JP2929338B2

JP2929338B2 - 自動車用シートの転向装置

Info

Publication number: JP2929338B2
Application number: JP3335773A
Authority: JP
Inventors: 博鈴木
Original assignee: TACHESU KK
Current assignee: TACHESU KK
Priority date: 1991-11-25
Filing date: 1991-11-25
Publication date: 1999-08-03
Anticipated expiration: 2014-08-03
Also published as: JPH05139194A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前、後に方向を変換で
き且つシートベルトを備える自動車用シート（座席）の
転向装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のシートは特開昭５９ー１４５２
６号公報に開示されているように、車床に固定した下部
台座上に、環状のガイド環体を固設し、このガイド環体
に、シートの底面中央に固定した上部台座に一体に設け
た筒状脚体における周縁を嵌合し、且つガイド環体と脚
体の周縁との間にボール、ローラなどを配設することに
より、シートを水平方向に回転自在に支持し、且つシー
トベルトに加わる剥離荷重等に対抗できるように、シー
トベルトのアンカーを固定する前記脚体と、台座との間
に相互に係合する係合部材を配設している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、従来品は金属
製で板厚が厚い上、下部台座を使用してシートを回転自
在に支持しているため、重量があり軽量化を図ることが
できないし、また、スムーズに方向転換できない不具合
があった。特に、シートベルトを装着するシートにおい
ては、シートの取付強度が要求され、また、シートのガ
タ発生の防止を図るために、板厚が厚い金属を使用しな
ければならず、重量増を招く不具合がある。そこで、本
発明は軽量化が図られ、方向転換がスムーズに行え、シ
ートの取付ガタが生じ難いようにすることを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明に係る自動車用シートの転向装置は、車床側
に設置する支持台座と、シート側に取付けて前記支持台
座上に転動する複数のローラ機構とからなり、前記支持
台座上における外周には、上部に下向きの下部鉤部材を
一体に有する環状のガイドレールを固定し、前記各ロー
ラ機構は、ローラと、このローラを回転自在に嵌合する
保持枠とから構成し、且つ前記支持台座のガイドレール
の内側に沿って配設すると共に、前記下部鉤部材に摺動
自在に嵌合し、スライダーを上向きに有する上部鉤部材
を前記保持枠の外方に一体に設けてなるものである。

【０００５】

【作用】支持台座のガイドレールに沿ってシート側に設
けた複数のローラ機構のローラが転動して、シートが方
向転換される。そして、シートベルトに加わる荷重は、
上部鉤部材、下部鉤部材を介して支持台座側に伝達され
る。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本発明に係る転向装置（Ａ）を装備した
自動車用シート（Ｓ）を示し、図中（ＳＣ）はシート
（Ｓ）を構成するシートクッション（座部）、（ＳＢ）
は同シートバック（背凭部）、（ＡＲ）はアームレスト
を示し、シート（Ｓ）は転向装置（Ａ）によって、水平
方向に回転して実線に示す状態から、仮想線に示す状態
に方向転換可能に取付けられている。また、図示しない
が、例えば４５度、９０度など回転させて所望の方向に
シートの向きを変換できる。転向装置（Ａ）はシートク
ッション（ＳＣ）の底面に固定してシート（Ｓ）の前後
位置を調節するシートスライド又はシートクッション
（ＳＣ）のシートフレーム（３）に取付けた複数のロー
ラ機構（２）…と、車床（Ｆ）に設置した支持台座
（１）とから構成されており、シートフレーム（３）に
はシートベルト（４）のアンカーが固定されている。

【０００７】図２はシートクッション（ＳＣ）のシート
フレームに取付けたローラ機構（２）…が支持台座
（１）上に転動可能に支持されている状態を示し、ロー
ラ機構（２）はシートフレーム（３）の底面外周に近い
位置に、４ケ所取付けられており、ローラ機構（２）に
一体に設けた上部鉤部材（２３）が、スライダー（２
４）と共に支持台座（１）の外周に起立状に設けた下部
鉤部材（１１ａ）に係合している。

