JPH0537318U - 吸着塔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス吸着用エレメントの交換を容易に行うこ
とができる吸着塔を提供する。 【構成】 無孔フランジ１８に活性炭素繊維製吸着材層
４を装着固定してガス吸着用エレメント５を構成し、一
方、吸着塔本体１の筒軸芯方向の一端側に、ガス吸着用
エレメント５を挿脱する開口３を設け、吸着塔本体１の
開口３側に無孔フランジ１８を着脱可能に取り付け、か
つ、吸着塔本体１に、ガス供給管７、蒸気供給管１２お
よび溶剤回収管８それぞれを接続するとともに排気用筒
部２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、半導体工場等で使用される超音波洗浄機やドライクリーニング工場 等から発生するフロンガス（例えば、Ｒ−１１３）や１，１，１−トリクロルエ タンガスなどの塩素系有機溶剤ガスとか、塗装工場や印刷工場等から排出される 石油系有機溶剤ガスなどを回収するために、活性炭素材製吸着材層によるガス吸 着用エレメントを設けた筒状の吸着塔本体に、溶剤含有ガスを供給するガス供給 管を接続するとともに、活性炭素材製吸着材層を間にしたガス供給管とは反対側 に溶剤を吸着除去した後のガスを排出する排気部を設け、かつ、活性炭素材製吸 着材層を間にして、吸着した溶剤を脱着する過熱水蒸気を供給する蒸気供給管と 、脱着した溶剤を回収する溶剤回収管とを吸着塔本体に接続する吸着塔に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

この種の吸着塔としては、従来一般に、次のように構成されていた。 すなわち、有孔フランジに吸着塔本体の一部を形成するように筒状の通気孔を 備え、その有孔フランジと無孔フランジとを互いに対向するように芯材で一体連 結して巻芯を構成し、活性炭素材製吸着材層としてのフェルト状の活性炭素繊維 製吸着材を巻芯に巻き付けてガス吸着用エレメントを形成し、筒状の吸着塔本体 の筒軸芯方向一方側に形成した開口を通じて無孔フランジ側からガス吸着用エレ メントを挿入し、開口周縁のフランジ部に有孔フランジを着脱可能に取り付け、 筒状の通気孔に対し、開閉弁を備えた蒸気供給管を接続するとともに排気用の開 閉弁体を付設し、一方、吸着塔本体側にガス供給管および溶剤回収管を接続する などしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来例の吸着塔において、有機溶剤の吸着と脱着とを繰り返すに伴ってガス吸 着用エレメントの活性炭素繊維製吸着材が古くなり、新しいガス吸着用エレメン トと交換する場合、ガス吸着用エレメントを有孔フランジから取り外して吸着塔 本体から抜き出すときに、蒸気供給管の接続を解除するとともに排気用の開閉弁 体を退避させなければならず、また、新しいガス吸着用エレメントを吸着塔本体 内に挿入して有孔フランジに取り付けた後に、蒸気供給管を接続するとともに、 排気用の開閉弁体を所定位置に戻さなければならず、ガス吸着用エレメントの交 換作業に非常に手間を要し、溶剤回収作業を中断する時間が長くなってしまう欠 点があった。

【０００４】 本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガス吸着用エレメ ントの交換を容易に行うことができる吸着塔を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述のような目的を達成するために、活性炭素材製吸着材層による ガス吸着用エレメントを設けた筒状の吸着塔本体に、溶剤含有ガスを供給するガ ス供給管を接続するとともに、活性炭素材製吸着材層を間にしたガス供給管とは 反対側に溶剤を吸着除去した後のガスを排出する排気部を設け、かつ、活性炭素 材製吸着材層を間にして、吸着した溶剤を脱着する過熱水蒸気を供給する蒸気供 給管と、脱着した溶剤を回収する溶剤回収管とを吸着塔本体に接続する吸着塔に おいて、無孔フランジ側にガス吸着用エレメントを装着固定し、一方、吸着塔本 体には、ガス吸着用エレメントを挿脱する開口を設けて、吸着塔本体の開口側に 無孔フランジを着脱可能に取り付け、吸着塔本体に、ガス供給管、蒸気供給管お よび溶剤回収管それぞれを接続するとともに排気部を設けて構成する。

【０００６】 活性炭素材製吸着材層を構成する活性炭素材としては、粒状活性炭や活性炭素 繊維などが使用できる。 活性炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル（ＰＡＮ）系、フェ ノール系、セルロース系等各種の活性炭素繊維を使用できる。

