JPH05342907A - チップ型電子部品用導電性ペースト - Google Patents
チップ型電子部品用導電性ペーストInfo
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- JPH05342907A JPH05342907A JP14940992A JP14940992A JPH05342907A JP H05342907 A JPH05342907 A JP H05342907A JP 14940992 A JP14940992 A JP 14940992A JP 14940992 A JP14940992 A JP 14940992A JP H05342907 A JPH05342907 A JP H05342907A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】金属粉末とガラスフリットと不活性有機ビヒク
ルとを含む導電性ペーストであって、セラミック焼成体
からなるベアチップの表面に塗布した後、焼付けで端子
電極を形成するチップ型電子部品の端子電極用導電性ペ
ーストにおいて、耐めっき液性、耐湿性を改善し、ベア
チップへの端子電極の接着強度を高める。 【構成】 ガラスフリットは、ZnO20〜50mol
%と、B2 O3 15〜40mol%と、SiO2 10〜
40mol%とを含むホウケイ酸亜鉛系ガラスとし、金
属粉末に対して、ガラスフリットを1〜15重量%配合
する。 【効果】 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極
内部への浸入がない。ベアチップとの接着強度が高い。
めっき後の電気特性劣化がない。耐湿性に優れ高い信頼
性を有する。
ルとを含む導電性ペーストであって、セラミック焼成体
からなるベアチップの表面に塗布した後、焼付けで端子
電極を形成するチップ型電子部品の端子電極用導電性ペ
ーストにおいて、耐めっき液性、耐湿性を改善し、ベア
チップへの端子電極の接着強度を高める。 【構成】 ガラスフリットは、ZnO20〜50mol
%と、B2 O3 15〜40mol%と、SiO2 10〜
40mol%とを含むホウケイ酸亜鉛系ガラスとし、金
属粉末に対して、ガラスフリットを1〜15重量%配合
する。 【効果】 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極
内部への浸入がない。ベアチップとの接着強度が高い。
めっき後の電気特性劣化がない。耐湿性に優れ高い信頼
性を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ型電子部品用導電
性ペーストに係り、特に、チップインダクター、チップ
抵抗、チップコンデンサ、チップサーミスタ等のチップ
型電子部品の端子電極を形成するための導電性ペースト
に関する。更に詳しくは、本発明はチップ型電子部品用
導電性ペーストのガラスフリット成分の改良に関するも
のである。
性ペーストに係り、特に、チップインダクター、チップ
抵抗、チップコンデンサ、チップサーミスタ等のチップ
型電子部品の端子電極を形成するための導電性ペースト
に関する。更に詳しくは、本発明はチップ型電子部品用
導電性ペーストのガラスフリット成分の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】チップインダクター、チップ抵抗、チッ
プコンデンサ、チップサーミスタ等のチップ型電子部品
において、チップ型電子部品を構成するセラミック材料
からなるベアチップの表面には端子電極が形成される。
この端子電極の形成には、まず、金属粉末とガラスフリ
ットと不活性有機ビヒクルとを混練して調製された導電
性ペーストを、ベアチップの表面に塗布して乾燥した
後、600〜850℃程度の温度で焼成する。その後、
電解バレルめっき或いは無電解めっき法でNi,Cu,
Sn,Sn/Pb合金等のめっき膜を形成する。このよ
うにして作製されたチップ型電子部品は、その端子電極
を基板にはんだ付けして使用される。
プコンデンサ、チップサーミスタ等のチップ型電子部品
において、チップ型電子部品を構成するセラミック材料
からなるベアチップの表面には端子電極が形成される。
この端子電極の形成には、まず、金属粉末とガラスフリ
ットと不活性有機ビヒクルとを混練して調製された導電
性ペーストを、ベアチップの表面に塗布して乾燥した
後、600〜850℃程度の温度で焼成する。その後、
電解バレルめっき或いは無電解めっき法でNi,Cu,
Sn,Sn/Pb合金等のめっき膜を形成する。このよ
うにして作製されたチップ型電子部品は、その端子電極
を基板にはんだ付けして使用される。
【0003】従来、チップ型電子部品用導電性ペースト
