JPH06131717A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06131717A
JPH06131717A JP30657492A JP30657492A JPH06131717A JP H06131717 A JPH06131717 A JP H06131717A JP 30657492 A JP30657492 A JP 30657492A JP 30657492 A JP30657492 A JP 30657492A JP H06131717 A JPH06131717 A JP H06131717A
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recording layer
layer
recording
magneto
magnetic field
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JP30657492A
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Masayasu Ogushi
眞康 大串
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低磁界でのノイズを低減させることによっ
て、CNRを大きくし、小さな外部磁界であっても、高
い水準の信号品質を維持して情報を記録もしくは消去す
ることが可能な光磁気記録媒体を提供する。 【構成】 第1の記録層4と第1もしくは第2の誘電体
層3,6との界面に、第2の記録層5を形成した。この
第2の記録層5は、第1の記録層4よりも保磁力が小さ
く、もしくはキュリー点温度が低く、又は面内磁化膜に
なるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に係
り、特に低磁界下でのノイズを低減する記録膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より提案されている種々の光記録素
子の中で、追加記録、消去が可能な光磁気記録媒体は、
既に実用化の段階に入っている。現在、この光磁気記録
媒体の記録膜としては、その総合的な特性が優れている
ことから、希土類−遷移金属アモルファス合金からなる
薄膜が最も多く用いられている。この希土類−遷移金属
アモルファス合金薄膜は、飽和磁化が膜面に対して垂直
に向く垂直磁化膜であり、記録時には、この磁化の向き
の違い(上もしくは下方向)によって、2値化信号の0
か1かを区別して情報が書き込まれる。このような垂直
磁化膜からなる記録膜を利用する記録方法の中に、キュ
リー点記録方法がある。これは、記録膜に対して、電磁
石などから発生させた外部磁界を与えつつ、レンズで集
光したレーザ光を記録膜に照射することにより、その照
射された箇所をキュリー温度に至るまで昇温させ、外部
磁場によって磁化の向きを反転させて、情報を記録もし
くは消去するものである。
【0003】上記のキュリー点記録方法を用いた光磁気
記録方式の一つとして、従来より光変調方式が実用化さ
れている。これは、200乃至300エールステッド
(Oe)の比較的強力な外部磁界の作用下で、直径が約
1ミクロンのレーザビームを記録層にパルス状に照射
し、その照射された箇所をキュリー温度に至るまで熱す
ることにより、その部分の磁化方向を外部磁界と同じ方
向に磁化して、信号化情報を記録するものである。一
方、他の記録方式としては、上記光変調方式とは逆に、
一定の強さのレーザビームを連続照射しつつ、外部磁界
を印加し、その磁界の方向を高速でスイッチング(変
調)する磁界変調方式が知られている。この方式は、記
録媒体に対するオーバーライトが容易であることから、
近年、特に注目されている。
【0004】ところで、通常の単層の希土類−遷移金属
アモルファス合金膜を有する光磁気記録媒体は、その代
表例である光磁気ディスクの場合、記録もしくは消去す
るために、200〜400Oe程度の外部磁場が必要で
あり、それに応じた大型の電磁石を記録装置に装着しな
ければならず、また、上述した磁界変調方式において
は、磁場が大きいほど磁界変調に要する時間が長くなる
という問題点がある。従って、記録もしくは消去動作に
必要な外部磁場を低減し、電磁石の小型化や高速な変調
動作を可能にする技術の研究、開発が進められている。
【0005】上述したように記録/消去の外部磁界を低
