JPH05342674A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH05342674A
JPH05342674A JP17752492A JP17752492A JPH05342674A JP H05342674 A JPH05342674 A JP H05342674A JP 17752492 A JP17752492 A JP 17752492A JP 17752492 A JP17752492 A JP 17752492A JP H05342674 A JPH05342674 A JP H05342674A
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JP
Japan
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magnetic field
external magnetic
magneto
recording medium
recording
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Application number
JP17752492A
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English (en)
Inventor
Yoichi Hashimoto
洋一 橋本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低磁界下でのノイズを低減することにより、
CNRを高め、小さな外部磁界で情報を記録、消去、も
しくは追記することが可能な光磁気記録媒体を提供す
る。 【構成】 磁壁抗磁力を大きくすることにより、小さな
外部磁界の作用下でのマイクロドメインの発生が少なく
なり、ノイズが減少する。これにより、小さな外部磁界
でも情報を記録、消去、もしくは追記でき、且つ、CN
Rの高い光磁気記録媒体を構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に係
り、特に低磁界下でのノイズを低減する記録膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光記録素子の中で、情報の追記や消去が
可能な光磁気記録媒体は、現在、実用化の段階に入って
いる。この光磁気記録媒体の記録膜としては、希土類−
遷移金属アモルファス合金の薄膜が、その総合的な特性
が適しているために最も多く用いられている。希土類−
遷移金属アモルファス合金は、飽和磁化が膜面の垂直方
向に向く垂直磁化膜であり、この磁化方向を利用して情
報を記録する。
【0003】光磁気記録媒体の記録方法の一つに、キュ
リー点記録方式がある。この方式では、まず、電磁石な
どによって記録媒体に外部磁界を与えておき、その磁界
の作用下で、レンズによって集光されたレーザ光を記録
膜に照射することにより、記録膜の局部(記録箇所)を
キュリー点温度以上になるまで上昇させる。キュリー点
温度に至った部分では、保磁力が0となり、外部磁界と
同じ向きになるように磁化されて、情報が記録、消去、
もしくは追記される。
【0004】しかしながら、一般的な単層の希土類−遷
移金属アモルファス合金記録膜を有するオーバーライト
型の光磁気ディスクの場合は、記録を消去、もしくは追
記するために、200〜400エルステッド(Oe)程
度の極めて大きな外部磁界を必要としていた。そのた
め、磁界を発生するための大型の磁界発生器を備えなけ
ればならず、また、磁場の形成にも長時間を要するの
で、処理の高速化を図る上での障害となっており、より
小さな外部磁界によって情報を消去、もしくは追記でき
る記録膜の開発が待たれている。
【0005】例えば、磁界変調方式のオーバーライト動
作に必要な外部磁界を低減するために必要なディスクの
特性について、図9及び図10を参照して説明する。図
9は、予め磁化の向きをそろえてディスクを初期化した
後に、外部磁界を与え、レーザパルスを照射して記録膜
に情報を書き込んだときの、外部磁界の強さとCNRと
の関係を示すグラフであり、図10は、書き込み時にお
けるディスクの垂直磁化膜の状態を示す断面図である。
磁界変調方式オーバーライトでは、図9に示す、CNR
が飽和するHsレベルとCNRが現われ始めるHoレベ
ルとの間で、外部磁界をスイッチングするので、外部磁
界を低減させるためには、Hs,Hoレベルを共に小さ
くしなければならない。
【0006】また、図10に示すように、レーザ光が照
射されて高温になった記録箇所(高温部)には、磁界発
生器によって形成された外部磁界Hexの他、その高温
部の周辺のキュリー点温度以下の部分の磁化の大きさに
依存する反磁界Hdが作用する。前記Hoレベルの大き
さに、大きく影響するのは、この反磁界Hdであり、反
磁界Hdが大きければ、それを打ち消すだけの大きなH
oレベルの外部磁界を形成しなければならない。反磁界
Hdの大きさは、垂直磁化膜の磁化の大きさに依存する
ので、記録膜が単層であるディスクでは、磁化の小さい
補償組成を選んでディスクを構成すればHoレベルを小
さくすることができるが、実際上は、このような組成の