のガラスフリットには、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸ビス
マス、ホウ酸亜鉛、ホウ酸鉛、ホウ酸カドミウム系のガ
ラスが用いられている。
のガラスフリットには、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸ビス
マス、ホウ酸亜鉛、ホウ酸鉛、ホウ酸カドミウム系のガ
ラスが用いられている。
【0004】ガラスフリットは主として金属粉末の焼結
を促進し、ベアチップと端子電極との界面の接合力を高
めるために用いられている。そのため、ガラスフリット
の特性としては、軟化点が金属粉末の焼結温度と適合す
ること、焼結金属のベアチップに対する接着強度を高め
ることができ、また、耐水性があること、めっき液と接
触しても侵食されない耐めっき液性があること、熱膨張
率が過度に大きくないこと等が要求される。
を促進し、ベアチップと端子電極との界面の接合力を高
めるために用いられている。そのため、ガラスフリット
の特性としては、軟化点が金属粉末の焼結温度と適合す
ること、焼結金属のベアチップに対する接着強度を高め
ることができ、また、耐水性があること、めっき液と接
触しても侵食されない耐めっき液性があること、熱膨張
率が過度に大きくないこと等が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記金
属酸化物よりなるガラスフリットを用いて導電性ペース
トを作製し、このペーストで端子電極を形成した場合、
端子電極の耐めっき液性に問題があり、めっき後の端子
電極接着強度が劣化してしまうという問題点があった。
属酸化物よりなるガラスフリットを用いて導電性ペース
トを作製し、このペーストで端子電極を形成した場合、
端子電極の耐めっき液性に問題があり、めっき後の端子
電極接着強度が劣化してしまうという問題点があった。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決し、耐め
っき液性に優れ、めっき後の接着強度が劣化することな
くこれを高く維持することができ、耐湿性に優れ、しか
もめっき膜形成性が良好なチップ型電子部品の端子電極
形成用導電性ペーストを提供することを目的とする。
っき液性に優れ、めっき後の接着強度が劣化することな
くこれを高く維持することができ、耐湿性に優れ、しか
もめっき膜形成性が良好なチップ型電子部品の端子電極
形成用導電性ペーストを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のチップ型電子
部品用導電性ペーストは、金属粉末とガラスフリットと
不活性有機ビヒクルとを含む導電性ペーストであって、
セラミック焼成体からなるベアチップの表面に塗布した
後、焼付けで端子電極を形成するチップ型電子部品の端
子電極用導電性ペーストにおいて、前記ガラスフリット
は、ZnO20〜50mol%と、B2 O3 15〜40
mol%と、SiO2 10〜40mol%とを含むホウ
ケイ酸亜鉛系ガラスであって、前記金属粉末に対して、
該ガラスフリットが1〜15重量%配合されていること
を特徴とする。
部品用導電性ペーストは、金属粉末とガラスフリットと
不活性有機ビヒクルとを含む導電性ペーストであって、
セラミック焼成体からなるベアチップの表面に塗布した
後、焼付けで端子電極を形成するチップ型電子部品の端
子電極用導電性ペーストにおいて、前記ガラスフリット
は、ZnO20〜50mol%と、B2 O3 15〜40
mol%と、SiO2 10〜40mol%とを含むホウ
ケイ酸亜鉛系ガラスであって、前記金属粉末に対して、
該ガラスフリットが1〜15重量%配合されていること
を特徴とする。
【0008】請求項2のチップ型電子部品用導電性ペー
ストは、請求項1の導電性ペーストにおいて、ガラスフ
リットは、更に、CaO2〜40mol%と、TiO2
及び/又はZrO2 1〜10mol%とを含むことを特
徴とする。
ストは、請求項1の導電性ペーストにおいて、ガラスフ
リットは、更に、CaO2〜40mol%と、TiO2
及び/又はZrO2 1〜10mol%とを含むことを特
徴とする。
【0009】請求項3のチップ型電子部品用導電性ペー
ストは、請求項1又は2の導電性ペーストにおいて、チ
ップ型電子部品がチップインダクターであることを特徴
とする。
ストは、請求項1又は2の導電性ペーストにおいて、チ
ップ型電子部品がチップインダクターであることを特徴
とする。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明のチップ型電子部品用導電性ペース
トにおいて使用されるガラスフリットは、ホウケイ酸亜
