2OM (III) (式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基、 Mはアル
カリ金属類から選ばれる金属を表す)で表されるアルカ
リ金属化合物の存在下に不均化反応させることを特徴と
するアルコキシ基含有オルガノポリシランの製造方法で
ある。
は炭素原子数1〜10のアルキル基、aは1,2または3
の数、bは0,1,2または3の数をそれぞれ表し、a
+bは1,2または3である)で表される構成単位から
なり、平均組成においてa/b比が1以上であり、かつ
一分子中のケイ素原子数が少なくとも8であることを特
徴とするアルコキシ基含有オルガノポリシラン、及び 一般式 R3-n(R1O)nSiSi(OR1)2R (II) (式中、 Rはメチル基またはエチル基、R1は炭素原子数
1〜10のアルキル基、nは1または2の数を表す)で表
されるオルガノトリアルコキシジシランおよび/または
オルガノテトラアルコキシジシランの少なくとも1種を
含むオルガノアルコキシジシランを 一般式 R2OM (III) (式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基、 Mはアル
カリ金属類から選ばれる金属を表す)で表されるアルカ
リ金属化合物の存在下に不均化反応させることを特徴と
するアルコキシ基含有オルガノポリシランの製造方法で
ある。
【0016】本製造法で出発原料として用いられる一般
式 R3-n(R1O)nSiSi(OR1)2R (式中、 Rはメチル基また
はエチル基、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基、nは
1または2の数を表す)で表されるオルガノアルコキシ
ジシランは、対応するオルガノクロロジシランをアルコ
ールと反応させることにより簡単に合成できる。かかる
オルガノクロロジシランは商業的な生産がなされている
オルガノクロロシランの直接合成の際の副生物としてそ
の蒸留残渣から容易に得ることができる。
式 R3-n(R1O)nSiSi(OR1)2R (式中、 Rはメチル基また
はエチル基、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基、nは
1または2の数を表す)で表されるオルガノアルコキシ
ジシランは、対応するオルガノクロロジシランをアルコ
ールと反応させることにより簡単に合成できる。かかる
オルガノクロロジシランは商業的な生産がなされている
オルガノクロロシランの直接合成の際の副生物としてそ
の蒸留残渣から容易に得ることができる。
【0017】かかるオルガノアルコキシジシランの置換
基 Rとしては、メチル基、エチル基であり、原料の入手
し易さの点から言えばメチル基が好ましい。アルコキシ
基 R1Oとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ヘキシル基などがあげられるが、反応
性や収量、生成ポリシランの分子量の点からいってメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基が最も好ましい。
基 Rとしては、メチル基、エチル基であり、原料の入手
し易さの点から言えばメチル基が好ましい。アルコキシ
基 R1Oとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ヘキシル基などがあげられるが、反応
性や収量、生成ポリシランの分子量の点からいってメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基が最も好ましい。
【0018】このようなオルガノアルコキシジシランと
しては、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリ
メチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,
2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリプロポキシ
−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリ
メトキシ−1,2,2−トリエチルジシランなどのオル
ガノトリアルコキシジシラン類、1,1,2,2−テト
ラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,
2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシランなどの
オルガノテトラアルコキシジシラン類が例示される。こ
れらオルガノトリおよび/またはテトラアルコキシジシ
ラン類は単独で用いても、また2種類以上を混合して用
いても良い。
しては、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリ
メチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,
2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリプロポキシ
−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリ
メトキシ−1,2,2−トリエチルジシランなどのオル
ガノトリアルコキシジシラン類、1,1,2,2−テト
ラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,
2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシランなどの
オルガノテトラアルコキシジシラン類が例示される。こ
れらオルガノトリおよび/またはテトラアルコキシジシ
ラン類は単独で用いても、また2種類以上を混合して用
いても良い。
【0019】また、オルガノジアルコキシジシラン類
や、オルガノモノアルコキシジシラン類を任意に混合し
て用いても良い。このようなオルガノジアルコキシジシ
ランとしては、1,1−ジメトキシ−1,2,2,2−
テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,
