JPH05339502A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05339502A
JPH05339502A JP15534492A JP15534492A JPH05339502A JP H05339502 A JPH05339502 A JP H05339502A JP 15534492 A JP15534492 A JP 15534492A JP 15534492 A JP15534492 A JP 15534492A JP H05339502 A JPH05339502 A JP H05339502A
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JP
Japan
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methyl
copolymer
block
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propylene
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Application number
JP15534492A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakano
博 中野
Shinichi Yamauchi
伸一 山内
Haruo Omura
治夫 大村
Tomohiko Tanaka
智彦 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の成分(A)および成分(B)を含有す
る樹脂組成物。 成分(A):エチレンまたは炭素数が3〜12のα−オ
レフィンと、炭素数が4〜20のジエン化合物とを共重
合して得られる結晶性オレフィン共重合体 90〜10
重量%。 成分(B):ポリフェニレンスルフィド樹脂 10〜9
0重量% 【効果】 本発明の樹脂組成物は、(A)エチレン性不
飽和結合を有する結晶性オレフィン共重合体と(B)ポ
リフェニレンスルフィド樹脂との相溶性が極めて良好
で、耐衝撃強度、引張伸度、破断強度に優れたエンジニ
アリングプラスチックを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子中にエチレン性不
飽和結合を有する結晶性オレフィン共重合体樹脂と、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂(以下PPSと略記する)
とからなる樹脂組成物に関する。このものは、成形性に
優れ、耐衝撃性、剛性、耐薬品性が良好なエンジニアリ
ングプラスチックを与える。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブ
テン等の結晶性オレフィン樹脂は廉価であり、かつ優れ
た機械的強度、耐薬品性、成形性を有するのでフィル
ム、容器等として広く用いられている。しかし、耐熱
性、剛性が低いという欠点を有しており、このことがポ
リオレフィン樹脂のエンジニアリングプラスチック用途
分野利用の大きな障害となっていた。
【0003】一方、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)は、優れた耐熱性、剛性、耐薬品性を有し、エンジ
ニアリングプラスチックの一つとして知られているが、
成形加工性が悪く、かつ、その成形体は耐衝撃強度が低
いという欠点を有する。このためPPSの利用について
は、その範囲が大きく制限されている。かかる両者の長
所を損なわずに、かつ両者の欠点を相補った成形材料を
提供する目的で、ポリオレフィン樹脂とポリフェニレン
スルフィド樹脂を含有する樹脂組成物が提案されてい
る。
【0004】例えば、特開昭56−136847号公報
には、ガラス繊維を含むポリフェニレンスルフィド
(a)100重量部に、着色剤(b)0.01〜5重量
部、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・アクリ
ル酸共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等より選ばれた
オレフィン樹脂(c)0.1〜25重量部よりなる着色
性、耐熱性、成形性の改良された樹脂組成物が提案され
ている。
【0005】また、特開平2−67349号公報には、
ポリ(4−メチル−1−ペンテン40〜84重量%にポ
リフェニレンスルフィドを60〜16重量%配合したポ
リ(4−メチル−1−ペンテン)の耐熱性を改良した樹
脂組成物が開示されている。更に、特開昭60−120
753号公報には、ポリフェニレンスルフィドに、エチ
レン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン
ゴム、シリコーンゴム、ポリ(ブチルアクリレート)ゴ
ムより選ばれたゴム質衝撃改良剤を0.1〜40重量%
配合した樹脂組成物が開示されている。
【0006】更に、特開昭62−153343号公報に
はポリフェニレンスルフィド70〜97重量%に、プロ
ピレン・グリシジルアクリレート共重合体30〜3重量
%を配合した耐衝撃性の改良されたPPS樹脂組成物が
開示されている。特開昭60−120753号、特開昭
56−136847号、特開平2−67349号公報に
開示されるポリフェニレンスルフィドに、官能基を有し
ないポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(4−メチル
−1−ペンテン)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム
等のオレフィン樹脂を配合しても、両者は相溶性に乏し
く、両者を押出し機や成形機で混溶混合するだけでは剛
性、引張強度、耐熱性の優れた樹脂組成物を得ることは
困難であり、実用上満足のできる水準には到達していな
い。
【0007】また、ポリフェニレンスルフィドに、エポ
キシ基やカルボキシル基を導入したオレフィン樹脂を3
0重量%以下の割合で配合する特開昭56−13684
7号、特開昭62−153343号、特開昭59−15
2953号公報の技術においては、両者の相溶性は向上
し、耐熱性、成形性に優れたエンジニアリングプラスチ
ックを提供するものの、引張伸度、耐衝撃性のより向上
が望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニ
レンスルフィドとオレフィン樹脂との相溶性が優れ、耐
熱性、衝撃強度、引張伸度、引張破断強度の優れた成形
品を与える熱可塑性樹脂の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決する具体的手段】本発明は、下記の成分
(A)および成分(B)を含有する樹脂組成物を提供す
るものである。 成分(A):エチレンまたは炭素数が3〜12のα−オ
レフィンと、炭素数が4〜20のジエン化合物とを共重
合して得られる結晶性オレフィン共重合体であって、核
共重合体に占めるジエン化合物に基づく単位濃度が0.