膜を安定して生成するのは、極めて困難である。そのた
め、従来、誘電体層、記録層の製膜時の投入電力、スパ
ッタガス圧の調整、誘電体層の逆スパッタ等によって、
補償組成に拘らずHoレベルを小さくする方法が採用さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によって製造されたディスクには、Hoレベルの低
減に伴って、低磁界下でのノイズレベルが上昇するとい
う問題がある。磁界変調において磁界をスイッチングす
る過程では、必ず、ある時点で外部磁界が0となるが、
この磁界0時点でのノイズを低減し、CNRを高めなけ
ればならない。
【0008】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたものであり、低磁界下でのノイズを低減す
ることにより、CNRを高め、小さな外部磁界で情報を
記録、消去、もしくは追記することが可能な光磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、光透過性基板上に、誘電体層、希土類−
遷移金属アモルファス合金層、誘電体層、反射層が順次
積層されてなる光磁気記録媒体において、カーヒステリ
シスループにおける消磁状態と飽和状態との中間点での
磁場の大きさである磁壁抗磁力をHw、保磁力をHcと
したときに、Hw/Hcが0.65以上であるV溝基板
ディスク、もしくはHw/Hcが0.52以上であるU
溝基板ディスクを有し、且つ、線速が7.54m/s、
記録周波数が4.93MHz、デューティは25%、レ
ーザ光の記録パワーが光学的アクセスによる信号振幅が
最大となるパワーという条件下で外部磁界特性を測定し
たときに、CNRが出現し始める外部磁界が200エル
ステッド(Oe)以下のものである。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、磁壁抗磁力を大きくする
ことにより、小さな外部磁界の作用下での磁区のマイク
ロドメインの発生が少なく、ノイズが減少する。これに
より、小さな外部磁界でも情報を記録、消去、もしくは
追記でき、且つ、CNRの高い光磁気記録媒体を構成す
ることができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の光磁気記録媒体の一実施例
を光磁気ディスクを例にして説明する。図1に、本実施
例による光磁気ディスクの構成を示す。同図において、
光磁気ディスク1は、光透過性の基板2に、誘電体層
3、垂直磁化膜である記録層4、誘電体層5、反射層6
を順次、積層して構成されている。基板2は、ポリカー
ボネート、エポキシ樹脂等のプラスチック、ガラス、セ
ラミック、金属などの材料から任意に選択して形成すれ
ばよい。誘電体層3,5には、SiN,AlSiN,A
lSiON,Sio,ZnSなどを用いる。反射層6
は、Al,Au,Ag,PtなどにTi,Cr,In,
Cuの中から1種類以上を添加したものを用いる。な
お、本実施例では、基板2にはポリカーボネート、誘電
体層3,5にはSiN、記録層4にはTbFeCoC
r、反射層6にはAlTiをそれぞれ用いた。スパッタ
に用いたガスはAr,N2である。
【0012】上記の光磁気ディスク1に対して、その記
録特性の外部磁界依存性、保磁力Hc、磁壁抗磁力Hw
を調べた。ここでいう磁壁抗磁力とは、カーヒステリシ
スループにおける消磁状態と飽和状態との中間点での磁
場の大きさのことである。図2は、カー回転測定装置を
用いて成膜直後のカーループを描かせ、磁壁抗磁力Hw
を測定した結果を示す。図示するように、磁壁が移動
し、測定領域の磁化が一方向に揃っている。磁場スイー
プ速度は、500エルステッド(Oe)/secであ
る。Hw/Hcの値を大きくするために、本実施例で
は、記録膜の成膜後に0.02Paの真空度を90秒間
保つように、酸素ガス(100%)を導入した。Hw/
Hcの値を大きくするためには、酸素ガスを用いる方法
に限らず、他の方法を適用してもよい。外部磁界特性の
測定条件については、線速は7.54m/s、記録周波
数は4.93MHz、デューティは25%、レーザ光の
記録パワーは7mWである。
【0013】図3は、U溝基板上にHw/Hcの値が異
なる記録膜を形成したディスクに、情報を書き込む時の
CNRが出現し始める外部磁界の大きさHoと、外部磁
界が0のときのノイズ上昇量の変化を示すグラフであ
る。ノイズ上昇量とは、初期化したディスクのノイズレ
ベルと書き込み時のノイズレベルとの差のことである。
図示するように、Hw/Hcが大きくなるとHoも大き
くなり、逆にノイズ上昇量は減少する。同図において、
は記録膜作成時のガス圧、パワーを変化させてHw/
Hcの値を変えたサンプル、は成膜後に酸素ガスを導
入して作成したサンプルについての測定結果である。こ
れにより、酸素ガスを導入した方が、同じレベルのHo
に対応するHw/Hcの値が大きく、また、マイクロド
メインの発生が少なくなってノイズ上昇量が小さくなる
ことが判明する。
【0014】図4は、マグネットによって初期化し、さ
らに、書き込み用レーザを用いて0磁場の下で消磁した
ディスクについて、Hw/Hc、Ho、及びノイズ上昇
量の関係を示すグラフである。前記図3と同様に、は
