JPH05331708A - 液晶ポリエステルの溶融紡糸方法 - Google Patents

液晶ポリエステルの溶融紡糸方法

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JPH05331708A
JPH05331708A JP4134665A JP13466592A JPH05331708A JP H05331708 A JPH05331708 A JP H05331708A JP 4134665 A JP4134665 A JP 4134665A JP 13466592 A JP13466592 A JP 13466592A JP H05331708 A JPH05331708 A JP H05331708A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶融状態で光学異方性を呈する液晶ポリエステ
ルの溶融紡糸において、繊維軸方向、断面方向に太さ斑
のない繊維を安定した紡糸性で得るための溶融紡糸方法
を提供する。 【構成】溶融液晶形成性ポリエステルを溶融紡糸するに
際し、吐出孔配列を環状4列以下とした紡糸口金を用い
て、口金面深度を0〜100mmとし、紡糸ドラフトを
13d+5(d:単糸繊度)以下として溶融紡糸するこ
とを特徴とする液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。 【効果】本発明の溶融紡糸方法によれば、良好な紡糸性
で、かつ、繊維軸方向および断面方向に均一な液晶ポリ
エステル糸条が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融した際、光学異方性
を呈する液晶ポリエステルの溶融紡糸方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、合成繊維の高性能化に対する要求
が益々高まり、種々の新規性能を有する合成繊維が市場
に提供されている。この様な新規性能繊維の中で、溶融
状態で光学異方性を呈する液晶ポリエステルからなる繊
維は、優れた機械的性質を有することが注目されてい
る。溶融状態で光学異方性を呈する液晶ポリエステルは
溶融紡糸するだけで、高強度,高弾性の繊維にしうるこ
と、紡糸後の繊維を不活性気体中や真空中で熱処理する
ことによって、さらに高強度,高弾性の繊維にしうるこ
とが特公昭55−20008号公報や特開昭50−15
8695号公報等に開示されている。しかしながら、か
かる良好な特性はあるものの、繊維軸方向に太さ斑が発
生しやすい欠点があった。
【0003】このような問題を解決することを目的とし
て、特開昭58−91811号公報には溶融液晶形成性
重合体の溶融紡糸において、重合体を空気中に押し出し
て伸長し、ついで液体層を通過せしめて冷却固化させる
方法が開示されている。該公報によれば空気層で伸長し
た重合体流を液体層で急速に冷却固化せしめるため、繊
維の太さ斑を軽減することが可能となる。しかしなが
ら、該方法は溶融紡糸装置に液体層を保持する装置を組
み込む必要があり、設備費が高くなるばかりでなく、紡
出繊維から液体を取り除く際に、繊維が擦過を受け、フ
ィブリル化して紡糸性と品質が低下するという欠点があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した従来
の問題点を解決すること、すなわち、溶融状態で光学異
方性を呈する液晶ポリエステルの溶融紡糸において、繊
維軸方向、断面方向に太さ斑のない繊維を安定して紡糸
するための溶融紡糸方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、溶融
液晶形成性ポリエステルを溶融紡糸するに際し、吐出孔
配列を環状4列以下とした紡糸口金を用いて、口金面深
度を0〜100mmとし、紡糸ドラフトを13d+5
(d:単糸繊度)以下として溶融紡糸することを特徴と
する液晶ポリエステルの溶融紡糸方法である。
【0006】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられる溶融液晶形成性ポリエステルとは、加熱して
溶融した際に光学的に異方性を呈するポリエステルを指
す。この様なポリエステルとしては、 A.芳香族オキシカルボン酸の重合物、B.芳香族ジカ
ルボン酸と、芳香族ジオール、脂肪族ジオールの重合