減させるためには、記録媒体において、次のような特性
を実現しなければならない。図10は、一般的な光磁気
ディスクの磁界特性図であり、予め磁化の向きを揃えた
初期化ディスクに、外部磁界を与えレーザ光を照射して
信号を書き込んだ時の、外部磁界とCNRとの関係を示
す。記録/消去磁界を低減させるためには、同図に示す
CNRが飽和する外部磁界HsとCNRが出現し始める
外部磁界Hoが共に小さいことが条件となる。つまり、
磁界変調方式では、HsとHoの間で磁界を変調させる
ので、このHsとHoを小さくするほど、必要となる外
部磁界が小さくなり、電磁石コイルの小型化が図り易
く、装置全体を小型で簡素な構成にできる。また、外部
磁界が小さければ、変調動作を高速にして装置としての
性能を高めることが可能となる。
【0006】図11は、書き込み時における垂直磁化膜
の磁界分布を示す。レーザ光Lを照射された垂直磁化膜
11の高温部12には、電磁石等の外部磁界Hexと、
高温部12の周辺にあるキュリー温度以下の部分(以
下、周辺部)13から生じる反磁場Hdの2つの磁界が
かかる。上記Hoの大きさに関係するのはHdであり、
このHdが大きければ大きい程、これを打ち消すだけの
大きなHoが必要となる。このHdは周辺部13の磁化
(矢印にて示す)の大きさに依存するため、記録膜が単
層のディスクにおいては、磁化が小さくなるような補償
組成を選んでディスクを作製すればHoを小さくするこ
とができる。しかしながら、この方法では、組成の微妙
な変化によって記録特性が大きく変わるので、このよう
な膜を安定して供給するのは困難であり、そのため、誘
電体層や記録層を成膜する時の投入電力やスパッタガス
圧を調整したり、誘電体層を逆スパッタ等によって成膜
することにより、上記のような補償組成を選ぶことな
く、Hoを小さくする方法が採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような外部磁
界Hoの低減に伴って、一方では、低磁界での書き込み
ノイズレベルが大きくなり、結果的に0磁界近辺でのC
NRが低下するという問題が生じている。磁界変調方式
では、磁界を変調させるときに、必ず外部磁界が0にな
る時点を経るので、図10に示した外部磁界特性におけ
る0磁界でのノイズを低減させ、CNRを高くすること
は重要な課題である。
【0008】本発明は、上記した課題を解決するために
なされたものであり、低磁界でのノイズを低減させるこ
とによって、CNRを大きくし、小さな外部磁界であっ
ても、高い水準の信号品質を維持して情報を記録もしく
は消去することが可能な光磁気記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、基板上に、第1の誘電体
層、希土類−遷移金属アモルファス合金からなる記録
層、第2の誘電体層が順次積層された光磁気記録媒体に
おいて、上記記録層と第1もしくは第2の誘電体層との
界面に、上記記録層より保磁力が低い第2の記録層が形
成されたものである。請求項2記載の発明は、請求項1
記載の光磁気記録媒体において、第2の記録層の保磁力
を2乃至4kOe、膜厚を0.5乃至1nmとしたもの
である。請求項3記載の発明は、基板上に、第1の誘電
体層、希土類−遷移金属アモルファス合金からなる記録
層、第2の誘電体層が順次積層された光磁気記録媒体に
おいて、上記記録層と第1もしくは第2の誘電体層との
界面に、面内磁化膜からなる第2の記録層が形成された
ものである。請求項4記載の発明は、請求項3記載の光
磁気記録媒体において、第2の記録層の膜厚を0.5乃
至1nmとしたものである。請求項5記載の発明は、基
板上に、第1の誘電体層、希土類−遷移金属アモルファ
ス合金からなる記録層、第2の誘電体層が順次積層され
た光磁気記録媒体において、上記記録層と第1もしくは
第2の誘電体層との界面に、上記記録層よりもキュリー
温度が低い第2の記録層が形成されたものである。請求
項6記載の発明は、請求項5記載の光磁気記録媒体にお
いて、第2の記録層のキュリー温度が上記記録層のキュ
リー温度よりも10℃以上低く、且つ、第2の記録層の
膜厚を0.5乃至1nmとしたものである。
【0010】
【作用】上記の構成により、記録層の界面に、記録層よ
り保磁力の低い(請求項1及び2記載)、もしくは、面
内磁化膜から構成される(請求項3及び4記載)、又
は、上記記録層よりもキュリー温度の低い(請求項5及
び6記載)、第2の記録層を形成することで、磁壁エネ
