JPH05339698A - 溶射用ジルコニア粉末 - Google Patents

溶射用ジルコニア粉末

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JPH05339698A JP4169903A JP16990392A JPH05339698A JP H05339698 A JPH05339698 A JP H05339698A JP 4169903 A JP4169903 A JP 4169903A JP 16990392 A JP16990392 A JP 16990392A JP H05339698 A JPH05339698 A JP H05339698A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶射にあたり搬送ガスによって壊されにくく、
流動性がよく、チューブ内で閉塞現象や供給不良を生じ
ることなく、かつ耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐食性、導
電性などに優れた溶射皮膜をつくりうる溶射用ジルコニ
ア粉末の提供。 【構成】主として結晶子径1200A以下の酸化ジルコ
ニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムから
なり、Y/ZrOモル比が1.5/98.5〜
12/88の範囲であり、酸化ジルコニウムと酸化イッ
トリウムとの合計に対するAlの量が0.05w
t%以上1.0wt%未満であり、酸化ジルコニウムと
酸化イットリウムとの合計に対するSiOの量が0.
01wt%以下であり、かつ、平均顆粒圧壊強度が0.
10kgf/mm以上である、溶射用ジルコニア粉
末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶射用ジルコニア粉末
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、粉末を溶射する場合、内径2m
m以下のパウダ−チュ−ブを通って溶射ガンに供給され
る。したがって、溶射用粉末は、粉末供給時の流動性が
重要視される。近年、耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐食性
などにさらに優れた皮膜特性を得るために、1μm以下
のジルコニア粉末を使用することが増えており、この微
細な粉末を噴霧乾燥、転動造粒、流動造粒、攪拌造粒な
どによって造粒し、安定供給可能な粒度に分級調整され
たものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ジルコニア
粉末は、微細であるほど粉末同士のあるいはそれと器壁
との摩擦による静電気の発生が激しくなる。上記のよう
に造粒し分級しただけの粉末は軟らかいので、供給チュ
−ブ内で搬送ガスによって壊れ、微粉が生成し、帯電す
ることとなり、それによって、微粉が造粒粉末の表面に
付着し、さらに、チュ−ブ内に滞積し閉塞現象や供給不
良を生じる。この供給がスム−ズに行われないと、溶射
層における粒界、結晶粒および気孔から構成されている
積層が不均質になり、かつ1回当たりの皮膜厚みが不均
一になる。このような現象が生じると、製品の耐熱性、
硬度、耐摩耗性、強度、耐食性などに悪影響がでてく
る。
【0004】また、部分安定化ジルコニアの溶射皮膜
は、アルミナのそれに比べて、酸性の液やガスの雰囲気
における耐食性が劣る。例えば、30wt%HSO
溶液中にYで部分安定化させたジルコニア溶射皮
膜を浸漬させると、相転移により単斜晶が増加し強度な
どを落とす。一方、安定化ジルコニアの溶射皮膜は、相
転移を起こさず、しかも導電性など電気特性に優れてい
るが、機械的強度が低い。
【0005】これらの問題は、微粒子で純度がよい粉末
を用いて、従来のように粉末を分級調整や熱処理し、溶
射皮膜を形成させただけでは、解決されない。つまり、
耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐食性など全ての面で優れた
ジルコニア溶射皮膜を得ることは難しい。
【0006】本発明は、これらの問題の解決された、す
なわち溶射にあたり搬送ガスによって壊されにくく、流
動性がよく、チューブ内で閉塞現象や供給不良を生じる
ことなく、かつ耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐食性、導電
性などに優れた溶射皮膜をつくりうる溶射用ジルコニア
粉末の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、主として結晶
子径1200A以下の酸化ジルコニウム、酸化イットリ
ウムおよび酸化アルミニウムからなり、Y/Zr
モル比が1.5/98.5〜12/88の範囲であ
り、酸化ジルコニウムと酸化イットリウムとの合計に対
するAlの量が0.05wt%以上1.0wt%
未満であり、酸化ジルコニウムと酸化イットリウムとの
合計に対するSiOの量が0.01wt%以下であ
り、かつ、平均顆粒圧壊強度が0.10kgf/mm
以上である溶射用ジルコニア粉末、を要旨とするもので
ある。
【0008】Y/ZrOのモル比は、1.5/
98.5〜12/88の範囲でなければならず、とくに
2.5/97.5〜10/90の範囲がよい。この比が
1.5/98.5未満では、高温下あるいは応力下での
正方晶と単斜晶の相転移が起こりやすくなり、溶射皮膜
の靭性や機械的強度が低くなる。一方、Yの添加
量が8/92〜12/88の範囲に導電率のピ−クがあ
り、12/88を超えると導電率が低すぎることにな
る。
【0009】Alの含有量は、ZrOとY
との合計に対して0.05wt%以上1.0wt%未
満(Alの含有量の値は、ZrOとY
の合計に対するものとする)でなければならない。これ
が0.05wt%未満ではAlによって皮膜の耐
摩耗性などを向上させる効果が十分でなく、一方、1.