物、C.AとBとの共重合物などがあげられる。また、
溶融液晶形成性ポリエステルの重合処方は従来公知の方
法を用いることができる。
【0007】ここで芳香族オキシカルボン酸としては、
ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸など、また
は上記芳香族オキシカルボン酸のアルキル、アルコキ
シ、ハロゲン置換体などがあげられる。芳香族ジカルボ
ン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、ジフェニルエタンジカルボン酸など、または上記芳
香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシ、ハロゲン置
換体などがあげられる。
【0008】芳香族ジオールとしてはハイドロキノン、
レゾルシン、ジオキシジフェニール、ナフタレンジオー
ルなど、または上記芳香族ジオールのアルキル、フェニ
ル、アルコキシ、ハロゲン置換体などがあげられる。脂
肪族ジオールとしてはエチレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどがあげられる。
【0009】そして、本発明においては、前記のモノマ
などを重合したポリエステルを広く用いることができ
る。そして好ましい物としては、p−ヒドロキシ安息香
酸成分とエチレンテレフタレ−ト成分とが共重合された
もの、p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4−ジヒドロ
キシビフェニルとテレフタル酸および/またはイソフタ
ル酸とが共重合されたもの、p−ヒドロキシ安息香酸成
分と6−ヒドロキシ2−ナフトエ酸成分とが共重合され
たもの、p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ
2−ナフトエ酸成分とハイドロキノンとテレフタル酸と
が共重合されたもの、p−ヒドロキシ安息香酸成分と6
−ヒドロキシ2−ナフトエ酸成分と4,4−ジヒドロキ
シビフェニルとテレフタル酸とが共重合されたものなど
を用いることができる。
【0010】特に、本発明においては、p−アセトキシ
安息香酸から生成した構造単位と2,6−ジオキシナ
フタレンとテレフタル酸から生成したポリエステルの構
造単位と4,4−ジオキシビフェニルとテレフタル酸
から生成したポリエステルの構造単位からなり、構造
単位が全体の50〜90モル%,構造単位と構造単
位の合計が全体の50〜10モル%を占め、構造単位
/のモル比が9/1〜3/7である溶融液晶形成性
ポリエステル、もしくはp−アセトキシ安息香酸から生
成した構造単位と4,4−ジオキシビフェニルと2,
6−ナフタレンジカルボン酸から生成したポリエステル
の構造単位と4,4−ジオキシビフェニルとテレフタ
ル酸から生成したポリエステルの構造単位からなり、
構造単位が全体の50〜90モル%,構造単位と構
造単位の合計が全体の50〜10モル%を占め、構造
単位/のモル比が9/1〜3/7である溶融液晶形
成性ポリエステルを用いる場合に、高い紡糸安定性と優
れた強度、弾性率を有する他、耐熱性と耐磨耗性の良好
な繊維を得ることができ好ましい。
【0011】さらにまた、本発明においては、p−アセ
トキシ安息香酸から生成した構造単位と4,4-ジオキシ
ビフェニルとテレフタル酸から生成したポリエステルの
構造単位とエチレングリコ−ルとテレフタル酸から生
成したポリエステルの構造単位からなり、構造単位
が全体の50〜90モル%,構造単位と構造単位の
合計が全体の50〜10モル%を占め、構造単位/
のモル比が8/2〜2/8である液晶ポリエステルを用
いることが、高い屈曲磨耗強度と結節強度を有する繊維
を得ることができ好ましい。
【0012】ここで、本発明について図面を用いて説明
する。図1は本発明で用いる溶融紡糸装置の1例を示す
概略図である。図2は本発明の紡糸口金の吐出孔の配列
を説明するための平面図であり、図3は図1の紡糸パッ
クの例を示す縦断面図である。
【0013】図1において1はスピンブロック、2は紡
糸パックであり、3は紡糸口金である。紡糸口金3の口
金面深度Lを0〜100mmに設定している。溶融した
液晶ポリエステルを吐出孔配列が環状4列以下である紡
糸口金3から溶融吐出し、円筒型冷却装置4で冷却固化