鉛系ガラスであって、 ZnO:20〜50mol% B2 O3 :15〜40mol% SiO2 :10〜40mol% の組成比からなり、更に必要に応じて CaO:2〜40mol% TiO2 及び/又はZrO2 :1〜10mol% を含む。
トにおいて使用されるガラスフリットは、ホウケイ酸亜
鉛系ガラスであって、 ZnO:20〜50mol% B2 O3 :15〜40mol% SiO2 :10〜40mol% の組成比からなり、更に必要に応じて CaO:2〜40mol% TiO2 及び/又はZrO2 :1〜10mol% を含む。
【0012】以下にガラスフリットの各成分組成の限定
理由について説明する。
理由について説明する。
【0013】ZnOは焼結金属のベアチップに対する接
着強度を高めるために添加するが、その割合が20mo
l%未満ではその効果がなく、50mol%を超えると
ガラスフリットの融点が高くなり、ガラス化し難くな
る。従って、ZnOは20〜50mol%とする。
着強度を高めるために添加するが、その割合が20mo
l%未満ではその効果がなく、50mol%を超えると
ガラスフリットの融点が高くなり、ガラス化し難くな
る。従って、ZnOは20〜50mol%とする。
【0014】B2 O3 はガラス形成酸化物として用いら
れ、熱膨張率をあまり大きくすることなくガラス化温度
を下げるように作用し、ガラス化を容易とするが、その
割合が15mol%未満ではその効果が十分でなく、4
0mol%を超えると得られるガラスフリットの耐めっ
き液性が乏しくなる。従って、B2 O3 は15〜40m
ol%とする。
れ、熱膨張率をあまり大きくすることなくガラス化温度
を下げるように作用し、ガラス化を容易とするが、その
割合が15mol%未満ではその効果が十分でなく、4
0mol%を超えると得られるガラスフリットの耐めっ
き液性が乏しくなる。従って、B2 O3 は15〜40m
ol%とする。
【0015】SiO2 は主たるガラス形成酸化物として
用いられ、耐めっき液性を高めるために添加するが、そ
の割合が10mol%未満では得られるガラスフリット
の耐めっき液性に乏しく、40mol%を超えると融点
が上がり、ガラス化し難くなる。従って、SiO2 は1
0〜40mol%とする。
用いられ、耐めっき液性を高めるために添加するが、そ
の割合が10mol%未満では得られるガラスフリット
の耐めっき液性に乏しく、40mol%を超えると融点
が上がり、ガラス化し難くなる。従って、SiO2 は1
0〜40mol%とする。
【0016】このような3成分よりなるガラス組成で
も、耐めっき液性は十分に高く、実用上何等問題はない
が、更に耐めっき液性を高め、焼結金属のベアチップに
対する接着強度を高くするため、CaOと、TiO2 及
び/又はZrO2 を添加することも可能である。
も、耐めっき液性は十分に高く、実用上何等問題はない
が、更に耐めっき液性を高め、焼結金属のベアチップに
対する接着強度を高くするため、CaOと、TiO2 及
び/又はZrO2 を添加することも可能である。
【0017】CaOはアルカリ土類金属成分であり、ガ
ラスの中間生成物となり、ZnOと共に焼結金属のベア
チップとの接着強度を高める作用を奏するが、その割合
が2mol%未満ではその効果が現れず、40mol%
を超えると得られるガラスフリットの融点が上がり、ガ
ラス化しにくくなる。従って、CaOは2〜40mol
%とするのが好ましい。
ラスの中間生成物となり、ZnOと共に焼結金属のベア
チップとの接着強度を高める作用を奏するが、その割合
が2mol%未満ではその効果が現れず、40mol%
を超えると得られるガラスフリットの融点が上がり、ガ
ラス化しにくくなる。従って、CaOは2〜40mol
%とするのが好ましい。
【0018】TiO2 ,ZrO2 は、ガラスの耐めっき
液性をより高める効果を有するが、その割合が1mol
%未満ではその効果はみられず、10mol%を超える
とガラス融液中に不溶物として残存してしまう。従っ
て、TiO2 及び/又はZrO2 は1〜10mol%と
するのが好ましい。
液性をより高める効果を有するが、その割合が1mol
%未満ではその効果はみられず、10mol%を超える
とガラス融液中に不溶物として残存してしまう。従っ
て、TiO2 及び/又はZrO2 は1〜10mol%と
するのが好ましい。
【0019】本発明のチップ型電子部品用導電性ペース
トにおいて、金属粉末としては、Ag,Au,Pd,P
t等の貴金属、Cu,Ni等の卑金属、又はこれらを混
合した粉末が使用される。金属粉末は焼結して端子電極
に導電性を与える。
トにおいて、金属粉末としては、Ag,Au,Pd,P
t等の貴金属、Cu,Ni等の卑金属、又はこれらを混
合した粉末が使用される。金属粉末は焼結して端子電極
に導電性を与える。
【0020】不活性有機ビヒクルとしては、メチルセル
ロース、エチルセルロース等をブチルカルビトール、テ