01〜30モル%である共重合体 90〜10重量% 成分(B):ポリフェニレンスルフィド樹脂 10〜9
0重量%。成分(A)結晶性オレフィン共重合体 本発明の(A)成分の結晶性オレフィン共重合体は、エ
チレンまたは炭素数が3〜12のα−オレフィンと炭素
数4〜20のジエン化合物との共重合体であって、ジエ
ン化合物に基づく構成単位濃度が0.01〜30モル%
のものである。
【0010】この共重合体は、15モル%以下の他のス
チレン、アクリル酸アルキルエステル、ジビニルベンゼ
ン等を共重合成分として含んでいてもよい。この結晶性
オレフィン共重合体は、エチレン性不飽和結合を有し、
かつそれをゴムでなく樹脂といいうるに十分な分子量、
融点および結晶化度をもつべきである。分子量は数平均
分子量で表わして3,000〜500,000であり、
融点は40℃以上、好ましくは80℃〜400℃、さら
に好ましくは120℃〜330℃である。またX線回折
法測定による室温における結晶化度が10%以上、好ま
しくは20%〜90%、さらに好ましくは30%〜80
%である。
【0011】これらのエチレンまたはα−オレフィンは
一種でもよく、また、二種以上用いてもさしつかえな
い。特に、α−オレフィンがプロピレン単独、またはプ
ロピレンとエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテンのうち少なくとも一種
との併用が好ましい。二種以上のα−オレフィンを用い
る場合は、該α−オレフィンが結晶性オレフィン共重合
体中にランダムに分布していてもよく、あるいはブロッ
ク的に分布していてもよい。 (ジエン化合物)上記のようなα−オレフィンと共重合
させるべきジエン化合物としては、炭素数が4〜20の
共役ジエン、鎖条または環状の非共役ジエンまたはこれ
らの混合物がある。
【0012】共役ジエンとしては、具体的には、(1)
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2
−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3
−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘプ
タジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、
4−メチル−1,3−ヘキサジエン、5−メチル−1,
3−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタ
ジエン、4−エチル−1,3−ヘキサジエン、7−メチ
ル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(ミルセ
ン)、1−フェニル−1,3−ブタジエン、4−フェニ
ル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエンのような1,3−ジエン類、あるいは、
(2)ジビニルベンゼン、イソプロペニルスチレン、ジ
ビニルトルエン、ジビニルナフタレン1−フェニル−1
−(4−ビニルフェニル)エチレンのようなジアルケニ
ルベンゼン類がある。
【0013】また鎖状非共役ジエンとしては、下記の式
(I)で表わされるものがあげられる。
【0014】
【化1】 (ここで、nは1〜10の整数を示し、R1 〜R3 はそ
れぞれHまたは炭素数8以下のアルキル基を示す。)
【0015】式(I)で表される鎖状非共役ジエンは、
好ましくは、nが1〜5で、R1 ,R2 およびR3 がそ
れぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であっ
て、R1 ,R2 およびR3 の全てが水素原子でないもの
である。さらに、特に好ましいのは、nが1〜3で、R
1 が炭素数1〜3のアルキル基、R2 およびR3 が水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基であって、R2
よびR3 が同時に水素原子でないものである。
【0016】このような鎖状非共役ジエンの具体例とし
ては、例えば、下記のものが好適である。 (1)2−メチル−1,4−ペンタジエン、4−メチリ
デン−1−ヘキセン、1,4−ヘキサジエン、4−メチ
ル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、1,4−ヘプタジエン、4−エチル−1,4
−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジ
エン、4−メチル−1,4−ヘプタジエン、4−エチル
−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,4−ヘプタ
ジエン、5−メチル−1,4−オクタジエンなど鎖状
1,4−ジエン類、(2)1,5−ヘプタジエン、1,
5−オクタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエ
ン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、2−メチル−
1,5−ヘキサジエンなどの鎖状1,5−ジエン類、
(3)1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−オ
クタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、2−
メチル−1,6−ヘプタジエン、6−メチリデン−1−
オクテン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6,7
−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,6−ノナジエ
ン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−
1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−デカジエン
などの鎖状1,6−ジエン類、(4)1,7−ノナジエ
ン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−
1,7−ノナジエン、2−メチル−1,7−オクタジエ
ンなどの鎖状1,7−ジエン類、(5)8−メチル−
1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン
などの鎖状1,8−ジエン類、
【0017】環状非共役ジエンとしては、(1)シクロ
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒ
ドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどのア
ルケニルノルボルネン類、(2)5−エチリデン−2−
ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−
イソプロピリデン−2−ノルボルネンのようなアルキリ
デンノルボルネン類、(3)6−クロロメチル−5−イ
ソプロペニル−2−ノルボルネン、ノルボナジエン、4
−ビニルシクロヘキセンのようなアルケニルシクロヘキ
セン類。
【0018】これらの中で、好ましくは鎖状非共役ジエ
ン類およびジアルケニルベンゼン類であり、特に好まし
くは、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル
−1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,6−オクタ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、イソプロ
ペニルスチレンおよびジビニルベンゼンである。これら
のジエンは、単独でもまた二種以上を併用してもよく、
好適な例としては4−メチル−1,4−ヘキサジエンと
5−メチル−1,4−ヘキサジエンの併用(重量比9
5:5〜5:95)をあげることができる。
【0019】成分(A)の結晶性オレフィン共重合体
は、これらのエチレンまたはα−オレフィンおよびジエ
ン類を、α−オレフィン重合用チーグラー・ナッタ触媒
を用いて、α−オレフィン重合体の製造と同様の方法お
よび装置を用いて共重合させることによって製造するこ
とができる。これらのジエン化合物は結晶性オレフィン
共重合体中にランダムに分布していてもよく、あるいは
ブロック的に分布していてもよい。
【0020】結晶性オレフィン共重合体中のジエン化合
物に基づく単位濃度は0.01〜30モル%、好ましく
は0.05〜20、特に好ましくは0.5〜15モル%
である。0.01モル%未満では、結晶性オレフィン共
重合体中の不飽和基が少ないため、架橋助剤による相溶
化効果を挙げるのが難しいという欠点がある。一方、3
0モル%超過では、結晶性オレフィン共重合体の製造に
際し、共重合速度が遅く、スラリー重合の場合は溶媒可
溶性の副性ポリマーが多くなって、重合系の粘度が高く
なって生産性が悪いとともに、生成するエチレン性不飽
和結合を有するオレフィン共重合体にベタつきが生じた
り、樹脂状を保たなかったりするなどの欠点がある。
【0021】また、結晶性オレフィン共重合体の分子量
は、上述の樹脂状を保つ限り特に制限はないが、例え
ば、α−オレフィンが主としてプロピレンからなる場合
は、JIS−K−6758に準拠して測定したメルトフ
ローレート(MFR)が通常、0.001〜500g/
10分、好ましくは0.05〜100g/10分に相当
する分子量である。また、この結晶性オレフィン共重合
体は、JIS−K−7203による曲げ弾性率が1,0
00〜80,000kg/cm2 、好ましくは2,000〜
50,000kg/cm2 、さらに好ましくは2,000〜
35,000kg/cm2 のものである。又、結晶化度は1
0〜90%である。
【0022】結晶性オレフィン共重合体の分子構造的見
地からの好ましい型を例示すると次のとおりである。 (1)一種または二種以上のα−オレフィンと一種また
は二種以上のジエン類とランダム共重合体。 (2)一種または二種以上のα−オレフィン重合ブロッ
クと、一種または二種以上のα−オレフィンと一種また
は二種以上のジエンとのランダム共重合ブロックとから
なるブロック共重合体(α−オレフィン重合ブロックの
α−オレフィンの種類と量比は、ランダム共重合ブロッ
クのα−オレフィンのそれらと同じであっても、異なっ
ていてもよい)。
【0023】(3)一種または二種以上のα−オレフィ
ンと一種または二種以上のジエン化合物とのランダム共
重合ブロック(ブロックa)と、α−オレフィンとジエ
ンとのランダム共重合ブロック(ブロックb)であっ
て、このブロックbに含まれるα−オレフィンの種類、
数、および量比、またジエンの種類、数、および量比の