0wt%以上では皮膜の導電性が低下しすぎることにな
る。
【0010】耐食性については、部分安定化領域では、
Al0.05wt%未満では30wt%濃度のH
SO中などで皮膜の正方晶が単斜晶に転移するのを
抑制する効果が不十分であり、Al0.05wt
%以上にして十分な耐食性を備えることになる。一方、
Al1.0wt%を超えても1.0wt%未満の
場合にくらべて耐食性がそれほど向上しない。もっと
も、安定化領域では、Alの含有量に係わりなく
相転移の問題はない。
【0011】SiOは、粒界でガラス層を形成し、酸
素イオンの移動を阻害するが、0.01wt%以下であ
れば共存するAlによってガラス層の形成が抑制
される。
【0012】ジルコニア粉末の結晶子径は、1200A
以下でなければならない。結晶子径が1200Aを超え
ると、粉末粒子同士でネック焼結していることがあり、
溶射時の流動性が悪くなり、前記の皮膜の積層や厚みが
不均一となるなどの障害を起こすからである。
【0013】平均顆粒圧壊強度は、0.10kgf/m
以上でなければならない。それが0.10kgf/
mmに満たないと、溶射に使用する際、搬送ガス中で
顆粒が壊れ、前記の閉塞などの障害を起こすからであ
る。
【0014】このような条件を満足するジルコニア粉末
は、噴霧乾燥法、転動造粒法、流動造粒法、攪拌造粒法
などによって製造することができる。例えば、イットリ
ウム化合物を含むジルコニウム塩を中和しあるいは加水
分解してジルコニア水和ゾルを得、これを噴霧乾燥して
顆粒状のゲルとし、600〜1200℃で仮焼してY
が固溶したジルコニアを得、これにAlを添
加し、平均粒子径1μm以下に湿式粉砕し、500〜3
000cpに粘度調整し、大気中で造粒したのち乾燥す
るか乾燥したのち造粒し、1500℃以下で焼成あるい
は乾燥することによって製造することができる。
【0015】上記のジルコニウム塩は、水溶性であれば
いかなるものでもよく、例えば、オキシ塩化ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコ
ニウムなどがある。ジルコニウム塩の水溶液にイットリ
ウム化合物を添加する時期は、中和法の場合は中和前が
よく、加水分解法の場合は前後どちらでもよいが、好ま
しくは、加水分解の前がよい。添加する形態としては、
酸化物あるいは焼成によって酸化物となる塩、水和酸化
物、水酸化物またはそれらの混合物がある。また、加水
分解を行う前に、該水溶性ジルコニウム塩水溶液に水和
ジルコニア、酸化ジルコニウム粒子などを添加すれば、
加水分解時間を短縮することができる。また、加水分解
終了後に、後工程の生産性を向上さすために加水分解終
了液を濃縮してもよい。上記のようにYが固溶し
たジルコニアにAlを添加することにより本発明
の溶射用ジルコニア粉末を製造することができるが、A
源の添加時期は、それに限る必要はない。例え
ば、中和法の場合はむしろ中和前がよく、加水分解法の
場合は前後どちらにしても格別の違いはないが、どちら
かといえば加水分解の前がよい。Al源も、上記
のY源と同じく、酸化物のほか塩、水和酸化物、
水酸化物またはそれらの混合物でもかまわない。酸化物
として添加する場合は、粉末粒子径は1μm以下が好ま
しい。
【0016】上記の水和ジルコニアゾルを乾燥し、ゲル
粉末を得る場合は、加水分解終了後直ちに乾燥しても濃
縮後に乾燥してもよく、更に加水分解終了後や濃縮後に
pH調整した後に乾燥してもよい。水和ジルコニアゾル
