JPH0534944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、インクリボンのインクをサーマルヘ
ツドの熱により溶融して用紙に転写する熱転写プ
リンタに係り、特に、そのインクリボンを１対の
巻取コアに巻回してなる熱転写プリンタのリボン
保持体に関する。

〔従来の技術〕

従来の熱転写プリンタの一例として、プリンタ
本体内に、プラテンと、このプラテンに沿つて往
復動自在に配設されたサーマルヘツドとをそれぞ
れ設け、このサーマルヘツド近傍のプリンタ本体
に、インクリボンが内蔵されたリボン収納ケース
を着脱自在に装着したものが知られている。

そして、このようなリボン収納ケースに収納さ
れるインクリボンは、一般に、１対の巻取コアに
巻回されており、これらの１対の巻取コアからな
るリボン保持体は、リボン収納ケースから取出し
得るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように構成されているリボ
ン保持体をリボン収納ケースから取出した状態に
おいてそのまま放置しておくと、巻取コアが転動
することなどによりインクリボンが巻取コアから
ほどけたりしてしまい、取扱いが面倒であつた。

このため従来から、リボン保持体をケーシング
内において移動しないように収納して保管しなけ
ればならず、インクリボン使用後に不用となるケ
ーシングを用いることになり、コストアツプにつ
ながつていた。

本考案は、前述した従来のものにおける問題点
を解決し、リボン保持体が単体であるときにケー
シング内に収納することなくインクリボンのゆる
みが生じず、しかも安価に製造することのできる
熱転写プリンタのリボン保持体を提供することを
目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

前述した問題点を解決するため本考案は、プリ
ンタ本体に着脱自在に装着されるリボン収納ケー
スに収納されるリボン保持体であつて、それぞれ
スプールの両端に１対のフランジが周設されてな
る１対の巻取コアにインクリボンを巻回してなる
熱転写プリンタのリボン保持体において、前記１
対の巻取コアが一体となるように、一方の巻取コ
アの両フランジの内側にそれぞれ係合部を形成す
るとともに、他方の巻取コアの両フランジの外側
に前記係合部に同期的に係脱し得る係合部を形成
したことを特徴としている。

〔作用〕

前述した構成の本考案によれば、リボン収納ケ
ースから取外した単体時に、両巻取コアを一体化
することにより、ケーシングに収納することなく
インクリボンがほどけるのを防止することができ
る。また、熱転写プリンタのリボン収納ケースに
装着する際には両巻取コアを手で引張つて離間さ
せればよい。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により説明す
る。

第３図および第４図は本考案に係るリボン保持
体を収納するリボン収納ケースを適用したサーマ
ルプリンタの一実施例を示すもので、このサーマ
ルプリンタのプリンタ本体１内には、上面を接合
面とされた平板状のプラテン２が配設されてお
り、このプラテン２の長手方向に延在するガイド
ロツド３には、プラテン２の長手方向に走行可能
なキヤリツジ４が支持されている。このキヤリツ
ジ４には、前記プラテン２に対向する位置にサー
マルヘツド５が搭載されており、前記キヤリツジ
４の裏面側には、１対のプーリ６，６に懸架され
た無端状の駆動ベルト７が取付けられ、このプー
リ６，６をキヤリツジリターン用モータ８により
正逆両方向に回転駆動することにより前記キヤリ
ツジ４を往復動させるようになつている。また、
前記ガイドロツド３の両端部分には、それぞれリ
ボン巻取ボビン９，９が配設されており、このリ
ボン巻取ボビン９の一方には、伝達ベルト１０を
介してリボン巻取用モータ１１が接続され、この
モータ１１によりリボン巻取ボビン９が回転駆動
されるようになつている。前記各リボン巻取ボビ
ン９，９には、下部が切欠き形成されたリボン収
納ケース１２が装着されている。このリボン収納
ケース１２の両端部には、本考案のリボン保持体
１３を構成する１対の巻取コア１４Ａ，１４Ｂが
内蔵されており、これらの巻取コア１４Ａ，１４
Ｂに巻回されたインクリボン１５がその一部が前
記切欠き部分１２Ａに露出するように収納されて
いる。そして、前記インクリボン１５は、前記プ
ラテン２とサーマルヘツド５との間に配置され、
前記キヤリツジ４には、このインクリボン１５を
案内するピンチローラ１６，１６が回転自在に取
付けられている。

前記リボン保持体１３を構成する１対の巻取コ
ア１４Ａ，１４Ｂは、第１図および第２図Ａ，Ｂ
に詳示するように構成されている。すなわち、両
巻取コア１４Ａ，１４Ｂは、それぞれリボン巻取
ボビン９に嵌合される筒状のスプール１７の両端
に１対のフランジ１８Ａ，１８Ａ，１８Ｂ，１８
Ｂが一体に周設されており、各フランジ１８Ａ，
１８Ｂは多少撓み得るように弾性材料により形成
されている。そして、一方の巻取コア１４Ａの両
フランジ１８Ａ，１８Ａには外側すなわち図中上
部に位置するフランジ１８Ａの上面と図中下部に
位置するフランジ１８Ａの下面のそれぞれ一隅に
各フランジ１８Ａの厚さを薄くする削落部１９
Ａ，１９Ａが形成されており、上部に位置するフ
ランジ１８Ａの削落された上面には円周方向に間
隔を隔てて１対の凹部２０Ａ，２０Ａが形成され
ている。また、巻取コア１４Ａの下部に位置する
フランジ１８Ａの削落された下面には、それぞれ
一方の凹部２０Ａとスプール１７の軸方向におい
て対応するように円周方向に間隔を隔てて１対の
突部２１Ａ，２１Ａが突設されている。