うち、少なくとも一つがブロックaと異なるブロックと
からなるブロック共重合体。
【0024】ここで、「ブロック共重合体」とは、次の
ような共重合体を意味する。例えば、「モノマーAの単
独重合ブロックおよびモノマーAとモノマーBとのラン
ダム共重合ブロックとからなるブロック共重合体」と
は、モノマーAの単独重合ブロックと、モノマーAとモ
ノマーBとのランダム共重合ブロックとが化学的に結合
してA…A−AABABAAAAB…のような形になっ
ているものが全組成を構成しているものの他に、このよ
うなモノマーAの単独重合ブロックとモノマーAとモノ
マーBとのランダム共重合ブロックとが化学結合してい
る共重合体を含み、かつ、モノマーAの単独重合体やモ
ノマーAとモノマーBとのランダム共重合体等をも混合
物として含んだものをも意味する。
【0025】同様に、「重合ブロックaと、重合ブロッ
クbとからなるブロック共重合体とは、重合ブロックa
と重合ブロックbとが化学的に結合しているものが全組
成を構成しているものの他に、重合ブロックaと重合ブ
ロックbとが化学的に結合した共重合体を含み、かつ、
重合ブロックaのみからなる重合体や重合ブロックbの
みからなる重合体等をも混合物として含んだものをも意
味し、チーグラー・ナッタ触媒を用いて合成させた、い
わゆる「ブロック共重合体」と同じ意味である。
【0026】これらの結晶性オレフィン共重合体の具体
的な好ましい例としては、(1)プロピレンと4−メチ
ル−1,4−ヘキサジエンと5−メチル−1,4−ヘキ
サジエンとのランダム共重合体、(2)プロピレンの単
独重合ブロック、およびエチレンと4−メチル−1,4
−ヘキサジエンと5−メチル−1,4−ヘキサジエンと
のランダム共重合体ブロックからなるブロック共重合
体、(3)エチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエ
ンと5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共
重合体、(4)プロピレンとエチレンと4−メチル−
1,4−ヘキサジエンと5−メチル−1,4−ヘキサジ
エンからなるランダム共重合体、(5)エチレンと4−
メチル−1,4−ヘキサジエンと5−メチル−1,4−
ヘキサジエンとのランダム共重合体ブロック、およびプ
ロピレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンと5−メ
チル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合体ブロ
ックからなるブロック共重合体、(6)プロピレンと7
−メチル−1,6−オクタジエンとのランダム共重合
体、(7)プロピレンの単独重合ブロックおよびエチレ
ンとプロピレンと7−メチル−1,6−オクタジエンと
のランダム共重合ブロックからなるブロック共重合体、
(8)プロピレンの単独重合ブロックおよびプロピレン
と7−メチル−1,6−オクタジエンとのランダム重合
ブロックからなるブロック共重合体、(9)エチレンと
プロピレンと7−メチル−1,6−オクタジエンとのラ
ンダム共重合体、(10)エチレンとプロピレンとのラ
ンダム共重合ブロックおよびプロピレンと7−メチル−
1,6−トクタジエンとのランダム共重合ブロックから
なるブロック共重合体、(11)エチレンとプロピレン
とのランダム共重合ブロックおよびエチレンとプロピレ
ンと7−メチル−1,6−トクタジエンとのランダム共
重合ブロックからなるブロック共重合体、(12)3−
メチル−1−ブテンと7−メチル−1,6−オクタジエ
ンとのランダム共重合体、(13)プロピレンとジビニ
ルベンゼンとのランダム共重合体、(14)エチレンと
ジビニルベンゼンとのランダム共重合体、(15)プロ
ピレンとエチレンとジビニルベンゼンとのランダム共重
合体、(16)プロピレンの単独重合ブロックおよびエ
チレンとジビニルベンゼンとのランダム共重合ブロック
からなるブロック共重合体、(17)プロピレンの単独
重合ブロックおよびプロピレンとエチレンとジビニルベ
ンゼンとのランダム共重合ブロックからなるブロック共
重合体、(18)プロピレンとジビニルベンゼンのラン
ダム共重合ブロックおよびエチレンとジビニルベンゼン
とのランダム共重合ブロックからなるブロック共重合
体、(19)プロピレンとジビニルベンゼンとのランダ
ム共重合ブロックおよびプロピレンとエチレンとジビニ
ルベンゼンとのランダム共重合ブロックからなるブロッ
ク共重合体、(20)3−メチル−1−ブテンとジビニ
ルベンゼンとのランダム共重合体等が挙げることができ
る。
【0027】また、結晶性オレフィン共重合体は、エポ
キシ基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ
基あるいはアルコキシシリル基等の官能基を備えていて
もよい。このものは、前記エチレン性不飽和結合を有す
る結晶性オレフィン共重合体に、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アクリル酸、無水マレ
イン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、アクリルアミド、N−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフ
ェニルメチル]アクリルアミド、ビニルトリメトキシシ
