JP2013071072A - 有機溶剤ガスにおける排ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸着効果の低下した吸着のみを簡単に交換して吸着塔の維持管理を省力化できる排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】 有機溶剤ガスを吸着ブロアを介して吸着させる着脱自在の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に設けた活性炭で前記有機溶剤を吸着するように構成した排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置で使用済みの吸着塔を回収して再生する再生脱着ユニットと、該再生脱着ユニットで再生した吸着塔を乾燥する再生乾燥ユニットとを別設したことを特徴とする排ガス処理装置を構成するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば人体に有害なトルエン、キシレン等のVOCガスにおける排ガス処理装置に関する。
従来、例えば、家具工場で、工場の塗装ブースからトルエン、キシレン等のVOCガスが排出される。ところで、この種の人体に有害な有機溶剤を使用する場合、洗浄装置外に有害なトルエン、キシレン等のVOCガスが漏れ出ないようにしなければならない。しかるに、有害なトルエン、キシレン等のVOCガスを外部に排気するようにしているところもある。
一方、活性炭にトルエン、キシレン等のVOCガスを吸着させて排ガス処理する排ガス処理装置も開発されている(公知文献1)。
登録実用新案第3027185号公報 この場合、活性炭に吸着したトルエン、キシレン等のVOCガスが飽和状態にまで達すると、トルエン、キシレン等を効果的に吸着できなくなり、トルエン、キシレン等が漏れてしまう。このため、この種の排ガス処理装置には、活性炭に吸着したトルエン、キシレン等のVOCガスを除去する再処理装置が付帯している。このような再処理装置は、活性炭に吸着したトルエン、キシレン等のVOCガス発生装置と、気化したトルエン、キシレン等のVOCガスを液化する冷却装置と、液化したトルエン、キシレン等のVOCガスと水とを比重分離によって分離する分離器等から構成され、分離器によって回収したトルエン、キシレン等を再び有機溶剤として再利用するようにしている。
人体に有害なトルエン、キシレン等を使用する家具工場には、有害なトルエン、キシレンを吸着する吸着塔が必要不可欠であるとともに、吸着効果の低下した活性炭からトルエン、キシレンを除去する再処理装置も別途必要となる。このため、再処理のための設備コストがかかるとともに、吸着塔の維持管理に手間がかかる。また、吸着効果の低下した活性炭を再生する作業時においては、有機溶剤を使用する塗装工場を稼働できないから、塗装能率も悪くなるという問題があった。
また、このような問題点を解決し、吸着効果の低下した吸着塔を交換しても吸着塔の乾燥工程に要する作業時間がかかり、また再生した吸着塔を再処理装置に着装するのに要する時間がかかり、維持管理を能率的に行えない欠点があった。
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、吸着効果の低下した吸着のみを簡単に交換して吸着塔の維持管理を省力化できる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、有機溶剤ガスを吸着ブロアを介して吸着させる着脱自在の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に設けた活性炭で前記有機溶剤を吸着するように構成した排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置で使用済みの吸着塔を回収して再生する再生脱着ユニットと、該再生脱着ユニットで再生した吸着塔を乾燥する再生乾燥ユニットとを別設したことを特徴とする排ガス処理装置を構成するものである。
請求項2の発明は、前記請求項1記載の排ガス処理装置において、前記有機溶剤がトルエン、キシレン等のVOCガスであることを特徴とするものである
請求項3の発明は、前記請求項1記載の排ガス処理装置において、前記再生脱着ユニットは、前記回収した吸着塔に蒸気を送り込んで前記活性炭に吸着した有機溶剤ガスを気化させる蒸気発生装置と、該蒸気発生装置で気化したガスと蒸気を液化する冷却装置と、液化した有機溶剤と水とを比重分離する分離器と分離器によって回収した有機溶剤を回収する溶剤タンクと分離器によって回収した水をドレンタンクに送り、曝気装置により処理する装置とを設けたものである。
請求項4の発明は、前記請求項1記載の排ガス処理装置において、再生脱着ユニットで再生した吸着塔は乾燥冷却ブロアで空気を吸着塔に送風して活性炭を乾燥する再生乾燥ユニットを別設したものである。
