JPH0539329A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH0539329A
JPH0539329A JP21923691A JP21923691A JPH0539329A JP H0539329 A JPH0539329 A JP H0539329A JP 21923691 A JP21923691 A JP 21923691A JP 21923691 A JP21923691 A JP 21923691A JP H0539329 A JPH0539329 A JP H0539329A
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JP
Japan
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polyolefin
polyester
thermoplastic resin
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JP21923691A
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Tatsuo Teraya
竜男 寺屋
Akira Kobayashi
明 小林
Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Yuji Fujita
祐二 藤田
Koichi Yokoyama
公一 横山
Tetsuya Kawamura
哲也 河村
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステルとポリオレフィンとの特性を兼
備する力学的特性、表面特性および環境特性を有する熱
可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。 【構成】 (a)ポリエステルと、(b)ポリオレフィ
ンと、(c)分子中に少なくとも1つのグリシジルオキ
シ基を有する1種以上の重合性化合物と、(d)重合開
始剤とを用い、前記成分(a)および成分(b)の配合
割合が重量比で(a)/(b)=1/99〜99/1と
いう条件下に、成分(c)を(a)+(b)の合計10
0重量部に対して0.01〜5重量部配合し、成分(d)を
(a)+(b)の合計100重量部に対して0.001 〜0.
5 重量部配合して200〜300℃の温度で溶融混練す
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルとポリオレ
フィンとを含有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関
する。より詳しくは、ポリエステルとポリオレフィンと
が良好に相溶化し、耐衝撃性、機械的強度などの力学的
特性、耐水劣化性、耐薬品性、耐熱性、外観などの表面
特性に優れ、自動車の内外装品や電装部品、家電製品、
スポーツ用品、家具、事務用品などの成形品用等として
好適な熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】ポリエステルは耐熱性、
機械的強度および絶縁性に優れた樹脂である。これに比
べてポリオレフィンは、軽量かつ耐衝撃性に優れ、成形
性、耐水性あるいは耐薬品性などの環境特性が良好であ
るという特長を有する。このため、それぞれに優れた特
長を有するポリエステルとポリオレフィンとを配合する
ことにより、両者の長所を備えた樹脂組成物をつくる試
みが行なわれている。しかし、ポリエステルとポリオレ
フィンは相溶性が悪いために、両者を配合した熱可塑性
樹脂組成物は耐衝撃性や機械的強度などが低下するとい
う問題がある。そこで、ポリエステルとポリオレフィン
の相溶性を向上させることを目的として、ポリエステル
に、不飽和カルボン酸またはその誘導体、特に無水マレ
イン酸(MAH)等の不飽和ジカルボン酸の無水物を付
加したポリオレフィンを配合して溶融混練することによ
り、ポリエステルとポリオレフィンの相溶分散性を向上
させ、耐衝撃性の向上や吸水による劣化を防止すること
が行なわれている。しかし、この方法ではジカルボン酸
をポリオレフィンに付加させる際に、ポリオレフィンの
架橋による変質や劣化を生じ、相溶化による物性の改善
が十分でない。また、ポリオレフィンに付加させる未反
応の酸とポリエステルが反応して着色し、外観を損なう
ことがある。従って、本発明の目的はポリエステルとポ
リオレフィンとが良好に相溶化し、優れた力学的特性、
表面特性および環境特性を有した熱可塑性樹脂組成物を
製造する方法を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、ポリエステルとポリオレフィンとに、前記
無水マレイン酸などの不飽和化合物とは異なった特定の
重合性化合物と、重合開始剤とを配合して溶融混練する
ことにより、ポリエステルとポリオレフィンとが良好に
相溶化し、力学的特性、表面特性および環境特性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明
に到達したものである。すなわち、本発明は、(a)ポ
リエステルと、(b)ポリオレフィンと、(c)分子中
に少なくとも1つのグリシジルオキシ基を有する1種以
上の重合性化合物と、(d)重合開始剤とを用い、前記
成分(a)および成分(b)の配合割合が重量比で
(a)/(b)=1/99〜99/1という条件下に、
成分(c)を(a)+(b)の合計100重量部に対し
て0.01〜5重量部配合し、成分(d)を(a)+(b)
の合計100重量部に対して0.001〜0.5 重量部配合し
て200〜300℃の温度で溶融混練することを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供したものであ
る。
【0004】以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造
方法を詳細に説明する。本発明で使用する熱可塑性樹脂
組成物成分の(a)ポリエステルは、一般に飽和ジカル
ボン酸と飽和二価アルコールとのポリ縮合で得られる熱
可塑性樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテトラメチレ
ンテレフタレート(ポリブチレンテレフタレート)、ポ
リヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン
−1,4−ジメチロールテレフタレート、ポリネオペン
チルテレフタレート等が挙げられる。これらの中ではポ
リエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタ
レートが好ましい。
【0005】上記成分(a)としてのポリエステルは、
o−クロロフェノール溶媒中において25℃で測定した
溶液粘度より求めた固有粘度[η](dl/g)が0.30〜1.
