JPH0533856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クリーンルーム内に外気を誘引して
空気調整を行う外気調整用クリーンコンポ空気調
整ユニツトに関するものである。

〔従来の技術〕

クリーンルームは、高い清浄度の作業環境を提
供するものであり、例えばLSI（半導体製造工程）
や精密機械等の工業用クリーンルーム、手術室や
食品加工等のバイオクリーンルームその他さまざ
まな産業分野、研究分野で用いられている。従来
のクリーンルームとしては、高性能フイルタで処
理された清浄空気を天井より室内に吹き出し、床
下を通して排気することによつて作業室全体をほ
ぼ一様な高清浄度に維持する全面ダウンフロー式
クリーンルームや、製造ラインに沿つて区域毎に
トンネル状のクリーンルームを形成し、そのクリ
ーンルームに天井面から清浄空気を吹き出すよう
にすることによつて、トンネル状のクリーンルー
ムを一様な高清浄度に維持するクリーン・トンネ
ル・システムなどがある。

しかしながら、上述した従来のシステムには、
種々の問題がある。例えば上述した全面ダウンフ
ロー式クリーンルームでは、次のような欠点があ
る。

清浄化区域及び空調対象区域が広く、高価な
高性能フイルタを多量に使用しているため、設
備費が非常に高い。

空調維持費、フイルタ交換費用などのランニ
ング・コストが高い。

室全体の空調を行うため、製造ライン別（工
程別）の空調温度制御ができない。

製造ライン用機器や配管類の補修をクリーン
ルーム内で行うため、それによる発塵で他の製
造ラインに及ぼす影響が大きい。

また、クリーン・トンネル・システムでは、次
のような欠点がある。

既存の建屋内に長いダクトを配設することが
必要であり、そのため配設作業上、建屋の構造
上で種々の問題が生じる。

クリーン・トンネルの下部からの空気の噴出
によつて建屋内に塵埃が浮遊する。

大容量のフイルタとポンプを建屋内に別置す
ることが必要になる。

これらの問題点を解決するとともに、要求品
質に的確に対応できる安価なものとして提案さ
れているのがユニツト型クリーンルームであ
る。

第２図はユニツト型クリーンルームを構成する
構造グリツドの例を示す図、第３図はユニツト型
クリーンルームを構成する設備グリツドの例を示
す図、第４図はユニツト型クリーンルームの外観
を示す図である。図において、２１，２５と３９
は天井パネル、２２と２６は構造材、２３は内装
パネル、２４と４１は外装パネル、２７は空気調
整用パネル、２８は電気盤用パネル、３１ないし
３３は構造グリツド、３４と３５は設備グリツ
ド、３６は入口扉、３７は覗き窓、３８はエア
ー・シヤワー・ルーム、４０は設備パネルをそれ
ぞれ示している。

ユニツト型クリーンルームは、第２図に示すよ
うな門形の構造グリツド及び第３図に示すような
設備グリツドを単位とし、これらを交互に配列接
合してクリーンルームを構成するものである。構
造グリツドは、第２図に示すように門形のフレー
ムよりなる構造材２２とこれを覆うように取り付
けられる天井パネル２１、内装パネル２３、及び
外装パネル２４で構成するものであり、設備グリ
ツドは、第３図に示すように空気調整用パネル２
７や電気盤用パネル２８などの設備用パネルと天
井を形成する建造材２６とこれを覆う天井パネル
２５で構成するものである。これらのグリツドを
使つてユニツト型クリーンルームを構成する場合
には、第４図に示すようにエアー・シヤワー・ル
ーム３８に構造グリツド３１を接合し、そして順
に設備グリツド３４、構造グリツド３２、設備グ
リツド３５、構造グリツド３３のように第２図に
示す構造グリツドと第３図に示す設備グリツドの
各単位グリツドを交互に配置接合する。

上述したユニツト型クリーンルームでは、設備
グリツドをコンパクト化することが重要である。
特に空気調整用パネルは、一般に冷却コイルや加
湿器、加熱コイル、送風機、高性能フイルタなど
を備えており、要求に応じた清浄度を維持するた
めにはコンパクトで且つ効率良いものが必要とな
る。