ルピネオール等の有機溶剤に溶解したものが用いられ
る。一般に、上記セルロース類は上記有機溶剤に対して
5〜30重量%の割合で混合される。有機ビヒクルは、
得られる導電性ペーストの粘度を調整し、ベアチップ表
面への塗布を容易にするために用いられる。
ロース、エチルセルロース等をブチルカルビトール、テ
ルピネオール等の有機溶剤に溶解したものが用いられ
る。一般に、上記セルロース類は上記有機溶剤に対して
5〜30重量%の割合で混合される。有機ビヒクルは、
得られる導電性ペーストの粘度を調整し、ベアチップ表
面への塗布を容易にするために用いられる。
【0021】本発明の導電性ペーストは、ペースト重量
を100重量%とするとき、好ましくは65〜80重量
%の金属粉末と、この金属粉末に対して1〜15重量%
のガラスフリットと、残部が有機ビヒクルとにより構成
される。金属粉末が65重量%未満であると、形成され
る端子電極の導電性に劣り、80重量%を超えると導電
性ペーストの粘度特性が劣化する。
を100重量%とするとき、好ましくは65〜80重量
%の金属粉末と、この金属粉末に対して1〜15重量%
のガラスフリットと、残部が有機ビヒクルとにより構成
される。金属粉末が65重量%未満であると、形成され
る端子電極の導電性に劣り、80重量%を超えると導電
性ペーストの粘度特性が劣化する。
【0022】本発明において、導電性ペースト中のガラ
スフリットの好適な配合比はベアチップを構成するセラ
ミック焼成体の種類によって異なるが、金属粉末に対す
るガラスフリットの配合割合が1重量%未満であると、
端子電極の形成時、金属の焼結が進まず、焼結金属が多
孔質となってしまうことから、めっき液の浸入を容易な
ものとし、端子電極とベアチップとの接着強度が低下
し、端子電極の耐湿性が劣化する。特に、チップインダ
クターの場合にはインピーダンスが劣化する。逆に、こ
のガラスフリット配合割合が15重量%を超えると、焼
付け時に電極層の表面にガラスフリットが浮き出して、
焼付け電極層の表面に更にめっき層を設ける際にめっき
膜の形成が阻害されてしまう。従って、導電性ペースト
に含まれるガラスフリットの配合割合は金属粉末に対し
て1〜15重量%とする。
スフリットの好適な配合比はベアチップを構成するセラ
ミック焼成体の種類によって異なるが、金属粉末に対す
るガラスフリットの配合割合が1重量%未満であると、
端子電極の形成時、金属の焼結が進まず、焼結金属が多
孔質となってしまうことから、めっき液の浸入を容易な
ものとし、端子電極とベアチップとの接着強度が低下
し、端子電極の耐湿性が劣化する。特に、チップインダ
クターの場合にはインピーダンスが劣化する。逆に、こ
のガラスフリット配合割合が15重量%を超えると、焼
付け時に電極層の表面にガラスフリットが浮き出して、
焼付け電極層の表面に更にめっき層を設ける際にめっき
膜の形成が阻害されてしまう。従って、導電性ペースト
に含まれるガラスフリットの配合割合は金属粉末に対し
て1〜15重量%とする。
【0023】本発明のチップ型電子部品用導電性ペース
トは、チップインダクター、チップコンデンサ、チップ
抵抗、チップサーミスタ等のチップ型電子部品の端子電
極形成に用いられ、特に、チップインダクターの端子電
極形成に好適に用いられる。この場合、インダクターの
ベアチップを構成するフェライト焼成体にはFe2 O3
−NiO−ZnO、Fe2 O3 −NiO−CaO−Zn
O等が挙げられる。
トは、チップインダクター、チップコンデンサ、チップ
抵抗、チップサーミスタ等のチップ型電子部品の端子電
極形成に用いられ、特に、チップインダクターの端子電
極形成に好適に用いられる。この場合、インダクターの
ベアチップを構成するフェライト焼成体にはFe2 O3
−NiO−ZnO、Fe2 O3 −NiO−CaO−Zn
O等が挙げられる。
【0024】
【作用】ZnO,B2 O3 ,SiO2 の各成分を所定の
割合で配合したガラスフリット、或いは、この組成に更
にCaO,TiO2 及び/又はZrO2 を所定の割合で
添加したガラスフリットを所定の配合割合で用いた導電
性ペーストを、ベアチップ表面に焼付けて形成した端子
電極は、 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極内部へ
の浸入がない。 ベアチップとの接着強度が高い。 めっき後の電気特性劣化がない。
割合で配合したガラスフリット、或いは、この組成に更
にCaO,TiO2 及び/又はZrO2 を所定の割合で
添加したガラスフリットを所定の配合割合で用いた導電
性ペーストを、ベアチップ表面に焼付けて形成した端子
電極は、 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極内部へ
の浸入がない。 ベアチップとの接着強度が高い。 めっき後の電気特性劣化がない。
