JPH05333489A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH05333489A
JPH05333489A JP13935192A JP13935192A JPH05333489A JP H05333489 A JPH05333489 A JP H05333489A JP 13935192 A JP13935192 A JP 13935192A JP 13935192 A JP13935192 A JP 13935192A JP H05333489 A JPH05333489 A JP H05333489A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速処理性、色再現性に優れ、かつ処理液の
組成変動に左右されず、また塗布液の経時による感度変
化も少なく、安定した写真性能が得られるハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供する。 【構成】 支持体上のシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層
が、ピロロアゾール型シアンカプラーと、金増感された
塩化銀を主とする塩臭化銀または塩化銀を含有すること
を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関するものであり、詳しくは迅速処理性と色
再現性に優れ、かつ処理液の組成変動に対して安定な写
真性を与え、さらに塗布液の経時による感度変化が少な
く、安定した写真性能が得られるハロゲン化銀カラー写
真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー印画紙に対する迅速処理性
能向上の要請は、ますます強くなり、多くの研究がなさ
れている。使用するハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を
高くすると、現像速度の飛躍的な向上がもたらされるこ
とが知られており、例えば国際特許WO87−0453
4号等に開示されている。現実に市場においてもカラー
印画紙に使用されている乳剤の高塩化銀化が進んでい
る。これらのカラープリント用感光材料においては、上
記のような処理の迅速性以外に、出来上がりの色素画像
の色再現性が品質上重要であることは言うまでもない。
得られるカラープリントが、どれだけ広い色再現域を有
するか、すなわち再現すべき被写体に対してどれだけ忠
実な再現画像を構成できるかは、撮影に用いるカラーネ
ガフィルムの性能によるのはもちろんのこと、プリント
画像を形成する色素の発色色相に大きく依存している。
このため色再現性に優れたプリント用ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の研究が、様々な観点から行われてき
た。通常のカラープリント用感光材料では3原色として
シアン、マゼンタおよびイエローを用いた滅色法の色再
現方式をとることが多いが、出来上がったカラープリン
トがどれだけ忠実にしかも広い範囲の色を再現できるか
は、用いるシアン、マゼンタおよびイエロー色素の吸収
特性によって制約を受ける。色素の光吸収プロファイル
がブロードであったり、望ましくない副吸収があったり
する場合、色の濁りを生じる。
【0003】上記のような観点からすると、通常のカラ
ープリント用感光材料において、シアン色素画像を形成
するためには、常用されているフェノール系またはナフ
トール系カプラーは緑色、青色の領域において副吸収を
有しているため、色再現上、好ましくないという問題を
もっており、これを解決することが望まれていた。不要
な副吸収が色再現を悪化させる例としては、例えば青葉
の緑色をカラーネガで撮影し、カラープリントを作製し
た場合、それは茶緑色を帯びることがある。この問題を
解決する手段として、欧州特許294,453A2号に
記載の2,4−ジフェニルイミダゾール類が提案されて
いる。これらのカプラーから形成される色素は、短波側
の好ましくない吸収が従来の色素に比べて小さくなって
おり、色再現上好ましくなっている。しかしながら、こ
れらのカプラーも色再現性が十分とは言いがたく、かつ
カップリング活性が低く、熱および光に対する堅牢性が
著しく低い等の実用上の問題が残っており、実用に供せ
られるものではない。また、特開昭64−553号等に
記載されているピラゾロアゾール系カプラーは短波側の
吸収が従来の色素に比べて改善されているが、シアンカ
プラーとしての色再現性は十分とはいえず、かつ発色性
が著しく低いという問題を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、色再現
性の優れたシアンカプラーの開発を行った結果、以下に
述べる特定の置換基を有するピロロアゾール型シアン色
素形成カプラーによって、緑色および青色の領域におい
て好ましくない吸収を大幅に低減したシアン色素が形成
でき、色再現性の飛躍的な向上が達成できることを既に
見出している。しかしながら、このピロロアゾール母核
を有するシアン色素形成カプラーを用いて高塩化銀乳剤
と組み合わせてカラー感光材料を作製し、試験を行った
ところ、従来予想されなかった重大な実用上の問題が見
出された。すなわち、このシアンカプラーを含有したハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料は、確かに色純度の高い
シアン色素像が得られるが、市場のラボ(現像所)で現
像処理されることを想定し、種々の処理試験を行ったと
ころ、処理液の組成変化による写真性の変動(シアン色
像部)が大きいという問題が生じた。
【0005】さらにこの処理液の組成変化の要因を詳し
く調べたところ、漂白定着液の現像液への混入程度とこ
の写真性の変動(シアン色像部)とが対応することがわ
かった。上記の漂白定着液の現像液への混入は、市場の
ラボ(現像所)において厳密な混入防止の管理を行って
も、液はね等により完全に混入をなくすことはほとんど
不可能である。また自動現像機のローラー搬送やスクイ
ーズの仕方、単位時間当たりの処理量の違いにより漂白
定着液の現像液中への混入量がラボにより大きく異なる
ことも問題であり、最近の低補充化に伴いその傾向はさ
らに増大する方向である。市場のいかなるラボにおいて
も常に安定な写真性能を与えることが、実用上必須であ
る以上、この漂白定着液の現像液中への混入程度に対す
る写真特性の変動を最小限に抑えることが必要であり、
そのための技術開発が望まれていた。漂白定着液の現像
液中への混入に対する写真特性の安定性の改善について
は、特開昭62−254139号に高塩化銀粒子の最外
殻部に臭化銀含有率の比較的高い相を形成する等の技術
が開示されているが、この技術を用いても十分実用に供
せられるようなレベルには至らなかった。従って本発明
の目的は、迅速処理性と色再現性に優れ、かつ処理液の
組成変動等に対しても安定な写真性を与えるハロゲン化
銀カラー写真感光材料を提供することである。
【0006】一方、カラー印画紙用感光材料の場合、大
量のプリントを短い納期でしかも安定した均一な写真性
能で提供しなければらない。そのために感光材料を自動
現像機等を用いて連続的に処理しているが、処理中にカ
ルシウムがローラー等に析出し感光材料表面にキズを付
けてしまい、安定した均一な写真性能を維持出来ないと
いった問題もあった。ランニング処理中にローラー等に
析出してしまうカルシウムについて、このカルシウムは
感光材料(主にゼラチン中に含まれる)から処理液中に
放出されるものであり、そのために感光材料中のカルシ
ウム含有量をできるだけ少なくすることが必要であっ
た。しかしながら一方で、カルシウム含有量をできるだ
け少なくしたゼラチンを用いて調製された塗布液が数時
間経時すると、特に赤色領域に分光増感された赤感光性
乳剤とシアン色素形成カプラーからなる塗布液の場合、
経時中に乳剤の感度が低下してしまうという問題も起こ
り、カルシウム含有量を低減するには製造性能の不安定
性を克服することが必要であり、そのための技術開発が
要請されていた。従って、本発明の他の目的は、ランニ
ング処理中にカルシウムがローラー等に析出するという
問題がなく、しかも塗布液経時で、感度低下の少ない乳
剤を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、以下のハロゲン
化銀カラー感光材料によって、課題が解決できることを
見出した。すなわち、本発明は、支持体上にシアン色素
形成カプラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ
色素形成カプラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層、イエ
ロー色素形成カプラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層の
各々少なくとも一層および非感光性親水性コロイド層の
少なくとも一層からなる写真構成層を有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料において、該シアン色素形成カプ
ラーを含有するハロゲン化銀乳剤層が、下記一般式(I
a)で表されるピロロアゾール型シアン色素形成カプラ
ーの少なくとも一種を含有し、かつ該感光性ハロゲン化
銀乳剤が金化合物を用いて化学増感された塩化銀含有率
90モル%以上の塩臭化銀または塩化銀であることを特
徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供するも
のである。
【化2】 (一般式(Ia)中、Zaは、−NH−または−CH
(R3 )−を表し、ZbおよびZcは、それぞれ−C
(R4 )=または−N=を表す。R1 、R2 およびR3
は、それぞれハメットの置換基定数σp 値が0.20以
上の電子吸引性基を表す。ただし、R1 とR2 のσp
の和は、0.65以上である。R4 は、水素原子または
置換基を表す。ただし、式中に2つのR4 が存在する場
合には、それらは同じであってもよいし、異なっていて
もよい。Xは、水素原子または芳香族第一級アミンカラ
ー現像主薬の酸化体とのカップリング反応により離脱す
る基を表す。R1 、R2 、R3 、R4 またはXの基が2
価になり、二量体以上の多量体や、高分子鎖と結合して
単独重合体もしくは共重合体を形成してもよい。)さら
に、本発明は前記写真構成層に含有されるカルシウム原
子の全含有量が、ハロゲン化銀カラー写真感光材料1m
2 当たり15mg以下であることを特徴とするハロゲン
化銀カラー写真感光材料を提供するものである。本発明
において、先ずカルシウム含量について述べれば、ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の写真構成層に含まれるカ
ルシウム原子の全含有量は、前記のように15mg/m
2 以下であり、好ましくは10mg/m2 以下であり、
さらに8mg/m2 以下が最も好ましい。本発明におい
て、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に含有されるカル
シウム量は、主にバインダーとして用いられるゼラチン
の中に含まれるカルシウム量に依存する。カルシウム含
有量の少ないゼラチンを用いることによって、ランニン
グ処理中に、カルシウムがローラー等に析出する問題も
なく、しかも塗布液経時で乳剤の感度低下も少なく、本
発明のシアン色素形成カプラーを使用すればカルシウム
含有量をできるだけ少なくしたゼラチンを用いることが
可能になった点は本発明の大きな特徴の一つである。ゼ
ラチン中のカルシウムを特別に除去したようなゼラチン
を使用しなければ、感光材料中には16mg/m2 以上
のカルシウムが存在するのが一般的である。ゼラチン中
のカルシウムを除去するには、一般にイオン交換樹脂や
透析処理等が用いられる。
【0008】以下に本発明の化合物について詳しく述べ
る。本発明の一般式(Ia)で表されるピロロアゾール
型シアン色素形成カプラーは、具体的には下記一般式
(IIa)〜(VIIIa)で表される。
【0009】
【化3】
