JPH053579B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、処理液槽に感光材料を通して処理
する現像装置に関し、特に詳しくは感光材料を自
動的に処理する現像装置に関するものである。

［従来の技術］ 現像装置として、例えば、処理液槽に露光され
たフイルム等の感光材料を通して自動的に処理す
るものがある。

ところで、このような現像装置は処理液槽の上
部が大きく開口しており、処理液が空気と接触す
る面積が大きいため、空気酸化が起こり易い。ま
た、処理液の処理温度が30度前後に維持されるた
め、処理液の蒸発量が多い。さらに、感光材料を
送る搬送ローラが処理液の液面と接近して配置さ
れていると、搬送ローラの回転によつて処理液が
持ち上げられ、槽外に飛散するのみならず処理液
の空気酸化が著しくなる等の問題がある。特に、
処理液が現像液である場合には空気酸化という問
題は極めて深刻である。

［発明が解決しようとする課題］ このように、処理液の蒸発及び／または飛散で
処理液が減少したりすると、補充液を補充する必
要があるが、その分余分に補充しなければならず
補充量が増加するのみならず、処理液、特に現像
液が空気酸化で疲労する場合には、処理液の交換
を余儀なくされる場合が多い。このため、例えば
実公昭54−27968号公報、特開昭59−135467号公
報及び特公昭45−21557号公報に開示されるよう
に、処理液槽の処理液面に蓋を浮かべて覆い処理
液の蒸発、飛散、特に空気酸化を防止するものが
あるが、このものは蓋が処理液面に応じて変動す
るため、処理液槽の処理液面を密閉することがで
きず、処理液の蒸発、飛散、空気酸化を防止する
には一定の限界がある。また、処理液面に浮かべ
た蓋の周囲に処理液が付着して結晶となつたり、
ゴミが付着して処理液を汚したり、さらには搬送
される感光材料に結晶やゴミが付着して汚した
り、感光材料の表面が傷つけられるおそれがあ
る。

この発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
で、処理液槽内の処理液の蒸発、飛散さらには酸
化をより一層軽減するとともに、処理液槽を密閉
する蓋部材に処理液が付着して結晶となり、ゴミ
が付着して処理液を汚したり、感光材料に結晶や
ゴミが付着して汚したり、感光材料の表面を傷つ
けることを防止する現像装置を提供することを目
的としている。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、この発明は、処理
液槽に感光材料を通して処理する現像装置におい
て、前記処理液槽の上部に前記感光材料が通過す
るスリツトを有する蓋部材を設けて密閉し、この
蓋部材で密閉された前記処理液槽内に処理液を供
給する処理液供給手段を備え、この処理液供給手
段から処理液を前記処理液槽内に供給して前記蓋
部材のスリツトから処理液をオーバフローさせる
ことを特徴としている。

［作用］ この発明は、処理液槽の上部が蓋部材で密閉さ
れ、感光材料が蓋部材に形成されたスリツトを通
して搬送されるため、処理液の蒸発、飛散、特に
酸化がより一層効果的に防止される。また、処理
液槽に処理液が供給され、処理液が蓋部材のスリ
ツトからオーバフローするから、処理液がスリツ
トに付着して結晶となつたり、ゴミが付着して処
理液を汚したり、搬送される感光材料に結晶やゴ
ミが付着して汚したり、感光材料の表面を傷つけ
ることが防止される。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。

図において符号１は外光を遮閉する自動現像装
置の装置本体で、この装置本体１の一側には供給
台２が備えられている。画像を露光した例えばロ
ール巻またはシート状のフイルム等の感光材料３
はこの供給台２から装置本体１内に供給さる。

装置本体１の他側には捕集ラツク４が設けら
れ、現像処理された感光材料３はこの捕集ラツク
４から取り出される。

自動現像装置は供給台２が暗室側に、また捕集
ラツク４が明室側に位置して配設される。そし
て、装置本体１の前面上部には操作表示部５が設
けられ、この操作表示部５には必要とする操作ス
イツチ及び表示器が取り付けられている。

装置本体１の供給台２側には感光材料取入口６
が設けられ、一方捕集ラツク４側には感光材料取
出口７が設けられている。この感光材料取入口６
と感光材料取出口７との間、即ち、装置本体１内
部には図示しない駆動装置により等速で駆動され
る多数の搬送ローラ８が配設され、これにより蛇
行した搬送路９が形成されている。

