JPH0536646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は蛇腹型ダストカバーの成形装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、蛇腹型ダストカバーの成形装置として
は、第２図〜第５図に示されるものが知られてい
る。

この成形装置は、下型５０と、二ツ割型５１、
上型５２および二ツ割型型締用リング５３などを
具えて構成されており、二ツ割型型締用リング５
３が上型５２にボルト５４により固定されてい
る。

この成形装置は、下型５０、二ツ割型５１、上
型５２の間に挿入された成形材をボルト５４の締
結により二ツ割型型締用リング５３を介して型締
することによつて蛇腹型ダストカバーを成形する
ように構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来の成形装置においては、二ツ割面
５５のバリを防止するために、二ツ割型型締用リ
ング５３と二ツ割型５１のインロー部を固く結合
させると二ツ割型型締用リング５３のパーテイン
グ部５６に間隙が生じ、この間隙の部分にバリが
流出する。

一方、逆にすると、パーテイング部５６にバリ
が発生するのを防止できるが二ツ割面５５にバリ
が発生する。

このことは、各型が新しく二ツ割面５５および
パーテイング部５６に間隙がないように高精度に
作成された場合でも、成形を行なうことによつて
二ツ割型５１および二ツ割型型締用リング５３の
インロー部およびパーテイング部５６が摩耗する
と、前述したような問題によつてバリが発生する
恐れがある。

バリが流出すると、成形品の仕上げ加工が困難
であるとともに、二ツ割面５５のバリは蛇腹形状
のため、ハサミ等を使用することができず、手作
業によつてバリを取り除かなければならず、手間
が非常にかかる。

また、バリが厚くなるとバリを除去するとき
に、成形品に損傷が生じる恐れがあり、歩留りが
低下するという不具合がある。

本考案の目的は、上記のような欠点を排除し
て、成形にともなうバリの流出を防止することが
できる蛇腹型ダストカバーの成形装置を提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案は、断面形
状が蛇腹状の成形用雄部を有する下型と、下型の
成形用雄部と係合する成形用雌部を有し、この成
形用雌部の外周側にその上部から下部に行くに従
つて順次大径となるテーパ面を有する二ツ割型
と、二ツ割型頂部と係合する上型と、二ツ割型の
テーパ面と嵌合する嵌合部を有し、弾性体を介し
て上型と締結部材で連結され、締結部材の締結力
により上型を下型方向へ押圧する二ツ割型型締用
リングとを含む蛇腹型ダストカバーの成形装置を
構成したものである。

〔作用〕

本考案は前記のように構成したことにより、上
型が型締されていくとき、二ツ割型のテーパ面と
二ツ割型型締用リングの嵌合部とが嵌合し、上型
が二ツ割型に当接する前に、二ツ割型型締用リン
グのインロー部のくさび効果によつて、二ツ割型
に充分な型締力が加えられる。

さらに型締されると、この型締力に応じて二ツ
割型型締用リングが軸方向に移動し、上型と二ツ
割型とが当接する際に、適度な型締力が各型に与
えられ、成形時にバリが流出するのが防止され
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図には本考案による蛇腹型ダストカバーの
成形装置が示されていて、この蛇腹型ダストカバ
ーの成形装置は、下型１０と、二ツ割型１２と、
上型１６と、二ツ割型型締用リング２３とを具え
ている。

前記下型１０は、その上部の外側部に断面形状
が蛇腹状の成形用雄部１１を有し、ベース上に固
定されている。

前記下型１０の外周側には、下型１０と係合す
る二ツ割型１２が配置されている。

前記二ツ割型１２は、その上部の内側部に下型
１０の成形用雄部１１と係合する成形用雌部１３
を有し、この成形用雌部１３の外周側にはその上
部から下部に行くに従つて順次大径となるテーパ
面１４が形成されている。

