JPH053392U - 二重管式掘削ビツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシングパイプの挿入・引き抜きが容易
で、掘削速度の大きな、二重管式掘削ビットの提供。 【構成】 ハンマーボディ３の先端に偏心して、揺動自
在にビット４を取り付け、ケーシングパイプ２の内部に
挿通して使用する。又ビット４の先端は、回転駆動時に
おける最外周形状が回転軸を中心とする円弧の一部とな
るよう成形されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、土木建設における基礎工事、或いは建柱工事等において、地中孔掘 削の際に使用する二重管式掘削ビットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

地中孔掘削の際に使用していた従来の二重管式掘削ビットは、先端にビットを 取り付けたハンマーボディをケーシングパイプ内に挿通した構造のものが多かっ た。 従って、従来の技術的思想によれば、ビットの大きさはケーシングパイプ内部 を自在に移動できる大きさに限定されてしまうため、ケーシングパイプの外径以 上の内径を有する地中孔を掘削することは不可能であった。 つまり、ビットの掘削孔の方がケーシングパイプの外径よりも小さいので、ケ ーシングパイプの挿入に際しては、ケーシングパイプ先端にもビットを設けて地 中孔を拡大しながら挿入するしかなく、大変能率の悪いものであった。その上、 ケーシングパイプ引き抜きの際にも、パイプ外壁と地中孔の内壁との摩擦のため 、作業は時間のかかる、不経済なものとなっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、地中孔掘削の際に、孔の崩れる心配がなく、しかもケーシン グパイプの挿入・引き抜きが容易で、掘削速度の大きな、二重管式掘削ビットを 提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の要旨は、 １） ケーシングパイプ内部にハンマーボディを挿通し、同ハンマーボディ先端 に取付けたビットがハンマーボディ外形より外方へ突出可能となるよう構成し、 同ビットが最外方の突出位置にある場合に、その最外周縁形状がハンマーボディ の回転軸を中心とする円弧の一部となるよう同ビットの最外周縁を長く成形し、 同ビットの先端にはチップをその最外周縁に沿って植設したことを特徴とする二 重管式掘削ビット ２） ハンマーボディの先端の偏心した位置を中心に所定範囲の揺動自在にビッ トを取付けることによって、ハンマーボディ外形より外方へ突出可能となるよう 構成した請求項１記載の二重管式掘削ビット にある。

【０００５】

【作用】

本考案の二重管式掘削ビットは、ケーシングパイプ内部にハンマーボディを挿 通し、同ハンマーボディ先端に取付けたビットがハンマーボディ外形より外方へ 突出可能となるよう構成したものであるから、該ビットがハンマーボディの外形 内に収まった収納状態にしておけば、ハンマーボディ及びその先端のビットをケ ーシングパイプ内で自在に上下動させることができる。

【０００６】 従って、その状態で同ビットが掘削孔底面に当接する位置まで下降させ、ハン マーボディを回転させれば、先端に取り付けたビットはハンマーボディと同時に は回転を始めることなく、遠心力或いは孔底面との摩擦により、ハンマーボディ の外形よりも外方に突出した停止位置に到達する。この拡張状態のビットで掘削 を行うことができるので、掘削孔の内径を前記ケーシングパイプの外径以上に大 きくとることも容易である。従って、掘削孔がケーシングパイプの外径よりも僅 かに大きくなるよう、ビットの外形や取り付け位置、突出距離等を設定しておけ ば、ケーシングパイプの挿入・引き抜きが大変容易に行える。

【０００７】 所定深さ掘削した後は、ハンマーボディを逆回転させれば、ビットは拡張時と は逆向きに力が作用してハンマーボディの外形内に収められるので、容易にケー シングパイプ内を引き上げることができる。

【０００８】 又、本考案の二重管式掘削ビットでは、ビットがハンマーボディから外方に突 出した拡張状態において、同ビットの最外周形状がハンマーボディの回転軸を中 心とする円弧の一部となるよう最外周縁を長く成形され、さらに、同ビットの先 端にはチップをその最外周縁に沿って植設しているので、掘削に伴うビット及び 先端のチップの摩耗・損傷を軽減することができる。

【０００９】

【実施例】

実施例については、図面に基づいて説明する。図１は第１実施例を示す正面図 、図２は同断面図、図３はその使用状態を示す説明図、図４は第２実施例を示す 正面図、図５は第３実施例を示す正面図である。

【００１０】 第１実施例（図１〜図３参照） 本実施例の二重管式掘削ビット１は、ケーシングパイプ２の内部に回転駆動可 能なハンマーボディ３を挿通し、同ハンマーボディ３の先端に取り付けたビット ４でもって地中を掘削していくものである。 本実施例では、図２に示す如く、ハンマーボディ３の先端にはビットシャンク ５が取り付けられ、同ビットシャンク５の偏心孔６にビット４の背面の突出軸８ を嵌挿してある。 又、該偏心孔６の内壁に周設されたボール溝９と、突出軸８の外壁に周設され たボール溝１０との間にボール１１を挟持することにより、ビット４はビットシ ャンク５に対して揺動自在となっている。 しかも、キャップ１２を取り外してボール１１を取り出せば、ビット４の着脱 ・交換も容易に行える。

【００１１】 ビットシャンク５とビット４の摺動面においては、ビット４の後面の突起１３ がビットシャンク前面の溝１４に遊嵌された状態となっており、ビット４の揺動 角度範囲を制限している。 例えば、本実施例では、図１に示すように、ビット４がビットシャンク５上に 重なる収納状態４ａから、ビット４が外方に突出する拡張状態４ｂに至る角度を １８０°としている。ここで、１５はハンマーボディ３の回転中心、１６はビッ ト４の揺動中心である。