【０００７】

【作用】 本考案の吸着塔の構成によれば、ガス吸着用エレメントを装着固定した無孔フ ランジを吸着塔本体の開口側から外して吸着塔本体から抜き出すことにより、ガ ス吸着用エレメントを吸着塔本体から取り外し、一方、ガス吸着用エレメントを 吸着塔本体内に挿入して無孔フランジを吸着塔本体の開口側に取り付けることに より、ガス吸着用エレメントを吸着塔本体に取り付けることができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】 図１は、本考案の実施例の吸着塔の一部切欠分解斜視図、図２は縦断面図、図 ３は、図２のＡ−Ａ線断面図であり、筒状の吸着塔本体１の筒軸芯方向の一端側 に排気部としての排気用筒部２を設けるとともに、他端側に開口３を形成し、そ の吸着塔本体１内に活性炭素材製吸着材層としての活性炭素繊維製吸着材層４を 備えたガス吸着用エレメント５を設けて吸着塔６を構成する。

【００１０】 吸着塔本体１の周方向所定箇所に、供給方向がほぼ接線方向を向くように溶剤 含有ガスを供給するガス供給管７を接続する第１のフランジ管７ａと、脱着した 溶剤を回収する溶剤回収管８を接続する第１の接続管８ａとを一体連接する。

【００１１】 排気用筒部２に、排気管９（図６参照）を接続する第２のフランジ管９ａを一 体連接する。また、排気用筒部２に、内部に電気ヒータ１０を収容した筒体１１ を取り付けるとともに、その筒体１１の途中箇所に、過熱水蒸気を供給する蒸気 供給管１２を接続する第２の接続管１２ａを一体連接する。

【００１２】 吸着塔本体１の開口３の外周縁には環状のフランジ１３を一体連接し、その周 方向に所定間隔を隔てて仮止め用のボルト穴１４…と締め付け金具１５…とを設 ける。図中１６…は、架台１７（図４参照）に吸着塔本体１を固定するためのブ ラケットを示している。

【００１３】 ガス吸着用エレメント５は、無孔フランジ１８に一体的に取り付けた巻芯１９ にフェルト状の活性炭素繊維製吸着材層４を巻き付けるとともに、最外周面を金 網２０で固定し、かつ、金網２０の筒軸芯方向両端それぞれに環状の帯板２１を 取り付けて補強する。

【００１４】 巻芯１９は、対向する筒状フランジ２２，２２を周方向に所定間隔を隔てた棒 材２３の溶接により一体連結するとともに、棒材２３…の内側の筒軸芯方向２箇 所に環状棒材２４，２４を溶接により一体連接して構成する。

【００１５】 無孔フランジ１８の外面側に、人為的な運搬を行うための一対の把手２５を設 けるとともに、所定箇所に、蓋２６によって開閉可能に、フォークリフトのフォ ークなどを挿通するための運搬用開口２７を形成する。

【００１６】 また、無孔フランジ１８の外周縁に、周方向に所定間隔を隔てて前記締め付け 金具１５を係止する係止部材２８…を付設するとともに前記ボルト穴１４…それ ぞれに対応するボルト穴１４ａ…を付設し、ガス吸着用エレメント５を開口３か ら吸着塔本体１内に挿入し、ガス吸着用エレメント５の外周面と吸着塔本体１の 内周面との間に環状の隙間Ｓを形成する状態で、吸着塔本体１の開口３側のフラ ンジ１３に無孔フランジ１８を着脱可能に取り付けるようになっている。そして 、ガス吸着用エレメント５を吸着塔本体１に取り付けた状態で、その外周面をア ルミ箔付きのグラスウールなどの断熱材で覆うようになっている。

【００１７】 金網２０の外周面で、吸着塔本体１内に挿入した状態で下側となる面に、周方 向および筒軸芯方向それぞれに所定間隔を隔てて支持用ライナー２０ａ…を溶接 により一体連接し、支持用ライナー２０ａ…を介してガス吸着用エレメント５を 吸着塔本体１の内周面に支持させ、ガス吸着用エレメント５を所定姿勢に維持す るようになっている。

【００１８】 次に、上記吸着塔６の一使用例につき、図４の正面図、図５の平面図、および 、図６のフローシートを用いて説明する。 架台１７上に、ブラケット１６…を介して二個の吸着塔６，６を並設するとと もに、有機溶剤を含有した溶剤含有ガスを供給するガス供給ブロワー２９、その ガス供給ブロワー２９を駆動する電動モータ３０、凝縮器３１および比重分離器 ３２を設置し、ガス供給ブロワー２９と電動モータ３０とを伝動ベルト（図示せ ず）を介して連動連結する。

【００１９】 ガス供給ブロワー２９と第１の三方弁３３とを介装したガス供給管７の端部を 第１のフランジ管７ａに接続し、また、第１の開閉弁３４を介装した溶剤回収管 ８ａを介して凝縮器３１と第１の接続管８とを接続するとともに、凝縮器３１と 比重分離器３２とを配管３５を介して接続し、更に、第２のフランジ管９ａに第 ２の三方弁３６を介装した排気管９を接続し、かつ、第２の接続管１２ａに第２ の開閉弁３７を介して蒸気供給管１２を接続する。