ルギーや反磁場に変化が発生し低外部磁界におけるノイ
ズが低いディスクができる。その結果、小さな外部磁界
でも情報の記録・消去が可能で、且つ、信号品質の高い
光磁気記録媒体を作製することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を、代表的な光磁気記
録媒体である光磁気ディスクを例にして説明する。図1
は、光磁気ディスク(以下、単にディスク)の基本構成
を示す断面図である。同図において、ディスク1は、基
板2に、第1の誘電体層3、垂直磁化膜である第1の記
録層4、第1の記録層4とは特性を異ならせた第2の記
録層5、第2の誘電体層6、及び反射層7を、スパッタ
成膜などにより順次積層して構成されている。基板2の
材料としては、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、もしくはアモルファスポリオレフィン等
のプラスチックや、ガラス、セラミック金属などを用い
ればよい。また、第1及び第2の誘電体層3、6は、S
iN,AlSiN,AlSiON,SiO,TaO,Z
nSなどから構成する。反射層7の材料としては、A
l,Au,Ag,PtなどにTi,Cr,In,Cuか
ら一種類以上を選んで添加したものを用いればよい。以
下の実施例では、基板2にポリカーボネイト、第1及び
第2の誘電体層3,6にはSiN,第1及び第2の記録
層4,5にはTbFeCoCr、反射層6にはAlTi
を用いた。スパッタに用いたガスはAr、N2 である。
【0012】上記のディスク1において、その詳細構成
や作製手順を異ならせ、それぞれのディスクについて記
録特性(CNR)の外部磁界強度に対する依存性を測定
した第1乃至第6実施例、及びそれらと対照させる比較
例を以下に説明する。請求項1及び2記載の発明に対応
する第1及び第2実施例では、第2の記録層5の保磁力
を第1の記録層4よりも低下させたディスクを作製し
た。この保磁力の低い第2の記録層5を形成する方法と
しては、(1)TbFeCoCrをスパッタして第1の
記録層4を成膜した後、酸化材料としてアルゴンと酸素
の混合ガスを導入し、引き続きTbFeCoCrをスパ
ッタして第2の記録層5を成膜する、(2)TbFeC
oCrをスパッタして第1の記録層4を成膜した後、第
1の記録層4の表面を酸素ガスもしくは酸素を含んだ混
合ガス中に曝して酸化させ、この酸化された表層部を第
2の記録層5とする、(3)TbFeCoCrをスパッ
タして第1の記録層4を成膜した後、酸化材料であるア
ルゴン・酸素の混合ガス中で逆スパッタして表層部を第
2の記録層5とするなどがある。以下に示す第1及び第
2実施例では、上記(1)の方法で第2の記録層5を形
成した。この場合、記録層の保磁力は、アルゴンと酸素
ガスとの混合比率に依存しており、酸素の混合量が多い
ほど記録層の保磁力が低下することを利用して第1の記
録層4と第2の記録層5の保磁力に差をつけた。
【0013】また、第1及び第2実施例と対照させるた
めの比較例として、記録層を、酸素混合ガスを導入せず
に成膜して保磁力が一定の単層構造にしたディスクの特
性も測定した。比較例によるディスクの記録層の保磁力
は約9kOeである。測定条件は、実施例、比較例共
に、線速を7.54m/s、記録周波数を4.93MH
z、デューティを25%、記録に用いたレーザ光のパワ
ーを7mWとした。図2に、上記比較例によるディスク
の測定結果を示す。
【0014】第1実施例では、第2の記録層5を形成す
るにあたり、酸素混合ガスを導入しない状態で第1の記
録層4を成膜した後、アルゴンと酸素の混合ガスを導入
し、第2の記録層5を1nmの厚さに積層させた。上記
ガスは、アルゴンと酸素の混合比率を異ならせた3種類
のものを用いて、それぞれディスクを構成した。この3
つの酸素/アルゴン混合ガスで成膜された第2の記録層
5の保磁力は、大きいものから順に、それぞれ約6kO
e、約4kOe、約2kOe、約1kOeであった。こ
の値は、別途、層厚を厚く成膜した記録層を用いて測定
した値から換算したものである。図3に、本実施例によ
るディスクの外部磁界特性の測定結果を示す。同図に示
されるように、第2の記録層5の保磁力を約2kOe及
び約4kOeとしたディスクでは、第2の記録層5を1
nmの厚さで積層した場合に、上記比較例による単一保
磁力の記録層のディスク(図2)と比べて、低磁界にお
けるCNRが優れている。一方、第2の記録層5の保磁
力を約6kOe及び約1kOeとしたディスクでは、低