このテーパ面１４は角度θに設定されている。

さらに二ツ割型１２の頂部にはパーテイング部
１５が形成されている。

そして、前記二ツ割型１２の上方には鉛直方向
に沿つての移動が可能な上型１６が配置されてお
り、上型１６の下部には二ツ割型１２のパーテイ
ング部１５と係合する凸状のパーテイング部１７
が形成されている。

さらに、上型１６のパーテイング部１７より外
周側に溝１８，１９が形成されているとともに、
溝１８と１９とを結ぶ貫通孔２０が形成されてい
る。

この溝１８および貫通孔２０内にはボルト２１
が挿着され、溝１９内には皿ばね２２と、二ツ割
型型締用リング２３の上部側が挿着されている。

この二ツ割型型締用リング２３の中心部には挿
入孔２４が形成されており、この挿入孔２４内に
はボルト２１とナツト２５が挿入され、ナツト２
５がボルト２１のネジ部に連結されていいる。

そして、ボルト２１とナツト２５との締結によ
りリング２３が弾性体としての皿ばね２２を介し
て上型１６に連結されている。

そして、リング２３はボルト２１とナツト２５
との締結により最大ストロークαの範囲で鉛直方
向に沿つて移動可能とされている。

また、リング２３の内周側には二ツ割型１２の
テーパ面１５と係合するテーパ面２６が形成され
ており、各テーパ面１４と２６とのインロー合せ
は、テーパ面２６側の径を2α×tanθ／直径、以
下の範囲で小さくなるように設定されている。

以上の構成において、下型１０上に二ツ割型１
２をセツトするとともに、下型１０と二ツ割型１
２との間に成形材を装着する。

この後、上型１６を下型１０の方向へ下降し、
型締機構（図示省略）により上型１６を型締する
と、パーテイング部１７とパーテイング部１５と
が当接する前に、リング２３と二ツ割型１４との
インローのくさび効果によつて二ツ割型１２に充
分な型締力が加えられる。

この後、さらに上型１６を型締すると、皿ばね
２２の弾性力によりリング２３が軸方向に移動
し、パーテイング部１７と１５とが当接し、各型
に適度な型締力が加えられる。

このため、二ツ割型１２およびリング２３のイ
ンローおよびパーテイング部１７，１５が摩耗し
ても、パーテイング面および二ツ割面からバリが
流出するのを防止することができる。

これにより、仕上げ加工による作業が不要にな
るとともに、成形品の品質の向上に寄与すること
ができる。

〔考案の効果〕

以上、説明したように、本考案によれば、上型
と二ツ割型型締用リングを弾性体を介して連結
し、上型を型締する際リングを軸方向に移動させ
て各型に適度な型締力が与えられるようにしたた
め、成形時にバリが流出するのを防止することが
でき、作業工数の低減及び成形品の品質の向上に
寄与することができるなどのすぐれた効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部断面図、
第２図は従来例の正面図、第３図は第２図の−
線に沿う断面図、第４図は第２図の−線に
沿う断面図、第５図は二ツ割面の説明図である。 １０，５０……下型、１１……成形用雄部、１
２，５１……二ツ割型、１３……成形用雌部、１
４，２６……テーパ面、１５，１７，５６……パ
ーテイング部、１６，５２……上型、２１，５４
……ボルト、２２……皿ばね、２３，５３……二
ツ割型型締用リング、２５……ナツト、５５……
二ツ割面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面形状が蛇腹状の成形用雄部１１を有する下
   型１０と、下型１０の成形用雄部１１と係合する
   成形用雌部１３を有し、この成形用雌部１３の外
   周側にその上部から下部に行くに従つて順次大径
   となるテーパ面１４を有する二ツ割型１２と、二
   ツ割型１２頂部と係合する上型１６と、二ツ割型
   １２のテーパ面１４と嵌合する嵌合部を有し、弾
   性体２２を介して上型１６と締結部材２１，２５
   で連結され、締結部材２１，２５の締結力により
   上型１６を下型方向へ押圧する二ツ割型型締用リ
   ング２３とを具えたことを特徴とする蛇腹型ダス
   トカバーの成形装置。