を乾燥し、造粒ゲル粉末を得る方法としては、噴霧乾燥
方法を用いることが好ましく、中でも流動性の向上のた
めに、回転ディスク方式がとくに好ましい。噴霧乾燥時
の熱風温度は、50〜300℃がよく、95〜200℃
がより好ましい。
【0017】造粒ゲル粉末を仮焼する方法としては、連
続、バッチ方式を問わず、一般的には、電気炉やガス炉
を用いることが多いが、回転ディスクにより、水和ジル
コニアゾルを噴霧しながら、乾燥−仮焼を同時に行う方
式を用いることもできる。
【0018】造粒ゲル粉末の仮焼は、中和法、加水分解
法いずれによるものも、500〜1200℃、保持時間
は、15分〜10時間程度の条件で行うのが好ましい。
皮膜の必要としている特性により仮焼温度を変え、目的
に合った溶射粉末を得ることができる。
【0019】ジルコニア粉末に、Alを添加し、
湿式粉砕混合するのに使用する粉砕機としては、ボ−ル
ミル、振動ボ−ルミル、アトリッションミルなどの湿式
粉砕機が好ましく、その際の粉砕媒体としては、ジルコ
ニアあるいはアルミナ製が好ましい。粉砕後のスラリ−
濃度は、経済性も考えて25wt%以上とするのが好ま
しい。
【0020】ジルコニアスラリ−を増粘剤を用いて粘度
500〜3000cpの範囲に粘度調整を行い、造粒乾
燥し、造粒乾燥粉末を得る方法としては、噴霧乾燥方法
が好ましく、中でも流動性の向上のために、回転ディス
ク方式がとくに好ましい。噴霧乾燥後の顆粒強度を保つ
ために、粘度調整前後に有機系バインダ−を添加してか
ら噴霧乾燥してもよい。噴霧乾燥時の熱風温度は、50
〜300℃がよく、水系の場合は、150〜230℃が
より好ましい。また、噴霧乾燥によってえられる粉末の
平均顆粒径としては、100μm以下が好ましい。
【0021】以上のようにして得られたジルコニア造粒
乾燥粉末に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、アクリル系モノマーまたはポリマーなどのバイン
ダーを水または溶剤に溶解した溶液を上記粉末に吹き付
けて塗布し、乾燥することによって平均顆粒圧壊強度
0.10kgf/mm以上の本発明の溶射用ジルコニ
ア粉末が得られる。このバインダーの添加は、上記の湿
式粉砕後のジルコニアスラリーの段階で行ってもよい。
また、上記バインダーとともにジルコニア粉末が静電気
を帯びるのを防ぐ性質をもつ、グリセリン、ソルビトー
ルなどのアルコール;グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステルなどのエステル;ア
ルキルスルホン酸塩、N−アシルザルコネートなどのア
ニオン界面活性剤;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコー
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドな
どの非イオン界面活性剤;アルキルイミダゾリウムベタ
イン、β−アルキルアミノプロピオン酸塩などの両性界
面活性剤;ジメチルジアルキルアンモニウムクロリド、
アルキルトリメチルアンモニウムクロリドなどのカチオ
ン界面活性剤;四級アンモニウム化合物;アミン類など
を併用すれば、ジルコニア粉末の帯電を防止することが
できるので、いっそう流動性のよい溶射用ジルコニア粉
末とすることができる。
【0022】上記のジルコニア造粒乾燥粉末を、電気、
ガスなどによって800〜1500℃の範囲、好ましく