磁界でのCNRを向上させる効果が小さい。
【0015】第2実施例では、保磁力を約4kOeとし
た第2の記録層5を形成し、その層厚を0.5nmと2
nmに変えた2つのディスクを作製した。図4に、本実
施例によるディスクの外部磁界特性の測定結果を示す。
同図に示されるように、第2の記録層5の厚さを0.5
nmとしたディスクは、低磁界において、上記比較例の
ディスク(図2)よりCNRが優れているが、同層厚を
2nmとしたものではCNRが比較例より悪くなってい
る。
【0016】次に、請求項3及び4記載の発明に対応す
る第3実施例を説明する。本実施例では、上記図1に示
した構成において、垂直磁化膜なる第1の記録層4の界
面に、面内磁化膜なる第2の記録層5を形成してディス
ク1を構成した。面内磁化膜からなる第2の記録層5を
形成する方法は、前述した第1及び第2実施例と同様の
ものであり、(1)〜(3)の3つがある。このうち、
本実施例では、(2)の方法で第2の記録層5を形成し
た。すなわち、垂直磁化膜を成膜した後、この膜の表面
をアルゴン・酸素の混合ガスに曝して酸化させることに
より面内磁化膜を形成し、酸化されなかった中・下層部
を垂直磁化膜の特性をもつ第1の記録層4、酸化された
上層部(表層部)を面内磁化膜の特性をもつ第2の記録
層5とした。この場合、酸化処理した箇所に、所望する
ような面内磁化膜が形成されているか否かは、その箇所
における磁気ヒステリシス特性(VSM)を測定するこ
とによって確認した。
【0017】また、本実施例と対照させるための比較例
として、記録層を成膜した後に酸素混合ガスを導入せ
ず、記録層を垂直磁化膜のみからなる単層構造にしたデ
ィスクの特性も測定した。各実施例及び比較例における
測定条件は、上記と同様である。この比較例によるディ
スクの測定結果を図5に示す。
【0018】図6は、本実施例によるディスクの外部磁
界特性を示し、上記作製手順において、垂直磁化膜を成
膜した後、その表面をアルゴンと酸素の混合ガスに曝す
際に、その曝す時間を変えることにより、形成される第
2の記録層(面内磁化膜)5の層厚を変えたものについ
て測定した結果である。第2の記録層の層厚は、それぞ
れ約0.5nm、約1nm、約2nmとした。これは、
オージェ分光での酸素濃度変化を測定することにより確
認できる。同図に示されるように、面内磁化膜を0.5
及び1nmに積層したディスクは、垂直磁化膜のみの記
録膜から構成されたディスク(図5)と比較して、低磁
界でのCNRが優れている。一方、積層された面内磁化
膜の膜厚を約2nmにしたものでは、低磁界でのCNR
が比較例とほとんど変わらない。
【0019】次に、請求項5及び6記載の発明に対応す
る第4及び第5実施例を説明する。これらの実施例で
は、上記図1に示した構成において、第1の記録層4の
界面に、第1の記録層4よりもキュリー点温度が低い第
2の記録層5を形成してディスク1を構成した。キュリ
ー温度の低い第2の記録層5を形成する方法は、前記第
1乃至第4実施例と同様のものであり、(1)〜(3)
の3つがある。さらに、キュリー温度を変化させるため
に一般的に用いられているTbFeCoCr膜の組成を
変える手法を上記(1)乃至(3)の方法に併用しても
よい。第4及び第5実施例では、上記(1)の方法で第
2の記録層5を形成した。この場合、記録層のキュリー
温度は、酸化材料として用いたアルゴンと酸素ガスの混
合比率に依存しており、酸素の混合量が多いほど成膜さ
れた記録層のキュリー温度が低下することを利用した。
【0020】また、第4及び第5実施例の比較例とし
て、酸素混合ガスを導入せずに記録層を成膜して、キュ
リー温度が一定である単層構造にしたディスクの特性も
測定した。比較例によるディスクの記録層のキュリー温
度は約200℃である。各実施例及び比較例における測
定条件は、上記第1乃至第4実施例と同様である。図7
に、上記比較例によるディスクの測定結果を示す。
【0021】第4実施例では、第2の記録層5を形成す
るにあたり、酸素混合ガスを導入しない状態で第1の記
録層4を成膜した後、アルゴンと酸素の混合ガスを導入
し、第2の記録層5を1nmの厚さに積層させた。上記
ガスは、アルゴンと酸素の混合比率を異ならせた4種類
のものを用いて、それぞれディスクを構成した。この4
種類の酸素/アルゴン混合ガスで成膜された第2の記録
層5のキュリー温度は、高いものから順に、それぞれ約
195℃、約190℃、約170℃、約150℃であっ
た。この値は、別途、層厚が厚くなるように成膜した記
