JPH0512051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は記録部にてインクシートと記録材とを
重ね合せ、該記録材に画像の記録を行なう熱転写
記録装置等の画像記録装置に用いられ、記録材の
有無の検知を行なう記録材検知装置に関する。

（従来技術） 従来、上記熱転写記録装置としては、例えば第
８図に示すようなものがある。すなわち、記録紙
２１はプラテンローラ２２と熱記録ヘツド２３と
によつて矢印Ａ方向に搬送され、インクシート２
４は供給ロール２５から出てプラテンローラ２２
の近傍で記録紙２１と重なり、記録部２６で記録
されて巻取りロール２７に巻取られる。３５は分
離ローラを示している。

記録が終了すると記録紙２１の記録画の後端が
カツター３６を過ぎるまでプラテンローラ２２を
回転し、該記録紙２１をカツトした後、記録紙２
１の先端余白を無くすため、記録紙２１の先端が
記録部２６付近まで戻される。このとき、インク
シート２４は供給ロール２５に巻戻されるため、
張られた状態のままであるが、記録紙２１は記録
紙ロール２８が巻戻されないため、たるんだ状態
となつている（第９図）。

上記記録紙及びインクシートの有無の検知は、
次のようにして行なわれる。すなわち、記録紙２
１を検知する記録紙検知手段２９は、記録紙ロー
ルホルダ３０の供給側に延設された記録紙ガイド
３１の裏面に配設されている。この記録紙検知手
段２９は、光学的に記録紙２１の有無を検知する
ものであり、該記録紙検知手段２９と記録紙２１
との間の距離が、記録紙検知手段２９の検知可能
範囲より大きくなると検知不能となる。

このため、第９図に示すように記録紙２１がた
るんだ状態でも、記録紙検知手段２９から記録紙
２１が離れないように、ガイド３２を設けてい
る。このガイド３２と記録紙ガイド３１との間隔
は、記録紙検知手段２９の検知可能範囲内に記録
紙２１が収まるような位置関係になつている。

一方、インクシート２４の有無の検知は、マイ
クロスイツチ３３により行なつている。上記イン
クシート２４は常に張られた状態にあるため、イ
ンクシート２４がある場合には、第９図に示すよ
うに、マイクロスイツチ３３のアクチユエータ３
４は押し下げられており、インクシート３３がな
い場合は、第１０図に示すように、アクチユエー
タ３４は上がつた状態になる。これによりインク
シート２４の有無の検知を行なつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、斯かる従来例の場合には、記録紙２１
と記録紙検知手段２９との距離を規制するガイド
３２が新たに増え、記録紙２１とインクシート２
４の検知手段２９，３３が各々設けられているた
め、それぞれの設置スペースや配線スペースが必
要となり、装置のソストアツプや大型化を招くと
共に、メインテナンス性が悪くなるという問題点
があつた。

本考案は、従来技術の斯かる問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところ
は、何ら新たな部材を用いることなく、記録紙の
ガイド及び検知手段の数を減らすことができ、装
置のコストダウンや小型化を可能とし、メインテ
ナンス性を向上させることのできる記録材検知装
置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案は、上記の目的を達成するため
に、記録部にインクシートと記録材とを重ね合わ
せ、該記録材に画像の記録を行なう画像記録装置
であつて、記録材を記録部に案内する記録材ガイ
ドの裏面に、記録材の有無を検知する記録材検知
手段を有し、上記記録材の位置を規制して、該記
録材と記録材検知手段との距離が、記録材検知手
段の検知可能範囲内となるようインクシートを張
設するように構成されている。

（実施例） 以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。第１図には本考案を適用した熱転写記録装置
が示されており、この熱転写記録装置１は熱記録
ヘツド２を備えており、該熱記録ヘツド２はプラ
テンローラ３に圧接されている。記録材としての
記録紙４は記録紙ロール５として記録紙ロールホ
ルダ６に収納されている。この記録紙４は、記録
部７でインクシート８と圧接されながら記録さ
れ、プラテンローラ３により矢印Ａ方向に送られ
る。記録完了後、該記録紙４は、熱記録ヘツド２
から出ているブラケツト（図示せず）に保持され
た分離ローラ９によつて分離され、カツタ１０に
よつて記録画の後端で切断され、記録装置本体
（図示せず）の外に排出される。この記録装置本
体の中に残つた記録紙４は、記録紙４の先端余白
をなくすため、プラテンローラ３の逆転により記
録紙４の先端が記録部７付近まで戻される。

上記インクシート８は、供給ロール１１から出
て記録部７の近傍で記録紙４と重なり、記録部７
で記録されつつプラテンローラ３により記録紙４
と一緒に送られ、分離ローラ９で記録紙４と分離
され、巻取りロール１２に巻取られる。図中、１
３は供給ロール１１及び巻取りロール１２のリー
ルを示している。

記録後、記録紙４は前記の如く所定の位置まで
戻されるが、インクシート８は、記録紙４の戻し
長さと同じだけ供給ロール１１に巻戻される。

前記記録紙ロールホルダ６の供給側には、記録
紙４を記録部７に案内する記録材ガイドとしての
記録紙ガイド１４が延設されており、該記録紙ガ
イド１４の裏面には、記録材検知手段としての記
録紙検知手段１５が配設されている。この記録紙
検知手段１５は、第２図に示すように、発光素子
１６と受光素子１７とからなり、該発光素子１６
は記録紙ガイド１４に穿設された通孔１８を介し
て記録紙４に光を照斜し、受光素子１７は記録紙
４からの反射光を受けて電流に変換し、受光量の
多少により記録紙４の有無を検知する。

