JPH0537750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、操向クラツチケース構造に関す
る。

(ロ) 従来の技術 従来、クローラ式走行装置などに装備される操
向のための動力伝達機構は、エンジンと連動連結
したギヤケースとフアイナルドライブケースとの
間に介設されており、ギヤケースからの動力を断
続させるための多板クラツチと、同クラツチの外
周に配設したバンドブレーキにより構成されてお
り、同機構を支持し、かつ被包するための操向ク
ラツチケースを、第３図に示すようにギヤケース
ａ、操向クラツチケースｂ及びフアイナルドライ
ブケースｃを上記の順に連設して構成し、操向用
の多板クラツチ及びバンドブレーキを操作するた
めの操作軸ｄを、フアイナルドライブケースｃ側
にて軸支させていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 そのため、この部分の分解整備に際し、フアイ
ナルドライブケースを取外す際、上記操作軸に連
結されたリンケージ等をすべて取外すことが必要
で非常に面倒であり、また、組立途中においてフ
アイナルドライブケース取付前に操向クラツチ及
びバンドブレーキを作動させての調整作業が不可
能であるという欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案では、操向用の多板クラツチの外周に
バンドブレーキを配設して構成し、ギヤケースと
フアイナルドライブケースとの間に介設した動力
伝達機構において、同機構を支持し、かつ被包し
た操向クラツチケースを、ギヤケースに連設した
ケース本体と、同本体とフアナルドライブケース
との間に介設したセンタープレートにて構成し、
しかも、多板クラツチ及びバンドブレーキ操作用
の操作軸をケース本体及びセンタープレートにて
軸支せしめてなる操向クラツチケース構造を提供
するものである。

(ホ) 作用・効果 このこの考案によれば、操向クラツチ及びバン
ドブレーキを被包した操向クラツチのケース本体
及びセンタープレートに操作軸を軸支させている
ため、同軸に連結されたリンケージを取外すこと
なくフアイナルドライブケースを取外すことがで
き、直ちに多板クラツチ及びバンドブレーキの整
備を行うことができる。また、フアイナルドライ
ブケースを取外したままで、上記リンケージを用
いて同軸を作動させることができるので、多板ク
ラツチ及びバンドブレーキの作動を目視しながら
の調整作業を行うことができ、更に、多板クラツ
チを切つた状態でフアイナルドライブケースを組
付けることができるので、同クラツチと、フアイ
ナルドライブケースの入力軸との芯合わせが容易
になり、組立及び分解整備作業が簡易になるとい
う効果がある。

(ヘ) 実施例 この考案の実施例を図面にもとずき詳説すれ
ば、Ａは動力作業車を示し、左右一対のクローラ
１を装備した走行フレーム２の前部に機体フレー
ム３を連設し、同フレーム３の上面左側に運転部
４、同右側に原動機部５を配設し、その後方にダ
ンプ可能の荷台６を配設している。

走行フレーム２の前端には左右駆動輪７、同後
端には遊動輪８を配設し、同フレーム２の下面に
は、揺動板９の前後端に軸支されて交互に上下揺
動自在とされた転動輪１０多数を配設しており、
これらの外周を囲繞したクローラ１を左右駆動輪
７にて回動させて動力作業車Ａを走行させるよう
に構成している。（第１図参照） 左右駆動輪７には、原動機部５からの動力が、
ミツシヨンケース１１、ギヤケース１２、フアイ
ナルドライブケース１３を経由して伝達されてお
り、操向用の動力伝達機構１４はギヤケース１２
とフアイナルドライブケース１３との間に介設さ
れている。（第２図参照） 動力伝達機構１４は、多板クラツチ１５と、同
クラツチ１５の外周に配設したバンドブレーキ１
６により構成されており、同クラツチ１５及び同
ブレーキ１６は、ギヤケース１２の出力軸１７
と、フアイナルドライブケース１３の入力軸１８
との間に介在して、両軸１７，１８間の動力伝達
の断接及び入力軸１８の制動を行つて動力作業車
Ａの操向を行うものであり、動力の断接及び制動
は、運転部４に立設した左右操向レバー１９の操
作をリンケージ（図示せず）を介し、操作軸２０
に伝達して同軸２０を回動させ、この回動により
多板クラツチ１５のリリーズレバー２１を作動せ
しめて動力伝達の断接を行うと共に、バンドブレ
ーキ１６の制動・解除を行うように構成されてい
る。

かかる動力伝達機構１４は操向クラツチケース
２２にて支持、かつ被包されており、同ケース２
２はギヤケース１２と１体のケース本体２３と、
同本体２３と、フアイナルドライブケース１３と
の間に着脱自在に介設したセンタープレート２４
によつて構成されており、特に、センタープレー
ト２４のフアナルドライブケース１３側の側面に
は多板クラツチ１５を出し入れするための大径の
開口部２５を開設している。

特に、ケース本体２３とセンタープレート２４
の上部には、前記の操作軸２０が回動自在に軸架
されており、同軸２０のフアイナルドライブ１３
側を外側に延出２６させて、同延出部２６にそれ
ぞれ嵌着したクラツチアーム２７及びブレーキア
ーム２８に運転部４の操向レバー１９からのリン
ケージを連結している。

なお、図中２９はミツシヨンケース１１からの
動力を出力軸１７に伝達するための噛合ベベルギ
ヤ、３０は入力軸１８から駆動軸３１へ動力を伝
達するためのスプロケツト及びチエーンを示し、
駆動輪７はこの駆動軸３１に連設されている。

なお、３２はリリーズレバー２１の支点、３３
はリリーズ機構を示す。

上記のように、この考案では操向用の多板クラ
ツチ１５及びバンドブレーキ１６と、操作軸２０
とが、操向クラツチケース２２とセンタープレー
ト２４のみにて支持、かつ被包されており、しか
もセンタープレート２４とフアイナルドライブケ
ース１３とは着脱自在であるから、フアイナルド
ライブケース１３を取外した状態でも、操向レバ
ー１９からのリンケージを取付けておくことがで
き、従つて、同クラツチ１５及びバンドブレーキ
１６を運転部４の操向レバー１９の操作により作
動させることができるので、センタープレート２
４の開口部２５を介して作動の確認及び調整作業
を容易に行うことができる。また、センタープレ
ート２４にフアイナルドライブケース１３を組付
ける際、同ケース１３の入力軸１８と多板クラツ
チ１５の軸芯を正確に芯合わせする必要がある
が、本案構造では、この組付作業中途において多
板クラツチ１５を切つて上記芯合わせを容易にす
ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案構造を有する動力作業車の全体
側面図、第２図は、同要部の断面図（第１図−
断面）、第３図は、従来構造。 １２……ギヤケース、１３……フアイナルドラ
イブケース、１４……動力伝達機構、１５……多
板クラツチ、１６……バンドブレーキ、２０……
操作軸、２２……操向クラツチケース、２３……
ケース本体、２４……センタープレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操向用の多板クラツチ１５の外周にバンドブレ
   ーキ１６を配設して構成し、ギヤケース１２とフ
   アイナルドライブケース１３との間に介設した動
   力伝達機構１４において、同機構１４を支持し、
   かつ被包した操向クラツチケース２２を、ギヤケ
   ース１２に連設したケース本体２３と、同本体２
   ３とフアナルドライブケース１３との間に介設し
   たセンタープレート２４にて構成し、しかも、多
   板クラツチ１５及びバンドブレーキ１６操作用の
   操作軸２０をケース本体２３及びセンタープレー
   ト２４にて軸支せしめてなる操向クラツチケース
   構造。