録層を用いて測定した値から換算したものである。図8
に、本実施例によるディスクの外部磁界特性の測定結果
を示す。同図に示されるように、第2の記録層5のキュ
リー温度を約190℃以下としたディスクでは、上記比
較例による記録層のキュリー温度を一定としたディスク
(図7)と比べて、低磁界におけるCNRが優れてい
る。一方、第2の記録層5のキュリー温度を約195℃
としたディスクでは、低磁界でのCNRが比較例とほと
んど変わらない。
【0022】第5実施例では、キュリー温度を約190
℃とした第2の記録層5を形成し、その層厚を0.5n
mと2nmに変えた2つのディスクを作製した。図9
に、本実施例によるディスクの外部磁界特性の測定結果
を示す。同図に示されるように、第2の記録層5の厚さ
を0.5nmとしたディスクは、低磁界において、上記
比較例のディスク(図7)よりCNRが優れている。一
方、同層厚を2nmとしたものではCNRが比較例より
も悪くなっている。
【0023】上述した第1乃至第5実施例の結果によ
り、低磁界下におけるCNRを向上させるためには、下
記の手段が有効であることを導くことができる。(1)
第1の記録層と第2の誘電体層との界面に、第1の記録
層より保磁力が低い第2の記録層を形成する。この場
合、第2の記録層の保磁力を2乃至4kOe、その層厚
を0.5乃至1nmとする。(2)第1の記録層と第2
の誘電体層との界面に、面内磁化膜からなる第2の記録
層を形成する。この場合、第2の記録層の層厚を0.5
乃至1nmとする。(3)第1の記録層と第2の誘電体
層との界面に、第1の記録層よりもキュリー温度が低い
第2の記録層を形成する。この場合、第2の記録層のキ
ュリー温度を第1の記録層のキュリー温度よりも10℃
以上低くし、且つ、その層厚を0.5乃至1nmとす
る。
【0024】なお、本発明は上記第1乃至第5実施例に
示した構成に限られるものではなく、様々な変形が可能
である。例えば、上記構成では、保磁力が低い、もしく
は面内磁化膜としての特性をもつ、又は、キュリー温度
が低い第2の記録層を形成するにあたり、アルゴンと酸
素の混合ガスを酸化材料として用いたが、他の酸化性物
質を用いてもよく。また、酸化作用によらずに上記の特
性を実現してもよい。また、図1に示したディスク1に
おいて、基板上に、第1の誘電体層、記録層、第2の誘
電体層、反射層の順で積層したが、これは、光磁気ディ
スクの一般例に基づいたものであり、この構成では、記
録層を熱するためのレーザビームが、基板側(図1の上
方)から照射されるので、第2の記録層を、第1の記録
層と第2の誘電体層との間に形成した。しかしながら、
本発明は、光磁気ディスクのみならず、他の光磁気記録
媒体にも広く適用されるものであり、その中には、上記
とは逆に、基板上に、反射層、第1の誘電体層、記録
層、第2の誘電体層の順で積層され、レーザビームが上
記とは逆の側(図1の下方)から照射されるものも含ま
れる。この場合、第2の記録層は、通常、第1の記録層
と第1の誘電体層との間に形成する。
【0025】
【発明の効果】以上のように、(1)第1の記録層と第
2の誘電体層との界面に、第1の記録層より保磁力が低
い第2の記録層を形成すること(請求項1及び2記載の
発明)、もしくは、(2)第1の記録層と第2の誘電体
層との界面に、面内磁化膜からなる第2の記録層を形成
すること(請求項3及び4記載の発明)、又は、(3)
第1の記録層と第2の誘電体層との界面に、第1の記録
層よりもキュリー温度が低い第2の記録層を形成するこ
と(請求項5及び6記載の発明)により、低い外部磁界
の作用下におけるノイズを低減でき、CNRが高い光磁
気記録媒体を得ることができる。さらに、本発明による
記録媒体を用いる記録装置には、大型の磁界発生器を備
える必要がなくなり、装置の小形化、低コスト化が図
れ、さらには、磁界変調方式における高速な変調動作が
可能となり、記録もしくは消去の動作時間が短縮でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光磁気記録媒体の基本
構成を示す断面図である。
【図2】第1及び第2実施例に対する比較例による保磁
力を一定とした単層構造の記録層を形成した光磁気記録
媒体の信号記録特性図である。
【図3】第1実施例による、保磁力が低い第2の記録層
を形成した光磁気記録媒体の信号記録特性図であり、第
2の記録層の保磁力が異なる3つのディスクについての
測定結果を示す。
【図4】第2実施例による保磁力が低い第2の記録層を