した後、油剤付与装置5で所定の油剤を付与し、紡糸ド
ラフトを13d+5(d:単糸繊度)以下として第1ゴ
デーロール6で引取り、第2ゴデーロール7を介してワ
インダー8に巻取る。
【0014】本発明においては、図2に示すように吐出
孔の配列が環状4列以下である紡糸口金3を用いること
が必要で、吐出孔の配列を環状3列以下とすることが好
ましい。吐出孔配列が環状4列を越えると紡糸口金から
吐出された糸条の冷却斑が発生し、繊維軸方向および断
面方向の太さ斑が大きくなるためため好ましくない。す
なわち、吐出孔配列が環状4列を越えると環状の外側の
列から吐出される糸条の随伴気流によって、エアーカー
テンが形成され、環状の内側の列から吐出される糸条が
十分冷却されず、環状の外側の列から吐出される糸条と
環状の内側の列から吐出される糸条との太さ斑、および
環状の内側の列から吐出される糸条の繊維軸方向の太さ
斑が発生するためである。これは、液晶ポリエステル吐
出糸条の細化点が紡糸口金下数cm以内に存在すること
によって、紡糸口金下雰囲気温度の高い領域で大きな随
伴気流を形成すること、非ニュートン性が高く、紡糸口
金下雰囲気温度差によるポリマー粘度差が生じやすいこ
とに起因すると考えられる。単糸繊度が2〜10デニー
ルであるポリエチレンテレフタレートで代表される通常
のポリエステルの溶融紡糸においては、生産性,異常滞
留防止の観点から全面配列の紡糸口金が用いられるが、
前記したように液晶ポリエステルであるがゆえに吐出孔
の配列を環状配列とする必要がある。
【0015】また、本発明においては前記したように、
吐出孔が環状配列の紡糸口金を用いるため、紡糸パック
上部から供給されるポリマーが、紡糸パック中央部で滞
留しやすい傾向にある。そのため図3に示すように紡糸
口金の直上に異常滞留を防止するポリマーの分配板10
を設置することが好ましい。分配板10にはその外周近
傍から吐出孔群上方に分配する分配孔11、紡糸パック
中央部から吐出孔群上方に分配する分配孔12が穿孔さ
れている。また、紡糸口金の直上のポリマー粘度を均一
にする混練機能のある分配板を設けることがさらに好ま
しい。
【0016】本発明においては、紡糸口金3の口金面深
度Lを0〜100mmにする必要がある。本発明で言う
口金面深度とはスピンブロック1の下端から紡糸口金面
までの距離Lを指す。口金面深度Lが0mm未満、すな
わち紡糸口金がスピンブロック1の下端から突出した状
態では外気によって、口金面が冷え過ぎ、紡糸可能な口
金面温度を保持することが困難になる。また、口金面深
度Lが100mmを越えると、紡糸時間経過に伴って、
紡糸口金下雰囲気温度が低下し、紡糸パック内圧が上昇
するため、安定した紡糸性が得られない。これは紡糸口
金から吐出された糸条の随伴気流によって、紡糸口金下
の高温雰囲気が持ち出され、冷気が侵入し、口金面の温
度が低下することによって、発生するものと考えられ
る。この現象は単糸繊度が2〜10デニールである通常
のポリエステルの溶融紡糸では発生しない。液晶ポリエ
ステルであるがゆえに、より安定した紡糸性を得るため
には口金面深度Lを10〜70mmとすることがより好
ましい。
【0017】さらに、本発明においては紡糸ドラフトを
13d+5(d:単糸繊度)以下とすることが必要であ
る。本発明者らは液晶ポリエステルの紡糸安定性につい
て鋭意検討した結果、単糸繊度を小さくするにしたがっ
て、紡糸ドラフトを小さくする必要があること、紡糸ド
ラフトが特定の範囲を越えると極めて顕著に紡糸性が悪
化することを見い出した。この現象は通常のポリエステ
ルの溶融紡糸では発生しない。すなわち、紡糸ドラフト
が13d+5(d:単糸繊度)を越えると、紡糸口金直
下での糸切れが極めて発生しやすくなり、本発明の目的
を達成できない。紡糸口金直下での糸切れを防止し、よ
り安定した紡糸性を確保するためには紡糸ドラフトを1
3d(d:単糸繊度)以下とすることがより好ましい。
また、紡糸ドラフトの下限値は5以上で、かつ、13d
−45以上であることが好ましい。紡糸ドラフトが5未
満、もしくは13d−45未満では紡糸口金の吐出孔か
ら吐出されるポリマー流が曲りやピクツキを起こし易く
なるため、紡糸安定性が低下する傾向にある。
【0018】紡糸ドラフトDrは次式にしたがって求め
る。 Dr=V1 /V2 (V1 :吐出線速度(m/min),V2 :紡糸速度
(m/min))
