JPH05339994A - 遠心成形中空pc柱の梁接合部構造 - Google Patents

遠心成形中空pc柱の梁接合部構造

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JPH05339994A
JPH05339994A JP17155992A JP17155992A JPH05339994A JP H05339994 A JPH05339994 A JP H05339994A JP 17155992 A JP17155992 A JP 17155992A JP 17155992 A JP17155992 A JP 17155992A JP H05339994 A JPH05339994 A JP H05339994A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心成形中空PC柱の柱,梁接合部にパネル
ゾーンを一体に組み込むことにより、柱,梁の接合耐力
を十分に確保する。 【構成】 遠心成形中空PC柱10の肉厚tを、このP
C柱10と前記梁16との取合部20において柱内方に
増大して肉厚増大部22を形成する。この肉厚増大部2
2の内周部にスパイラル筋24を配置し、外側のスパイ
ラル筋14と共に二重スパイラル筋を構成する。肉厚増
大部22の柱面10aに沿って、スタッドジベル28を
植設した鋼板26を埋設し、鋼板26の外側を柱面10
aに表出する。鋼板26に接合した連結板30に、H型
鋼18のウエブ18aをボルト,ナット固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心成形中空PC(プ
レキャストコンクリート)柱と鉄骨梁または鉄筋コンク
リート梁とが接合される部分における、遠心成形中空P
C柱の梁接合部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、柱,梁および床等の建築用構造材
をプレキャストコンクリートによって形成し、これらP
C部材を現場で建込むことにより型枠工事を著しく簡単
化し、延いては、大幅な省力化を達成できるようになっ
ている。
【0003】例えば、PC柱にあっては角柱または丸柱
として予め工場等で成形され、このPC柱を現場に搬入
して建込んだ後、これに梁を接続するようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のPC柱にあっては、このPC柱がその全長に亘っ
て均一な断面構造として形成されているため、部材の合
理的かつ経済的な軽量化が阻害され、コストダウンや工
期短縮を十分に達成できないという課題があった。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、PC柱を中空とし、且つこれにあたって遠心成形を
採用することでコンクリート強度の増進を図り、もって
肉厚の薄肉化を確保してPC柱の軽量化を図ると共に、
このような遠心成形中空PC柱に対して、柱,梁の接合
耐力を十分に確保することができる遠心成形中空PC柱
の梁接合部構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、遠心成形中空PC柱の肉厚を、このPC
柱と梁との取合部において増大し、この肉厚増大部に、
梁部材を接続する補強部材を埋設することにより構成す
る。
【0007】また、前記補強部材は、梁部材が鉄骨であ
る場合に、前記遠心成形中空PC柱の柱面に沿って配置
される鋼板とすることが望ましい。
【0008】更に、前記補強部材は、梁部材が鉄筋コン
クリートである場合に、前記遠心成形中空PC柱の肉厚
方向に貫通される継手部材とすることが望ましい。
【0009】更にまた、前記遠心成形中空PC柱の肉厚
増大部に、二重スパイラル筋を埋設することが望まし
い。
【0010】
【作用】以上の構成により本発明の遠心成形中空PC柱
の梁接合部構造にあっては、遠心成形中空PC柱と梁と
の取合部においてPC柱の肉厚を増大し、この肉厚増大
部に、梁の鉄骨とか鉄筋と接続される補強部材を埋設し
て、この補強部材に梁部材を接合するようにしたので、
当該接合部分の柱,梁耐力を十分に確保することができ
る。
【0011】また、前記補強部材は、梁部材が鉄骨であ
る場合に、遠心成形中空PC柱の柱面に沿って配置され
る鋼板としたことにより、この鋼板と鉄骨との接続を容