第５図はユニツト型クリーンルームに適用され
る空気調整ユニツトの構成例を示す図であり、５
１はパンチングガード、５２は送風機、５３はガ
イドベーン、５４は電気ヒーター、５５は吸い込
みガラリ、５６はフイルター、５７は加湿器、５
８は冷房コイル、５９は吸い込みフイルター、６
０は冷媒配管接続口、６１はダンパ付外気取り入
れ口を示す。第５図に示す空気調整ユニツトは、
下部の吸い込みフイルター５９を通して室内空気
を循環させると共にダンパ付外気取り入れ口６１
のダンパを制御して外気の導入量を調整してい
る。これらの空気は、冷房コイル５８、電気ヒー
ター５４、加湿器５７を通して送風機５２に導か
れ、上部のパンチングガード５１から室内に吹き
込まれる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような空気調整ユニツトは、外気をダン
パ付外気取り入れ口から取り入れるものであり、
ダンパの制御によつてその量を調整するものであ
るから、全風量の約10％程度した誘引されない。
ところが実際には、クリーンルーム内で火気を使
用したり、臭気を発生することがあるため、それ
以上の外気を必要とする場合が多い。しかし、上
述した現状の空気調整ユニツトでは、構造的にも
外気を直ちにクリーンルーム内に入れると、温度
制御がうまくいかなかつたり、結露が生じたりす
るので、これらの問題を避けるために別の外気用
空気調整機を考えなけれはならない。その結果、
クリーンルームがコンパクトにできなくなるとい
う問題も生じてくる。

本考案は、上記の考案に基づくものであつて、
外気の取り入れ量を大量に確保でき、清浄度の要
求にも柔軟に対応できる、ユニツト型クリーンル
ームに適した外気調整用クリーンコンポ空気調整
ユニツトの提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのために本考案は、クリーンルームの壁面の
一部として構成しクリーンルーム内に外気を誘引
して空気を調整し得るように薄形構成とする外気
調整用クリーンコンポ空気調整ユニツトであつ
て、外気取り入れ口を背面下部に、吹き出し口を
正面上部にそれぞれ設け、下部の外気取り入れ口
から上部の吹き出し口の上下方向に冷房コイル、
ヒーター、加湿器、送風機を配列すると共に、冷
房コイルを外気取り入れ口の方へ傾斜させ、送風
機を軸が壁面と直交する方向に取り付けられるよ
うに構成したことを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案の外気調整用クリーンコンポ空気調整ユ
ニツトでは、前面下部の吸い込み口をなくして背
面下部に設けた外気取り入れ口から外気を取り入
れるので、冷房コイル、ヒーター、加湿器、送風
機を縦配列にして薄形構成にしても、大量に外気
を取り入れることができる。しかも、その外気を
冷房コイル、ヒーター、加湿器を通して送風機に
導くので、除湿も有効に行うことができ、薄形構
成でも充分な外気取り入れを行いながら、結露を
防ぐことができる。また、送風機を軸が壁面と直
交する方向に取り付けるので、薄形に構成するこ
とも容易になる。

〔実施例〕

以下、実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は本考案に係る外気調整用クリーンコン
ポ空気調整ユニツトの１実施例構成を示す図であ
る。第１図において、１はパンチングガード、２
は送風機、３がガイドベーン、４は電気ヒータ
ー、５はフイルター、６は加湿器、７が冷房コイ
ル、８は冷媒配管接続口、９は外気取り入れ口、
１０はドレンホース、１１……フイルター、１２
……外気フアンを示す。