8 で、末端カルボキシル基の濃度が10〜200m当量
/kgのものが好ましい。ポリエチレンテレフタレートの
場合、固有粘度[η]は0.30〜1.2 で、末端カルボキシ
ル基濃度は10〜200m当量/kgのものが好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレート中のテレフタル酸成
分は、アルキル基、ハロゲン基等で置換されたものでも
よく、またグリコール成分は、エチレングリコールの他
に50重量%程度まで他のグリコール、例えば1,4−
ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール等を含有していてもよい。また、ポリ
ブチレンテレフタレートの場合、固有粘度[η]は0.30
〜1.8 で、末端カルボキシル基濃度は10〜200m当
量/kgのものが好ましい。この場合もテレフタル酸成分
はアルキル基、ハロゲン基等で置換されたものでもよ
く、またグリコール成分は1,4−ブチレングリコール
の他に50重量%程度まで他のグリコール、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール等を含有していてもよい。
【0006】本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物成分
の(b)ポリオレフィンとは、エチレン、およびプロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテ
ン−1、デセン−1等の炭素数3以上のα−オレフィン
の単独重合体、これら2種以上のモノマーのランダム、
ブロック、グラフト等の共重合体、これらの混合物、エ
チレンまたは炭素数3以上のα−オレフィンの主要部と
他の不飽和モノマーとのランダム、ブロック、グラフト
等の共重合体をさす。これらポリオレフィンの中では、
エチレンまたはプロピレンの単独重合体、エチレンとプ
ロピレンの共重合体、エチレンまたはプロピレンと他の
α−オレフィンとの共重合体が好ましい。特に好ましい
のは、プロピレンとエチレン含有量が20重量%以下の
エチレンとの共重合体であり、このようなポリプロピレ
ンは通常0.1 〜200g/10分程度のメルトフローレ
ート(MFR、JISK7210、荷重2.16kg、230℃)を有
する。エチレンの単独重合体としては高圧法低密度ポリ
エチレン(LDPE)や低圧法高密度ポリエチレン(H
DPE)が好ましく、低圧法エチレン共重合体として知
られている線状低密度ポリエチレン(LLDPE)など
も用いることができる。
【0007】また、本発明においてポリオレフィンはオ
レフィン系エラストマーも含む。ここで、オレフィン系
エラストマーとは、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα−
オレフィンの2種または3種以上の共重合体ゴム、また
はα−オレフィンと他種モノマーとの共重合体を意味す
る。上記α−オレフィンの2種または3種以上の共重合
体ゴムの具体例としてはエチレン−プロピレン共重合体
ゴム(EPR)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム
(EBR)およびエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)を挙げることができる。
【0008】本発明では上記成分(a)および成分
(b)の相溶化の改善のため、分子中に少なくとも1つ
のグリシジルオキシ基を有する1種以上の重合性化合物
(c)と、重合開始剤(d)を使用する。本発明におい
て好ましい熱可塑性樹脂組成物成分の(c)重合性化合
物としては、分子中にオレフィンと共重合し得る不飽和
基とグリシジルオキシ基とを有するグリシジル化合物が
挙げられ、具体的には、不飽和グリシジルエステル類、
不飽和グリシジルエーテル類のほか、アクリルアミド基
とエポキシ基とを有する下記一般式(1)で示されるも
のが好ましく使用される。
【0009】
【化2】
【0010】[式中、Rは水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基であり、Arはグリシジルオキシ基を少な
くとも1つ以上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素
基であり、nは1〜4の整数を表わす。]上記一般式の
グリシジル化合物の中でも、特に下記一般式(2)で示
されるグリシジル化合物が好ましい。
【0011】
【化3】
【0012】[式中、Rは水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基である。]このようなグリシジル化合物
は、例えば特開昭60-130580 号に示されるような方法に
より製造することができ、これら重合性化合物は単独
で、あるいは2種以上併用することもできる。
【0013】本発明において使用する熱可塑性樹脂組成
物成分の(d)重合開始剤としては、通常のラジカル重
合で触媒として使用されている各種過酸化物やジアゾ化
合物等を用いることができる。具体的には、過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチ
ル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオキシ安
息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオ
キシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルペル
オキシヘキシン等の過酸化物類や、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のジアゾ化合物類等が挙げられ、これらは単