請求項1の発明によれば、常に塗装工程で発生する人体に有害なVOCガスを吸着塔で効果的に吸着でき、有害な有機ガスが洗浄機の外部に漏れ出ることはない。常に吸着効果の優れた吸着塔によって有害なトルエン、キシレン等のVOCガスを吸着してトルエン、キシレン等のVOCガスの漏れを確実に防止することができる。
請求項2の発明によれば、前記請求項1の排ガス処理装置において、トルエン、キシレン等のVOCガスであるから、取扱の容易なトルエン、キシレン等のVOCガスによって塗料に使用でき、しかも人体に有害なトルエン、キシレン等のVOCガスをカーボンタンクで効果的に吸着できる。
請求項3の発明によれば、前記請求項1の排ガス処理装置において、吸着塔の再生に伴なう各種付帯機器が不要で設備コストを低減できるとともに、再処理作業も短時間で済むから省力化できる。
請求項4の発明によれば、前記請求項1の排ガス処理装置において、有機溶剤ガスの活性炭を乾燥させる再生乾燥ユニットを別設したので、吸着塔を再処理施設で迅速に再生することができ、設備コストを低減できる。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1、図2及び図3は本発明の一実施例を示し、図2において、工場塗装ブースからの排出したトルエン、キシレン等のVOCガスは吸着ブロア3を経て吸着塔1に吸引される。吸着塔1内部にトルエン、キシレン等のVOCガスを吸着する活性炭2を内蔵している。3は前記トルエン、キシレン等のVOCガスを含んだ処理ガスを吸着塔1に強制的に送り出すブロアである。また、吸着塔1の排気側には所定のレベル以上のガス濃度を検出するガスセンサー4が設けられており、このガスセンサー4の検知信号によって吸着塔1が交換時期であることを警報する。
次に吸着塔1を再生する再生脱着ユニット20について説明する。再生脱着ユニット20は図1に示すように、吸着塔1内に蒸気を送り、吸着塔1に内蔵する活性炭2に付着したトルエン、キシレン等のVOCガスを気化させる蒸気発生装置22と、この蒸気発生装置22によって送り出される吸着塔1内の空気を冷却させて蒸気と気化したトルエン、キシレン等のVOCガスを液化する冷却装置としてのコンデンサー23と、このコンデンサー23で液化したトルエン、キシレン等のVOCガスと蒸気凝縮水とを比重分離する第1分離器24が設けられている。なお、前記第1分離器24から排水した分離水は更にVOCガスと蒸気凝縮水とを比重分離する第2分離器25で分離され、ドレンタンク26と溶剤タンク27に貯蔵される。ドレンタンク26に貯蔵された凝縮水は第1排水ポンプ28によって連続式曝気槽29に送られ、排水中のトルエン、キシレン等のVOCガスの濃度を基準値以下に処理して排水タンク30を経て第2排水ポンプ31から排水される。
なお、再生脱着ユニット20のコンデンサー23で凝縮しきれないトルエン、キシレン等のVOCガスである不凝ガスはドレンタンク26を経て別置の吸着塔32に導引され、別置の吸着塔32で不凝ガスは吸着され、吸着塔32は再び再生脱着ユニット20の吸着塔1と交換されて再生脱着ユニット20で再生される。再生された吸着塔は前記吸着塔と同様に再使用される。
同様に、連続式曝気槽29に送られたトルエン、キシレン等のVOCガスも別置の吸着塔32に導引され、別置の吸着塔32で不凝ガスは吸着され、吸着塔32は再生脱着ユニット20の吸着塔1と交換されて再生脱着ユニット20で再生される。再生された吸着塔は前記吸着塔と同様に再使用される。
一方、第2分離器25から排出したトルエン、キシレン等を含んだ回収溶剤は、溶剤タンク27で回収溶剤に混入した微量の水分や酸分を除去し、さらにフィルターで濾過した後、回収溶剤ポンプ32によって安定剤を添加して溶剤性能を高めたトルエン、キシレン等をストックタンクに貯蔵して所定量ドラム管に充填してもよい。
こうして再生処理した再生吸着塔1Aは、水分を含有し乾燥していないから、図3に示すように、再生脱着ユニット20の吸着塔1から取り外して、図3に示すように、再生乾燥ユニット40の乾燥冷却ブロア35によって最終的に温風を供給して再生吸着塔1A内の水分を乾燥させ、外気に排気させ、一部は排気排水タンク36を経てポンプで連続式曝気槽29に送られ、排水中のトルエン、キシレン等のVOCガスの濃度を基準値以下に処理して排水タンク30を経て第2排水ポンプ31から排水される。
この活性炭を乾燥させる乾燥装置によって前述の再生吸着塔1A内の水分を含有
していない乾燥したユニットを多数用意できるから、有機溶剤ガスを吸着させる着脱自在の吸着塔に連続的に供給でき、再処理作業も短時間で済むから省力化できる。
以上のように構成される本発明の作用について説明する。