第１図に示す外気調整用クリーンコンポ空気調
整ユニツトでは、外気が外気フアン１２、フイル
ター１１、外気取り入れ口９、冷房コイル７、電
気ヒーター４、加湿器６を通して送風機２に導か
れ、パンチングガード１から室内へ吹き込まれ
る。このように従来は冷房コイル７を空気調整ユ
ニツトの前面下部の吸い込み口の方へ傾斜させた
構造としていたが、本考案に係る外気調整用クリ
ーンコンポ空気調整ユニツトは、この吸い込み口
をなくして背面に外気取り入れ口９を配置し、冷
房コイル７を外気取り入れ口９の方へ傾斜させた
構造としたものであり、外気フアン１２で外気の
取り入れ量を確保し、フイルター１１で空気の清
浄化を行う。また、冷房コイル７を外気取り入れ
口９の方へ傾斜させた構造とすることによつて、
それぞれのコイル全面にわたつて均等に空気の接
触を図ることができ、効率的に外気の除湿を行
い、結露を防止できる。

なお、送風機２は、厚さが制限されると所望の
容量を確保するためには径が大きくなるが、冷却
コイル６、加湿器７、加熱コイル５で配置を工夫
し高さを抑えることによつて、大きい径の送風機
２の使用が可能になる。例えば低速回転モータで
駆動される中静圧のシロツコ・フアンが使用でき
る。しかし送風機２の径を大きくすると、渦流が
発生しその渦流のために騒音が大きくなるという
問題が生じる。そこで、ガイドベーン３を設ける
と共に、送風路を長くしてこのガイドベーン３に
よつて送風機２の出力を整流し、方向転換しなが
ら徐々に送風路の幅を広げ、渦流が発生しないよ
うにすることによつて、渦流を原因とする騒音の
発生が抑制できる。また騒音の低減を図るには、
随所に吸音材を用いるようにしてもよい。

また、パンチングガード１は配設した吹き出し
口は、固定式であつてもよいが、室内レイアウト
に応じ特に風向きの影響が必要なときにはアタツ
チメントを設けて可動式にしたり、固定式と可動
式との併用であつてもよいことはいうまでもな
い。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、空気調整ユニツト前面の吸い込み口をなくし
て背面に外気取り入れ口を配置し、下部の外気取
り入れ口から上部の吹き出し口の上下方向に冷房
コイル、ヒーター、加湿機、送風機を配列するの
で、ユニツトを薄形構成にしつつ外気誘引量を大
幅に増大させることができる。さらに、送風機を
軸が壁面と直交する方向に取り付けるので、より
薄形の構成を採用することができ、クリーンコン
ポをコンパクトに構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る外気調整用クリーンコン
ポ空気調整ユニツトの１実施例構成を示す図、第
２図はユニツト型クリーンルームを構成する構造
グリツドの例を示す図、第３図はユニツト型クリ
ーンルームを構成する設備グリツドの例を示す
図、第４図はユニツト型クリーンルームの外観を
示す図、第５図はユニツト型クリーンルームに適
用される空気調整ユニツトの構成例を示す図であ
る。 １……パンチングガード、２……送風機、３…
…ガイドベーン、４……電気ヒーター、５……フ
イルター、６……加湿器、７……冷房コイル、８
……冷媒配管接続口、９……外気取り入れ口、１
０……ドレンホース、１１……フイルター、１２
……外気フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニツト型クリーンルームを構成する設備グリ
   ツドの設備用パネルとしてユニツト型クリーンル
   ーム内に外気を誘引して空気を調整し得るように
   薄形構成とする外気調整用クリーンコンポ空気調
   整ユニツトであつて、外気取り入れ口を背面下部
   に、吹き出し口を正面上部にそれぞれ設け、外気
   取り入れ口にフイルターと外気フアンを接続する
   と共に、冷房コイルを外気取り入れ口の背後に外
   気取り入れ口の方へ傾斜させて設け、その上にヒ
   ーター、加湿器、軸が壁面と直交する方向に取り
   付けられる送風機を順次縦に配列し、送風機から
   正面上部の吹き出し口へ向け送気を整流するよう
   にガイドベーンを設けて、設備用パネルとして構
   造材や天井パネルと共に門形の設備グリツドを構
   成することを特徴とする外気調整用クリーンコン
   ポ空気調整ユニツト。