易に行うことができると共に、その結合強度を大きくす
ることができる。
【0012】更に、前記補強部材は、梁部材が鉄筋コン
クリートである場合に、遠心成形中空PC柱の肉厚方向
に貫通される継手部材としたことにより、この継手部材
と鉄筋との接続を容易にすると共に、その結合強度を大
きく保つことができる。
【0013】更にまた、遠心成形中空PC柱の肉厚増大
部に二重スパイラル筋を埋設することにより、この肉厚
増大部の強度を更に大きくし、柱,梁の接合部分の耐力
を著しく向上することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図1から図3は本発明にかかる遠心成
形中空PC柱の梁接合部構造の一実施例を示し、図1は
要部の縦断面図、図2は図1中A−A線断面図、図3は
要部を取り出して示す斜視図である。
【0015】図1,図2において10は遠心成形中空P
C柱で、このPC柱10は工場等において遠心成形手法
により、具体的には回転される型枠内にコンクリートを
投入し、この型枠内で遠心力により密実にコンクリート
を締め固めることで製作される。この遠心成形中空PC
柱10は断面方形状の中空体として形成される。そし
て、工場等で製作完了されたPC柱10が現場に搬入さ
れて柱の構築部位に建込まれる。
【0016】前記遠心成形中空PC柱10の肉厚内に
は、その全長に亘って複数の柱主筋12およびこれら柱
主筋12の外側を取り囲むスパイラル筋14が埋設され
る。
【0017】前記PC柱10の柱面10aには梁16が
接合され、この梁16を介して各PC柱10間が連結さ
れる。尚、本実施例では梁16は鉄骨鉄筋コンクリート
梁として構築され、この梁16の中心部にH型鋼18が
配設されると共に、このH型鋼18の外側に図外の梁主
筋およびスタラップ筋が配置される。また、前記梁16
は図示は省略したが、断面U字状に形成されたPC梁を
用いて構築され、このPC梁を前記H型鋼18の外側に
建込んだ後、U字状内にコンクリートを打設するように
なっている。
【0018】ここで、本実施例にあっては前記遠心成形
中空PC柱10の肉厚tを、このPC柱10と前記梁1
6との取合部20において柱内方に増大し、肉厚増大部
22を形成する。この肉厚増大部22の内周部にはスパ
イラル筋24が配置され、前記スパイラル筋14と共に
二重スパイラル筋が構成される。
【0019】また、前記肉厚増大部22の柱面10aに
沿って配置される補強部材としての鋼板26を、この鋼
板26の外側が柱面10aに表出するように埋設する。
また、この鋼板26内側にはスタッドジベル28が多数
植設されており、これらスタッドジベル28を介して鋼
板26は肉厚増大部22に強固に結合される。
【0020】前記鋼板26の外側には、梁16のH型鋼
18の端面が当接・接合されると共に、この鋼板26に
接合された連結板30にH型鋼18のウエブ18aが図
外のボルト,ナット固定されることにより、これら鋼板
26とH型鋼18とが接合される。
【0021】以上の構成により本実施例の遠心成形中空
PC柱の梁接合部構造にあっては、PC柱10と梁16
との取合部20に肉厚増大部22を形成し、この肉厚増
大部22に埋設した鋼板26に梁16のH型鋼18を接
合したので、柱,梁の接合耐力を向上することができ
る。また、前記肉厚増大部22を二重スパイラル筋構造
としたことにより、柱,梁の接合耐力を更に向上するこ
とができる。
【0022】従って、このように柱,梁接合耐力が確保
されることにより、PC柱10の合理的且つ経済的な軽
量化を確保しつつ、労働生産性の向上および短工期化に
よる経費ダウン等を達成でき、延いては、現場生産性の
大幅な向上を図ることができる。
【0023】図4は他の実施例を示し、梁部材が鉄筋の
みを埋設した鉄筋コンクリートである場合に本発明を適
用したものである。尚、この実施例を述べるにあたって
前記実施例と同一構成部分に同一符号を付して重複する
説明を省略して述べる。
【0024】即ち、図4は要部構成を示す斜視図で、鉄
筋40の両端部にカップラーナット42を取り付けて格
子状に組み込んだ継手部材としてのカップラー44を構
成し、このカップラー44をPC柱10の肉厚方向に貫
通して肉厚増大部22に埋設してある。尚、本実施例で
は前記カップラー44は2段構造となっているが、梁主
筋46に対応して3段以上の構造とすることもできる。
【0025】そして、前記カップラーナット42に梁主