この搬送路９に沿つて順次隣合わせて現像液槽
１０、定着液槽１１、水洗液槽１２及び乾燥部１
３が配設されている。

現像液槽１０の上部には蓋部材１４が一体設け
られ、現像液槽１０の上方の開口が蓋部材１４で
密閉されている。この蓋部材１４には上方へ一対
のボス部１５，１６が突出され、このボス部１
５，１６にはスリツト１７，１８が形成されてい
る。感光材料３はこのスリツト１７から挿入さ
れ、他方のスリツト１８から取り出される。

このスリツト１７，１８は感光材料３の搬送方
向に直交するように長く形成されており、その長
さは種々の感光材料３が搬送できる長さで、幅は
感光材料の挿入が円滑にでき、しかも空気との接
触を極力抑えることができる所定幅に形成されて
いる。

現像液槽１０には現像液１９が貯溜されてお
り、この現像液１９は蓋部材１４のスリツト１
７，１８からオーバフローしている。また、定着
液槽１１には定着液２０が貯溜されている。現像
液槽１０からオーバフローした現像液１９は蓋部
材１４上に流れ出して処理液循環装置２１によ
り、現像液槽１０に再び戻され、現像液１９が常
に蓋部材１４のスリツト１７，１８がオーバフロ
ーするようになつている。この理液循環装置２１
が、処理液槽に処理液を供給する処理液供給手段
を構成している。

前記の感光材料取入口６には感光材料検出セン
サ２２が設けられており、この感光材料検出セン
サ２２の出力信号に基づいて感光材料３の処理量
に基づく疲労と、空気酸化による疲労による補充
量を定め、補充装置２３から所定量の補充液を現
像液槽１０に供給するようになつている。

次に、この実施例の作用について説明する。

感光材料３を供給台２から、感光材料取入口６
に挿入すると、搬送ローラ８によつて現像液槽１
０、定着液槽１１及び水洗液槽１２の搬送路９を
通り現像処理される。

この現像液槽１０に搬入されるとき、感光材料
３は蓋部材１４のスリツト１７から挿入され、他
方のスリツト１８から取り出される。

現像液槽１０の上部は蓋部材１４で密閉されて
おり、開口面積をスリツト１７，１８による開口
のみにしているので、現像液１９が空気と接触す
る面積が極力抑えられ、現像液１９の酸化や、蒸
発がより一層効果的に防止される。

また、現像液１９は蓋部材１４のスリツト１
７，１８から常にオーバフローしており、ボス部
１５，１６の内側に現像液１９が付着して結晶と
なつて、処理液を汚したり、ゴミが付着して処理
液を汚すことがない。

また、スリツト１７，１８に処理液の結晶やゴ
ミが付着が防止されるから、感光材料３のスリツ
ト１７，１８への挿入及び取り出しが円滑であ
り、しかも搬送される感光材料３に結晶やゴミが
付着して汚したり、感光材料３の表面を損傷する
ことが防止される。

また、オーバフローした現像液１９は循環しな
いで、排液として処理してもよいことは勿論であ
る。

［発明の効果］ この発明は前記のように、処理液槽の上部に感
光材料が通過するスリツトを有する蓋部材を設け
て密封し、感光材料が蓋部材に形成されたスリツ
トを通して搬送されるため、処理液の蒸発、飛
散、特に酸化をより一層効果的に防止することが
できる。

また、蓋部材で密閉された前記処理液槽内に処
理液を供給する処理液供給手段を備え、この処理
液供給手段から処理液を処理液槽内に供給して蓋
部材のスリツトから処理液をオーバフローさせる
から、処理液がスリツトに付着して結晶となつた
り、ゴミが付着して処理液を汚すことが防止で
き、さらに搬送される感光材料に結晶やゴミが付
着して汚したり、感光材料の表面を傷つけること
が防止され、感光材料の処理品質が一層向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用した自動現像像装置の
断面図、第２図は要部の拡大断面図である。 １……装置本体、８……搬送ローラ、９……搬
送路、１０……現像液槽、１１……定着液槽、１
２……水洗液槽、１３……乾燥部、１４……蓋部
材、１５，１６……ボス部、１７，１８……スリ
ツト、１９……現像液、２０……定着液、２１…
…処理液循環装置、２３……補充装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 処理液槽に感光材料を通して処理する現像装
   置において、前記処理液槽の上部に前記感光材料
   が通過するスリツトを有する蓋部材を設けて密閉
   し、この蓋部材で密閉された前記処理液槽内に処
   理液を供給する処理液供給手段を備え、この処理
   液供給手段から処理液を前記処理液槽内に供給し
   て前記蓋部材のスリツトから処理液をオーバフロ
   ーさせることを特徴とする現像装置。