2,2−テトラメチルジシランやこれらのエトキシ置換
体などが例示され、オルガノモノアルコキシシランとし
ては、1−メトキシ−1,1,2,2,2−ペンタメチ
ルジシランや1−エトキシ−1,1,2,2,2−ペン
タメチルジシランなどが例示される。
や、オルガノモノアルコキシジシラン類を任意に混合し
て用いても良い。このようなオルガノジアルコキシジシ
ランとしては、1,1−ジメトキシ−1,2,2,2−
テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,
2,2−テトラメチルジシランやこれらのエトキシ置換
体などが例示され、オルガノモノアルコキシシランとし
ては、1−メトキシ−1,1,2,2,2−ペンタメチ
ルジシランや1−エトキシ−1,1,2,2,2−ペン
タメチルジシランなどが例示される。
【0020】R2OMで表されるアルカリ金属化合物は、オ
ルガノアルコキシジシランが不均化し、ポリシランとア
ルコキシシランとなる反応を促進する触媒として働く。
ここで R2O基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基などがあげられるが、反応生成物にアルコキシ
スクランプルを起こさないという点からはオルガノアル
コキシジシランの R1O基と同一であることが好ましい。
ルガノアルコキシジシランが不均化し、ポリシランとア
ルコキシシランとなる反応を促進する触媒として働く。
ここで R2O基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基などがあげられるが、反応生成物にアルコキシ
スクランプルを起こさないという点からはオルガノアル
コキシジシランの R1O基と同一であることが好ましい。
【0021】本製造方法においては上述のオルガノアル
コキシジシランに適当量のR2OMを添加し、常温で、もし
くは加熱下に攪拌することによってオルガノポリシラン
が得られる。R2OMの添加量としてはオルガノアルコキシ
ジシランに対し2〜15重量%が好ましい。添加量が少な
すぎると反応が遅く、多すぎると生成したオルガノポリ
シランのクラッキングが起きやすくなる。
コキシジシランに適当量のR2OMを添加し、常温で、もし
くは加熱下に攪拌することによってオルガノポリシラン
が得られる。R2OMの添加量としてはオルガノアルコキシ
ジシランに対し2〜15重量%が好ましい。添加量が少な
すぎると反応が遅く、多すぎると生成したオルガノポリ
シランのクラッキングが起きやすくなる。
【0022】本反応はニートの状態で行っても良いし、
また、溶媒の存在下に反応を行わせても良い。これに用
いられる溶媒としては非プロトン性のものなら用いるこ
とができるが、極性を持ったものの方が好ましい。かか
る溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジ−n−ブチル
エーテル、ジメトキシエタンなどが例示される。プロト
ン性極性溶媒はケイ素−ケイ素結合の切断を引き起こす
ため好ましくない。
また、溶媒の存在下に反応を行わせても良い。これに用
いられる溶媒としては非プロトン性のものなら用いるこ
とができるが、極性を持ったものの方が好ましい。かか
る溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジ−n−ブチル
エーテル、ジメトキシエタンなどが例示される。プロト
ン性極性溶媒はケイ素−ケイ素結合の切断を引き起こす
ため好ましくない。
【0023】本反応の終了後、濾過などにより触媒のR2
OMを除去した後、ストリップ等で副生するアルコキシシ
ランや溶媒を除去することにより分岐状ポリシランを得
ることができる。
OMを除去した後、ストリップ等で副生するアルコキシシ
ランや溶媒を除去することにより分岐状ポリシランを得
ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、オルガノクロロシラン
の直接合成蒸留残渣からたやすく得られる原料を用い
て、化学量論量のアルカリ金属を用いることなく、高分
子量のアルコキシ基含有オルガノポリシランが簡便に得
られる。本発明により得られた分岐状ポリシランはその
ままで、もしくはさらに高分子量化させて前述の如きセ
ラミックプレカーサーや光関連材料等の種々の用途に用
いることができる。
の直接合成蒸留残渣からたやすく得られる原料を用い
て、化学量論量のアルカリ金属を用いることなく、高分
子量のアルコキシ基含有オルガノポリシランが簡便に得
られる。本発明により得られた分岐状ポリシランはその
ままで、もしくはさらに高分子量化させて前述の如きセ
ラミックプレカーサーや光関連材料等の種々の用途に用
いることができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらは単
に例示であり、これらによって本発明は何らの制限を受
けるものではない。以下に示す粘度は25℃における粘度
であり、部は重量部を示す。
に例示であり、これらによって本発明は何らの制限を受
けるものではない。以下に示す粘度は25℃における粘度
であり、部は重量部を示す。
【0026】実施例1 テトラヒドロフラン 200部にナトリウムエトキシド4部
を分散させた中に、1,1,2−トリエトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部を室温で10分間かけて
加えた。室温で24時間攪拌した後、反応混合物を濾過し
ナトリウムエトキシドを除去した後、テトラヒドロフラ
ンと低沸点物を留去し、14部の高粘度液状のポリシラン
を得た。NMRよりこのポリシランはまだエトキシ基を
含んでいることが分かった。メチル基とエトキシ基のモ
ル比は約3:1であった。GPCによるポリスチレン換
算分子量は約 810であった。
を分散させた中に、1,1,2−トリエトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部を室温で10分間かけて
加えた。室温で24時間攪拌した後、反応混合物を濾過し
ナトリウムエトキシドを除去した後、テトラヒドロフラ
ンと低沸点物を留去し、14部の高粘度液状のポリシラン