ラン等の二重結合と反応性官能基を同時に有する変性剤
をグラフト反応させる方法(例えば特開昭57−985
08号公報、特開昭63−128013号公報、特開平
2−269109号公報、特開平2−269110号公
報等);前記結晶性オレフィン共重合体の二重結合を変
性し、官能基を導入する方法(例えば特開昭61−85
404号公報、特開昭61−85405号公報等)によ
り得られる。成分(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂 本発明で使用するPPSは、一般式(II)
【0028】
【化2】
【0029】で示される繰り返し単位を主構成要素とし
て含有する結晶性樹脂である。本発明では、上記の繰り
返し単位を主構成要素とするもの、すなわち上記繰り返
し単位からなるもの、又は、これを主成分(好ましくは
80モル%以上)として残りを下記の一般式(III)〜
(IX)で示される構成単位の一つまたは複数を20モル
%以下の割合で有する共重合体が使用できる。
【0030】
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、
またはアルコキシ基である。
【0031】PPSは、実質的に線状構造であるもの
が、成形物の物性などの観点から好ましい。この物性を
実質的に低下させない範囲において、例えば重合時に有
効量の架橋剤(例えばトリハロベンゼン)を用いて得た
重合架橋物、あるいはポリマーを酸素の存在下等で加熱
処理して架橋させた熱架橋物も使用可能である。
【0032】更に、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、アクリル酸、無水マレイン酸、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル
アミド、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5−ジメチルフェニルメチル]アクリルアミド、ビ
ニルトリメトキシシラン等の二重結合と反応性官能基を
同時に有する変性剤をPPSとグラフト反応してエポキ
シ基、カルボキシル基、酸無水物基、アルコール性水酸
基、アミノ基、アルコキシシリル基等の官能基を導入し
た変性ポリフェニレンスルフィドも使用できる。
【0033】また、4,4′−ジチオジ(n−ブチル
酸)、ジチオジ酢酸、ジチオジアニリン、ジチオジ安息
香酸等のジスルフィド基と反応性官能基を同時に有する
変性剤を溶融反応して、カルボキシル基、アミノ基等の
官能基を導入した変性ポリフェニレンスルフィド、さら
に、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸、メルカプトプロピ
オン酸、アミノチオフェノールメルカプト安息香酸等の
メルカプト基と反応性官能基を同時に有する変性剤を溶
融反応して、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を導
入した変性ポリフェニレンスルフィドも使用できる。ま
た、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤を
反応させた変性ポリフェニレンスルフィドも使用でき
る。
【0034】また、官能基含有モノマーを共重合させて
製造されるアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を含有
する共重合ポリフェニレンスルフィドも使用される。さ
らに、4−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸、3
−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−ア
ミノベンゼンスルホン酸、3−スルホ安息香酸、4−ス
ルホフタル酸、4−ニトロナフタレン−1,8−ジカル
ボン酸無水物、4−ニトロフタル酸無水物、ニトロ安息
香酸等のスルホン酸基またはニトロ基と反応性官能基を
同時に有する変性剤を溶融反応して、カルボキシル基、
酸無水物基、水酸基、アミノ基等の官能基を導入した変
性ポリフェニレンスルフィドも使用できる。
【0035】この(B)成分のポリフェニレンスルフィ
ドは、300℃、剪断速度100sec -1での溶融粘度が
100〜100,000ポイズ、好ましくは、500〜
50,000ポイズ、さらに好ましくは500〜20,
000ポイズの範囲のものが好ましい。溶融粘度が10
0ポイズ未満では、流動性が高すぎて成形が困難であ
る。また、溶融粘度が100,000ポイズを超えると
逆に流動性が低すぎ、成形が困難となる。
【0036】PPSは、本発明の目的に反しない限り、
任意の方法により製造することができるが、上記のよう
な条件を満たす好ましいPPSは、例えば、特公昭45
−3368号公報に開示されるような比較的分子量の小
さい重合体の製造法、特公昭52−12240号公報に
開示されるような線状の比較的高分子量の重合体の製造
法又は低分子量重合体を酸素存在下で加熱して架橋体を
得る方法に従って、あるいはこれらに必要な改変を加え
て、製造することができる。
【0037】〔組成比〕本発明における成分(A)結晶
性オレフィン共重合体と、成分(B)ポリフェニレンス
ルフィド樹脂の組成比は、いかなる値であっても良好に
混和するが、機械的強度、成形性の調和の観点から、成
分(A)と成分(B)の和に対し、成分(A)は10〜