筋46をそれぞれ接合し、これら梁主筋46に図外のス
タラップ筋を配してU字状のPC梁で覆い、このPC梁
にコンクリートが打設されるようになっている。
【0026】従って、この実施例にあっても前記実施例
と同様に、遠心成形中空PC柱10の取合部20の強度
を増大し、接合部分の柱,梁耐力を向上することができ
る。
【0027】また、この実施例にあっても前記肉厚増大
部22を二重スパイラル筋構造とすることにより、柱,
梁の接合耐力を更に向上することができることはいうま
でもない。
【0028】なお、本実施例では遠心成形中空PC柱1
0が断面方形状のものについて記述したが、断面丸形状
等であっても良い。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に示す遠心成形中空PC柱の梁接合部構造にあっては、
遠心成形中空PC柱と梁との取合部に形成した肉厚増大
部に、梁部材を接続する補強部材を埋設して、この補強
部材に梁を接合するようにしたので、柱,梁の接合耐力
を十分に確保することができる。従って、現場生産性の
大幅な向上を図り、省力化および工期の短縮化を達成す
ることができる。
【0030】また、本発明の請求項2にあっては、梁部
材が鉄骨である場合に、前記補強部材を、遠心成形中空
PC柱の柱面に沿って配置される鋼板としたので、この
鋼板と鉄骨との接続を容易に行うことができると共に、
その結合強度を大きくすることができる。
【0031】更に、本発明の請求項3にあっては、梁部
材が鉄筋コンクリートである場合に、前記補強部材を、
遠心成形中空PC柱の肉厚方向に貫通される継手部材と
したので、この継手部材と鉄筋との接続を容易にすると
共に、その結合強度を大きく保つことができる。
【0032】更にまた、本発明の請求項4にあっては、
遠心成形中空PC柱の肉厚増大部に二重スパイラル筋を
埋設したので、更に柱,梁の接合耐力を著しく向上する
ことができるという各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部縦断面図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】本発明の一実施例の要部を取り出して示す斜視
図である。
【図4】本発明の他の実施例の要部構成を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 遠心成形中空PC柱 12 柱主筋 14,24 スパイラル筋 16 梁 18 H型鋼 20 取合部 22 肉厚増大部 26 鋼板(補強
部材) 44 カップラー(継手部材) 46 梁主筋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心成形中空PC柱の肉厚を、このPC
    柱と梁との取合部において増大し、この肉厚増大部に、
    梁部材を接続する補強部材を埋設したことを特徴とする
    遠心成形中空PC柱の梁接合部構造。
  2. 【請求項2】 前記補強部材は、梁部材が鉄骨である場
    合に、前記遠心成形中空PC柱の柱面に沿って配置され
    る鋼板としたことを特徴とする請求項1に記載の遠心成
    形中空PC柱の梁接合部構造。
  3. 【請求項3】 前記補強部材は、梁部材が鉄筋コンクリ
    ートである場合に、前記遠心成形中空PC柱の肉厚方向
    に貫通される継手部材としたことを特徴とする請求項1
    に記載の遠心成形中空PC柱の梁接合部構造。
  4. 【請求項4】 前記遠心成形中空PC柱の肉厚増大部に
    二重スパイラル筋を埋設したことを特徴とする請求項1
    から3いずれかの項に記載の遠心成形中空PC柱の梁接
    合部構造。
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JP2001073454A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Kumagai Gumi Co Ltd 柱および梁の接合部の補強構造および補強部材
JP2014139370A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Hazama Ando Corp 柱‐梁接合部構造とその構築方法

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