【0010】式(IIa)〜(VIIIa)中、R1 、R2 、R
3 、R4 およびXは、一般式(Ia)におけるそれぞれ
と同義である。本発明において一般式(IIa)、(III
a)または(IVa)で表されるシアンカプラーが好まし
く、特に一般式(IIIa)で表されるシアンカプラーが好
ましい。
【0011】本発明のシアンカプラーは、R1 、R2
よびR3 がいずれもハメットの置換基定数σp 値が0.
20以上の電子吸引性基であり、かつR1 とR2 のσp
値の和が0.65以上である。R1 とR2 のσp 値の和
としては、好ましくは0.70以上であり、上限として
は1.8程度である。
【0012】R1 、R2 およびR3 はそれぞれ、σp
が0.20以上の電子吸引性基である。好ましくは、σ
p 値が0.35以上の電子吸引性基であり、さらに好ま
しくは、σp 値が0.60以上の電子吸引性基である。
上限としては1.0以下の電子吸引性基である。ハメッ
ト則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基
の影響を定量的に論ずるために1935年に L. P. Ham
mettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く
妥当性が認められている。ハメット則により求められた
置換基定数にはσp 値とσm 値があり、これらの値は多
くの一般的な成書に記載があるが、例えば、J. A. Dean
編「 Lange's Handbook of Chemistry」第12版、19
79年( McGraw-Hill)や「化学の領域増刊」、122
号、96〜103頁、1979年(南江堂)に詳しい。
本発明においてR1 、R2 およびR3 はハメットの置換
基定数σp 値により規定されるが、これらの成書に記載
の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意
味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に
基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含
されることは勿論である。
【0013】σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
るR1 、R2 およびR3 の具体例としては、アシル基、
アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジ
アリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、
スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、
ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミ
ノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以
上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環
基、ハロゲン原子、アゾ基またはセレノシアネート基が
挙げられる。これらの置換基のうちさらに置換基を有す
ることが可能な基は、後述するR4 で挙げるような置換
基をさらに有してもよい。
【0014】R1 、R2 およびR3 をさらに詳しく述べ
ると、σp 値が0.20以上の電子吸引性基としては、
アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイ
ル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、ア
シルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基
(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、
N−(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモ
イル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−
{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピ
ル}カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso −
プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボ
ニル、iso −ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカ
ルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオ
キシカルボニル、ジエチルカルバモイルエトキシカルボ
ニル、パーフルオロヘキシルエトキシカルボニル、2−
デシル−ヘキシロキシカルボニルメトキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル、2,5−アミルフェノキシカルボニ
ル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例
えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例
えば、ジフェニルホスホノ)、ジアルコキシホスホリル
基(例えば、ジメトキシホスホリル)、ジアリールホス
フィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、アル
キルスルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピル
スルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3
−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、アルキルスル
ホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホ
ニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスル
ホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基
(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキ
シ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイ
ルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスル
ファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−
(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エ
チル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチル
スルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル
基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカル
ボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロ
メチル、ヘプタフロロプロピル)、ハロゲン化アルコキ
シ基(例えばトリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化ア
リールオキシ基(例えばペンタフロロフェニルオキ
シ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−
ジ−(トリフロロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキ
ルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,
2−テトラフロロエチルチオ)、σp 値が0.20以上
の他の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、
2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフ
ェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、
2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−
フェニル−2−ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、5−
クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン
原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えば
フェニルアゾ)またはセレノシアネート基を表す。
【0015】代表的な、電子吸引性基のσp 値を挙げる
と、シアノ基(0.66)、ニトロ基(0.78)、ト
リフルオロメチル基(0.54)、アセチル基(0.5
0)、トリフルオロメタンスルホニル基(0.92)、
メタンスルホニル基(0.72)、ベンゼンスルホニル
基(0.70)、メタンスルフィニル基(0.49)、
カルバモイル基(0.36)、メトキシカルボニル基
(0.45)、ピラゾリル基(0.37)、メタンスル
ホニルオキシ基(0.36)、ジメトキシホスホリル基
(0.60)、スルファモイル基(0.57)等であ
る。
【0016】R1 、R2 およびR3 として好ましいもの
としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、
アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アル
キル基、ハロゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アル
キルチオ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化
アリール基、2個以上のニトロ基で置換されたアリール
基および複素環基を挙げることができる。さらに好まし
くは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アリールスル
ホニル基、カルバモイル基およびハロゲン化アルキル基
である。より好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン化アル
キル基である。
【0017】特に好ましくはシアノ基、弗素原子、アル
コキシカルボニル基もしくはカルバモイル基で置換され
たアルコキシカルボニル基、または直鎖、分岐鎖もしく
はエーテル結合を有するアルコキシカルボニル基、無置
換またはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換された
アリールオキシカルボニル基である。R1 、R2 の組み
合わせとして好ましくは、R1 がシアノ基かつR2 が弗
素原子、アルコキシカルボニル基もしくはカルバモイル
基で置換されたアルコキシカルボニル基、または直鎖、
分岐鎖もしくはエーテル結合を有するアルコキシカルボ
ニル基、無置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基
で置換されたアリールオキシカルボニル基である。
【0018】R4 は水素原子または置換基(原子を含
む。)を表し、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、複素環オキシ基、アルキル・アリールもしくは