【0019】本発明においては、溶融吐出された糸条を
冷却斑なくすみやかに固化させ、糸条の配向緩和を抑え
るために、紡糸口金3の下方に円筒型冷却装置4を設置
することが好ましい。いわゆる、ユニフロー型の冷却装
置を用いることも可能であるが、冷却風の上流側の糸条
と下流側の糸条との間に冷却斑が発生しやすい傾向にあ
る。
【0020】本発明によって得られる糸条は熱処理(固
相重合)を施すと、繊維の強度は飛躍的に向上する。熱
処理は少なくとも液晶ポリエステルのガラス転移温度以
上で、液晶開始温度近辺、あるいはそれ以上で行うのが
良い。熱処理は窒素ガスなどの不活性ガスの気流中や真
空中で実施することが好ましいが、空気中でも可能であ
る。なお、この時、各種の固相重合触媒などを併用して
も構わない。本発明による方法は、芯鞘型複合糸、バイ
メタル型複合糸、海島型複合糸、分割型複合糸などの複
合紡糸に適用でき、液晶ポリエステル以外のポリマーと
の複合繊維や細い単糸繊度の液晶ポリエステルの糸条を
得ることも可能である。
【0021】また、本発明においては、液晶ポリエステ
ルに耐候剤、カーボンブラック、酸化チタンなど各種の
粒子、原着剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤な
どが添加されていても何等構わない。本発明の溶融紡糸
においては、紡糸口金の吐出孔の形状は特に限定される
ものではなく、円形断面の他、三角断面、マルチローバ
ル断面、偏平断面、中空断面など従来公知の形状が広く
適用できる。
【0022】さらにまた、本発明で得られる糸条は高強
度、高弾性、低吸水性、低誘電性、振動減衰性、寸法安
定性、耐熱性、耐薬品性などを有するため、魚網、光フ
ァイバー用補強材、FRP、ベルト、ヘルメット、防護
服、手袋、電気絶縁材、プリント基板、太陽電池補強
材、電卓の補強材、電気の傘、ロープ、摩擦材、しゅう
動部材、ディスクブレーキ、各種フィルター、コミング
ヤーン、航空機用資材、自動車用資材、各種壁材、屋
根、床材、ブラインド、テントの柱、椅子、脚立、アン
テナ用資材、各種のフレーム、釣竿、ゴルフシャフト、
ゴルフネット、テニスラケット、卓球ラケット、筆記用
具などの用途に広範囲に適用できる。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに具体的に
説明する。なお、実施例における単糸繊度変動率はサー
チ制御電機(株)社製デニアコンピューターを用いて、
液晶ポリエステル糸条から採取した30単糸の繊度を測
定し、CV%として表したものである。
【0024】実施例1 液晶ポリエステルとして特開昭62−39622号公報
に記載の方法で得た芳香族コポリエステル(p−アセト
キシ安息香酸から生成した構造単位と2,6−ジオキ
シナフタレンとテレフタル酸から生成したポリエステル
の構造単位と4,4−ジオキシビフェニルとテレフタ
ル酸から生成したポリエステルの構造単位からなり、
と+のモル比が80/20、とのモル比が5
/5)チップを、図1に示す口金面深度Lが40mmで
ある紡糸装置と吐出孔配列が環状3列(吐出孔径0.1
3mmφ,吐出孔数150孔)である紡糸口金と円筒型
冷却装置を用いて紡糸温度330℃,吐出孔1孔当たり
の吐出量0.47cc/min,紡糸速度1000m/
min(紡糸ドラフト28)の条件下で単糸繊度5デニ
ールの溶融紡糸巻取を実施した。なお、紡糸口金の直上
にはポリマーの異常滞留を防止する分配板を設置して紡
糸を行った。紡糸中、糸切れは全くなく、極めて安定し
た紡糸性を示した。また、得られた液晶ポリエステル糸
条の繊維軸方向および断面方向の単糸繊度変動率は、夫
々5.2%,4.7%であり、均一性の高い糸条であっ
た。
【0025】実施例2〜5、比較例1〜5 口金面深度L,紡糸口金の吐出孔径,吐出孔配列数,吐
出孔1孔当たりの吐出量,紡糸速度V2 ,紡糸ドラフト
Dr,単糸繊度dを表1のように変更した他は実施例1
と同じ条件で溶融紡糸巻取を実施した。実施例2および
3と比較例1は吐出孔配列数を変更した実験であり、4
列以下に配列した実施例2および3は紡糸性が良好で、
得られた糸条の単糸繊度変動率も小さく、均一な糸条で
あった。一方、比較例1は口金外周部糸条の随伴気流に
より、口金内周部糸条の冷却不足が発生し、単糸繊度変
動率の大きな冷却斑のある糸条となった。比較例2およ
び3は紡糸ドラフトを変更した実験であり、いずれも紡