【0025】 耐湿性に優れ高い信頼性を有する。 等の優れた特性を有する。
【0026】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて、本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0027】実施例1〜10,比較例1〜3 チップ型電子部品として、図1に示すチップインダクタ
ー10を作製し、その特性を調べることにより各種導電
性ペーストの評価を行なった。図1に示すインダクター
10は、ベアチップ11と、このチップ11の両端部に
形成された端子電極12とを備える。チップ11はFe
2 O3 −NiO−ZnO系セラミック焼結体よりなり、
貴金属のPt100からなるスパイラル状内部電極14
を有し、長さ3.2mm、幅1.6mm、厚み0.85
mmのサイズを有する。
ー10を作製し、その特性を調べることにより各種導電
性ペーストの評価を行なった。図1に示すインダクター
10は、ベアチップ11と、このチップ11の両端部に
形成された端子電極12とを備える。チップ11はFe
2 O3 −NiO−ZnO系セラミック焼結体よりなり、
貴金属のPt100からなるスパイラル状内部電極14
を有し、長さ3.2mm、幅1.6mm、厚み0.85
mmのサイズを有する。
【0028】端子電極は次の条件により形成した。導電
性ペーストを100重量%とするとき、75重量%の金
属粉末と、この金属成分に対して表1に示す配合比のガ
ラスフリットと、残部不活性有機ビヒクルとを混練して
導電性ペーストを調製した。ここで金属粉末はAg10
0であり、ガラスフリットはZnOとB2 O3 とSiO
2 の3種、或いは、ZnOとB2 O3 とSiO2 とCa
OとTiO2 及び/又はZrO2 との計5種又は6種の
成分よりなり、表1に示す組成比で調製した。また、有
機ビヒクルはエチルセルロースをブチルカルビトールと
テルピネオールに混合したものを用いた。
性ペーストを100重量%とするとき、75重量%の金
属粉末と、この金属成分に対して表1に示す配合比のガ
ラスフリットと、残部不活性有機ビヒクルとを混練して
導電性ペーストを調製した。ここで金属粉末はAg10
0であり、ガラスフリットはZnOとB2 O3 とSiO
2 の3種、或いは、ZnOとB2 O3 とSiO2 とCa
OとTiO2 及び/又はZrO2 との計5種又は6種の
成分よりなり、表1に示す組成比で調製した。また、有
機ビヒクルはエチルセルロースをブチルカルビトールと
テルピネオールに混合したものを用いた。
【0029】この導電性ペーストを焼付け後の厚さが9
0μmになるようにベアチップの両端にディップ方式で
塗布し、大気圧下、160℃で10分間乾燥し、その
後、チップを25℃/分の速度で、大気圧下、780℃
まで昇温し、この温度で5分間保持した後、20℃/分
の速度で室温まで降温してAgからなる下地電極を得
た。次いで、Niめっき層及びSn/Pbめっき層を次
の条件により形成した。
0μmになるようにベアチップの両端にディップ方式で
塗布し、大気圧下、160℃で10分間乾燥し、その
後、チップを25℃/分の速度で、大気圧下、780℃
まで昇温し、この温度で5分間保持した後、20℃/分
の速度で室温まで降温してAgからなる下地電極を得
た。次いで、Niめっき層及びSn/Pbめっき層を次
の条件により形成した。
【0030】pH4.0、温度50℃のスルファミン酸
ニッケル(Ni(NH2 SO3 )2・4H2 O)120
g/lの組成の浴を用い、電解バレルめっき法で下地電
極の表面に2μm厚のNiめっき層を形成した。更に、
pH4.5、温度25℃の錫(Sn)と鉛(Pb)が
9:1の組成の浴を用い、電解バレルめっき法でNiめ
っき層の表面に6μm厚のSn/Pbめっき層を形成し
た。これにより、下地電極の上に更に2層のめっき層を
形成したチップインダクターを得た。
ニッケル(Ni(NH2 SO3 )2・4H2 O)120
g/lの組成の浴を用い、電解バレルめっき法で下地電
極の表面に2μm厚のNiめっき層を形成した。更に、
pH4.5、温度25℃の錫(Sn)と鉛(Pb)が
9:1の組成の浴を用い、電解バレルめっき法でNiめ
っき層の表面に6μm厚のSn/Pbめっき層を形成し
た。これにより、下地電極の上に更に2層のめっき層を
形成したチップインダクターを得た。
【0031】得られたチップインダクターについて、次
のA〜Dの特性を、また2層のめっき層を施さない以外
は同様のチップインダクターについても次のA,Bの特
性を測定し、結果を表1に示した。なお、括弧内の数値
nは試験した試料数である。
のA〜Dの特性を、また2層のめっき層を施さない以外
は同様のチップインダクターについても次のA,Bの特