複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミ
ノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホ
ルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル
基、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基、
アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基、ア
ルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、
アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、ホスホニル基、スルファミド基、イミド基、
アゾリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、
ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等を挙げること
ができる。これらの基に含まれるアルキル基、アリール
基もしくは複素環基は、R4 で例示したような置換基で
さらに置換されていてもよい。
【0019】さらに詳しくは、R4 は水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族基(例
えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基で、詳しくは例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−
(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−
{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フ
ェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−
エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロ
ピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例え
ばフェニル、ナフチル、4−ヘキサデシルオキシフェニ
ル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミル
フェニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−
(2,4−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェ
ニル)、複素環基(例えば3−ピリジル、2−フリル、
2−チエニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−
ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、
エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシ
エトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、
4−tert−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミ
ルフェノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェ
ノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシ
カルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフ
ェノキシ)、複素環オキシ基(例えば2−ベンズイミダ
ゾリルオキシ、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アルキル・ア
リールもしくは複素環チオ基(例えばメチルチオ、エチ
ルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノ
キシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−
(4−tert−ブチルフェノキシ)
【0020】プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシ
ルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テ
トラデカンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリル
チオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾ
ール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基
(例えばアセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カル
バモイルオキシ基(例えばN−エチルカルバモイルオキ
シ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ
基(例えばトリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシ
リルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばドデシルス
ルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミ
ド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4
−tert−アミルフェノキシ)アセトアミド、2−〔4−
(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕デ
カンアミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−
ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミ
ド)、アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、ブチル
アミノ、ドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例え
ばフェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−
5−テトラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリ
ノ、2−クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−
クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウ
レイド基(例えばメチルウレイド、フェニルウレイド、
N,N−ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スル
ファモイルアミノ基(例えばN,N−ジプロピルスルフ
ァモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイ
ルアミノ)、アルケニルオキシ基(例えば2−プロペニ
ルオキシ)、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは
複素環アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、2,4
−ジ−tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプ
ロパノイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキ
ル・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えばメタ
ンスルホニル、
【0021】オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル、トルエンスルホニル)、アルキル・アリールもしく
は複素環スルフィニル基(例えばオクタンスルフィニ
ル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニル、3
−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシ
プロピルスルフィニル)、アルキル・アリールもしくは
複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、
オクタデシルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボ
ニル、2−ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル
・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基
(例えばメトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキ
シカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、
2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボニルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスル
ホンアミド、2−メトキシ−5−tert−ブチルベンゼン
スルホンアミド)、カルバモイル基(例えばN−エチル
カルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−
(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−メチ
ル−N−ドデシルカルバモイル、N−〔3−(2,4−
ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイ
ル)、スルファモイル基(例えばN−エチルスルファモ
イル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−
ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−
N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルフ
ァモイル)、ホスホニル基(例えばフェノキシホスホニ
ル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)、スルファミド基(例えばジプロピルスルファモイ
ルアミノ)、イミド基(例えばN−サクシンイミド、ヒ
ダントイニル、N−フタルイミド、3−オクタデセニル
スクシンイミド)、アゾリル基(例えばイミダゾリル、
ピラゾリル、3−クロロ−ピラゾール−1−イル、トリ
アゾリル)、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、
ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等が挙げられ
る。
【0022】R4 として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、イミ
ド基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、アゾ
リル基を挙げることができる。さらに好ましくはアルキ
ル基、アリール基であり、より好ましくは、少なくとも