独で、あるいは2種以上併用することもできる。
【0014】本発明は上記の各成分、すなわち(a)ポ
リエステルと(b)ポリオレフィンとを主要な樹脂成分
として、これに(c)重合性化合物と、(d)重合開始
剤とを特定量配合して溶融混練する熱可塑性樹脂組成物
の製造方法を提供したものであり、本発明によれば成分
(a)と成分(b)とが良好に相溶化し、ポリエステル
とポリオレフィンとの特性を兼備した熱可塑性樹脂組成
物を得ることができる。溶融混練の方法としては従来公
知の各種方法が採用可能である。すなわち、バッチ式混
練機を用いて一括混練する方法、あるいはバンバリーミ
キサー、ブラベンダー、混練ロール、一軸押出機、二軸
押出機等の混練機を用いて混練する方法等を例示するこ
とができる。混練の温度は200〜300℃、好ましく
は210〜280℃の範囲である。混練温度が200℃
未満ではポリエステルとポリオレフィンの相溶化が不十
分であり、また300℃を越える温度では樹脂本来の特
性が損なわれることがある。
【0015】本発明を実施するに際し、各成分の混練順
序に特に制限はなく、種々の順序をとり得るものであ
る。例えば、(i) 成分(a)、成分(b)および成分
(c)と、成分(d)とを、前述したバッチ式混練機、
ブラベンダー、あるいは一軸もしくは二軸押出機等の混
練機に同時に投入して一括混練する方法、(ii)成分
(a)と、成分(b)と、成分(d)とを同時に押出機
に投入した後、バレルの途中から成分(c)を投入して
混練する方法、(iii) 成分(b)と、成分(c)と、成
分(d)とを押出機に同時に投入した後、成分(a)を
途中投入する方法、(iv)成分(a)と成分(b)とを押
出機に同時に投入した後、成分(c)と成分(d)とを
途中投入する方法等である。
【0016】本発明において上記成分の配合割合は、成
分(a)(ポリエステル)と成分(b)(ポリオレフィ
ン)とが重量比で1/99〜99/1、好ましくは5/
95〜95/5である。重量比が1/99未満ではポリ
エステルが少なすぎ、また99/1ではポリオレフィン
が少なすぎて、両者の特性を兼備した熱可塑性樹脂組成
物が得られない。
【0017】また、成分(c)(重合性化合物)は、成
分(a)と成分(b)の合計量(すなわち、(a)+
(b))100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ま
しくは0.1 〜3重量部である。0.01重量部未満では重合
性化合物の使用によるポリエステルとポリオレフィンの
相溶性の改善効果が認められず、また5重量部を越える
とポリエステルとポリオレフィンが有する樹脂本来の特
性が損なわれることがある。
【0018】本発明では上記成分(a)、成分(b)お
よび成分(c)を溶融混練するのみでも相溶性の改善効
果が認められるが必ずしも十分なものではなく、これら
の成分に加えて、(d)(重合開始剤)を(a)+
(b)の合計100重量部に対して0.001 〜0.5 重量
部、好ましくは0.005〜0.1 重量部の範囲で配合すると
一層の相溶性改善効果が見られ、ポリエステルとポリオ
レフィンとの特色を兼備した熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができる。なお、成分(d)が0.5 重量部を越える
量の使用は経済的に不利である。
【0019】本発明では上記した物質以外にも、さらに
熱可塑性樹脂組成物の強化や改質を目的としてその他の
物質、例えば、ガラス繊維等の充填材や強化材、熱安定
剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡剤、
造核剤等を添加配合することができる。
【0020】
【作用】本発明は、(a)ポリエステルと、(b)ポリ
オレフィンとの組成物を製造するに際し、(c)重合性
化合物と、(d)重合開始剤とを特定量配合して溶融混
練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するが、本発
明によればポリエステルとポリオレフィンとが良好に相
溶化し、両者の特性を兼ね備えた力学的特性、表面特性
および環境特性に優れた樹脂組成物が得られる。本発明
がこのような効果を生じる理由は必ずしも明らかではな
いが、グリシジル基を有する重合性化合物、および前記
重合性化合物と重合開始剤との相互作用を介してポリエ
ステルとポリオレフィンとが相溶化することによると考
えられる。しかも、本発明で相溶化のために使用する重
合性化合物はポリエステルを着色させる酸成分を含有し
ないため、従来法のように着色による樹脂組成物の外観
劣化を生じない。また、本発明は前記の各成分を一括混
練して樹脂組成物を得ることができるので工業的に実施
が容易であり、混練にともなうコストが少なく、極めて
実用性の高い方法である。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、各実施例および比較例にお
いて、原料および添加剤としては、以下のものを使用し
た。 [1] ポリエステル (1) ポリエチレンテレフタレート PET:[帝人株式会社製 TR 4500、固有粘度[η]
0.7] (2) ポリブチレンテレフタレート PBT:[帝人株式会社製 TRB-K、固有粘度[η] 1.0
5 ] [2] ポリオレフィン (1) ポリプロピレンホモポリマー PP:[東燃化学株式会社製 Y201 、メルトフローレー
ト(MFR)1.5 g/10分] (2) エチレン−プロピレン共重合体ゴム EPR:[日本合成ゴム株式会社製 EP912P 、メルトフ
ローレート(MFR)7.5 g/10分] [3] 重合性化合物 AXE:下記化学式で表わされるグリシジル化合物[鐘
淵化学工業株式会社製]
【0022】
【化4】
【0023】[4] 重合開始剤 POX:パーヘキシン25B[日本油脂株式会社製]