90重量%、好ましくは20〜80重量%の割合で用い
られる。成分(A)が10重量%未満ではPPSに比べ
て成形性の改良効果が小さく、90重量%を越えるとオ
レフィン共重合体樹脂に比べて耐熱性、剛性の改良効果
が小さい。
【0038】特に好ましくは、成形性、耐衝撃性、引張
伸度の改良の面から、樹脂組成物中、結晶性オレフィン
共重合体(A)は50〜90重量%、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂(B)は50〜10重量%の割合で用いら
れる。また、成形品の耐熱性、引張強度の面からは、樹
脂組成物中、(A)成分の結晶性オレフィン樹脂20〜
40重量%、(B)成分のポリフェニレンサルファイド
樹脂80〜60重量%の割合で使用する。
【0039】〔付加的成分〕本発明の樹脂組成物は、上
記の成分(A)、成分(B)以外の他の成分を含んでい
てもよい。例えば成分(A)の一部80重量%までをジ
エン化合物を含有しないポリオレフィン樹脂、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレンに代えてもよい。また、酸
化防止剤、耐候性改良剤、造核剤を0.1〜5重量%、
難燃剤、可塑剤、流動性改良剤等を5〜20重量%樹脂
組成物中に含有させてもよい。更に、有機及び無機充填
剤、例えばガラス繊維、マイカ、タルク、ワラストナイ
ト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ等を5
〜50重量%、及び着色剤の分散剤を0.5〜5重量%
含有させることもできる。更に、耐衝撃強度向上剤の添
加、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム若しく
はその水素化物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム、更にそれらのα,β−不飽和カルボン酸無水物
変性体又は不飽和グリシジルエステル若しくは不飽和グ
リシジルエーテルとの変性体、不飽和エポキシ化合物と
エチレンからなる共重合体、あるいは不飽和エポキシ化
合物、エチレン及びエチレン系不飽和化合物からなる共
重合体等を5〜30重量%含有させてもよい。これらの
付加成分は、1種又は2種以上を併用してもよい。
【0040】また、成分(A)と成分(B)の反応促進
剤として、ラジカル発生剤、例えば2,5−ジメチル−
ヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド類、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物、およびジクミル等を0.1〜
5重量%、架橋助剤、例えばN,N′−m−フェニレン
ビスマレイミド、ジアリルフマレート、ジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート等を0.1〜5重量%、エステル交換触媒、例え
ばテトラオクチルチタネート、テトラブチルチタネー
ト、パラトンエンスルホン酸等を0.1〜3重量%、塩
基性物質、例えばピリジン、N,N′−ジメチルアミノ
ピリジン等を0.1〜3重量%使用することもできる。
【0041】〔組成物の混合方法〕本発明の熱可塑性樹
脂組成物を得るための溶融混練の方法としては、熱可塑
性樹脂について一般に実用されている混練方法が適用で
きる。例えば、粉状又は粒状の各成分を、必要であれ
ば、付加的成分の項に記載の添加物等と共に、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等によ
り均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出機、ロー
ル、バンバリーミキサー等で混練することができる。ま
た混合の順序は、可能ないずれの順序によってもよい。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されているものではなく熱可塑性樹脂につい
て一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中
空成形、押し出し成形等の成形法が適用できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、これにより本発明の範囲は特に限定されるもので
はない。結晶性オレフィン共重合体樹脂の製造例 〔担体付触媒の調製〕充分に窒素置換したフラスコ内
に、脱水および脱酸素したn−ヘプタン100mlを導入
し、次いでMgCl2 を0.1モルおよびTi(O・n
Bu)4 を0.20モル導入して、100℃にて2時間
反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いで
メチルハイドロジェンポリシロキサン15ml導入して、
3時間反応させた。反応終了後、生成した団体成分をn
−ヘプタンで洗浄し、その一部分をとり出して組成分析
をしたところ、Ti=15.2重量%、Mg=4.2重
量%であった。
【0044】充分に窒素置換したフラスコ内に、脱水お
よび脱酸素したn−ヘプタンを100ml導入し、上記で
合成した成分をMg原子換算で0.03モル導入した。
SiCl4 0.05モルを30℃で15分間で導入し
て、90℃で2時間反応させた。反応終了後、精製した