【０００８】図３は支持台座（上）に、シートクッショ
ン（ＳＣ）が方向転換可能に支持されている状態を示
し、シートクッション（ＳＣ）の底部を形成する皿状金
属製シートフレーム（３）の底面における外周に近い位
置に、図２に示すように複数のローラ機構（２）…が取
付けられ、この各ローラ機構（２）…は、図４に示すよ
うな構造になっている。即ち、各ローラ機構（２）は筒
状保持枠（２２ｂ）内にローラ（２１）が回転軸（２
５）によって回動可能に支持され、保持枠（２２ｂ）の
上部にはシートフレーム（３）に溶接により固定される
フランヂ（２２ａ）（２２ａ）を設け、保持枠（２２
ｂ）の外側面には上向きに折曲する上部鉤部材（２３）
を延設してなるものである。そして、上部鉤部材（２
３）の上端縁にはローラ機構（２）の転動性を損なわな
いように、合成樹脂製スライダー（２４）が固定され
る。

【０００９】支持台座（１）は車床（Ｆ）にボルトなど
によって固定される筒状の支持脚（１３）と、この支持
脚（１３）の頂部に一体に水平状に溶接される円環状の
載置板（１２）と、この載置板（１２）の外周縁に沿っ
て起立状にビス止めされるガイドレール（１１）…と、
このガイドレール（１１）の上端縁を内方に且つ先端を
下方に折曲してなる下部鉤部材（１１ａ）とから構成さ
れている。そして、前記ガイドレール（１１）は前述の
如く、前記シートフレーム（３）の底面外周よりやや小
さな外径に形成されている。

【００１０】以上の各ローラ機構（２）…の上部鉤部材
（２３）に固定されているスライダー（２４）は、図３
に示すように、夫々支持台座（１）の下部鉤部材（１１
ａ）内に、スライド可能に嵌合され、また、ローラ（２
１）は支持台座（１）の載置板（２）上に、転動自在に
搭載される。斯くして、シート（Ｓ）の方向を転換する
際には、シートクッション（ＳＣ）を水平方向に回動す
れば、各ローラ機構（２）…が支持台座（１）のガイド
レール（１１）に沿って移動するため、所望の向きに転
換できる。そして、シートベルト（４）による剥離荷重
は、ローラ機構（２）…の上部鉤部材（２３）、支持台
座（１）の下部鉤部材（１１ａ）、ガイドレール（１
１）を介して、支持台座（１）から車床（Ｆ）に伝達さ
れる。

【００１１】図５、図６はローラ機構（２）のローラに
テーパローラ（２１′）を使用した場合を示す。このテ
ーパローラ（２１′）は円環状の載置板（１２）の内周
（ｌ）と外周（Ｌ）を同一回転数（Ｎ）で転動するよう
に、ローラ（２１′）の外側の直径（Ｄ）はＬ／Ｎπ、
内側の直径（ｄ）はｌ／Ｎπのテーパ状に成形されてい
る。このローラ（２１′）は保持枠（２２′）内にガイ
ドされ、この保持枠（２２′）はシートフレーム（３）
の底面に溶接した取付ブラケット（２６）に係止ピン
（２２ａ′）…で固定され、各ローラ機構（２′）のテ
ーパローラ（２１′）はその軸芯をガイドレール（１
１）によって、シートクッション（ＳＣ）の回転中心に
向けて配設している。そして、以上の保持枠（２２′）
の厚さ（Ｔ）はテーパローラ（２２′）が転動中に脱落
しないように、テーパローラ（２２′）の半径より若干
プラスした寸法（α）している。即ち、（ｄーα）＞Ｔ
＞Ｄ／２の範囲内とするのが望ましい。また、図示す
る上部鉤部材（２３′）は取付ブラケット（２６）にス
クリュー（２３ａ′）で締結している。斯様にテーパロ
ーラ（２１′）を使用することにより、シート（Ｓ）の
方向転換がより行い易くなる。

