JPH05330370A - 自動車用シートの転向装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】充分に転向シートの転向装置において、その軽
量化と組付性の向上を図ることである。 【構成】車床側の支持台（１）に、シートクッション側
の回転体（２）を、回転体（２）に固定した複数の有頭
ピン（４）（４）（４）（４）の頭部で、回転可能に係
合したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前、後方向に方向を変
換（転向）でき、且つ、シートベルトを備える自動車用
シート（座席）の転向装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の転向装置は特開昭５９ー１４５
２６号公報に開示されているように、車床に固定した下
部台座上に、環状のガイド環体を固設し、このガイド環
体に、シートの底面中央に固定した上部台座に一体に設
けた筒状脚体における周縁を嵌合し、且つ、ガイド環体
と脚体の周縁との間にボール、ローラなどを配設するこ
とにより、シートを水平方向に回転自在に支持する構造
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、以上の従来品
は金属製で板厚が厚い上、下部台座を使用してシートを
回転自在に支持しているため、重量があり軽量化を図る
ことができないし、また、スムーズに方向転換できない
不具合があった。特に、シートベルトを装着するシート
においては、シートの取付強度が要求され、また、シー
トのガタ発生の防止を図るため、板厚が厚い金属を使用
しなければならず、重量増を招く不具合があった。そこ
で、本発明は、装置の軽量化を図ると共に、前記従来品
に対して組付性を向上させることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明は、車床側の支持台に設けた円形状の通孔か
らなる係止部に、シート側に固定した回転盤を、この回
転盤に固定した複数の有頭ピンの頭部で回転可能に係合
することを特徴とするものである。前記係止部は円形状
の通孔における孔縁より下方に垂直状に突片を延設し、
この突片の壁面に有頭ピンの軸部が接合するようにする
ことが望ましい、また、有頭ピンの軸部には、合成樹脂
製のスライダーを外装して、係止部に対するスライド性
を向上させるようにするのが好ましい。

【０００５】

【作用】回転盤に固定した複数の有頭ピンの頭部が、支
持台の係止部に係止しているため、回転盤の支持台から
の剥離が防止され、有頭ピンは円形状の係止部に沿って
回転する。

【０００６】

【実施例】以下、本発明はの実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明に係る転向装置を使用した自動
車用シート（ワゴンタイプの自動車のセカンドシート）
を示し、図中（１）は車床に固定する支持台、（２）は
支持台（１）に前、後方向に１８０度回転するように取
付けられている回転盤、（３）、（３）は、この回転盤
（２）の左右に固定したスライドレールで、このスライ
ドレール（３）、（３）はシートのシートクッション
（ＳＣ）（座部）が固定されている。

【０００７】従って、シートはスライドレール（３）、
（３）によって前後方向に移動調節でき、更に、回転盤
（２）によって回転して前後の向きを変換できるように
なっている。そして、シートクッション（ＳＣ）にはシ
ートベルト（Ｂ）…が備えてあり、この各シートベルト
（Ｂ）…のアンカーはシートクッション（ＳＣ）のフレ
ーム（不図示）、又はスライドレール（３）、（３）の
アッパーレール等に固定されている。

【０００８】また、シートクッション（ＳＣ）の左右側
部には、回転盤（２）のロック機構によるロック状態を
解除するロックオフレバー（６１）が設けてある。図１
において、図中（ＳＢ）はシートクッション（ＳＣ）に
リクライニング装置（不図示）によって傾動自在に取付
けられているシートバック（背凭部）、（１１）（１
２）（１３）は支持台（１）を構成する構成部材、（３
４）はスライドレール（３）のロック解除用レバーを夫
々示す。

【０００９】図２から図４はスライドレール（３）、
（３）を取付ける前の状態の転向装置、図５は支持台
（１）と回転盤（２）とスライドレール（３）、（３）
との組付前の状態を示す。支持台（１）は車床に起立状
に固定する左右のサイドプレート（１１）（１２）と、
この両サイドプレート（１１）（１２）間に架設したパ
イプ製の連結フレーム（１３）（１４）と、この連結フ
レーム（１３）（１４）の中央に溶接して固定した支持
プレート（１５）とから構成されている。