n−ヘプタンで洗浄した。次いで、n−ヘプタン25ml
にオルト−C6 4 (COCl)2 0.004モルを混
合して、50℃で導入し、次いでSiCl4 0.05モ
ルを導入して90℃で2時間反応させた。反応終了後、
n−ヘプタンで洗浄して、触媒成分とした。Ti含有量
は、2.05重量%であった。
【0045】オレフィン共重合体(I)の製造 容量10リットルのオートクレーブ内をプロピレンで置
換した後、n−ヘプタン3.3リットルを仕込み、トリ
エチルアルミニウム1.0g、ジフェニルジメトキシシ
ラン0.44gおよび前述の方法で調製した担体付触媒
0.7gをこの順で加えた。次いで、水素800Nmlを
加えた後、プロピレンを圧入し、50℃、0.5kg/cm
2 Gで撹拌した。この後、7−メチル−1,6−オクタ
ジエン750mlを追加し、プロピレンを圧入しながら昇
温し、65℃、5.5kg/cm2 Gに保持して、5時間重
合を行った。その後、n−ブタノールで触媒を不活性化
した後、触媒残渣を水で抽出し遠心分離により共重合体
を回収し、乾燥した。
【0046】その結果、乾燥パウダー1940gを得
た。嵩密度は0.50g/ccであった。また、無定形重
合体は54gであった。この共重合体のMFR(230
℃)は1.4g/10分、DSCによる融解ピークは1
49℃、結晶化度45%であった。また、H1 −NMR
による分析により7−メチル−1,6−オクタジエンの
含有量は2.7モル%であり、このジエンモノマーユニ
ットの連鎖はなく、かつ1,2付加構造であった。
【0047】オレフィン共重合体(II)の製造 容量1リットルのオートクレーブをプロピレンで置換し
た後、n−ヘプタン500ml、ジビニルベンゼン30m
l、ジエチルアルミニウムクロライド234mg、三塩化
チタン(東洋ストウファー社製)100mgをこの順で加
えた。次いで水素450mlを加えた後、プロピレンを圧
入し、65℃、7kg/cm2 Gに保持して、3時間重合を
行った。その後n−ブタノールで触媒を不活性化した
後、触媒残渣を水で抽出し濾別して共重合体を回収し、
乾燥した。その結果、乾燥パウダー89.5gを得た。
また無定形重合体は3.13gであった。この共重合体
のMFR(230℃)は2.1g/10分、DSCによ
る融解ピークは160℃、結晶化度は49%であった。
また紫外線吸収分光法によりジビニルベンゼン含量は
0.20モル%であった。
【0048】オレフィン共重合体(III)の製造 容量1リットルのオートクレーブ内をプロピレンで置換
した後、4−メチル−1,4−ヘキサジエンと5−メチ
ル−1,4−ヘキサジエンの8:2(モル比)混合物4
00mlを仕込み、トリエチルアルミニウム0.15gお
よびMgに担持したTi触媒4mgをこの順で加えた。次
いで気相部の水素濃度を30vol%にした後エチレン
を圧入しながら昇温し、65℃、8kg/cm2 Gに保持し
て、5時間重合を行った。その後、n−ブタノールで触
媒を不活性化した後、共重合体を回収し、乾燥した。そ
の結果、乾燥パウダー106gを得た。
【0049】この共重合体のMFR(190℃)は2.
9g/10分、DSCによる融解ピークは128℃、結
晶化度60%であった。また、H1 −NMRによる分析
によりメチル−1,4−ヘキサジエンの含有量は4.3
モル%であり、このジエンモノマーユニットの連鎖はな
く、かつ1,2付加構造であった。
【0050】変性オレフィン共重合体(I)の製造 オレフィン共重合体(I)100重量部、無水マレイン
酸5重量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イ
ソプロピル)ベンゾエート0.5重量部の混合物を23
0℃で溶融混練し、ダイよりストランド状に押し出し、
カッティングしてペレットとした。ペレットのMFRは
4.5g/10分であった。得られたペレット1gを熱
キシレン20mlに溶解し大量の冷アセトンで再沈、濾別
洗浄乾燥後、赤外分光法により無水マレイン酸含量測定
を行った結果、無水マレイン酸に基づくグラフト含有率
は2.78重量%であった。
【0051】変性オレフィン共重合体(II)の製造 変性オレフィン共重合体(I)の製造において、無水マ
レイン酸5重量部にかえてグリシジルメタクリレート5
重量部を使用する以外は同様の反応を行った。ペレット
のMFRは11.3g/10分であった。得られたペレ
ット1gを熱キシレン20mlに溶解し大量の冷アセトン
で再沈、濾別洗浄乾燥後、赤外分光法による測定を行っ
た結果、グリシジルメタクリレートに基づくグラフト含
量は1.25重量%であった。
【0052】ポリプロピレン樹脂 三菱油化(株)製、プロピレンホモ重合体(商品名、三
菱ポリプロTA8:商品名)を用いた。
【0053】ポリエチレン樹脂 三菱油化(株)製、高密度ポリエチレン(商品名、三菱
ポリエチHY430)を用いた。
【0054】変性ポリプロピレンの製造 10リットルのセパラブルフラスコ内に、ポリプロピレ
ン(三菱油化(株)製TA8)250gと無水マレイン
酸50gおよびキシレン5リットルを加え、110℃に
加熱撹拌し、溶解した。この溶液に、キシレン500ml
にベンゾイルパーオキサイド33.3gを溶解したもの
を2時間かけて滴下し、110℃で3時間反応を行っ
た。得られた反応物を大量の冷アセトンにそそぎ析出さ
せ、濾別洗浄、次いで乾燥させることにより、無水マレ
イン酸変性ポリプロピレンを得た。このものの無水マレ
イン酸に基づくグラフト含有率は赤外分光法により0.