【００１２】図７、図８は本発明装置に使用するロック
装置（５）の一例と、載置板（１２′）の変形例を示す
ものである。ロック装置（５）はシート（Ｓ）の方向を
一定位置に固定するものであり、載置板（１２′）の内
端縁より下方に延設したフランヂ（１２ａ′）に係止孔
（５３）を開孔し、この係止孔（５３）に操作レバー
（５１）と一体の係止爪（５２）が係合することにより
ロックされ、シート（Ｓ）の回動を防止したものであ
り、操作レバー（５１）はリターンスプリング（５４）
によってロック方向に付勢されている。そして、この操
作レバー（５１）を軸着する軸受（５５）は取付ブラケ
ット（２７）に固着され、取付ブラケット（２７）はパ
イプ製のシートフレーム（３′）に一体に溶接されてい
る。また、ローラ機構（２″）のテーパローラ（２
１″）は外側方向に低く傾斜する載置板（１２′）に転
動可能に載置されている。斯様な載置板（１２′）とテ
ーパローラ（２１″）を使用することにより、テーパロ
ーラ（２１′）の転動がより一層スムーズに行え得る。

【００１３】なお、以上のものは、ローラ機構（２）
（２′）（２″）を直接シートフレーム（３）（３′）
に取付けているが、シートフレーム（３）（３′）に、
シート（Ｓ）の前後位置を調節するアッパーレールとロ
アレールとからなるシートスライドを有するものにおい
ては、このシートスライドのロアレールにローラ機構
（２）（２′）（２″）を取付ける。図５乃至図８にお
いて、図３と同一符号は同一又は同効部材を示し、その
説明を省略する。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、ローラ機構がローラ
と、このローラを回転自在に嵌合する保持枠とからな
り、この保持枠に、支持台座の外周の下部鉤部材に係合
し、スライダーを有する上部鉤部材を外方に一体に設け
ている。従って、シートの転向時に摺動部材たるローラ
の外方に、摺動部材たるスライダーが近接して配設され
ているため、両摺動部材の取付ガタが少なく、シートが
スムーズに方向転換できる。また、スライダー、上部鉤
部材をローラ機構にセットして、シート側に取付けるこ
とができるため、シートに対する組付作業も簡単にな
る。更に、シートに剥離荷重が加わった際に、その荷重
が上部鉤部材に上向きに作用するが、上部鉤部材の内方
に位置するローラに下向きに作用する。そのため、上部
鉤部材に荷重が集中することがないし、また、上部鉤部
材がスライダーを介して下部鉤部材に係合しているた
め、スライダーの変形でその荷重の一部を吸収する。従
って、上部鉤部材が前記剥離荷重によって変形し、下部
鉤部材から外れることがない。しかも、下部鉤部材は、
支持台座上の外周の環状のガイドレールに一体に設けて
なるから、下部鉤部材も前記剥離荷重によって変形する
ことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る転向装置を装備した自動車用シー
トの側面図である。

【図２】図１のIIーII線断面図である。

【図３】本発明の転向装置の断面図である。

【図４】本発明に使用するローラ機構の斜視図である。

【図５】本発明のローラ機構にテーパローラを使用した
場合の断面図である。

【図６】図５のテーパローラの説明図である。

【図７】本発明の転向装置に使用するロック装置を示す
斜視図である。

【図８】図７のVIIIーVIII線に沿える断面図である。

【符号の説明】

１支持台座２、２′、２″ ローラ機構１１ガイドレール１１ａ下部鉤部材２１、２１′、２１″ ローラ２３、２３′ 上部鉤部材２４スライダー

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】車床側に設置する支持台座と、シート側
に取付けて前記支持台座上に転動する複数のローラ機構
とからなり、前記支持台座上の外周には、上部に下向きの下部鉤部材
を一体に有する環状のガイドレールを固定し、前記各ローラ機構は、ローラと、このローラを回転自在
に嵌合する保持枠とから構成し、且つ前記支持台座のガ
イドレールの内側に沿って配設すると共に、前記下部鉤
部材に摺動自在に係合すると共にスライダーを上向きに
有する上部鉤部材を前記保持枠の外方に一体設けてなる
自動車用シートの転向装置。