性を測定し、結果を表1に示した。なお、括弧内の数値
nは試験した試料数である。
【0032】A インピーダンス |Z|(n=30) 10MHz、1Vrmsで測定した。
【0033】B 引張強度(n=10) チップインダクターの端子電極に0.8mmのはんだ引
き鋼線を230℃のホットプレート上で共晶クリームは
んだ(千住金属社製SPT−55−2062−M10)
により接着し、この鋼線を引っ張ることにより、引張強
度を測定した。
き鋼線を230℃のホットプレート上で共晶クリームは
んだ(千住金属社製SPT−55−2062−M10)
により接着し、この鋼線を引っ張ることにより、引張強
度を測定した。
【0034】C 信頼性(プレッシャークッカー)(n
=20) +151℃、相対湿度100%(約5気圧)の環境下に
20時間放置後、インピーダンスの劣化の有無を調べ
た。
=20) +151℃、相対湿度100%(約5気圧)の環境下に
20時間放置後、インピーダンスの劣化の有無を調べ
た。
【0035】D 信頼性(耐湿性試験)(n=20) +85℃、相対湿度85%の環境下で2000時間放置
後、インピーダンスの劣化の有無を調べた。
後、インピーダンスの劣化の有無を調べた。
【0036】
【表1】
【0037】表1より次のことが明らかである。即ち、
ガラスフリットのZnO組成比が20mol%より少な
く、B2 O3 組成比が40mol%を超え、或いは、更
に、SiO2 組成比が10mol%より少ない比較例1
〜3の導電性ペーストを使用したチップインダクター
は、めっき層の有無により、インピーダンス、接着強度
の値が大きく変動し、更にプレッシャークッカー試験や
耐湿性試験においても、インピーダンスの劣化がみられ
た。
ガラスフリットのZnO組成比が20mol%より少な
く、B2 O3 組成比が40mol%を超え、或いは、更
に、SiO2 組成比が10mol%より少ない比較例1
〜3の導電性ペーストを使用したチップインダクター
は、めっき層の有無により、インピーダンス、接着強度
の値が大きく変動し、更にプレッシャークッカー試験や
耐湿性試験においても、インピーダンスの劣化がみられ
た。
【0038】これに対して、実施例1〜10のチップイ
ンダクターは、めっき層の有無に拘らずインピーダン
ス、接着強度の変動は極めて小さく、信頼性試験による
インピーダンスの劣化もみられなかった。
ンダクターは、めっき層の有無に拘らずインピーダン
ス、接着強度の変動は極めて小さく、信頼性試験による
インピーダンスの劣化もみられなかった。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のチップ型電
子部品用導電性ペーストによれば、耐めっき液性に優
れ、ベアチップに対する焼結金属の接着強度の向上に有
効に作用する導電性ペーストが提供される。
子部品用導電性ペーストによれば、耐めっき液性に優
れ、ベアチップに対する焼結金属の接着強度の向上に有
効に作用する導電性ペーストが提供される。
【0040】従って、本発明のチップ型電子部品用導電
性ペーストによれば、 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極内部へ
の浸入がない。 ベアチップとの接着強度が高い。 めっき後の電気特性劣化がない。
性ペーストによれば、 めっき膜の形成が容易でめっき液の端子電極内部へ
の浸入がない。 ベアチップとの接着強度が高い。 めっき後の電気特性劣化がない。
【0041】 耐湿性に優れ高い信頼性を有する。 等の高特性端子電極を形成することができ、工業的に極
めて有利である。
めて有利である。
【0042】請求項2、3のチップ型電子部品用導電性
ペーストによれば、より一層優れた効果が奏される。
ペーストによれば、より一層優れた効果が奏される。
【図1】実施例及び比較例で作製したチップインダクタ
ーの断面図である。
ーの断面図である。
【図2】実施例及び比較例で作製したチップインダクタ
ーの斜視図である。
ーの斜視図である。
10 チップインダクター 11 ベアチップ 12 端子電極 13,14 内部電極
Claims (3)
- 【請求項1】 金属粉末とガラスフリットと不活性有機
ビヒクルとを含む導電性ペーストであって、セラミック
焼成体からなるベアチップの表面に塗布した後、焼付け
で端子電極を形成するチップ型電子部品の端子電極用導
電性ペーストにおいて、 前記ガラスフリットは、ZnO20〜50mol%と、
B2 O3 15〜40mol%と、SiO2 10〜40m
ol%とを含むホウケイ酸亜鉛系ガラスであって、前記
金属粉末に対して、該ガラスフリットが1〜15重量%
配合されていることを特徴とするチップ型電子部品用導
電性ペースト。 - 【請求項2】 請求項1の導電性ペーストにおいて、ガ
ラスフリットは、更に、CaO2〜40mol%と、T
