JPH0630450Y2 - インクリボンカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 プリンタで使用するインクリボンカセットの構造に関
し、 インクリボンがジャムを生じること無く走行し、インク
リボンカセット内に確実に収納出来ることを目的とし、 折り畳み状態のインクリボンを収容するリボン収容部
と、リボン収容部におけるインクリボンの折り畳み幅方
向に位置し、折り畳まれたインクリボンの移送方向を規
定する案内部と、インクリボンを挟持した状態で回転す
ることによってインクリボンをリボン収容部へ繰り込む
複数のローラとを具備したインクリボンカセットであっ
て、複数のローラのうちの少なくとも１つのローラのロ
ーラ面に周設されたスリットと、スリットに先端部が挿
入されたセパレータと、セパレータの基端部の少なくと
も一方の側に、ローラから剥離したインクリボンを案内
部へ案内するようローラの幅方向に張り出して設けられ
た巻込み防止用障壁を具備してなるよう構成する。

〔産業上の利用分野〕

本考案はプリンタで使用するインクリボンカセットの構
造に関する。

プリンタに於いて、インクリボンカセットは消耗品であ
り、インクリボンが保有するインクを充分に使い切る
迄、出来るだけ長期間使用出来ることが望ましい。

従ってインクリボンカセットは、安価、且つ構造が簡単
であって、安定して走行することが要望されている。

〔従来の技術〕

本考案のインクリボンカセットを使用するプリンタは、
第２図の平面図に例示する如く、両側のサイドフレーム
１にプラテン２が回転自在に支持され、印字用紙３が巻
掛けられてプラテン２の回転で矢印Ａ方向に改行、排出
されるようになっている。

一方、プラテン２の前面〔図に於いて下方〕には、キャ
リア４がプラテン２と平行に設けられたガイドシャフト
５及び６に摺動自在に係合しており、プーリ７及び７′
間にプラテン２と平行に張架されたタイミングベルト８
に係止金具９で固定されている。

タイミングベルト８はモータ10にプーリ７を介して接続
しており、従ってタイミングベルト８はモータ10の正逆
回転に依ってキャリア４を矢印Ｂ−Ｃの如く往復移動さ
せることが出来る。

キャリア４には、印字ヘッド13が搭載されており、更に
インクリボンカセット11から繰出されるインクリボン12
を図示の如く印字ヘッド13とプラテン２との間隙の所定
位置にガイドして張架するリボンガイド14を備えてい
る。

印字は、キャリア４に依って印字ヘッド13を往復移動さ
せ乍らインクリボン12を介して印字用紙３にドットに依
り行う。

斯かるインクリボン12は、第３図(a)の側面図に示す如
くインクリボンカセット11のリボン収容部16に折り畳ま
れて収納されており、インクリボンカセット11から引出
されて使用される。

即ちインクリボンカセット11は、リボン収容部16を備え
たフレーム15を有し、フレーム15の両端にはインクリボ
ン12を出入すると共にこれを張架するリボンガイド15a
及び、15bを突設している。

リボン収容部16の図に於いて右方には、送りローラ17と
ピンチローラ18が設けられており、送りローラ17の軸17
aは外部の駆動源に接続出来るようになっている。

一方、ピンチローラ18は、スプリング19に依って支持部
材20を介して矢印Ｄ方向に付勢され、インクリボン12を
送りローラ17との間に挾持している。

又、同図(b)に示す部分拡大側面図、及び同図(c)に示す
セパレータを示す斜視図の如く、送りローラ17、及びピ
ンチローラ18のローラ面には、インクリボン12のローラ
に依る巻込みを防止する為にスリット17b及び18aが周設
され、スリット17b及び18a内にはフレーム15に突設され
たセパレータ20a及び支持部材20に突設されたセパレー
タ20bが挿入されている。

斯かる構成のインクリボンカセット11を第２図に示すプ
リンタに搭載し、送りローラ17の軸17aを駆動源に接続
すると、送りローラ17はプリンタの印字動作に連動して
時計方向に回転する。

すると送りローラ17とピンチローラ18は、インクリボン
12を挾持してリボンガイド15bよりフレーム15内に繰込
み、セパレータ20a及び20bで各ローラから分離したイン
クリボンは案内部16bへ案内され、案内部16bに当接して
折り畳み位置が確定した後、収納される。

この収納と同時に、インクリボン12は引張られてリボン
ガイド15b及び15aを介してリボン収容部16の出口部16a
より繰出される。

これにつれて印字ヘッド13前面のインクリボン12は移動
し、印字ヘッド13が例えばサーマルヘッドの場合には加
熱に依り、ワイヤドット式の場合には印字ワイヤに依る
圧力でインクリボン12のインクが用紙３に転写される。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上の説明のように、インクリボンはセパレータでロー
ラから剥離されてリボン収容部に収容されるが、セパレ
ータが細い為に、第４図の斜視図に示す如くインクリボ
ンがローラの移送力でセパレータとローラとの空隙に入
り込み、ローラに巻き付くと言う問題点があった。