記録膜作成時のガス圧、パワーを変化させてHw/Hc
の値を変えたもの、は成膜後に酸素ガスを導入して作
成したものである。同図においても前記と同様の傾向が
示されており、酸素ガスを導入した方が、同じレベルの
Hoに対応するHw/Hcの値が大きく、ノイズ上昇量
が少ないので、0磁界でのノイズが低減できる。一方、
V溝基板上に成膜したディスクについて、前記U溝と同
様に成膜直後とレーザ消磁後におけるHw/Hc、H
o、及びノイズ上昇量の関係を調べた。図5、図6にそ
れぞれ示すように、V溝基板ディスクの場合でも、同様
の傾向が現れている。
【0015】図7は、Hoが150エルステッド(O
e)のときにHw/Hcの値が異なる2つのディスクに
ついて、磁界変調時におけるジッタのパワーマージンを
示すグラフである。測定条件は、線速は1.4m/s、
書き込み磁界は200エルステッド(Oe)、読み出し
パワーは0.7mW、記録周波数は720kHz、デュ
ーティは50%である。図示するように、Hw/Hcが
大きいほどジッタ値も小さく、また、マージンが広い。
【0016】図8は、Hoが異なる3つのディスクにつ
いて、それぞれのジッタのパワーマージンを示すグラフ
である。図示するように、Hw/Hcが小さい場合であ
ってもHoを小さくすることで、パワーマージンを広く
することができ、また、Hoを200エルステッド(O
e)以下にしなければ、十分なパワーマージンを得るこ
とができない。
【0017】前記図7及び図8に示すように、磁界変調
には、Hoが小さく、Hw/Hcが大きいディスクが適
しており、具体的には、成膜直後とレーザ消磁後のHw
/Hcの値が、V溝基板ディスクでは0.65以上、U
溝基板ディスクでは0.52以上であり、且つ、Hoの
値が200エルステッド(Oe)以下のものが望まし
い。このような特性を有するディスクであれば、低磁界
においても良好な磁界変調書き込みが行える。なお、上
記実施例に限らず、Hw/Hcが大きいディスクは、ガ
ス圧やパワーばどの成膜条件を変えたり、記録膜ターゲ
ットに不純物を混入することによっても作成することが
できる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、CNRが
現れる外部磁界Hoが200エルステッド(Oe)以下
であり、磁壁抗磁力Hw/保磁力Hcが大きいので、磁
界変調による情報記録において、0磁界でのノイズ発生
を低減でき、CNRを高めることができる。これによ
り、安定して使用できる光磁気記録媒体を提供すること
ができると共に、この媒体を使用する記録装置の磁界発
生部を小形化、小電力化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光磁気ディスクの基本
構成図である。
【図2】カー回転測定装置を用いて測定したカーループ
である。
【図3】U溝基板ディスクについて、記録膜形成直後
の、磁壁抗磁力Hw/保磁力Hc、CNRが出現する外
部磁界Ho、及び0磁界におけるノイズ上昇量の関係を
示すグラフである。
【図4】U溝基板ディスクについて、レーザ消磁後の、
Hw/Hc、Ho、及びノイズ上昇量の関係を示すグラ
フである。
【図5】V溝基板ディスクについて、記録膜形成直後
の、Hw/Hc、Ho、及びノイズ上昇量の関係を示す
グラフである。
【図6】V溝基板ディスクについて、レーザ消磁後の、
Hw/Hc、Ho、及びノイズ上昇量の関係を示すグラ
フである。
【図7】Hw/Hcが異なるディスクについてのジッタ
のパワーマージンを示すグラフである。
【図8】Hoが異なるディスクについてのジッタのパワ
ーマージンを示すグラフである。
【図9】外部磁界の強さとCNRとの関係を示すグラフ
である。
【図10】書き込み時の垂直磁化膜の状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 基板 3 誘電体層(干渉層) 4 記録層(垂直磁化膜) 5 誘電体層(保護層) 6 反射層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基板上に、誘電体層、希土類−
    遷移金属アモルファス合金層、誘電体層、反射層が順次
    積層されてなる光磁気記録媒体において、カーヒステリ
    シスループにおける消磁状態と飽和状態との中間点での
    磁場の大きさである磁壁抗磁力をHw、保磁力をHcと
    したときに、Hw/Hcが0.65以上であるV溝基
    板、もしくはHw/Hcが0.52以上であるU溝基板
    を有し、外部磁界特性の測定条件を、線速が7.54m
    /s、記録周波数が4.93MHz、デューティが25
    %、レーザ光の記録パワーが光学的アクセスによる信号
    振幅の最大となるパワーとしたときに、該外部磁界特性
    のCNRが出現し始める外部磁界が200エルステッド
    (Oe)以下となるようにしたことを特徴とする光磁気
    記録媒体。
JP17752492A 1992-06-10 1992-06-10 光磁気記録媒体 Pending JPH05342674A (ja)

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20011127