【００１０】回転体（２）は略支持台（１）の平面形状
と同形に折曲したパイプ製枠体（２１）と、この枠体
（２１）の中央に間隔をあけて溶接した二枚の回転プレ
ート（２２）（２２）とから構成され、回転プレート
（２２）（２２）間の中央には取付片（２３）が架設さ
れ、この取付片（２３）の下側にレリースリンク（５
４）がピン（５６）で回転可能に枢着されている。

【００１１】前記支持台（１）を構成する左右両サイド
プレート（１１）（１２）は、上部内側に配設した回転
体（２）の枠体（２１）が接触しないように、円弧状に
形成されている。そして、この両サイドプレート（１
１）（１２）の上部には回転体（２）の端部を支持する
支持段部（１１ｂ）（１２ｂ）とロック機構のロックピ
ン（５０）（５１）（５２）（５３）が挿入するロック
孔（５８ａ）（５８ｂ）（５８ｃ）（５８ｄ）が開孔さ
れている。

【００１２】このロック孔（５８ａ）…は、図５に示す
ように設けてある。即ち、一方のサイドプレート（１
１）の前側に設けたロック孔（５８ｂ）に対して後側の
ロック孔（５８ａ）が高い位置に、また、他方のサイド
プレート（１２）の前側に設けたロック孔（５８ｄ）に
対して後側に設けたロック孔（５８ｃ）は低い位置に、
開孔されている。また、ロック孔（５８ａ）と（５８
ｄ）、ロック孔（５８ｂ）と（５８ｃ）は夫々同高さ
に、同一内径でサイドプレート（１１）（１２）に形成
され、ロック孔（５８ａ）（５８ｄ）にロックピン（５
１）（５２）が、また、ロック孔（５８ｂ）（５８ｃ）
にロックピン（５０）（５３）が挿入して、回転体
（２）が支持台（１）にロックされる。

【００１３】前記支持台（１）を構成する支持プレート
（１５）には中央に円形状の通孔（１６）の孔縁からな
る係止部（１５ａ）が設けてある。この係止部（１５
ａ）に、回転盤（２）に固定した有頭ピン（４）の頭部
（４１）における裏面半分が摺動自在に接合する。ま
た、支持プレート（１５）は外方に低く傾斜状に形成さ
れ、上面に、回転プレート（２２）側に設けたローラ
（３５）（３５）（３５）（３５）が転動可能に載置さ
れる。

【００１４】回転体（２）の枠体（２１）の左右両側部
（２１ａ）（２１ｂ）は、支持台（１）のサイドプレー
ト（１１）（１２）の内側に位置するように配設され、
且つ円弧状に折曲されている、そして、枠体（２１）の
４隅にはスライドレール（３）、（３）取付用兼用ロッ
クピン（５０）…取付用のブラケット（５７）…が溶接
されている。

【００１５】また、前記回転体（２）の回転プレート
（２２）（２２）下面には、一定の間隔をあけてローラ
（３５）…と、このローラ（３５）…を保持する保持枠
が設けてあり、この各ローラ（３５）…に近接する内側
における上面には、ナット（３４）…が溶接され、この
ナット（３４）に前記有頭ピン（４）が螺着できるよう
に回転プレート（２２）には通孔が開孔されている。な
お、有頭ピン（４）の固定は、次のように行う。即ち、
支持台（１）に回転体（２）を重ね、支持台（２）の支
持プレート（１５）の通孔（１６）内より各有頭ピン
（４）…を差し込み、回転体（２）の回転プレート（２
２）に設けた各ナット（３４）に各有頭ピン（４）の端
部を螺合することにより、有頭ピン（４）を回転プレー
ト（２２）に固定する。

【００１６】更に枠体（２１）の左右両側部（２１ａ）
（２１ｂ）には、ワイヤ（６２）（６２）によってレリ
ースリンク（５４）に連結するレリースフック（６０）
（６０）が夫々内、外方に摺動自在に取付けられてい
る。