本考案は、インクリボンがジャムを生じること無く走行
し、インクリボンカセット内に確実に収納出来ることを
目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案においては、折り畳み
状態のインクリボンを収容するリボン収容部と、リボン
収容部におけるインクリボンの折り畳み幅方向に位置
し、折り畳まれたインクリボンの移送方向を規定する案
内部と、インクリボンを挟持した状態で回転することに
よってインクリボンをリボン収容部へ繰り込む複数のロ
ーラとを具備したインクリボンカセットであって、複数
のローラのうちの少なくとも１つのローラのローラ面に
周設されたスリットと、スリットに先端部が挿入された
セパレータと、セパレータの基端部の少なくとも一方の
側に、ローラから剥離したインクリボンを案内部へ案内
するようローラの幅方向に張り出して設けられた巻込み
防止用障壁を具備してなるよう構成する。

〔作用〕

セパレータの基端部に巻込み防止用障壁を設けること
で、ローラから繰り出されたインクリボンは、セパレー
タの先端部によってローラから剥離され、剥離されたイ
ンクリボンは、巻込み防止用障壁に沿って案内部へ案内
され、案内部に当接した際、折り返し位置が確定し、イ
ンクリボンの折り畳み幅はリボン収容部の内径長に略等
しくなる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例である。

全図を通じて同一部分には同一符号を付して示した。

本考案に於いては、第１図の要部斜視図に示す如く、セ
パレータ21、21の基端部21bの両側に、基端部21bと送り
ローラ17、及びピンチローラ18との間の空隙を埋める如
く張出して成る障壁21cを設け、インクリボン12の巻込
み防止を図ったものである。

従って、送りローラ17、及びピンチローラ18から繰出さ
れたインクリボン12は、各ローラのスリット17b及び18a
に挿入されたセパレータ21の先端部21aに依ってローラ
から剥離される。

そして剥離されたインクリボンは、巻込み防止用障壁に
沿って案内部16bへ案内される。同案内によって案内部1
6bへ当接したインクリボンは同位置にて折り返し位置が
確定されるため、インクリボンの折り畳み幅はリボン収
容部の内径長に略等しくなる。

〔考案の効果〕

本考案のインクリボンカセットをプリンタに適用するこ
とで、インクリボンの走行が安定し、印字不良や印字停
止等の障害の発生が無くなる。さらに巻込み防止用障壁
は剥離されたインクリボンを案内部へ案内するよう設け
たので，上述の如くリボンの折り畳み幅が略リボン収容
部の内径長と等しくなり、多量のリボンを整然とリボン
収容部へ収容することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のインクリボンカセットの要部斜視図、 第２図は本考案のインクリボンカセットが適用されるプ
リンタを例示する平面図、 第３図(a)は従来のインクリボンカセットの側面図、 第３図(b)は従来のインクリボンカセットの部分拡大側
面図、 第３図(c)は従来のインクリボンカセットのセパレータ
を示す斜視図、 第４図はインクリボンがセパレータとローラとの空隙に
入り込んだ状態を示す斜視図である。 図に於いて、 11、22はインクリボンカセット、 12はインクリボン、15はフレーム、 16はリボン収容部、17は送りローラ、 18はピンチローラ、17b、18aはスリット、 19はスプリング、20は支持部材、 20a、20b、21はセパレータ、 21aは先端部、21bは基端部、 21cは巻込み防止用障壁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】折り畳み状態のインクリボンを収容するリ
   ボン収容部(16)と、 該リボン収容部(16)における該インクリボンの折り畳み
   幅方向に位置し、折り畳まれたインクリボンの移送方向
   を規定する案内部(16b)と、 インクリボンを挟持した状態で回転することによってイ
   ンクリボンを該リボン収容部(16)へ繰り込む複数のロー
   ラ(17,18)とを具備したインクリボンカセット(22)であ
   って、 該複数のローラ(17,18)のうちの少なくとも１つのロー
   ラのローラ面に周設されたスリット(17b,18a)と、 当該スリット(17b,18a)に先端部(21a)が挿入されたセパ
   レータ(21)と、 当該セパレータ(21)の基端部(21b)の少なくとも一方の
   側に、該ローラから剥離したインクリボンを該案内部(1
   6b)へ案内するようローラ(17,18)の幅方向に張り出して
   設けられた巻込み防止用障壁(21c)を具備してなること
   を特徴とするインクリボンカセット。