JP2828671B2 - 自動販売機の制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、自動販売機をメインとスレーブの複数の制
御部にて制御する制御装置に関する。

（ロ）従来の技術 このような制御装置は特開昭59−72595号公報に示さ
れているように、自動販売機の全体の動作を制御するメ
イン制御部と自動販売機の限られた端末部分を制御する
スレーブ制御部とを備えて、メイン制御部とスレーブ制
御部とは互いに必要なデータを送受信しながら定められ
た処理を行うことで、自動販売機の動作を達成するよう
になっている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 そしてメイン制御部とスレーブ制御部とはともにバッ
テリーにてバックアップされるメモリを有しており、そ
れぞれ動作する上で必要なデータをこのメモリに保持し
ている。しかしながらメモリに保持しているデータは、
静電気やノイズ等の影響により変化することがあり、こ
のような場合、自動販売機の制御に誤りを生じることに
なる。

従って本発明は、メイン制御部とスレーブ制御部とで
データを共有するとともに、メイン制御部は、自身が保
持しているデータとスレーブ制御部が保持しているデー
タの一致を判定することで、データの信頼性を判定でき
るようにした自動販売機の制御装置を提供するものであ
る。

（ニ）課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明による自動販売機の
制御装置は、メイン制御部に、前記スレーブ制御部が保
持しているものと同等なデータを保持する手段と、自ら
と該スレーブ制御部とで保持している該データに対して
それぞれ同様の処理を行った後に互いの処理後のデータ
の一致を判定することでデータの信頼性を判別する手段
とを設けたことを特徴にしたものである。

（ホ）作用 メイン制御部とスレーブ制御部とで同様のデータを保
持するとともに、それぞれ保持している同様のデータに
対してそれぞれ同様の処理を行った後に互いの処理後の
データの一致を判定する。そして両方のデータが一致し
ていないと、このデータは変化して信頼性がなくなった
と判別する。

（ヘ）実施例 第１図は本発明の実施例の構成をブロックにて示すも
ので、１は自動販売機の全体の動作を統括して制御する
メイン制御部2₁,2₂,2₃は自動販売機の各端末部分を制御
するスレーブ制御部でそれぞれマイクロコンピュータに
て成り、これら制御部は伝送ライン17にて接続されてい
る。この伝送ライン17はメイン制御部１と各スレーブ制
御部2₁,2₂,2₃間の直列信号による通信ラインである。ス
レーブ制御部2₁は自動販売機における貨幣の受入れ及び
払出しに関連する端末部分を制御するもので、例えば貨
幣検知装置4,貨幣払出装置5,釣銭貨幣検知装置６などが
接続されて、投入貨幣や釣銭有無の検出を行なうととも
に、貨幣払出しの制御を行なう。スレーブ制御部2₂は自
動販売機における商品選択や表示に関連する端末部を制
御するもので、例えば商品選択装置7,投入金額表示器8,
売切表示装置9,販売可表示装置10などが接続されてい
る。商品選択装置７は各販売コラムに対応する選択スイ
ッチを具備し、売切表示装置９及び販売可表示装置10は
各販売コラムに対応する売切インジケータや販売可イン
ジケータをそれぞれ具備しており、スレーブ制御部2₂は
金額表示・顧客が投入した金額にて販売可能な商品の表
示・売切商品の表示を制御するとともに、顧客により操
作された選択スイッチの検出動作を行なう。スレーブ制
御部2₃は販売に関連する端末部分を制御するもので、例
えば各販売コラムに対応する商品送出用の駆動装置を含
む商品送出装置11、及び各販売コラムに対応する商品売
切検知スイッチを含む商品売切検知装置12が接続されて
おり、売切商品の検出を行なうとともに、選択商品の送
出を制御する。

メイン制御部１はボーリングによりスレーブ制御部
2₁,2₂,2₃を制御する。すなわちスレーブ制御部2₁,2₂,2₃
毎にアドレスコードが設定されており、メイン制御部１
は所定のアドレスコードを伝送ライン17に出力すること
で、このアドレスコードに対応する何れかのスレーブ制
御部2₁,2₂,2₃が確認信号（ACK）を返信することで通信
状態となり、メイン制御部１はこのスレーブ制御部に対
してコマンドを返信したりデータの送受信を行ない、こ
のスレーブ制御部を制御する。

