JPH0537335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、複数の制御部を備え、その相互間で
情報の授受を行いつつ、その情報に基づいて各々
の制御を行う分散処理型自動販売機の制御装置に
関する。

【従来の技術】

この種のものとしては、貨幣の受入れおよび払
出しを行う貨幣処理部と、商品選択スイツチの操
作により選択された商品の販売が可能か否かを判
別する主制御部と、この判別により販売可能とさ
れた選択商品の搬出を行う商品搬出部とがシリア
ル伝送路を介して接続され、主制御部と貨幣処理
部および商品搬出部とが、各々の制御のために必
要な情報をシリアル伝送路を介して相互に伝送
し、その情報に基づいて各々の制御を行うように
された分散処理型自動販売機の制御装置（例えば
特開昭60−215296号公報）が知られている。

【考案が解決しようとする課題】

このように複数の制御部相互間で情報の授受を
行いつつ、その情報に基づいて各々の制御を行う
ものにおいては、制御部相互間で動作状態が一致
していることが必要である。 特に、貨幣が投入されて貨幣処理部に受入れら
れると、その情報が主制御部に伝送され、主制御
部は、商品選択スイツチの操作により選択された
商品がその貨幣の受入れにより販売可能であるか
否かを判別し、販売可能であればその選択商品の
搬出を商品搬出部にシリアル伝送路を介して指令
するのであるが、このとき、例えばノイズ等によ
り商品搬出部の動作状態が変化して制御部間に動
作状態の不一致が生じ、商品搬出部が商品を搬出
する態勢になれない場合には、貨幣を受入れても
商品を搬出できないという販売動作不能状態にな
つてしまう問題がある。 この場合、システムリセツトをすれば、制御部
間の動作状態を一致させ、販売動作不能状態を解
消することができるが、単にシステムリセツトし
たのでは、受入れた貨幣の金額（投入金額）もク
リアされてしまい、顧客とのトラブルの原因にな
るという不都合がある。 本考案は、上述の点に鑑み、制御部間に動作状
態の不一致が生じ、商品搬出部に選択商品の搬出
を指令しても商品搬出部がその態勢になれない場
合には、投入金額を返却した後にシステムリセツ
トして制御部間の動作状態を一致させることによ
り、貨幣を受入れても商品を搬出できないという
販売不能状態を不都合なく解消できるようにした
分散処理型自動販売機の制御装置を提供すること
を目的とする。

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の目的を達成するため、貨幣の
受入れおよび払出しを行う貨幣処理部と、商品選
択スイツチの操作により選択された商品の前記貨
幣の受入れによる販売が可能か否かを判別する主
制御部と、該判別により販売可能とされた選択商
品の搬出を行う商品搬出部とがシリアル伝送路を
介して接続され、前記主制御部と貨幣処理部およ
び商品搬出部とが、各々の制御のために必要な情
報を前記シリアル伝送路を介して相互に伝送し、
その情報に基づいて各々の制御を行うようにされ
た分散処理型自動販売機の制御装置において、前
記主制御部は、前記販売可能とされた選択商品の
搬出指令を前記商品搬出部に前記シリアル伝送路
を介して送信すると共に、その指令を正常に受信
したか否かを前記商品搬出部から前記シリアル伝
送路を介して受信することにより異常を判別する
異常判別手段と、該異常判別に基づいて前記貨幣
処理部に投入金額の返金指令を前記シリアル伝送
路を介して送信する返金指令送信手段と、該投入
金額の払出完了信号を前記貨幣処理部から前記シ
リアル伝送路を介して受信し、該受信に基づいて
当該自動販売機の制御装置をシステムリセツトす
るシステムリセツト手段とを有することを特徴と
している。

【作用】

本考案においては、貨幣が投入されて貨幣処理
部に受入れられると、その情報が主制御部に伝送
され、主制御部は、商品選択スイツチの操作によ
り選択された商品がその貨幣の受入れにより販売
可能か否かを判別し、販売可能であればその選択
商品の搬出を商品搬出部にシリアル伝送路を介し
て指令するのであるが、このとき、例えばノイズ
等により商品搬出部の動作状態が変化して制御部
間（貨幣処理部および主制御部と商品搬出部との
間）に動作状態の不一致が生じ、商品搬出部は商
品を搬出する態勢になれない場合には、商品搬出
部はその商品搬出指令を正常に受信した旨を送信
できず、主制御部はその旨を商品搬出部から受信
できないので、異常判別手段はこれにより異常で
あると判別し、返金指令送信手段は、この異常判
別により貨幣処理部に投入金額の返金を指令す
る。 そして、貨幣処理部はその指令を受けて投入金
額の払出しを行い、その払出完了信号を送信し、
システムリセツト手段は、その払出完了信号を受
けてシステムリセツトするのであるが、このシス
テムリセツトにり、制御部間の動作状態を一致さ
せ、販売動作不能状態を解消することができる。 従つて、商品搬出部に選択商品の搬出を指令し
ても商品搬出部がその態勢になれない場合には、
投入金額を返却した後にシステムリセツトされ、
貨幣を受入れても商品を搬出できないという販売
不能状態を不都合なく解消できる。