【００１２】 一方、ビット４の外形は、拡張状態４ｂにおける最外周形状が回転中心１５を 中心とする円弧の一部となるよう成形され、しかもビット４の先端のチップ７は 外周側ほど数多く、かつ外形に沿って円弧状に植設されているので、掘削に伴う チップ７の摩耗・損傷等を最小限に抑えられる。 又、拡張状態４ｂにおいて、回転中心１５に近い部分ほど突出するよう傾斜が 付けられ、掘削の際の直進性を確保している。

【００１３】 使用過程について、図３に基づいて説明する。ビット４を収納状態４ａにして ケーシングパイプ２内を下降させ（図３（ａ））、地中孔底部に同ビット４が当 接した時点で、ハンマーボディ３を回転駆動させれば、ビット４は遠心力或いは 地中孔壁面との摩擦により揺動させられ、拡張状態４ｂとなる（図３（ｂ））。 この状態のビット４ｂで地中を掘削していくことになるので、図３（ｃ）に示 す如く、地中孔内径１７をケーシングパイプ２の外径よりも大きくすることがで き、ケーシングパイプ２の挿入を大変容易なものとすることができる。 従って、ビット４の掘削速度に合わせて、ケーシングパイプ２を挿入できるの で、ケーシングパイプ２により孔の崩れを防止でき、しかも大変作業能率も良く 、掘削速度も速い。

【００１４】 所定深さの掘削が終了した時点で、ハンマーボディ３を逆回転させれば、ビッ ト４ｂは揺動して収納状態４ａになる。従って、ビット４の引き上げも大変容易 である。

【００１５】 第２実施例（図４，図５参照） 本実施例の二重管式掘削ビット２１では、ハンマーボディ２２の先端にビット シャンク２３を介して、２個のビット２４が揺動自在に取り付けられ、ハンマー ボディ２２の外形内に収納された収納位置２４ａと、ハンマーボディ外形よりも 所定距離外方に突出した拡張位置２４ｂとの間を自在に揺動できるよう構成され ている。

【００１６】 従って、本実施例においても、第１実施例と同様に掘削孔底面においてハンマ ーボディ２２を回転駆動すれば、２個のビット２４は最初遠心力或いは孔底面と の摩擦により、ビット背面の突出軸２５を中心に揺動して、ハンマーボディ２２ の外形よりも外方へ突出し、その状態２４ｂで掘削を行うことになる。ハンマー ボディ２２を逆回転させれば、ビット２４は収納位置２４ａへ収まり、容易に引 き上げることができる。

【００１７】 又、本実施例においては、ビット２４の背面突出軸２５は、夫々ビットシャン ク２３の偏心孔２７に嵌挿されており、突出軸２５の側壁面に周設された切欠溝 ２８内にピン２６を挿通することによって、同突出軸２５を中心とした揺動のみ 自在とし、抜け止めとなっている。しかも、図４に示すように２個のビット２４ を１本のピン２６で支持すれば、各ビット２４の揺動範囲を制限することも同時 に行え、大変簡単で都合良く、実用的である。

【００１８】 第３実施例（図６参照） 本実施例では、進退自在なビット３１を３個備えた例を示す。又、進退方向は 上記実施例に限らず、回転駆動方向に対して直角でなくとも傾斜していても構わ ない。 本実施例では、ビット３１はハンマーボディ３２の回転に伴い、収納位置３１ ａと拡張位置３１ｂの間を移動するよう構成されている。

【００１９】 本考案の二重管式掘削ビットは、上記実施例に限定されるものではなく、ビッ トの取り付け構造や揺動・移動範囲制限機構・ビット数等は、掘削する土質等に 応じて構成すればよく、チップの数も適当としてよい。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、地中孔掘削の際に、孔の 崩れる心配がなく、能率良く作業でき、掘削速度も速く、しかもケーシングパイ プの引き抜きも容易である。又、掘削孔底部に拡大された基礎を必要とする場合 にも大変便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例を示す正面図である。

【図２】第１実施例を示す断面図である。

【図３】第１実施例の使用状態を示す説明図である。

【図４】第２実施例を示す正面図である。

【図５】第２実施例を示す断面図である。

【図６】第３実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 二重管式掘削ビット ２ ケーシングパイプ ３ ハンマーボディ ４ ビット ５ ビットシャンク ６ 偏心孔 ７ チップ ８ 突出軸 ９ ボール溝 １０ ボール溝 １１ ボール １２ キャップ １３ 突起 １４ 溝 １５ 回転中心 １６ 揺動中心 １７ 地中孔内径 ２１ 二重管式掘削ビット ２２ ハンマーボディ ２３ ビットシャンク ２４ ビット ２５ 突出軸 ２６ ピン ２７ 偏心孔 ２８ 切欠溝 ３１ ビット ３２ ハンマーボディ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングパイプ内部にハンマーボディ
   を挿通し、同ハンマーボディ先端に取付けたビットがハ
   ンマーボディ外形より外方へ突出可能となるよう構成
   し、同ビットが最外方の突出位置にある場合に、その最
   外周縁形状がハンマーボディの回転軸を中心とする円弧
   の一部となるよう同ビットの最外周縁を長く成形し、同
   ビットの先端にはチップをその最外周縁に沿って植設し
   たことを特徴とする二重管式掘削ビット。
2. 【請求項２】 ハンマーボディの先端の偏心した位置を
   中心に所定範囲の揺動自在にビットを取付けることによ
   って、ハンマーボディ外形より外方へ突出可能となるよ
   う構成した請求項１記載の二重管式掘削ビット。