さらに、他方の巻取コア１４Ｂの両フランジ１
８Ｂ，１８Ｂには、内側すなわち図中上部に位置
するフランジ１８Ｂの下面と図中下部に位置する
フランジ１８Ｂの上面のそれぞれ一隅に各フラン
ジ１８Ｂの厚さを薄くする削落部１９Ｂ，１９Ｂ
が形成されており、上部に位置するフランジ１８
Ｂの削落された下面には円周方向に間隔を隔てて
前記凹部２０Ａ，２０Ａに係合し得る１対の突部
２１Ｂ，２１Ｂが突設されている。また、巻取コ
ア１４Ｂの下部に位置するフランジ１８Ｂの削落
された上面には、それぞれ一方の突部２１Ｂとス
プール１７の軸方向において対応するように円周
方向に間隔を隔てて前記突部２１Ａ，２１Ａに係
合し得る１対の凹部２０Ａ，２０Ｂが形成されて
いる。

第３図および第４図に戻つて前記プリンタ本体
１の上流側端部位置には、用紙Ｓが重積載置され
た給紙カセツト２２が着脱可能に装着されてお
り、前記ケーシング１内には、給紙カセツト２２
内の用紙Ｓを上から１枚ずつ繰出す繰出しローラ
２３が配設されている。また、前記プリンタ本体
１内には、相互に接合する１対の搬送ローラ２４
が配設されており、前記プリンタ本体１には、こ
の搬送ローラ２４より上流側に用紙Ｓを１枚ずつ
供給する手差し用の挿入口２５が形成されてい
る。

前記プラテン２およびサーマルヘツド５間の印
字部より下流側には、相互に接合する複数対の排
紙ローラ２６，２６が配設されており、この排紙
ローラ２６は、用紙搬送用モータ２７により回転
駆動されるようになつている。また、前記排紙ロ
ーラ２６は、前記搬送ローラ２４に伝達ベルト２
８を介して接続されており、前記排紙ローラ２６
と搬送ローラ２４とが同期的にかつ等しい搬送速
度で駆動されるようになつている。さらに、前記
排紙ローラ２６の下流側には、排紙ローラ２６間
を通過した用紙Ｓを下方に搬送する断面円弧状の
ガイド部材（図示せず）が配設されている。この
ガイド部材は、鉛直面内において回動し、排紙ロ
ーラ２６に対し近接する位置と排紙ローラ２６の
右方向に離間する位置とを取り得るようになされ
ており、このガイド部材を回動させることによ
り、用紙Ｓをケーシング１内の下部に配設され水
平方向に移動可能とされた排紙トレイ（図示せ
ず）に上向きまたは下向きに受容できるようにな
つている。

また、本実施例においては、前記搬送ローラ２
４および排紙ローラ２６の間には、用紙Ｓの有無
を検出する位置検出センサ（図示せず）が配設さ
れており、前記プリンタ本体１の前記挿入口２５
内には、前記挿入口２５内における用紙Ｓの有無
を検出する用紙検出センサ（図示せず）が配設さ
れている。さらに、前記プリンタ本体１の前記挿
入口２５には、開閉用ソレノイド２９により開閉
駆動される開閉レバー３０が配設されており、こ
の開閉レバー３０が閉じた状態においては挿入口
２５内の用紙Ｓがプリンタ本体１内に送られない
ようになつている。前記位置検出センサ、用紙検
出センサ及び開閉ソレノイド２９は、それぞれ図
示しない制御装置に接続され、前記各センサから
の検出信号により前記開閉ソレノイド２９を駆動
して前記開閉レバー３０の開閉を行なうようにな
つている。

つぎに、本実施例の作用について説明する。

リボン保持体１３は、リボン収納ケース１２か
ら取出されている単体時においては、第２図Ａに
示すように、一方の巻取コア１４Ａの両フランジ
１８Ａ，１８Ａの凹部２０Ａ、突部２１Ａに他方
の両フランジ１８Ｂ，１８Ｂの突部２１Ｂ、凹部
２０Ｂが係合して巻取コア１４Ｂが巻取コア１４
Ａをいわゆるサンドイツチ状態にするようにして
巻取コア１４Ａおよび１４Ｂは一体的にされてい
る。そこで、このようなリボン保持体１３をリボ
ン収納ケース１２内に装着するには、両巻取コア
１４Ａ，１４Ｂを手で引張つて第２図Ｂに示すよ
うに離間せしめた上でリボン収納ケース１２内
に、巻取コア１３に巻回されたインクリボン１４
を装着する。そして、このリボン収納ケース１２
を前記巻取コア１３，１３が巻取ボビン９，９に
係合するように装着せしめる。