【実施例】

第１図の本考案の一実施例としての構成を示す
ブロツク回路図である。同図において１は主制御
部であり、２および３はそれぞれ従制御部として
の硬貨処理部および商品搬出部である。また４，
４−１，〜，４−ｎは商品を選択するための商品
選択スイツチでこの選択信号は主制御部１に入力
される。 ５，５−１，〜，５−ｎは商品の種類ごとの売
切を検出する商品売切スイツチでこの検出信号は
商品搬出部に入力される。６は前記の各部１，
２，３を接続する共通のシリアル伝送路である。
主制御部１に予め図外の手段を介して、各商品選
択スイツチ４に対応する商品販売価格が設定され
ており、従制御部としての硬貨処理部２と商品搬
出部３とを前記のシリアル伝送路６を介して制御
する。 また主制御部１内には後述の交信異常判別手段
１Ａ、返金指令送信手段１Ｂ、システムリセツト
手段１Ｃ等が設けられている。硬貨処理部２は、
硬貨の受入れ、払出しの制御を行なう。商品搬出
部３は、商品の搬出を制御すると共に商品売切ス
イツチ５を介して検出された商品売切情報を主制
御１へ伝送する。 このような構成において、いま硬貨処理部２に
硬化が投入されると、硬貨処理部２は、主制御部
１に硬貨の投入があつたこと及び投入合計金額を
示す信号をシリアル伝送路６を介して主制御部１
に送信する。この時点で商品選択スイツチ４が操
作されると、主制御部１は、選択された商品が販
売可能か否かを自らに設定されている当該商品の
販売価格と、硬貨処理部２より送信されて来た投
入合計金額データから判断し、販売可能な場合
は、商品搬出部３にシリアル伝送路６を介して商
品払出し指令を送信し、商品搬出部３はこの指令
に基づき当該商品を搬出する。 商品搬出後、商品搬出部３は搬出が完了したこ
とを示す商品搬出完了信号を主制御部１にシリア
ル伝送路６を介して送信し、主制御部１はこれを
受けて、硬貨処理部２にシリアル伝送路６を介し
て当該商品の販売価格を減算すべき旨の指令を送
信した後、再び商品選択スイツチ４が操作される
のを待つ状態に戻る。 このような動作の中でもし主制御部１と商品搬
出部３の間でシリアル伝送の送受信が異常となつ
た場合、例えば主制御部１から商品搬出部３に商
品払出し指令を送信したのに、商品搬出部３より
商品搬出完了信号が送信されて来ない場合、また
は何回商品払出し指令を送信しても‘NAK'（つ
まり信号を受信しないことを示す信号）しか送信
されて来ない等、シリアル送受信が異常となり、
システムをリセツトする必要が生じた場合には、
主制御部１内の交信異常判別手段１Ａがこの異常
を判別することにより、同じく主制御部１内の返
金指令送信手段１Ｂから硬貨処理部２へ当該の投
入金額に等しい金額の返金を指令した貨幣払出信
号（返金指令）が送信される。これにより硬貨処
理部２が投入金額に等しい金額を返却したのち、
貨幣払出完了信号を送信する。主制御部１内のシ
ステムリセツト手段１Ｃはこの送信を受けて、シ
ステムをリセツトし自販機を販売待機状態に再復
帰させる。

【考案の効果】

以上のような本考案によれば、異常判別手段、
返金指令送信手段およびシステムリセツト手段を
設け、制御部間に動作状態の不一致が生じ、商品
搬出部に選択商品の搬出を指令しても商品搬出部
がその態勢になれない場合には、投入金額を返却
した後にシステムリセツトして制御部間の動作状
態を一致させ、貨幣を受入れても商品を搬出でき
ないという販売動作不能状態を解消するようにし
たので、制御部間の動作状態の不一致により販売
動作不能状態になつた場合に、不都合なく販売動
作を再開することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としての構成を示す
ブロツク回路図である。 １……主制御部、１Ａ……交信異常判別手段、
１Ｂ……返金指令送信手段、１Ｃ……システムリ
セツト手段、２……硬化処理部、３……商品搬出
部、４，４−１，〜，４−ｎ……商品選択スイツ
チ、５，５−１，〜，５−ｎ……商品売切スイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貨幣の受入れおよび払出しを行う貨幣処理部
   と、商品選択スイツチの操作にり選択された商品
   の前記貨幣の受入れによる販売が可能か否かを判
   別する主制御部と、該判別により販売可能とされ
   た選択商品の搬出を行う商品搬出部とがシリアル
   伝送路を介して接続され、前記主制御部と貨幣処
   理部および商品搬出部とが、各々の制御のために
   必要な情報を前記シリアル伝送路を介して相互に
   伝送し、その情報に基づいて各々の制御を行うよ
   うにされた分散処理型自動販売機の制御装置にお
   いて、前記主制御部は、前記販売可能とされた選
   択商品の搬出指令を前記商品搬出部に前記シリア
   ル伝送路を介して送信すると共に、その指令を正
   常に受信したか否かを前記商品搬出部から前記シ
   リアル伝送路を介して受信することにより異常を
   判別する異常判別手段と、該異常判別に基づいて
   前記貨幣処理部に投入金額の返金指令を前記シリ
   アル伝送路を介して送信する返金指令送信手段
   と、該投入金額の払出完了信号を前記貨幣処理部
   から前記シリアル伝送路を介して受信し、該受信
   に基づいて当該自動販売機の制御装置をシステム
   リセツトするシステムリセツト手段とを有するこ
   とを特徴とする分散処理型自動販売機の制御装
   置。