かかる自動販売機の制御装置において、メイン制御部
とスレーブ制御部とで同等なデータを保持することで、
データの信頼性を確保するものである。

第２図はメイン制御部側と各スレーブ制御部側の処理
を体系的に示すもので、動作開始後、両方の制御部はと
もに初期化を行なって、メイン制御部１は待機処理モー
ドＡとなり、各スレーブ制御部2₁,2₂,2₃はメイン制御部
１にて制御される端末処理モードＣとなる。メイン制御
部１は、待機処理モードＡにおいては何れのスレーブ制
御部2₁,2₂,2₃とも通信を行なわずに、自動販売機の全体
の動作を統括する上での必要な演算を行なっている。そ
して特定のスレーブ制御部に対してデータやコマンドを
送受信する場合には、そのスレーブ制御部とのスレーブ
制御部処理モードＢに移行して、端末処理モードＣにあ
るスレーブ制御部2₁,2₂,2₃と必要な通信を行なった後、
再び待機処理モードＡに復帰する。

そして通信によりメイン制御部１とスレーブ制御部
2₁,2₂,2₃との間で同じデータを保持すると、メイン制御
部１は待機処理モードＡからチェックサム演算モードD₁
に移行してデータのチェックサムを演算した後、待機処
理モードＡに復帰する。またスレーブ制御部2₁,2₂,2₃で
も同じデータのチェックサムを演算すべくチェックサム
演算モードD₂に移行し、演算の後、端末処理モードＣに
移行する。

その後メイン制御部１はデータの信頼性を判別するに
はスレーブ制御部処理モードＢに移行し、そのスレーブ
制御部2₁,2₂,2₃に対して現在保持しているチェックサム
データの送信を要求し、これに応答してチェックサムデ
ータが送信されてくると待機処理モードＡに復帰する。
そして待機処理モードＡでメイン制御部１は自分が保持
しているチェックサムと送られてきたチェックサムと照
合することでデータの信頼性を判別する。

具体的な例をあげて説明すれば、貨幣処理を行なう端
末部分を制御するスレーブ制御部2₁は、貨幣が投入され
ると或いは貨幣を払い出すと、メイン制御部１の要求に
応じて投入貨幣信号や貨幣払出信号をメイン制御部１に
出力して、メイン制御部１はこれら信号に基づき加減算
を行なって自動販売機の保有貨幣枚数を演算するが、こ
のときスレーブ制御部2₁でも同様の演算を行なって両者
で保有貨幣枚数を保持する。そしてメイン制御部１及び
スレーブ制御部2₁は共に保持したデータのチェックサム
を演算して保持しておき、メイン制御部１は適宜スレー
ブ制御部2₁からチェックサムを導入して保有貨幣枚数デ
ータの信頼性を判別する。

以下の自動販売機の制御装置はメイン制御部１とスレ
ーブ制御部2₁,2₂,2₃の両方で同等なデータを保持するこ
とでデータの信頼性を確保しようとするものである。

（ト）発明の効果 本発明によれば、メイン制御部とスレーブ制御部とで
同等なデータを保持しておき、各制御部でこのデータに
対して同様な処理を行った後に両者の処理後のデータの
一致を判定することにより、保持されているデータが正
確であるかを判別することができ、信頼性の高い自動販
売機の制御装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一例をブロックにて示す図、第２図は
メイン制御部側の処理とスレーブ制御部側の処理とを体
系的に示す図である。 １……メイン制御部、2₁,2₂,2₃……スレーブ制御部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機の限られた端末部分を制御する
   スレーブ制御部と、該スレーブ制御部を統括することで
   自動販売機全体の動作を制御するメイン制御部とから成
   る自動販売機の制御装置において、 前記メイン制御部は、前記スレーブ制御部が保持してい
   るものと同等なデータを保持する手段と、自らと該スレ
   ーブ制御部とがそれぞれ保持している該データに対して
   それぞれ同様の処理を行った後に互いの処理後のデータ
   の一致を判定することでデータの信頼性を判別する手段
   とを有することを特徴にした自動販売機の制御装置。