を得た。NMRよりこのポリシランはまだエトキシ基を
含んでいることが分かった。メチル基とエトキシ基のモ
ル比は約3:1であった。GPCによるポリスチレン換
算分子量は約 810であった。
【0027】また、低沸点物は不均化副生物であるメチ
ルトリエトキシシランとジメチルジエトキシシランを含
んでいることが、GLCにより確認された。
ルトリエトキシシランとジメチルジエトキシシランを含
んでいることが、GLCにより確認された。
【0028】実施例2〜7、比較例1表1に示す出発原
料および触媒を用いて実施例1と同様の反応操作を行
い、相当するポリシランを得た。結果を表1に示す。
尚、表中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル
基を表す。
料および触媒を用いて実施例1と同様の反応操作を行
い、相当するポリシランを得た。結果を表1に示す。
尚、表中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル
基を表す。
【0029】
【表1】
【0030】*1:生成物はドデカメチルシクロヘキサシ
ラン 実施例8〜11、比較例2 テトラヒドロフランの代わりに表2に示す溶媒を用いて
実施例1と同様の反応操作を行い、ポリシランを得た。
結果を表2に示す。
ラン 実施例8〜11、比較例2 テトラヒドロフランの代わりに表2に示す溶媒を用いて
実施例1と同様の反応操作を行い、ポリシランを得た。
結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】*2:原料ジシラン分解 実施例12 テトラヒドロフラン 200部にカリウムt−ブトキシド2
部を分散させた中に、1,1,2−トリメトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部を室温で10分間かけて
加えた。70℃で10時間攪拌し、冷却後反応混合物を濾過
しカリウムt−ブトキシドを除去した後、テトラヒドロ
フランと低沸点物を留去し、20部の高粘度液状のポリシ
ランを得た。GPCによるポリスチレン換算分子量は約
1300、メチル基とメトキシ基のモル比は約5:1であっ
た。
部を分散させた中に、1,1,2−トリメトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部を室温で10分間かけて
加えた。70℃で10時間攪拌し、冷却後反応混合物を濾過
しカリウムt−ブトキシドを除去した後、テトラヒドロ
フランと低沸点物を留去し、20部の高粘度液状のポリシ
ランを得た。GPCによるポリスチレン換算分子量は約
1300、メチル基とメトキシ基のモル比は約5:1であっ
た。
【0033】実施例13 テトラヒドロフラン 200部にナトリウムメトキシド5部
を分散させた中に、1,1,2−トリエトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部と1,2−ジエトキシ
−1,1,2,2−テトラメチルジシラン5部の混合物
を室温で10分間かけて加えた。室温で24時間攪拌した
後、反応混合物を濾過しナトリウムメトキシドを除去し
た後、テトラヒドロフランと低沸点物を留去し、20部の
高粘度液状のポリシランを得た。GPCによるポリスチ
レン換算分子量は約1300、メチル基とメトキシ基のモル
比は約 3.8:1であった。。
を分散させた中に、1,1,2−トリエトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン50部と1,2−ジエトキシ
−1,1,2,2−テトラメチルジシラン5部の混合物
を室温で10分間かけて加えた。室温で24時間攪拌した
後、反応混合物を濾過しナトリウムメトキシドを除去し
た後、テトラヒドロフランと低沸点物を留去し、20部の
高粘度液状のポリシランを得た。GPCによるポリスチ
レン換算分子量は約1300、メチル基とメトキシ基のモル
比は約 3.8:1であった。。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/60
Claims (6)
- 【請求項1】 【化1】 (式中、 Rはメチル基またはエチル基、R1は炭素原子数
1〜10のアルキル基、aは1,2または3の数、bは
0,1,2または3の数をそれぞれ表し、a+bは1,
2または3である)で表される構成単位からなり、平均
組成においてa/b比が1以上であり、かつ一分子中の
ケイ素原子数が少なくとも8であることを特徴とするア
ルコキシ基含有オルガノポリシラン。 - 【請求項2】R がメチル基である請求項1記載のアルコ
キシ基含有オルガノポリシラン。 - 【請求項3】R1がメチル基、エチル基またはプロピル基
である請求項1記載のアルコキシ基含有オルガノポリシ
ラン。 - 【請求項4】 一般式 R3-n(R1O)nSiSi(OR1)2R (II) (式中、 Rはメチル基またはエチル基、R1は炭素原子数
1〜10のアルキル基、nは1または2の数を表す)で表
されるオルガノトリアルコキシジシランおよび/または
オルガノテトラアルコキシジシランの少なくとも1種を
含むオルガノアルコキシジシランを 一般式 R2OM (III) (式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基、 Mはアル
カリ金属類から選ばれる金属を表す)で表されるアルカ
リ金属化合物の存在下に不均化反応させることを特徴と
するアルコキシ基含有オルガノポリシランの製造方法。 - 【請求項5】R1とR2とが同一のアルキル基である請求項
4記載のアルコキシ基含有オルガノポリシランの製造方
法。 - 【請求項6】反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を用
いる請求項4記載のアルコキシ基含有オルガノポリシラ
ンの製造方法。
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JPH04311727A JPH04311727A (ja) | 1992-11-04 |
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