一つのアルコキシ基、スルホニル基、スルファモイル
基、カルバモイル基、アシルアミド基またはスルホンア
ミド基を置換基として有するアルキル基もしくはアリー
ル基である。特に好ましくは、少なくとも一つのアシル
アミド基またはスルホンアミド基を置換基として有する
アルキル基もしくはアリール基である。
【0023】一般式(Ia)においてXは、水素原子も
しくは該カプラーが芳香族第1級アミンカラー現像主薬
の酸化体と反応したとき、離脱する基(以下、「離脱
基」という)を表し、Xが離脱基を表すとき、該離脱基
は、ハロゲン原子、芳香族アゾ基、「酸素・窒素・イオ
ウもしくは炭素原子を介してカップリング位に結合する
アルキル基、アリール基、複素環基、アルキルもしくは
アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アル
コキシ・アリールオキシもしくは複素環オキシカルボニ
ル基、アミノカルボニル基、アルキル・アリールもしく
は複素環カルボニル基」、または複素環中の窒素原子で
カップリング位に結合する複素環基であり、例えば、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ
基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホ
ンアミド基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリール
オキシカルボニルオキシ基、アルキル・アリールもしく
はヘテロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、アリールス
ルフィニル基、アリールスルホニル基、5員もしくは6
員の含窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基等が
あり、これらの離脱基に含まれるアルキル基、アリール
基もしくは複素環基は、R4 での置換基でさらに置換さ
れていてもよく、これらの置換基が2つ以上のときは同
一でも異なっていてもよく、これらの置換基がさらにR
4 で挙げた置換基を有していてもよい。
【0024】離脱基はさらに詳しくは、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコ
キシ基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシ
エチルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキ
シ、メチルスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメ
トキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェ
ノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキ
シ、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボキ
シフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カ
ルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセ
トキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基
(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニ
ルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキル
もしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンス
ルホンアミノ、トリフルオロメタンスルホンアミノ、p
−トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボニル
オキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、
アルキル・アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、
エチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、ドデシルチ
オ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−
ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリ
ルチオ)、アリールスルホニル基(例えば、2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル)、アリー
ルスルフィニル基(例えば、2−ブトキシ−5−tert−
オクチルフェニルスルフィニル)、カルバモイルアミノ
基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェ
ニルカルバモイルアミノ)、5員もしくは6員の含窒素
ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリ
アゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキ
ソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スクシンイミ
ド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェ
ニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)等である。もち
ろんこれらの基はさらにR4 の置換基で挙げた基で置換
されていてもよい。また、炭素原子を介して結合した離
脱基として、アルデヒド類またはケトン類で四当量カプ
ラーを縮合して得られるビス型カプラーがある。本発明
の離脱基は、現像抑制剤、現像促進剤等写真的有用基を
含んでいてもよい。好ましいXは、ハロゲン原子、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキルもしくはアリー
ルチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニ
ル基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員も
しくは6員の含窒素ヘテロ環基である。さらに好ましく
はアリールチオ基である。
【0025】一般式(Ia)で表されるシアンカプラー
は、R1 、R2 、R3 、R4 またはXの基が一般式(I
a)で表されるシアンカプラー残基を含有していて二量
体以上の多量体を形成していたり、R1 、R2 、R3
4 またはXの基が高分子鎖を含有していて単独重合体
もしくは共重合体を形成していてもよい。高分子鎖を含
有している単独重合体もしくは共重合体とは一般式(I
a)で表されるシアンカプラー残基を有する付加重合体
であり、エチレン型不飽和化合物の単独もしくは共重合
体が典型例である。この場合、一般式(Ia)で表わさ
れるシアンカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単
位は重合体中に1種類以上含有されていてもよく、共重
合成分としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、マレイン酸エステル類の如き芳香族一級アミン現像
薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性のエチレ
ン型モノマーの1種または1種以上を含む共重合体であ
ってもよい。以下に本発明のカプラーの具体例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】本発明の化合物およびその中間体の合成方
法は、公知の方法によって合成することができる。例え
ば、J.Am.Chem.Soc., 80号,5332(1958)、
J.Am.Chem.Soc., 81号,2452(1959)、J.A
m.Chem.Soc., 112号,2465(1990)、Org.S
ynth., I ,270(1941)、J.Chem.Soc.,514
9(1962)、Heterocycles, 27号,2301(1
988)、Rec.Trav.chim., 80,1075(196
1)等に記載の方法、それらに引用されている文献また
は類似の方法によって合成することができる。次に具体
的に合成例を示す。 (合成例1)例示化合物(9)の合成 下記ルートにより例示化合物(9)を合成した。
【0037】
【化14】
【0038】2−アミノ−4−シアノ−3−メトキシカ
ルボニルピロール(1a)(66.0g、0.4mol )
のジメチルアセトアミド(300ml)溶液に、室温に
て3,5−ジクロロベンゾイルクロライド(2a)(8
3.2g、0.4mol )を加え、30分間攪拌する。水
を加え酢酸エチルで2回抽出する。有機層を集め、水お
よび飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥す
る。減圧下溶媒を留去し、アセトニトリル(300m
l)から再結晶すると、化合物(3a)(113g、8
4%)を得た。
【0039】(3a)(101.1g、0.3mol )の
ジメチルホルムアミド(200ml)溶液に水酸化カリ
ウム(252g、4.5mol )の粉末を室温にて加えよ
く攪拌する。水冷下、ヒドロキシルアミン−o−スルホ
ン酸(237g、2.1mol)を、温度が急激に上がら
ないように注意し、少しずつ添加し、添加後30分攪拌
する。0.1N塩酸水溶液を滴下し、pH試験紙を見な
がら中和する。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を水お
よび飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥す
る。減圧下、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー
(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製す
ると化合物(4a)(9.50g、9%)が得られた。
【0040】(4a)(7.04g、20mmol)のアセ
トニトリル(30ml)溶液に室温にて四塩化炭素(9
ml)を加え、続いてトリフェニルホスフィン(5.7
6g、22mmol)を加え8時間加熱還流する。冷却後、
水を加え酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水および
飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減
圧下、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精
製すると(5a)(1.13g、17%)が得られた。
【0041】得られた(5a)1.8gと12.4gの
(6a)をスルホラン2.0mlに溶解し、さらに1.
5gのチタニウムイソプロポキシド1.5gを添加し
た。反応温度を110℃に保ち、1.5時間反応させた
後、酢酸エチルを加え水洗浄した。酢酸エチル層を乾燥
後、留去し、残渣カラムクロマトグラフィーで精製する
ことにより目的の例示化合物(9)を1.6g得た。融
点は97〜98℃であった。
【0042】本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀カ
ラー感光材料に適用する場合には、本発明のカプラーを
含有する層を支持体上に少なくとも1層有すればよく、
本発明のカプラーを含有する層としては、支持体上の親
水性コロイド層であればよい。一般的なカラー感光材料
は、支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を少な