【００２０】 以上の構成により、前記第１および第２の三方弁３３，３６の所定の切換えと 、第１および第２の開閉弁３４，３４，３７，３７の所定の開閉とにより、ガス 供給ブロワー２９によって一方の吸着塔６にガス発生源からの溶剤含有ガスを供 給してガス吸着用エレメント５を通過させ、溶剤をガス吸着用エレメント５の活 性炭素繊維製吸着材層４に吸着する。そして、そのときに、他方の吸着塔６にお いて、過熱水蒸気を供給することにより、ガス吸着用エレメント５の活性炭素繊 維製吸着材層４に吸着された有機溶剤を加熱脱着して再生し、脱着した溶剤を凝 縮器３１に供給して液化した後に比重分離器３２に供給し、液状溶剤を分離して 回収するようになっている。

【００２１】 そして、活性炭素繊維製吸着材層４が古くなって交換するときには、締め付け 金具１５を解除するとともにボルト穴１４…，１４ａ…からボルト３８を外し、 無孔フランジ１８を吸着塔本体１から取り外してガス吸着用エレメント５全体を 抜き出し、新しいガス吸着用エレメント５を吸着塔本体１内に挿入するとともに 、ボルト穴１４…，１４ａ…にボルト３８を締め付け、更に、締め付け金具１５ で締め付け、取り付けを完了する。

【００２２】 活性炭素繊維製吸着材層４としては、例えば、公称比表面積1000ｍ² ／ｇのピ ッチ系活性炭素繊維（Ａ−１０：株式会社アドール製）をフェルト状に加工した 活性炭素繊維フェルト（ＦＮ３００ＧＦ１０：大阪ガスケミカル株式会社製）を 用いる。この活性炭素繊維製吸着材層４に代えて、粒状活性炭を充填したものを 用いるなど、各種の活性炭素材製吸着材層を使用できる。

【００２３】 上記実施例では、２個の吸着塔６，６を並設して有機溶剤を連続的に吸着でき るタイプの溶剤回収装置に適用して示しているが、本考案の吸着塔は、１個の吸 着塔で間歇的に吸着と脱着とを行うタイプの溶剤回収装置にも適用でき、また、 横向きに設置したタイプに限らず、縦向きに設置したタイプにも適用できる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案の吸着塔によれば、吸着塔本体に、ガス供給管、蒸気供給管および溶剤 回収管それぞれを接続するとともに排気部を設け、その吸着塔本体の開口側に対 してガス吸着用エレメントを装着固定した無孔フランジを着脱可能に取り付ける から、ガス吸着用エレメントの交換に際して、無孔フランジを吸着塔本体の開口 側に着脱するとともにガス吸着用エレメントを吸着塔本体に挿脱するだけで、各 種配管の接続解除や部材の退避をせずに済み、ガス吸着用エレメントの交換作業 を迅速かつ容易に行うことができ、その交換に伴っての溶剤回収作業の中断時間 も短縮でき、実用上極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の吸着塔の一部切欠分解斜視図
である。

【図２】吸着塔の縦断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】吸着塔の一使用例を示す正面図である。

【図５】吸着塔の一使用例を示す平面図である。

【図６】吸着塔の一使用例を示すフローシートである。

【符号の説明】

１…吸着塔本体 ２…排気部としての排気用筒部 ３…開口 ４…活性炭素材製吸着材層としての活性炭素繊維製吸着
材層 ５…ガス吸着用エレメント ７…ガス供給管 ８…溶剤回収管 １２…蒸気供給管 １８…無孔フランジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 竹本 哲也 大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 活性炭素材製吸着材層によるガス吸着用
   エレメントを設けた筒状の吸着塔本体に、溶剤含有ガス
   を供給するガス供給管を接続するとともに、前記活性炭
   素材製吸着材層を間にした前記ガス供給管とは反対側に
   溶剤を吸着除去した後のガスを排出する排気部を設け、
   かつ、前記活性炭素材製吸着材層を間にして、吸着した
   溶剤を脱着する過熱水蒸気を供給する蒸気供給管と、脱
   着した溶剤を回収する溶剤回収管とを前記吸着塔本体に
   接続する吸着塔において、 無孔フランジ側に前記ガス吸着用エレメントを装着固定
   し、一方、前記吸着塔本体には、前記ガス吸着用エレメ
   ントを挿脱する開口を設けて、前記吸着塔本体の開口側
   に前記無孔フランジを着脱可能に取り付け、前記吸着塔
   本体に、前記ガス供給管、前記蒸気供給管および前記溶
   剤回収管それぞれを接続するとともに前記排気部を設け
   ることを特徴とする吸着塔。