【0024】実施例1〜8、比較例1〜15 ポリエステル(PETまたはPBT)と、ポリオレフィ
ン(PPまたはEPR)と、重合性化合物(AXE)
と、重合開始剤(POX)とを第1表に示す割合で用
い、これを第1表に示す温度で下記、またはに示
す混練手順で溶融混練して樹脂組成物を得た(ただし、
比較例ではAXEの代りに無水マレイン酸(MAH)を
用いた。)。 [混練手順] 直径60mmの一軸押出機にポリエステル、ポリオレフ
ィン、重合性化合物および重合開始剤を同時に投入し
て、一括混練して樹脂組成物を得た。 スクリューの出口方向に対して上流側に第1の供給
口、および第2の供給口(出口からスクリューの上流側
に1/3の位置)を有する直径45mmの二軸押出機を用
い、まず、ポリエステル、ポリオレフィンおよび重合開
始剤を第1の供給口からフィードし、重合性化合物を第
2の供給口から途中フィードして樹脂組成物を得た。 前記の二軸押出機を用い、第1の供給口からポリオ
レフィン、重合性化合物および重合開始剤をフィード
し、第2の供給口からポリエステルを途中フィードして
樹脂組成物を得た。 このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物のメルトフ
ローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)、23℃
および−30℃でのアイゾット衝撃強度、曲げ弾性率お
よび熱変形温度を測定した。結果を第1表に合せて示
す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】上記第1表に示した各物性の測定方法は以
下のとおりである。 (1) メルトフローレート:JIS K7210 により測定。 (2) アイゾット衝撃強度:JIS K7110 により測定。 (3) 曲げ弾性率:JIS K7203 により測定。 (4) 熱変形温度:JIS K7207 により測定。
【0029】第1表から明らかなように、本発明の方法
で得られる熱可塑性樹脂組成物は、AXEを欠いたポリ
エステルとポリオレフィンのみからなる比較例1、7、
10、11の組成物、AXEの代りにMAHを使用した
比較例2〜6の組成物、POXを欠いた比較例13〜1
5の組成物、ポリエステル樹脂(比較例8、9)、およ
びポリオレフィン(比較例12)に比べ、アイゾット衝
撃強度、曲げ弾性率、熱変形温度が良好であり、特に衝
撃強度の改善が著しい。また、実施例1〜8の組成物は
着色がなく良好な外観を有していたが、MAHを使用し
た比較例2〜6では樹脂組成物の着色が観察された。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明はポリエス
テルとポリオレフィンとの組成物を製造するに際し、両
者の相溶性を向上させるためにグリシジルオキシ基を有
する重合性化合物と重合開始剤とを使用する熱可塑性樹
脂組成物の製造方法を提供したものであり、本発明の方
法で得られる樹脂組成物は耐衝撃性、耐熱性、耐薬品
性、機械的強度、絶縁性に優れるとともに、外観が良好
である。このような本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各
種エンジニアリングプラスチックとして、特に自動車の
内装および外装部品、家電部品、工業材料部品、スポー
ツ用品、家具、事務用品、包装材料等用の樹脂組成物と
して好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 祐二 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 横山 公一 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 河村 哲也 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリエステルと、(b)ポリオレ
    フィンと、(c)分子中に少なくとも1つのグリシジル
    オキシ基を有する1種以上の重合性化合物と、(d)重
    合開始剤とを用い、前記成分(a)および成分(b)の
    配合割合が重量比で(a)/(b)=1/99〜99/
    1という条件下に、成分(c)を(a)+(b)の合計
    100重量部に対して0.01〜5重量部配合し、成分
    (d)を(a)+(b)の合計100重量部に対して0.
    001 〜0.5 重量部配合して200〜300℃の温度で溶
    融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 成分(c)が、下記一般式 【化1】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
    であり、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以
    上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、n
    は1〜4の整数を表わす。]で表わされる不飽和グリシ
    ジル化合物である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160040517A (ko) 2013-08-02 2016-04-14 라이온 가부시키가이샤 칫솔

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KR20160040517A (ko) 2013-08-02 2016-04-14 라이온 가부시키가이샤 칫솔

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