くとも一層ずつこの順で塗設して構成することができる
が、これと異なる順序であっても良い。また、赤外感光
性ハロゲン化銀乳剤層を前記の感光性乳剤層の少なくと
も一つの替りに用いることができる。これらの感光性乳
剤層には、それぞれの波長域に感度を有するハロゲン化
銀乳剤と、感光する光と補色の関係にある色素を形成す
るカラーカプラーを含有させることで減色法の色再現を
行うことができる。ただし、感光性乳剤層とカラーカプ
ラーの発色色相とが、上記のような対応を持たない構成
としても良い。
【0043】本発明のカプラーを感光材料に適用する場
合には特に赤感性ハロゲン化銀乳剤層に使用することが
好ましい。本発明のカプラーの感光材料中への添加量
は、ハロゲン化銀1モル当り一般に1×10-3モル〜1
モル、好ましくは2×10-3モル〜5×10-1モルであ
る。また、本発明のシアンカプラーの好ましい塗布量
は、感光材料1m2 当たり2.0×10-6モル〜2.0×
10-3モルであり、さらに好ましくは、2.0×10-5モル
〜1.0×10-3モルである。本発明のシアンカプラー
は、本発明以外のシアンカプラーと任意に混合して用い
ることができるが、本発明のシアンカプラーの使用比率
が5モル%以上が好ましく、さらには30モル%以上が
好ましい。
【0044】本発明のシアンカプラーと共存するハロゲ
ン化銀乳剤粒子のハロゲン組成は、塩化銀含有率が90
モル%以上であることが必要である。また、ハロゲン化
銀粒子を構成する全ハロゲン化銀の95モル%以上が塩
化銀である実質的に沃化銀を含まない塩臭化銀または塩
化銀からなることが好ましい。ここで実質的に沃化銀を
含まないとは、沃化銀含有率が1.0モル%以下のこと
である。ハロゲン化銀粒子のさらに好ましいハロゲン組
成は、ハロゲン化銀粒子を構成する全ハロゲン化銀の9
8モル%以上が塩化銀である実質的に沃化銀を含まない
塩臭化銀あるいは塩化銀である。本発明のシアンカプラ
ーと共存するハロゲン化銀乳剤粒子は、臭化銀含有率に
おいて少なくとも10モル%を越える局在相を有するこ
とが好ましい。このような臭化銀含有率が基質のそれよ
りも高い局在相(以下、臭化銀局在相という)の配置は
本発明の効果を発揮するために、さらには圧力性、処理
液組成依存性等の観点から、粒子表面近傍にある必要が
ある。ここで粒子表面近傍とは、最表面から測って、用
いるハロゲン化銀粒子の粒子サイズの1/5以内の位置
のことである。最表面から測って、用いるハロゲン化銀
粒子の粒子サイズの1/10以内の位置であることが好
ましい。臭化銀局在相の最も好ましい配置は、立方体ま
たは14面体塩化銀粒子のコーナー部に、臭化銀含有率
において少なくとも10モル%を越える局在相がエピタ
キシャル成長したものである。
【0045】このような臭化銀局在相の臭化銀含有率は
10モル%を越えることが好ましいが、臭化銀含有率が
高すぎると感光材料に圧力が加えられた時に減感を引き
起こしたり、処理液の組成の変動によって感度や階調が
大きく変化してしまう等の、写真感光材料にとっては好
ましくない特性が付与されてしまう場合がある。臭化銀
局在相の臭化銀含有率は、これらの点を考慮に入れて、
10〜60モル%の範囲が好ましく、20〜50モル%
の範囲が最も好ましい。臭化銀局在相の臭化銀含有率
は、X線回折法(例えば、「日本化学会編、新実験化学
講座6、構造解析」丸善、に記載されている)等を用い
て分析することができる。臭化銀局在相は、本発明のシ
アンカプラーと共存するハロゲン化銀乳剤粒子を構成す
る全銀量の0.1〜20%の銀から構成されていること
が好ましく0.5〜7%の銀から構成されていることが
さらに好ましい。このような臭化銀局在相と粒子中のそ
の他の相との界面は、明瞭な相境界を有していてもよい
し、ハロゲン組成が徐々に変化する転移領域を有してい
てもよい。このような臭化銀局在相を形成するには様々
な方法を用いることができる。例えば、可溶性銀塩と可
溶性ハロゲン塩を片側混合法あるいは同時混合法で反応
させて局在相を形成することができる。さらに、既に形
成されているハロゲン化銀粒子を、より溶解度積の低い
ハロゲン化銀に変換するコンバージョン法を用いても局
在相を形成することができる。例えば、立方体または1
4面体ハロゲン化銀ホスト粒子に水溶性臭化物溶液を添
加するか、あるいは前記ハロゲン化銀ホスト粒子よりも
平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率が高い塩臭化銀
あるいは臭化銀微粒子を混合した後、熟成することによ
って臭化銀局在相を形成することができる。
【0046】臭化銀局在相の形成は、イリジウム化合物
の存在下で行われることが好ましい。ここで局在相の形
成をイリジウム化合物の存在下で行うとは、局在相を形
成するための銀あるいはハロゲンの供給と同時、供給の
直前あるいは供給の直後にイリジウム化合物を供給する
ことをいう。例えば水溶性臭化物溶液を添加することに
よって臭化銀局在相を形成する場合、その溶液にあらか
じめイリジウム化合物を含有させておくか、あるいは同
時にイリジウム化合物を含有した別の溶液を添加するこ
とが好ましく行われる。ハロゲン化銀ホスト粒子よりも
平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率がより高いハロ
ゲン化銀微粒子を混合した後、熟成することによって臭
化銀局在相を形成する場合、臭化銀含有率が高いハロゲ
ン化銀微粒子にあらかじめイリジウム化合物を含有させ
ておくことも好ましく行われる。臭化銀局在相の形成以
外の相形成時にイリジウム化合物を存在させてもよい
が、臭化銀局在相は、添加する全イリジウムの少なくと
も50%と共に形成することが好ましい。さらに添加す
る全イリジウムの少なくとも80%と共に形成すること
が最も好ましい。
【0047】本発明のハロゲン化銀粒子は、外表面に
(100)面を持つものであっても、(111)面を持
つものであっても、あるいはその両方の面を持つもので
あっても、さらにはより高次の面を含むものであっても
よいが、主として(100)面からなる立方体あるいは
14面体が好ましい。本発明のハロゲン化銀粒子の大き
さは、通常用いられる範囲内であればよいが、平均粒径
が0.1μm〜1.5μmである場合が好ましい。粒径
分布は多分散であっても単分散であってもよいが、単分
散であるほうが好ましい。単分散の程度を表す粒子サイ
ズ分布は、統計学上の標準偏差(s)と平均粒子サイズ
(d)との比(s/d)で0.2以下が好ましく、0.
15以下がさらに好ましい。また、2種類以上の単分散
乳剤を混合して用いることも好ましく行える。
【0048】本発明のシアンカプラーを含むハロゲン化
銀乳剤は金化合物を用いて化学増感されている必要があ
り、用いる金化合物としては、金酸化数が1価でも3価
でもよく、多種の金化合物を用いることが可能である。
代表的な例としてはテトラクロロ金(III)酸、テトラシ
アノ金(III)酸あるいはテトラキス(チオシアナト)金
(III)酸もしくはそれらのアルカリ金属塩、ビス(チオ
スルファト)金(I)酸塩、塩化ジメチルローダナト金
(I)金の錯イオンもしくは錯塩を挙げることができ
る。これら金化合物の添加量は、おおむねハロゲン化銀
1モル当たり、1×10-8〜1×10-2モルの範囲であ
り、好ましくは1×10-7〜1×10-3モルの範囲であ
り、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの範
囲である。また、これらの金化合物の添加はハロゲン化
銀乳剤の調製時に行われるが、化学増感を終了するまで
の間が好ましい。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に、
特開平3−233448号等に示されているメルカプト
系化合物の少なくとも一つを添加することにより、カブ
リの増大、特に金増感剤使用時のカブリの増大を著しく
防止することができる。添加時期は粒子形成工程、脱塩
工程、化学熟成工程または塗布直前に添加すればよい
が、粒子形成、脱塩、化学熟成工程で、特に金増感剤の
添加以前に添加することが好ましい。メルカプト系化合
物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6
5×10-2モルが好ましく、さらに1×10-4〜1×1
-2モルが好ましい。また添加場所に特に制限はなく、
感光層中でも非感光層中でもよい。さらに添加方法も特
に制限はなく、ハロゲン化銀粒子形成中物理熟成中、化
学熟成中、塗布液調製中のいずれでもよい。
【0049】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を該感材の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2重量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有さ
せるのが好ましい。
【0050】本発明に用いうるシアン、マゼンタ、イエ
ローカプラー等の写真添加剤用高沸点有機溶媒は、融点
が100℃以下、融点が140℃以上の水と非混和性の
化合物で、カプラーの良溶媒であれば使用できる。高沸
点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸
点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃以上であり、
より好ましくは170℃以上である。これらの高沸点有
機溶媒の詳細については、特開昭62−215272号
公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載
されている。また、シアン、マゼンタまたはイエローカ
プラーは前記の高沸点有機溶媒の存在下で(または不存
在下で)ローダブルラテックスポリマー(例えば米国特
許第4,203,716号)に含浸させて、または水不
溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親水性コ
ロイド水溶液に乳化分散させることができる。好ましく
は米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜1
5欄および国際公開WO88/00723号明細書の第
12頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が用
いられ、より好ましくはメタクリレート系あるいはアク
リルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマー
の使用が色像安定化等の上で好ましい。
【0051】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーやピロロアゾールカ
プラーとの併用が好ましい。すなわち、発色現像処理後
に残存する芳香族アミン系現像主薬と化学結合して、化
学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成する化
合物(F)および/または発色現像処理後に残存する芳
香族アミン系発色現像主薬の酸化体と化学結合して、化
学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成する化
合物(G)を同時または単独に用いることが、例えば処
理後の保存における膜中残存発色現像主薬ないしその酸
化体とカプラーの反応による発色色素生成によるステイ
ン発生その他の副作用を防止する上で好ましい。
【0052】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0053】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。さらに鮮鋭性を改良するために、アンチハレーショ
ン層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に
塗設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディ
スプレイが鑑賞できるように、支持体の透過濃度を0.
35〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0054】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよいが、特に本発明
にとっては一画素当りの露光時間が10-3秒より短い露
光方式が好ましく、10-4秒より短いレーザー走査露光
方式がさらに好ましい。
【0055】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726号に記載のバンド・ストップフィルターを用
いるのが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、
色再現性が著しく向上する。
【0056】露光済みの感光材料は慣用のカラー現像処
理が施されうるが、迅速処理の目的からカラー現像の
後、漂白定着処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀
乳剤が用いられる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促
進等の目的から約6.5以下が好ましく、さらに約6以
下が好ましい。
【0057】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤等)および写真構
成層(層配置等)、並びにこの感材を処理するために適
用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公
報、特に欧州特許EP0,355,660A2号(特開
平2−139544号)に記載されているものが好まし
く用いられる。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】また、シアンカプラーとして、本発明のシ
アンカプラーと特開平2−33144号に記載のジフェ
ニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許E
P0,333,185A2号に記載の3−ヒドロキシピ
リジン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙さ
れたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をも
たせて2当量化したものや、カプラー(6) や(9) が特に
好ましい)や特開昭64−32260号に記載された環
状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例とし
て列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)
とを併用してもよい。
【0064】また、塩化銀含有率が90モル%以上の高
塩化銀乳剤を使用するハロゲン化銀カラー感光材料の処
理方法としては、特開平2−207250号の第27頁
左上欄〜34頁右上欄に記載の方法が好ましく適用され
る。
【0065】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されない。 実施例1 石灰処理ゼラチン32gを蒸留水800mlに添加し、
40℃にて溶解後、塩化ナトリウム5.8gおよびN,
N’−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン(1%水溶
液)1.0mlを添加し、温度を53℃に上昇させた。
続いて硝酸銀80gを蒸留水480mlに溶解した液と
塩化ナトリウム27.6gを蒸留水480mlに溶解し
た液とを、53℃を保ちながら60分間かけて前記の液
に添加混合した。次に、硝酸銀80gを蒸留水300m
lに溶解した液と塩化ナトリウム24.3gおよびヘキ
サシアノ鉄(II)酸カリウム三水塩4mgを蒸留水30
0mlに溶解した液とを、53℃を保ちながら20分間
かけて添加混合した。40℃にて脱塩および水洗を施し
た後、石灰処理ゼラチン90gを加え、さらに塩化ナト
リウムおよび水酸化ナトリウムにてpAgを7.4に、
pHを6.4に調製した。58℃に昇温した後、臭化カ
リウムを0.45g添加して乳剤粒子表面に臭化銀局在
相を形成し、さらにトリエチルチオ尿素により最適に硫
黄増感を施した。また下記に示される赤感光性増感色素
をハロゲン化銀1モル当たり3×10 -4モル添加して分
光増感を施した。このようにして得られた塩臭化銀乳剤
を乳剤R1 とした。
【0066】乳剤R1 とは、トリエチルチオ尿酸による
硫黄増感単独の代わりに、トリエチルチオ尿素と5×1
-6モルの塩化金酸による金硫黄増感を施したことだけ
が異なる乳剤R2 を調製した。乳剤R1 とは、トリエチ
ルチオ尿酸による硫黄増感の代わりに、ハロゲン化銀1
モル当たり2×10-5モルの塩化金酸による金増感を施
したことだけが異なる乳剤R3 を調製した。上記と同様
な方法で、反応温度を変化させることにより所望の粒子
サイズの乳剤を調製し、それぞれ青感光性増感色素およ
び緑感光性増感色素を赤感光性増感色素の代わりに添加
することにより、乳剤B1、B2およびG1、G2を調
製した。ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表
面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さら
に種々の写真構成層を塗布して、以下に示す層構成の多
層カラー印画紙(試料101)を作製した。塗布液は下
記のようにして調製した。 第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)35.0g、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム14.0g、酢酸エチル100
ml、紫外線吸収剤(UV−2)19.0g、色像安定
剤(Cpd−8)1.1g、色像安定剤(Cpd−9)
1.1g、色像安定剤(Cpd−10)1.1g、色像
安定剤(Cpd−11)1.1g、色像安定剤(Cpd
−12)1.1g、溶媒(Solv−1)1.1g、溶
媒(Solv−6)23.3gを加えて溶解し、この溶
液を高速攪拌乳化機により10%ゼラチン水溶液に乳化
分散させ、乳化分散物Aを調製した。前記の乳化分散物
Aとこの塩臭化銀乳剤R1 とを混合溶解し、以下に示す
組成となるように第五層塗布液を調製した。第一層から
第七層用の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製し
た。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,
5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
また各層にCpd−15とCpd−16をそれぞれ全量
が25.0mg/m2と50.0mg/m2 となるよう
に添加した。各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には、前記
塩臭化銀乳剤R1 と同様の調製方法で粒子サイズを調製
し、下記の分光増感色素をそれぞれ用いた。
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感
性乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀
1モル当たり3.4×10-4モル、9.7×10-4モル、
5.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤層と緑感
性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハロゲン化
銀1モル当たり1×10 -4モルと2×10-4モル添加した。
また、イラジエーション防止のために乳剤層に下記の染
料(かっこ内は塗布量を表わす)を添加した。
【0071】
【化15】
【0072】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ただしハロゲン化銀乳剤
は銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙(中心面平均粗さ SRA
0.12μm) 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 14重
量%含有)と青味染料(群青)を含む〕 第一層(青感層乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.80μmの大サイズ乳剤B1と、 0.65μmの小サイズ乳剤B2との5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ 分布の変動係数はそれぞれ0.08と0.09。各サイズ乳剤とも臭化銀0. 4モル%を粒子表面の一部に局在含有させ、残りが塩化銀であるハロゲン化銀 粒子からなる) 0.27 ゼラチン 1.36 イエローカプラー(ExY) 0.79 色像安定剤(Cpd−1) 0.08 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.13 溶媒(Solv−2) 0.13