ところで、受光素子１７に到達する光量と、検
出面から記録紙４までの距離ｔとは、第３図に示
すように、逆比例の関係にある。いま、ある値に
到達光量のスライスレベルを設定し、到達光量が
それより大きいときに記録紙有、小さいときに記
録紙無と判定するようにすると、第３図の斜線範
囲内が記録紙検知手段１５の検知可能範囲とな
る。すなわち、距離ｔが一定量より大きくなる
と、到達光量がスライスレベルより小さくなり、
記録紙４が存在しても記録紙無と検知されてしま
うため、検出面（記録紙ガイド１４の裏面）から
記録紙４までの距離ｔを一定量より大きくするこ
とができない。

本実施例では、上記検出面（記録紙ガイド１４
の裏面）から記録紙４までの距離ｔを、記録紙検
知手段１５の検知可能範囲内に規制するようイン
クシート８が張設されている。すなわち、上記距
離ｔを記録紙検知手段１５の検知可能範囲内に規
制するように、供給ロール１１の位置が設定され
ている。この場合、インクシート８は使用量によ
り供給ロール１１の径が変化するので経路が変化
し、そのため、インクシート８の使い終り直前
（第１図中破線）においても、記録紙４を検知可
能範囲内に規制できるように供給ロール１１の位
置を設定する。

以上の構成において、本考案に係る記録材検知
装置では、次のようにして記録材の検知が行なわ
れる。

記録紙４及びインクシート１１がともにある場
合には、第１図に示すように、記録紙４が戻され
てたるんだ待機状態にあつても、該記録紙４はイ
ンクシート８によつて検出面からの距離ｔが、記
録紙検知手段１５の検知可能範囲内に規制されて
いるため、記録紙検知手段１５は、発光素子１６
から照射されて記録紙４の裏面で反射された光
を、受光素子１７で受光し、記録紙有と検知す
る。

第４図はインクシート８が無い場合でかつ記録
紙４が戻されてたるんだ待機状態を示している。
この場合、記録紙４がインクシート８によつて規
制されないため、記録紙４は記録紙ガイド１４か
ら離れて記録紙検知手段１５の検知可能範囲から
外れ、記録紙無と検知される。

第５図はインクシート８があつて記録紙４が無
い場合であり、記録紙検知手段１５の発光素子１
６から照射された光はインクシート８に当たる
が、該インクシート８は黒色で反射率が低いた
め、受光素子１７に到達する光量が小さく、記録
紙無と検知される。

第６図は記録紙４、インクシート８ともにない
場合で、この場合、記録紙検知手段１５の受光素
子１７に反射光が入射しないため、記録紙無と検
知される。

しかして、本考案の場合、記録紙４及びインク
シート８がともにある場合（すなわち記録可能な
場合）のみ、記録紙検知手段１５は記録紙有と検
知し、その他の記録ができない状態のときは記録
紙無と検知する。

第７図には、本考案に係る記録材検知装置の他
の実施例が示されており、第１図に示す実施例と
同一の部分については同一の符号を付して説明す
ると、この実施例においては、供給ロール１１の
径が変化してもインクシート８の経路が変化しな
いように、テンシヨンロール１９が設けられてお
り、供給ロール１１の位置を第１図に示す実施例
に比べて、任意に設定できるため、省スペース化
が可能となる。

なお、上記の説明では、記録材として記録紙を
用いた場合について説明したが、記録材としては
記録紙に限定されるわけではなく、プラスチツク
製のシート等からなる記録シートなど記録可能な
ものであれば任意材質のものが含まれる。

（考案の効果） 本考案は以上の構成及び作用よりなるもので、
記録材の位置を規制して、該記録材と記録材検知
手段との距離が、記録材検知手段の検知可能範囲
内となるようインクシートを張設したので、記録
材のガイドが１つでよく、しかも記録材及びイン
クシートの検出手段も１つで実質的に１つですむ
ため、部品点数が減り、コストダウン及び省スペ
ース化が可能となると共にメインテナンス性も向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る記録材検知装置を備えた
熱転写記録装置を示す概略図、第２図は記録紙検
知手段を示す縦断正面図、第３図は同手段の検知
面と到達光量の関係を示すグラフ、第４図は熱転
写記録装置のインクシートがない状態を示す概略
図、第５図は同装置の記録紙がない状態を示す概
略図、第６図は同装置の記録紙及びインクシート
がない状態を示す概略図、第７図は本考案に係る
記録材検知装置を備えた熱転写記録装置の他の実
施例を示す概略図、第８図は従来の記録材検知装
置を備えた熱転写記録装置の記録時の状態を示す
概略図、第９図は同装置の待機状態を示す概略
図、第１０図は同装置のインクシートが無い状態
を示す概略図である。 符号の説明、４……記録紙（記録材）、７……
記録部、８……インクシート、１４……記録紙ガ
イド（記録材ガイド）、１５……記録紙検知手段
（記録材検知手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録部にてインクシートと記録材とを重ね合
   せ、該記録材に画像の記録を行なう画像記録装置
   であつて、記録材を記録部に案内する記録材ガイ
   ドの裏面に、記録材の有無を検知する記録材検知
   手段を有し、上記記録材の位置を規制して、該記
   録材と記録材検知手段との距離が、記録材検知手
   段の検知可能範囲内となるようインクシートを張
   設したことを特徴とする記録材検知装置。