92重量%であり、ペレットのMFRは5.6g/10
分であった。
【0055】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM) 日本合成ゴム(株)製エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム(商品名:EP57P)を用いた。
【0056】ポリフェニレンスルフィド樹脂 トープレン社製PPS 商品名:T−4P及びT−1を
用いた。
【0057】製造例 〔変性PPS(I)〕ポリフェニレンスルフィド(トー
プレンT−1)100重量部に、チオリンゴ酸3重量部
を加えて均一に混合した後、二軸押出機で310℃の温
度で溶融混練し、ダイよりストランド状に押出し、カッ
ティングしてペレット化した。メルトフロー値の増加は
ほとんど認められなかった。GPCの測定結果、変性前
後のPPSの分子量の低下はほとんど認められなかっ
た。
【0058】得られたカルボキシル基含有PPSの0.
5gを1−クロロナフタレン20mlに220℃で溶解
し、冷却後アセトン30mlを加え沈澱させ、得られたポ
リマーを濾別、乾燥した後に、プレスシートを作成し、
FT−IRの測定を行った。その結果、1730cm-1
カルボキシル基のケトンに帰属される吸収が観測され
た。
【0059】〔変性PPS(II)〕変性剤として、チオ
リンゴ酸の代わりにN−{4−(2,3−エポキシプロ
キシ)−3,5−ジメチルフェニルメチル}アクリルア
ミド(鐘淵化学工業(株)製、商品名カネカAXE)を
用いた以外は、製造例1と同様に実施した。得られたエ
ポキシ基含有PPSは、FT−IRにおいて、1685
cm-1にカルボキシル基のケトンに帰属される吸収が認め
られた。
【0060】〔変性PPS(III)〕2リットル容量のオ
ートクレーブ内にNa2 S・9H2 O240部、N−メ
チル−2−ピロリドン280部を入れ窒素ガス雰囲気
下、撹拌しながら200℃迄昇温し、220部の水を主
体とする留分を留出した。その後、150℃まで冷却
し、P−ジクロルベンゼン130.5部、3,5−ジク
ロルアニリン16.2部およびN−メチル−2−ピロリ
ドン207部を添加し、窒素ガス雰囲気下で系を封入
し、昇温して230℃にて3時間重合を行った。
【0061】重合終了後、室温まで冷却したスラリーを
大量の水中に投入しポリマーを析出させ、濾別、純水に
よる洗浄を行った後、一晩加熱減圧乾燥を行うことによ
りポリマーを単離した。得られた共重合体の赤外線吸収
スペクトル分析を行い、ポリフェニレンエーテルと3,
5−ジクロルアニリンから前もって作成しておいた検量
線を用いて共重合したアミノ基の量を算出したところ、
4.9モル%であった。
【0062】架橋助剤 BMI:N,N′−m−フェニレンビスマレイミド 測定および評価法 以下に示す実施例および比較例中の各物性値と諸性質
は、下記の条件により測定および評価を行った。
【0063】(1)耐衝撃強度:カスタム・サイエンテ
ィフィック(Custom Scientific)社
製CS−183MMXミニマックス射出成形機を用いて
温度300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ
3.2mmの試験片を射出成形し、カスタム・サイエンテ
ィフィック社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS
−138TI型を用いて、23℃におけるノッチ無しの
アイゾット衝撃強度を測定した。
【0064】(2)引張試験:上記射出成形機を用いて
温度300℃で、平行部長さ7mm、平行部直径1.5mm
の引張試験片を射出成形し、カスタム・サイテンティフ
ィック社製・引張試験機CS−183TE型を用いて、
引張速度1cm/分の条件で引張試験を行ない破断点伸び
及び破断強度を測定した。 実施例1〜7および比較例1〜5 表1に示す割合で配合した樹脂組成物を東洋精機製作所
製ラボプラストミルを用いて300℃、180rpm の条
件下5分間混練を行った後、粉砕して粒状とし、これを
成形し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】実施例8〜12及び比較例6,7 表2に示す割合で配合した樹脂組成物を、実施例1〜7
および比較例1〜5と同様に混練成形した後、120
℃、4時間アニールし、評価を行った。結果を表−2に
示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】
(A)エチレン性不飽和結合を有する結晶性オレフィン
共重合体(例えばプロピレンと7−メチル−1,6−オ
クタジエンとの共重合体)と、(B)ポリフェニレンス
ルフィドを含有する樹脂組成物は、耐衝撃性、引張伸
度、引張強度のバランスのとれたエンジニアリングプラ
スチックを与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 智彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)および成分(B)を含
    有する樹脂組成物。 成分(A):エチレンまたは炭素数3〜12のα−オレ
    フィンと、炭素数4〜20のジエン化合物を共重合して
    得られる結晶性オレフィン共重合体であって、ジエン化
    合物に基づく単位濃度が0.01〜30モル%占める共
    重合体 90〜10重量% 成分(B):ポリフェニレンスルフィド樹脂 10〜9
    0重量%。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001027204A1 (fr) * 1999-10-12 2001-04-19 Toray Industries, Inc. Structure de resine et utilisation de ladite structure
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