この状態において、ローラ２３を回転駆動して
給紙カセツト２２内の最上位の用紙Ｓをプリンタ
本体１内に導入する。そして、搬送ローラ２４を
駆動して用紙Ｓを搬送し、用紙Ｓの所定位置が印
字部に位置したら搬送ローラ２２を停止し、モー
タ８を駆動することにより、キヤリツジ４をガイ
ドロツド３に沿つて走行させながらサーマルヘツ
ド５を発熱して用紙Ｓ上にシリアル印字を行な
う。このとき、リボン巻取モータ１１を駆動して
巻取ボビン９を回転させることにより、巻取コア
１３を回転させ、インクリボン１４を所定量移動
させる。その後、再度搬送ローラ２４を駆動して
用紙Ｓを搬送し、用紙Ｓを所定位置において再度
停止する。そして、再度キヤリツジ４を走行せし
めながらサーマルヘツド５を発熱して用紙Ｓ上に
シリアル印字を行なう。このようにして順次用紙
Ｓを進めながらシリアル印字を繰返すと、用紙Ｓ
の先端部は排紙ローラ２６間に挟持されることに
なるが、今度はこの排紙ローラ２６により搬送ロ
ーラ２４と同期的かつ等しい搬送速度で用紙Ｓを
搬送することになる。その後、用紙Ｓは排紙ロー
ラ２６およびガイド部材間を通過して、印字面が
下向きになるフエイスダウン状態あるいは印字面
が上向きとなるフエイスアツプ状態になつて排紙
トレイ２６内に受容される。

このとき、本実施例においては、前記開閉レバ
ー３０は閉じられており、挿入口２５から用紙Ｓ
が挿入されないようになされている。

また、本実施例においては、給紙カセツト２２
の用紙Ｓがすべて供給され、プリンタ本体１内に
用紙Ｓが存在しない状態にあることを位置検出セ
ンサが検出し、かつ、挿入口２５に用紙Ｓが存在
していることを用紙検出センサが検出したら、前
記制御装置により、開閉ソレノイド２９を駆動
し、開閉レバー３０を開くよう動作させる。これ
により、挿入口２５内の用紙Ｓをプリンタ本体１
内に供給することができるが、通常は、挿入口２
５が開閉レバー３０により閉じられており、プリ
ンタ本体１内に用紙Ｓが存在しない場合にのみ挿
入口２５の開閉レバー３０が開いて挿入口２５か
ら用紙Ｓを供給できるようにしているので、給紙
カセツト２２からの用紙Ｓと挿入口２５からの用
紙Ｓが同時に供給されることがなく、プリンタ本
体１内における用紙Ｓのジヤムや誤動作を確実に
防止することができる。

前述したように本実施例においては、リボン保
持体１３が単体のときには、一方の巻取コア１４
Ａの両フランジ１８Ａ，１８Ａの凹部２０Ａ、突
部２１Ａに他方の巻取コア１４Ｂの両フランジ１
８Ｂ，１８Ｂの突部２１Ｂ、凹部２０Ｂを同期的
に係合せしめて両巻取コア１４Ａ，１４Ｂを一体
化することによりインクリボン１５のほどけるの
を防止できるし、また保管用のケーシングも必要
ないので安価に製造することができる。

なお、本考案は前述した実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。すなわち、巻取コア１４Ａ，１４Ｂのフラン
ジ１８Ａ，１８Ａ，１８Ｂ，１８Ｂには、相互に
同期的に係合し得る凹凸が形成されていればよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によればリボン収納
ケースから取外した単体のときに両巻取コアを一
体化できるので、インクリボンがゆるまず、しか
もゆるみ止めのケーシングも必要ないので安価に
製造でき、さらには係合部がフランジの外側に突
出しないので邪魔になることもないという優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリボン保持体の実施例を
示す斜視図、第２図Ａ，Ｂは第１図のリボン保持
体の作用を示す縦断面図、第３図は本考案を適用
した熱転写プリンタの外観斜視図、第４図は第３
図の内部構造を示す分解斜視図である。 １……プリンタ本体、２……プラテン、４……
キヤリツジ、５……サーマルヘツド、９……巻取
ボビン、１２……リボン収納ケース、１３……リ
ボン保持体、１４……巻取コア、１５……インク
リボン、１７……スプール、１８Ａ，１８Ｂ……
フランジ、２０Ａ，２０Ｂ……凹部、２１Ａ，２
１Ｂ……突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリンタ本体に着脱自在に装着されるリボン収
   納ケースに収納されるリボン保持体であつて、そ
   れぞれスプールの両端に１対のフランジが周設さ
   れてなる１対の巻取コアにインクリボンを巻回し
   てなる熱転写プリンタのリボン保持体において、
   前記１対の巻取コアが一体となるように、一方の
   巻取コアの両フランジの内側にそれぞれ係合部を
   形成するとともに、他方の巻取コアの両フランジ
   の外側に前記係合部に同期的に係脱し得る係合部
   を形成したことを特徴とする熱転写プリンタのリ
   ボン保持体。