【００１７】スライドレール（３）、（３）は、回転体
（２）のブラケット（５７）…に締結されるロアレール
（３１）と、このロアレール（３１）に前、後方向に摺
動自在に嵌合するアッパーレール（３２）とから構成さ
れ、この各アッパーレール（３２）（３２）にはシート
クッション（ＳＣ）のフレーム（不図示）が取付けられ
る。

【００１８】図６から図８は、支持台（１）に対する回
転体（２）の取付個所を示し、回転体（２）の中央は４
ケ所に設けた有頭ピン（４）（４）（４）（４）の頭部
（４１）が支持プレート（１５）の係止部（１５ａ）に
係合することにより、回転体（２）の中央が支持台
（１）から上方に剥離することのないように取付けられ
ている。

【００１９】係止部（１５ａ）は、支持プレート（１
５）の円形状通孔の孔縁より下方に垂直状に延設した突
片より形成されている。有頭ピン（４）はその軸部に合
成樹脂製筒状のスライダー（４３）が外装され、軸部の
端部をナット（３４）に締結することにより、有頭ピン
（４）は回転プレート（２２）に固定されると共に、頭
部（４１）の裏面半分側が係止部（１５ａ）の下端縁に
摺動自在に接合するように取付けられている。

【００２０】従って、回転体（２）を回転させると、常
に、各有頭ピン（４）…の頭部（４１）が環状の係止部
（１５ａ）に係合しながら回転する。その際、各有頭ピ
ン（４）のスライダー（４３）は、常に係合部（１５
ａ）の垂直状壁面に摺接するため、回転体（２）が水平
方向にガタ付くことがないように回転する。

【００２１】そして、各有頭ピン（４）の外側における
回転プレート（２２）と支持プレート（１５）との間に
は、ローラ（３５）…が介在しているため、回転盤
（２）はスムーズに回転する。図中、（３５ａ）はロー
ラ（３５）を保持する保持枠で、各ローラ（３５）…
は、テーパローラを使用している。

【００２２】図９は回転体（２）の端部の支持台（１）
に対する支持構造を示し、図中（５９）は、枠体（２
１）の両側部（２１ａ）におけるブラケット（５７）外
方に下向きに溶接したロックプレートで、このロックプ
レート（５９）にロックピン（５１）が挿通され、更
に、ロックプレート（５９）の下端には、支持台（１）
の支持段部（１１ｂ）に支持される合成樹脂製スライダ
ー（７）が固定されている。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、支持台と、この支持台
上に回転自在に載置する回転体とは、回転体側に固定し
た有頭ピンの頭部によって組付ける構造であるため、支
持台に対する回転体の組付性が前記従来品に比べ良好
で、その作業性が向上する。また、前記従来品の如く、
支持台と回転体とに相互に嵌合する嵌合部材を設ける必
要がないため、構造が簡単になり、装置の軽量化が図れ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る転向シートの斜視図である。

【図２】同転向装置の平面図である。

【図３】図２のIIIーIII線断面図である。

【図４】図２の側面図である。

【図５】同分解斜視図である。

【図６】回転盤と支持台の中央部の係合状態を示す断面
図である。

【図７】図６において、有頭ピンを固定する前の状態を
示す。

【図８】図６の一部を切欠して示す斜視図である。

【図９】図２の部分断面図である。

【符号の説明】

１ 支持台 ２ 回転体 ３ スライドレール ４、４、４、４ 有頭ピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車床に固定する支持台と、この支持台上
   にローラによって回転可能に設置すると共にロック機構
   によってロックされる回転盤と、この回転盤上にスライ
   ドレールを介して前後方向に移動可能に取付けると共に
   前記ロック機構によるロック状態を解除するロック解除
   機構を有するシートクッションとからなり、 前記支持台の中央には、円形状の通孔からなる係止部を
   設け、 前記回転盤には頭部を下方に向けて固定した複数の有頭
   ピンを固定し、 該有頭ピンの頭部を前記支持台の係止部に摺動自在に係
   合してなることを特徴とする自動車用シートの転向装
   置。