【0073】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−4) 0.08 溶媒(Solv−2) 0.25 溶媒(Solv−3) 0.25 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤G1と、 0.39μmの小サイズ乳剤G2との6:4混合物(銀モル比)。粒子サイズ 分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08。各サイズ乳剤とも臭化銀0. 8モル%を粒子表面の一部に局在含有させ、残りが塩化銀であるハロゲン化銀 粒子からなる) 0.13 ゼラチン 1.45 マゼンタカプラー(ExM) 0.16 色像安定剤(Cpd−6) 0.15 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 色像安定剤(Cpd−9) 0.08 溶媒(Solv−3) 0.50 溶媒(Solv−4) 0.15 溶媒(Solv−5) 0.15
【0074】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.70 混色防止剤(Cpd−4) 0.04 色像安定剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.18 溶媒(Solv−3) 0.18 第五層(赤感性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤R1 0.20 ゼラチン 0.85 シアンカプラー(ExC) 0.33 紫外線吸収剤(UV−2) 0.18 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.01 色像安定剤(Cpd−12) 0.01 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.22 溶媒(Solv−1) 0.01 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.55 紫外線吸収剤(UV−1) 0.40 色像安定剤(Cpd−13) 0.15 色像安定剤(Cpd−6) 0.02 第七層(保護層) ゼラチン 1.13 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.15 流動パラフィン 0.03 色像安定剤(Cpd−14) 0.01
【0075】ここで使用した化合物を以下に示す。
【0076】
【化16】
【0077】
【化17】
【0078】
【化18】
【0079】
【化19】
【0080】
【化20】
【0081】
【化21】
【0082】
【化22】
【0083】
【化23】
【0084】完成した感光材料の皮膜を一定に保つため
に、各層のゼラチンは、油溶性成分との比を一定に保つ
ように変更して添加した。以上のようにして得られた感
光材料を基本として、赤感層の乳剤とシアンカプラーを
表9のように入れ替えたことのみ異なる感光材料を作製
し、これらを試料101〜118とした。ただし、シア
ンカプラー(10)、(11)を用いた試料の第五層
(赤感性乳剤層)の乳剤塗布量は0.17g/m2 、シ
アンカプラー塗布量は0.16g/m2 とした。なお、
シアンカプラー(20)を用いた試料の第五層(赤感性
乳剤層)の乳剤塗布量は0.12g/m2 、シアンカプ
ラー塗布量は0.16g/m2 とした。試料113〜1
15は試料107〜109の第一層(青感性乳剤層)の
イエローカプラー(ExY)をExY−2に等モルにな
るように置き換え、組成を変えずにカプラーも含めた第
一層の塗布量を80重量%に減じた以外は、全く同一の
ものである。同様に試料116〜118は、試料110
〜112の第一層のイエローカプラーをExY−3と等
モルになるように置き換え、組成を変えずにカプラーも
含めた第一層の塗布量を70重量%に減じた以外は全く
同一のものである。
【0085】
【化24】
【0086】こうして得た18種類の感光材料の現像液
中への漂白定着液の混入程度に対応する感度変化および
階調変化を調べるために、光学ウェッジと赤色フィルタ
ーを通して1秒の露光を与え、約1時間後に以下に示す
処理工程と、処理液を用いた発色現像処理を行った。現
像液中への漂白定着液の混入程度は0ml/リットル、
0.2ml/リットルおよび0.4ml/リットルとし
た。こうして作成した処理済み試料の反射濃度を測定し
て、特性曲線を得た。感度は、カブリ濃度よりも0.5
高い濃度を与えるのに必要な露光量の逆数で、試料10
1の1秒露光における感度(漂白定着液の混入程度;0
ml/リットル)を100とした相対値で表し、漂白定
着液の混入程度が0ml/リットル、0.2ml/リッ
トルおよび0.4ml/リットルである場合に、それぞ
れSa、SbおよびScとして表した。階調は、感度を
求めた露光量からlogEで0.5増加した露光量に対
する濃度と、感度を求めた濃度との差で表し、漂白定着
液の混入程度が0ml/リットル、0.2ml/リット
ルおよび0.4ml/リットルである場合に、それぞれ
γa、γbおよびγcとして表した。さらにマクベスチ
ャート用の露光も行い、青色および緑色の感応評価も行
った。評価は△(劣る)、○(良)、◎(優)として表
した。
【0087】
【表9】
【0088】
【表10】
【0089】(現像処理)露光の終了した試料は、ペー
パー処理機を用いて、次の処理工程でカラー現像を行っ
た。なお、漂白定着液は別添加により現像液中に所定量
混入させた。 処理工程 温度 時間 カラー現像 35℃ 45秒 漂白定着 30〜35℃ 45秒 リンスI 30〜35℃ 20秒 リンスJ 30〜35℃ 20秒 リンスK 30〜35℃ 20秒 乾燥 70〜80℃ 60秒 (リンスKからIへの3タンク向流方式とした) 各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 量 水 800ml エチレンジアミン−N,N,N’,N’− テトラメチレンホスホン酸 1.5g 臭化カリウム 0.015g トリエタノールアミン 8.0g 塩化ナトリウム 1.4g 炭酸カリウム 25g N−エチル−N−(α−メタンスルホンアミドエチル)− 3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン 4.0g N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン・1Na 4.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B,住友化学製) 1.0g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 10.05
【0090】 漂白定着液 量 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.0 リンス液 イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm以下)
【0091】表10より、本発明の効果は明らかであ
る。すなわち従来のシアンカプラーを用いた試料101
〜103では現像液中への漂白定着液の混入程度に対す
る写真性能の変化は少ないが、青および緑の色再現性が
好ましくない。本発明のシアンカプラーを用いた試料1
04〜118では確かに色再現性は好ましいが、赤感性
層乳剤が硫黄単独増感であるR1 を使用した試料10
4、107、110、113および116では、現像液
中への漂白定着液の混入程度に対する写真性能の変化が
大きく問題である。しかし、本発明のシアンカプラーと
金増感を施した乳剤との組み合わせにより、色再現性に
優れ、現像液中への漂白定着液の混入程度に対する写真
性能の変化も少ないという両立が達成でき、またこの組
み合わせの試料は、シアンカプラーとしてExCを用い
た試料よりも、さらに現像液中への漂白定着液の混入程
度に対する写真性能の変化が少なくなるという新たなこ
とも見出された。
【0092】実施例2 実施例1の層構成を以下のように変更した試料201〜
209を作製して、実施例1と同様の試験を行った。た
だしシアンカプラー(19)、(11)を用いた試料の
第五層(赤感性乳剤層)の乳剤塗布量は0.17g/m
2 、シアンカプラー塗布量は0.16g/m 2 とした。
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持
体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、
さらに種々の写真構成層を塗布して、以下に示す層構成
の多層カラー印画紙(試料201)を作製した。塗布液