形成した光磁気記録媒体の信号記録特性図であり、第2
の記録層の層厚が異なる2つのディスクについての測定
結果を示す。
【図5】第3実施例に対する比較例による垂直磁化膜の
特性を示す単層構造の記録層を形成した光磁気記録媒体
の信号記録特性図である。
【図6】第3実施例による面内磁化膜の特性を示す第2
の記録層を形成した光磁気記録媒体の信号記録特性図で
ある。
【図7】第4及び第5実施例に対する比較例によるキュ
リー温度を一定とした単層構造の記録層を形成した光磁
気記録媒体の信号記録特性図である。
【図8】第4実施例によるキュリー温度が低い第2の記
録層を形成した光磁気記録媒体の信号記録特性図であ
り、第2の記録層のキュリー温度が異なる4つのディス
クについての測定結果を示す。
【図9】第5実施例によるキュリー温度が低い第2の記
録層を形成した光磁気記録媒体の信号記録特性図であ
り、第2の記録層の層厚が異なる2つのディスクについ
ての測定結果を示す。
【図10】一般的な光磁気ディスクの磁界特性図であ
る。
【図11】書き込み時における垂直磁化膜の磁界分布を
示す。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 基板 3 第1の誘電体層 4 第1の記録層 5 第2の記録層 6 第2の誘電体層 7 反射層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、第1の誘電体層、希土類−遷
    移金属アモルファス合金からなる記録層、第2の誘電体
    層が順次積層された光磁気記録媒体において、 上記記録層と第1もしくは第2の誘電体層との界面に、
    上記記録層より保磁力が低い第2の記録層が形成された
    ことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 第2の記録層の保磁力が2乃至4kO
    e、膜厚が0.5乃至1nmであることを特徴とする請
    求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板上に、第1の誘電体層、希土類−遷
    移金属アモルファス合金からなる記録層、第2の誘電体
    層が順次積層された光磁気記録媒体において、 上記記録層と第1もしくは第2の誘電体層との界面に、
    面内磁化膜からなる第2の記録層が形成されたことを特
    徴とする光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 第2の記録層の膜厚が0.5乃至1nm
    であることを特徴とする請求項3記載の光磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 基板上に、第1の誘電体層、希土類−遷
    移金属アモルファス合金からなる記録層、第2の誘電体
    層が順次積層された光磁気記録媒体において、 上記記録層と第1もしくは第2の誘電体層との界面に、
    上記記録層よりもキュリー温度が低い第2の記録層が形
    成されたことを特徴とする光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 第2の記録層のキュリー温度が上記記録
    層のキュリー温度よりも10℃以上低く、且つ、第2の
    記録層の膜厚が0.5乃至1nmであることを特徴とす
    る請求項5記載の光磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0833318A2 (en) * 1996-09-26 1998-04-01 Sharp Kabushiki Kaisha Magneto-optical recording medium, magneto-optical recording method, and magneto-optical recording apparatus
EP0833318A3 (en) * 1996-09-26 2000-08-30 Sharp Kabushiki Kaisha Magneto-optical recording medium, magneto-optical recording method, and magneto-optical recording apparatus

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