は、1000〜1300℃の範囲で焼成する方法によっ
ても平均顆粒圧壊強度の高い溶射用ジルコニア粉末を製
造することができる。この熱処理温度が800℃未満で
は、得られる粉末の平均顆粒圧壊強度が不十分であり、
いっぽう、1500℃を超えると、得られる粉末の結晶
子径が1200Aを超え、いずれの場合も本発明の溶射
用ジルコニア粉末が得られない。また、後者のように熱
処理温度が高すぎる場合、造粒粒子内で部分的に焼結が
起こっているところがあり、溶射温度が低かった場合、
未溶融部分が残存し、溶射皮膜の付着効果が悪くなり、
気孔率が上昇するので、皮膜の耐熱性や硬度が低下す
る。
【0023】
【発明の効果】以上の如く、本発明の溶射用ジルコニア
粉末は、従来のものと比較して、流動性が優れており、
内径2mm以下のパウダ−チュ−ブでも閉塞することな
く、単位時間当たりの供給量も安定している。そのた
め、均質で付着効率が高く、また、耐摩耗性、耐食性、
導電性などに優れた溶射皮膜を得ることができる。
【0024】この粉末を耐摩耗性、耐食性などを必要と
する箇所あるいは酸素イオン伝導性を必要とする箇所に
溶射して皮膜を形成させることによって、従来法による
ものよりも寿命の長い溶射皮膜を得られることが期待さ
れる。
【0025】
【実施例】
実施例1 ZrO換算濃度50g/lのオキシ塩化ジルコニウム
水溶液にYをZrOとYとの合計に対す
るY換算3モル%となるように添加し、還流下に
加水分解率が90%になるまで加水分解し、更に該水溶
液にAl(住友化学工業社製 AKP−30、以
下同じ)をZrOに対して0.5wt%添加した後、
ZrO換算濃度が300g/lになるまで濃縮して水
和ジルコニアゾルを得た。このゾルを回転ディスク方式
の噴霧乾燥装置を用いて熱風温度150℃で噴霧乾燥を
行い、球状造粒ゲル粉末を得た。このゲル粉末を更に大
気雰囲気下で1300℃、保持2時間の条件により電気
炉による熱処理によって溶射用部分安定化ジルコニア粉
末を得た。
【0026】実施例2 ZrO換算濃度50g/lのオキシ塩化ジルコニウム
水溶液にYClをZrOとYとの合計に対す
るY換算3モル%となるように添加し、還流下で
加水分解率が89%になるまで加水分解し、更に該水溶
液をZrO換算濃度が310g/lになるまで濃縮し
水和ジルコニアゾルを得た。このゾルを実施例1と同じ
条件で噴霧乾燥を行い、ゲル粉末を得、大気雰囲気下で
電気炉により850℃、保持2時間の条件で仮焼してジ
ルコニア粉末を得、Alを該ジルコニア粉末に対
して0.95wt%添加した後、ボ−ルミルにより24
時間湿式粉砕混合して平均粒子径0.7μmのスラリ−
とし、濃度2wt%のアンモニア水によって2000c
pに粘度調整し、190℃の熱風中に噴霧乾燥して部分
安定化ジルコニアからなる球状造粒粉末を得た。この粉
末を更に大気雰囲気下で1200℃、保持2時間の条件
により電気炉による熱処理によって、溶射用部分安定化
ジルコニア粉末を得た。
【0027】実施例3 Alの添加量をジルコニア粉末に対して0.05
wt%とするほかは実施例2と同じ条件にして溶射用部
分安定化ジルコニア粉末を得た。
【0028】実施例4 ZrO換算濃度50g/lのオキシ塩化ジルコニウム
水溶液にYClをZrOとYとの合計に対す
るY換算3モル%となるように添加し、還流下に
加水分解率が90%になるまで加水分解し、更に該水溶
液に水酸化ナトリウム溶液を添加し水和ジルコニアゾル
を得た。このゾルを実施例1と同じ条件で噴霧乾燥を行