は下記のようにして調製した。 第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)35.0g、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム14.0g、酢酸エチル100
ml、色像安定剤(Cpd−1)43.8g、色像安定
剤(Cpd−9)3.3g、色像安定剤(Cpd−1
8)2.2g、色像安定剤(Cpd−19)19.7
g、色像安定剤(Cpd−20)5.5g、溶媒(So
lv−10)15.3gを加えて溶解し、この溶液を高
速攪拌乳化機により10%ゼラチン水溶液に乳化分散さ
せ、乳化分散物を調製した。得られた分散液を、前記に
示した様な方法で調製した塩臭化銀乳剤と混合溶解し、
以下に示す組成となるように第五層塗布液を調製した。
第一層から第七層用の塗布液も第五層塗布液と同様の方
法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オ
キシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩
を用いた。また、各層にCpd−15とCpd−16を
それぞれ全量が25.0mg/m 2 と50.0mg/m
2 となるように添加した。
【0096】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤は、実施例
1で用いたものと同じ化合物および添加量を用いてそれ
ぞれ分光増感を行った。また、イラジエーション防止の
ために乳剤層に実施例1で用いたものと同じ染料を同量
添加した。
【0097】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ただしハロゲン化銀乳剤
は銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙(中心面平均粗さ SRA
0.12μm) 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 14重
量%含有)と青味染料(群青)を含む〕 第一層(青感光性イエロー発色層) 塩臭化銀乳剤(実施例1の第一層の乳剤と同じ) 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−17) 0.19 溶媒(Solv−8) 0.18 溶媒(Solv−1) 0.18 色像安定剤(Cpd−1) 0.06
【0098】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−4) 0.10 溶媒(Solv−2) 0.16 溶媒(Solv−3) 0.08 第三層(緑感光性マゼンタ発色層) 塩臭化銀乳剤(大サイズ乳剤G1と小サイズ乳剤G2との1:3混合物(銀モ ル比)である他は実施例1の第三層の乳剤と同じ) 0.14 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−6) 0.16 色像安定剤(Cpd−18) 0.02 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 溶媒(Solv−7) 0.40 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−3) 0.47 混色防止剤(Cpd−4) 0.05 溶媒(Solv−9) 0.24
【0099】 第五層(赤感光性シアン発色層) 前記塩臭化銀乳剤R1 0.20 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−18) 0.02 色像安定剤(Cpd−19) 0.18 色像安定剤(Cpd−1) 0.40 色像安定剤(Cpd−20) 0.05 溶媒(Solv−10) 0.14 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−3) 0.16 混色防止剤(Cpd−4) 0.02 溶媒(Solv−9) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
【0100】
【化25】
【0101】
【化26】
【0102】
【化27】
【0103】
【化28】
【0104】表12の結果より、この層構成においても
本発明のシアンカプラーと金増感を施した乳剤との組み
合わせによって、実施例1と同様の効果が達成されたこ
とがわかる。
【0105】実施例3 実施例1の試料101〜109について、それぞれ該感
光材料中の全てのゼラチンをカルシウム含有量の少ない
ゼラチンαに置き換えたことのみ異なる試料301〜3
09を作製し、この18種類の試料について第五層(赤
感性乳剤層)の塗布液を塗布液調整後直ちに塗布した試
料x、塗布液調整後40℃で2時間経時した後塗布した
試料yおよび塗布液調整後40℃で8時間経時した後塗
布した試料zをそれぞれの試料について調製し、実施例
1と同様に赤感性感度Sx、SyおよびSzを求め、S
x−Sy(ΔS1 )およびSx−Sz(ΔS2 )を塗布
液経時安定性の尺度とした。また塗布液調整後40℃で
8時間経時した後塗布した試料zについても実施例1と
同様の試験も行った。なお、カルシウム含有量の少ない
ゼラチンαは実施例1で用いたゼラチンを石灰処理する
ことにより脱カルシウムを行い、調製した。このゼラチ
ンαを用いて作製した上記試料301〜309の感光材
料中の総カルシウム含有量を測定したところ、6.4m
g/m2 であった。なお脱カルシウム処理していないゼ
ラチンを用いた感光材料中の総カルシウム含有量は3
0.5mg/m2 であった。
【0106】
【表13】
【0107】
【表14】
【0108】表13と14から本発明の効果は明らかで
ある。すなわち本発明のシアンカプラーを用いた試料3
05〜309はカルシウム含有量の少ないゼラチンαを
用いても、塗布液経時後の減感程度が少なく製造性能の
不安定性さも克服することができ、上記実施例1および
2と同様に色再現性は良く、処理液の組成変動に対して
も安定な写真性が得られることに加えて、ランニング処
理適正にも優れた感光材料を提供できる。
【0109】
【発明の効果】本発明により、迅速処理性および色再現
性に優れ、かつ処理液の組成変動に対しても安定な写真
性を与え、さらに塗布液の経時による感度変化が少なく
安定した写真性能が得られるハロゲン化銀カラー写真感
光材料を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともシアン色素形成カ
    プラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素形
    成カプラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層、イエロー色
    素形成カプラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層の各々少
    なくとも一層および非感光性コロイド層の少なくとも一
    層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カラー写真
    感光材料において、該シアン色素形成カプラーを含有す
    るハロゲン化銀乳剤層が、下記一般式(Ia)で表され
    るピロロアゾール型シアン色素形成カプラーの少なくと
    も一種を含有し、かつ金化合物を用いて化学増感された
    塩化銀含有率90モル%以上の塩臭化銀または塩化銀を
    含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。 【化1】 (一般式(Ia)中、Zaは、−NH−または−CH
    (R3 )−を表し、ZbおよびZcは、それぞれ−C
    (R4 )=または−N=を表す。R1 、R2 およびR3
    は、それぞれハメットの置換基定数σp 値が0.20以
    上の電子吸引性基を表す。ただし、R1 とR2 のσp
    の和は、0.65以上である。R4 は、水素原子または
    置換基を表す。ただし、式中に2つのR4 が存在する場
    合には、それらは同じであってもよいし、異なっていて
    もよい。Xは、水素原子または芳香族第一級アミンカラ
    ー現像主薬の酸化体とのカップリング反応により離脱す
    る基を表す。R1 、R2 、R3 、R4 またはXの基が2
    価になり、二量体以上の多量体や、高分子鎖と結合して
    単独重合体もしくは共重合体を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 前記写真構成層に含有されるカルシウム
    原子の全含有量が、ハロゲン化銀カラー写真感光材料1
    2 当たり15mg以下であることを特徴とする請求項
    1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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