糸ドラフトが13d+5の規定値を越えており、糸切れ
が多発した。実施例4および5と比較例4および5は口
金面深度を変更した実験であり、本発明で特定する範囲
内の実施例4および5は紡糸性が良好で、得られた糸条
の単糸繊度変動率も小さく、均一な糸条であったが、比
較例4は口金面深度が−10mmであり、口金面の温度
が低下し、口金直下で糸切れが発生した。また、比較例
5は口金面深度が深いため、紡糸開始とともに、紡糸パ
ックの内圧が上昇して紡糸の安定性が悪かった他、冷却
斑が発生し、単糸繊度変動率の大きな糸条となった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の溶融紡糸方法によれば、良好な
紡糸性で、かつ繊維軸方向および断面方向に均一な液晶
ポリエステル糸条が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる溶融紡糸装置の1例を示す概略
図である。
【図2】本発明の紡糸口金の吐出孔の配列を説明するた
めの平面図である。
【図3】図1の紡糸パックの例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:スピンブロック 2:紡糸パック 3:紡糸口金 4:円筒型冷却装置 5:油剤付与装置 6:第1ゴデーロール 7:第2ゴデーロール 8:ワインダー 9:吐出孔 10:分配板 11:分配孔 12:分配孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融液晶形成性ポリエステルを溶融紡糸す
    るに際し、吐出孔配列を環状4列以下とした紡糸口金を
    用いて、口金面深度を0〜100mmとし、紡糸ドラフ
    トを13d+5(d:単糸繊度)以下として溶融紡糸す
    ることを特徴とする液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。
  2. 【請求項2】溶融液晶形成性ポリエステルが下記(1)
    もしくは(2)の構成からなることを特徴とする請求項
    1記載の液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。 (1)p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位
    と2,6−ジオキシナフタレンとテレフタル酸から生成
    したポリエステルの構造単位と4,4−ジオキシビフ
    ェニルとテレフタル酸から生成したポリエステルの構造
    単位からなり、構造単位が全体の50〜90モル
    %,構造単位と構造単位の合計が全体の50〜10
    モル%を占め、構造単位/のモル比が9/1〜3/
    7 (2)p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位
    と4,4−ジオキシビフェニルと2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸から生成したポリエステルの構造単位と
    4,4−ジオキシビフェニルとテレフタル酸から生成し
    たポリエステルの構造単位からなり、構造単位が全
    体の50〜90モル%,構造単位と構造単位の合計
    が全体の50〜10モル%を占め、構造単位/のモ
    ル比が9/1〜3/7
  3. 【請求項3】紡糸口金直上に分配板を設置することを特
    徴とする請求項1もしくは2記載の液晶ポリエステルの
    溶融紡糸方法。
  4. 【請求項4】吐出孔配列が環状3列以下である紡糸口金
    を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。
  5. 【請求項5】円筒型冷却装置を用いて冷却固化させた
    後、巻取ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。
  6. 【請求項6】紡糸ドラフトを13d(d:単糸繊度)以
    下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の液晶ポリエステルの溶融紡糸方法。
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