い、ゲル粉末を得、大気雰囲気下で電気炉により850
℃、保持2時間の条件で仮焼してジルコニア粉末を得、
Alを該ジルコニア粉末に対して0.5wt%添
加した後、ボ−ルミルにより24時間湿式粉砕混合して
平均粒子径0.7μmのスラリ−とし、ポリビニルアル
コ−ル(けん化度88、重合度500)を該ジルコニア
粉末に対して5wt%加え、増粘剤(サンノプコ製A−
818)により1500cpに粘度調整し、帯電防止剤
としてアニオン界面活性剤(サンノプコ社製ノプコサン
トRFA)を上記ジルコニア粉末に対して0.5wt%
添加し、180℃の熱風中に噴霧乾燥して、溶射用部分
安定化ジルコニア粉末を得た。
【0029】実施例5 イットリア源としてYを使用し、その添加量をZ
rOとの合計に対して8モル%とするほかは実施例3
と同じ条件にして溶射用安定化ジルコニア粉末を得た。
【0030】実施例6 安定化ジルコニア粉末(東ソー社製 TZ−8Y)にA
を該安定化ジルコニア粉末に対して0.5wt
%添加し、振動ボールミルで8時間粉砕混合し、それ以
降は実施例2と同じ条件にして溶射用安定化ジルコニア
粉末を得た。
【0031】実施例7 Alの添加量を安定化ジルコニア粉末に対して
0.9wt%とするほかは実施例6と同じ条件にして溶
射用安定化ジルコニア粉末を得た。
【0032】比較例1 実施例2で得た噴霧乾燥された部分安定化ジルコニアか
らなる球状造粒粉末をそのまま溶射用部分安定化ジルコ
ニア粉末として用いた。
【0033】溶射試験では、溶射開始後2〜3分間で波
打ち現象を生じ、粉末が安定供給されず、均一な厚みの
皮膜が得られなかった。
【0034】比較例2 Alを添加せず、その他の条件は実施例2と同じ
にして溶射用部分安定化ジルコニア粉末を得た。
【0035】比較例3 Alの添加量を安定化ジルコニア粉末に対して5
wt%とするほかは実施例6と同じ条件にして溶射用安
定化ジルコニア粉末を得た。
【0036】比較例4 Alの添加量を0.03wt%とし、Al
とともにSiOを添加するほかは実施例6と同じ条件
にして溶射用安定化ジルコニア粉末を得た。
【0037】比較例5 熱処理温度を1400℃とするほかは実施例6と同じ条
件にして溶射用部分安定化ジルコニア粉末を得た。
【0038】溶射試験では、波打ち現象を生じ、粉末供
給量が不安定になり、均一な厚みの皮膜が得られなかっ
た。
【0039】以上の各例で得られた溶射用粉末の特性を
表1に、溶射試験の結果を表2に示す。
【0040】平均顆粒圧壊強度は、島津制作所製 微笑
圧縮試験機によって平均粒径に近い顆粒10個について
測定したものの平均値である。
【0041】溶射は、プラズマ溶射により50mm×6
0mm×5mmのブラスト処理されたSUS304試験
片に皮膜厚さ200μmを目標にして行った(溶射機M
ETCO社、プラズマガスAr/H)。皮膜の評価
は、溶射皮膜断面の顕微鏡観察による。また、皮膜の硬
度は、マイクロビッカ−ス硬度計により、試験荷重20
0g、負荷時間10秒の条件で測定した。さらに、JI
S H 8666のセラミック溶射試験方法およびJI
S H 8304の品質規格による熱衝撃試験によっ
て、試験片を900℃に加熱し、水中に投じて冷却する
という操作を10回繰り返すことによる耐熱衝撃性を測
定した。
【0042】耐食性試験は、SUS304全面をジルコ
ニア溶射した皮膜を用いて行った。試験方法としては、
100℃、30wt%HSO溶液による20日間の