図2に示すように、家具工場で、工場の塗装ブースから排出されたトルエン、キシレン等のVOCガスは吸着ブロア3によって吸着塔1に吸引され、有害なトルエン、キシレン等のVOCガスが吸着塔1に内蔵した活性炭2に吸着され、清浄な空気が外部に排気される。こうして繰り返して吸着塔1に吸引したトルエン、キシレン等のVOCガスが飽和状態となってVOCガスの吸引効果が低下すると、吸着塔1に設けたガスセンサーによって所定レベル以上のガス濃度が検出され、このガスセンサーから離れた再生脱着ユニット20に検知信号が出力される。こうして再生脱着ユニット20にガスセンサーの信号が出力されると、図1に示す再生脱着ユニットで再生した吸着塔1Aが、あらかじめ図3に示す乾燥冷却ブロア35で空気を吸着塔1Aに送風して活性炭を乾燥した再生吸着塔1Aをトラック輸送等によって搬送し、吸着効果の低下した再生脱着ユニット20の吸着塔と脱着ユニット20を経て再生乾燥ユニットから搬送した吸着塔1Aとを交換する。
図1に示すように、再生脱着ユニット20に運ばれた吸着塔は、ボイラー22からの蒸気が送り込まれて吸着塔内の活性炭2に付着したトルエン、キシレン等のVOCガスが気化し、このVOCガスと蒸気が混在した吸着塔1内の空気がコンデンサー23に供給され、VOCガスと蒸気凝縮水とが液化する。このVOCガスと蒸気凝縮水は第1分離器24、第2分離器25へと送り出され、第1、第2分離器24,25でVOCガスと水とに比重分離し、分離水はドレンタンク26に貯蔵されてポンプでポンプ28を経て連続式曝気装置29に送られ、この連続式曝気装置29よりVOCガスの濃度を基準値以下に処理して排水される。一方、第2分離器25から排出したVOCガスは、フィルターで濾過して溶剤タンク27に送り貯蔵する。そして所定量の再利用可能なトルエン、キシレンだけを回収する。
一方、再生処理した再生吸着塔1Aは、水分を含有し乾燥していないから、再生脱着ユニット20の吸着塔1から取り外して、図3に示すように、温風によって再生吸着塔1A内の水分を乾燥させ、外気に排気させ、一部は排気排水タンクを経てポンプで連続式曝気槽29に送られ、排水中のトルエン、キシレン等のVOCガスの濃度を基準値以下に処理して排水タンク30を経て第2排水ポンプ31から排水されるので、活性炭を乾燥させる乾燥装置によって前述の再生吸着塔1A内の水分を含有していない乾燥したユニットを多数用意できる。
この乾燥した吸着塔を再び塗装工場に還元することができるとともにこれを再生してストックするものであるから、ストックした再生吸着塔を迅速に交換することができる。
以上、本発明の一実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、再生脱着ユニット20と再生乾燥ユニット40は独立したものであってもよい。その他基本的な構造やレイアウトあるいは吸着塔の形状やその取付け構造等は適宜選定すればよい。
本発明の一実施例を示す再生脱着ユニットの説明図である。 本発明の一実施例を示す工場塗装ブースからの排出したトルエン、キシレン等のVOCガスが吸着ブロア3を経て吸着塔に吸引される状態を示す正面図である。 本発明の一実施例を示す再生乾燥ユニットを示す説明図である。
1 吸着塔
2 活性炭
3 ブロア
20 再生脱着ユニット
22 蒸気発生装置
23 コンデンサー
24 第1分離器
25 第2分離器
26 ドレンタンク
27 溶剤タンク
29 連続式曝気槽
32 別置吸着塔
40 再生乾燥ユニット

Claims (4)

  1. 有機溶剤ガスを吸着ブロアを介して吸着させる着脱自在の吸着塔を設け、該吸着塔の内部に設けた活性炭で前記有機溶剤を吸着するように構成した排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置で使用済みの吸着塔を回収して再生する再生脱着ユニットと、該再生脱着ユニットで再生した吸着塔を乾燥する再生乾燥ユニットとを別設したことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記有機溶剤がトルエン、キシレン等のVOCガスであることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記再生脱着ユニットは、前記回収した吸着塔に蒸気を送り込んで前記活性炭に吸着した有機溶剤ガスを気化させる蒸気発生装置と、該蒸気発生装置で気化したガスと蒸気を液化する冷却装置と、液化した有機溶剤と水とを比重分離する分離器と分離器によって回収した有機溶剤を回収する溶剤タンクと分離器によって回収した水をドレンタンクに送り、曝気装置により処理する装置とを設けたことを特徴とする請求項1及び/又は請求項2記載の排ガス処理装置。
  4. 再生脱着ユニットで再生した吸着塔は乾燥冷却ブロアで空気を吸着塔に送風して活性炭を乾燥する再生乾燥ユニットを別設したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
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