iO2 及び/又はZrO2 1〜10mol%とを含むこ
とを特徴とするチップ型電子部品用導電性ペースト。 - 【請求項3】 チップ型電子部品がチップインダクター
である請求項1又は2に記載のチップ型電子部品用導電
性ペースト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14940992A JP3257036B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | チップ型電子部品用導電性ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14940992A JP3257036B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | チップ型電子部品用導電性ペースト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05342907A true JPH05342907A (ja) | 1993-12-24 |
JP3257036B2 JP3257036B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=15474499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14940992A Expired - Fee Related JP3257036B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | チップ型電子部品用導電性ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3257036B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002280248A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-27 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 外部電極用銅ペースト組成物及びこれを用いた積層セラミックコンデンサー |
EP1321441A1 (en) | 2001-12-21 | 2003-06-25 | Shoei Chemical Inc. | Glass and conductive paste using the same |
US6663798B2 (en) | 2000-07-10 | 2003-12-16 | Tdk Corporation | Conductive paste, outer electrode and process for producing the same |
CN1329926C (zh) * | 2005-05-13 | 2007-08-01 | 范琳 | 一种无铅银电极浆料及其制造方法 |
JP2008503103A (ja) * | 2004-06-09 | 2008-01-31 | フエロ コーポレーション | コンデンサ用の鉛フリー及びカドミウムフリーガラスを含有する銅成端インク |
JP2008504667A (ja) * | 2004-06-09 | 2008-02-14 | フエロ コーポレーション | 鉛フリー及びカドミウムフリー導電性銅厚膜ペースト |
JP2009505395A (ja) * | 2005-08-10 | 2009-02-05 | フエロ コーポレーション | コンデンサ用の鉛フリー及びカドミウムフリーガラスを含む銅端子インク |
-
1992
- 1992-06-09 JP JP14940992A patent/JP3257036B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4670164B2 (ja) * | 2001-03-21 | 2011-04-13 | 住友金属鉱山株式会社 | 外部電極用銅ペースト組成物及びこれを用いた積層セラミックコンデンサー |
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JP4805268B2 (ja) * | 2004-06-09 | 2011-11-02 | フエロ コーポレーション | コンデンサ用の鉛フリー及びカドミウムフリーガラスを含有する銅成端インク |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3257036B2 (ja) | 2002-02-18 |
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