静的浸漬条件で行い、皮膜表面のX線回折法による相転
移率(単斜晶量)の測定および操走査型電子顕微鏡によ
る皮膜表面の観察を行った。斜晶量は、次式を用いて算
出した。
【0043】 単斜晶量(%)=[{I(11−1)+I(111)}/ {I(11−1)+I(111)+It,c(111)}]×100 ここで、I(11−1)は単斜晶の11−1面のX線
強度、I(111)は単斜晶の111面のX線強度、
t,c(111)は正方晶、立方晶の111面のX線
強度である。
【0044】導電率の測定は、部分安定化領域のものは
大気中600℃で、安定化領域のものは大気中1000
℃で複素インピ−ダンスによるコ−ルコ−ルプロット法
により測定した。
【0045】 表1 Y SiO Al 結晶子径 平均顆粒 平均顆粒 /ZrO 径 圧壊強度 モル比 wt% wt% μm 実施例 1 3 0.007 0.5 520 46 0.25 2 3 0.005 0.95 440 50 0.20 3 3 0.008 0.05 430 50 0.15 4 3 0.004 0.05 275 57 0.10 5 8 0.005 0.05 540 50 0.14 6 8 0.006 0.5 520 52 0.16 7 8 0.005 0.9 530 50 0.20 比較例 1 3 0.005 0.01 270 58 0.04 2 3 0.005 0.01 450 50 0.14 3 8 0.006 5 440 52 0.22 4 8 0.025 0.03 500 52 0.16 5 8 0.007 0.05 1500 45 0.20 注)平均顆粒圧壊強度の単位:kgf/mm
【0046】 表2 単斜晶量 耐食性 皮膜の 硬 度 耐熱衝 導 電 率 評価 Hv 撃性 S/cm 実施例 1 20 ○ ◎ 780 ○ 0.08 2 30 ○ ◎ 850 ○ 0.05 3 30 ○ ◎ 740 ○ 0.001 4 25 ○ ○ 760 ○ 0.002 5 0 ○ ◎ 800 ○ 0.09 6 0 ○ ◎ 820 ○ 0.04 7 0 ○ ◎ 870 ○ 0.9 比較例 1 75 × △ 470 △ 0.002 2 70 × ◎ 720 ○ 0.002 3 0 ○ ◎ 820 ○ 0.006 4 0 × ○ 700 ○ 0.009 5 0 ○ △ 750 ○ 測定不可能 注)耐食性試験 ○:皮膜変化なし ×:皮膜腐食あり 皮膜の評価 ◎:厚みが均一で気孔が極めて少ない ○:厚みが均一で気孔が少ない △:厚みが不均一だが気孔が少ない 熱衝撃試験 ○:まったく剥離しない △:5〜10回で剥離した

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として結晶子径1200A以下の酸化ジ
    ルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウム
    からなり、Y/ZrOモル比が1.5/98.
    5〜12/88の範囲であり、酸化ジルコニウムと酸化
    イットリウムとの合計に対するAlの量が0.0
    5wt%以上1.0wt%未満であり、酸化ジルコニウ
    ムと酸化イットリウムとの合計に対するSiOの量が
    0.01wt%以下であり、かつ、平均顆粒圧壊強度が
    0.10kgf/mm以上であることを特徴とする、
    溶射用ジルコニア粉末。
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