JPH05328983A - 光学異性体の異なる乳酸混合物の製造方法 - Google Patents

光学異性体の異なる乳酸混合物の製造方法

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JPH05328983A
JPH05328983A JP14425692A JP14425692A JPH05328983A JP H05328983 A JPH05328983 A JP H05328983A JP 14425692 A JP14425692 A JP 14425692A JP 14425692 A JP14425692 A JP 14425692A JP H05328983 A JPH05328983 A JP H05328983A
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lactic acid
fermentation
microorganism
producing
optical isomer
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JP14425692A
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Masatoshi Kimura
雅敏 木村
Shigefumi Arai
重文 新井
Mikio Oyama
幹男 大山
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 まず、微生物(A)を用いて乳酸発酵せし
め、乳酸と糖とを含む発酵液を得たのち、次いで、かく
して得られる乳酸とは光学特性の異なる、別の乳酸を生
産する微生物(B)を用いて乳酸発酵せしめることから
成る、光学特性の異なる乳酸混合物の製造方法。 【効果】 生産する乳酸の光学特性の異なる、2種類以
上の微生物を併用することによって、所定の光学異性体
比率を持った乳酸混合物を、効率よく、生産することが
出来る。したがって、本発明の方法は、従来型の乳酸発
酵プロセスに比し、製造費上、特に不利な面は無いし、
実用的に極めて高い、経済的な光学異性体の異なる混合
乳酸の製造法であると、位置付けることが出来よう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる、光
学異性体の異なる乳酸混合物の製造方法に関する。さら
に詳細には、微生物(A)を用いて乳酸発酵せしめて、
乳酸と糖とを含む発酵液を得たのち、ここに得られた乳
酸とは光学特性の異なる乳酸を生産する微生物(B)を
用いて乳酸発酵せしめることから成る、光学特性の異な
る乳酸混合物の製造方法に関する。
【0002】つまり、所定の光学異性体比率を有する乳
酸を、効率的に、生産する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】乳酸は、化学合成法ならびに発酵法で以
て生産されており、前者方法にあっては、専ら、ラセミ
体が、後者方法にあっては、用いる微生物によって、L
体、D体および/またはラセミ体なる種々の異性体が得
られるというように、生産方法によって、生産物が異な
っている。
【0004】かかる乳酸の用途としては、醸造用、漬物
用または清涼飲料用の酸味料などのような食品添加物用
として、医薬品用として、あるいは工業用としてなど、
広範ではあるが、特に、光学活性乳酸については、L体
の外科縫合糸ならびに骨折箇所接合ピンなどの生体適合
医用高分子材料の原料への利用が知られているし、ま
た、D体の光学活性農薬の中間体への利用が知られてい
る。
【0005】近年、地球環境保全の観点から、分解性プ
ラスチックが注目されており、乳酸を原料とする乳酸ポ
リマーもまた、その高い加水分解性の故に、有望な素材
として期待されている。分解性プラスチックは、分解性
のほかに、いわゆるプラスチックとして要求される物性
をも、併せ持たなければならないが、乳酸ポリマーの場
合には、構成する乳酸の光学異性体の比率が、両者に影
響を及ぼすことが知られている。
【0006】従来において、生産されていた乳酸は、ラ
セミ体あるいは光学純度の高いL体またはD体のみであ
る処から、所定の光学異性体比率を有する乳酸を得るた
めには、異なった光学特性を有する乳酸を、別々に、製
造し、あるいは購入して、混合せしめるという方法を採
っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる乳酸ポリマー
を、汎用性のプラスチック素材とするためには、原料た
る乳酸を、安価に、製造することが必要であるが、別系
列の発酵設備で生産したり、精製後に混合調整すること
は、経済的に得策では無く、乳酸ポリマーの低廉化なら
びに汎用化を妨げる一因ともなっていた。
【0008】しかるに、本発明者らは、従来技術におけ
る種々の欠点の存在に鑑みて、所定の光学異性体比率を
有する乳酸を得るために、異なった光学特性を有する乳
酸を、別々に、製造し、あるいは購入して、混合せしめ
るという、いわゆる煩雑なる方法を採らずに、連続した
操作で以て、簡単に、調製することの出来る、斬新なる
方法で以て、目的とする、光学異性体の異なる乳酸混合
物を提供するべく、鋭意、研究を開始した。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、光学特性の異なる乳酸を生産す
る、2種類以上の微生物の混合培養により、就中、至適
発酵条件や糖の資化性の差異を利用することによって、
特定の光学異性体比率(D/L)を持った乳酸を発酵生
産する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き実状に鑑み、そして、上記した発明が解決
しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ね
た結果、生産する乳酸の光学特性の異なる、2種類以上
の微生物を併用することによって、所望の、ないしは所
定の光学異性体比率を持った乳酸を、一層、効率的に、
生産し得ることを見い出して、ここに、本発明を完成さ
せるに到った。
【0011】すなわち、本発明は、基本的には、微生物
(A)を用いて乳酸発酵せしめて、乳酸と糖とを含む発
酵液を得たのち、ここに得られた乳酸とは光学特性の異
なる乳酸を生産する微生物(B)を用いて乳酸発酵せし
めることから成る、光学特性の異なる乳酸混合物の製造
方法を提供しようとするものである。
【0012】前述した如く、発酵乳酸は、その旋光性に
より、左旋性のD(−)と、右旋性のL(+)と、そし
て、ラセミ体なる、不旋性のDL乳酸とに大別され、そ
の光学特性は、主として、用いる微生物に依存する。
【0013】より詳しくは、たとえば、ラクトバチルス
属の同定における判定基準となっているように〔「微生
物」Vol.6,No.3(1990)〕、生産に用い
る微生物によって、L(+)乳酸と、D(−)乳酸との
比率が異なり(以下、かかる比率をD/L比と略記す
る。)、それぞれ、総乳酸量中に占めるL(+)乳酸の
割合が0〜20%のものを、D(−)と呼ぶし、20〜
40%なるものを、D+DLと呼ぶし、40〜60%な
るものをDLと呼ぶし、60〜80%なるものを、L+
DLと呼ぶし、80〜100%なるものを、L(+)乳
酸と呼ぶこともある。
【0014】すなわち、適当なる微生物を用いれば、特
定のD/L比を持った乳酸を発酵生産することは、理論
的には、可能である。しかし、商業生産の場合には、生
産速度、収率ならびに扱い易さなどの面から、使用し得
る微生物は限定されることとなるし、ましてや、任意の
D/L比を持った乳酸を、効率よく、生産することは、
実用上は、極めて困難なことである。
【0015】そこで、本発明者らは、鋭意、研究した結
果、異なる光学特性の乳酸を生産する、2種類以上の微
生物を、逐次、用いることによって乳酸発酵せしめるこ
とにより、任意のD/L比を持った乳酸を、効率よく、
生産する方法を開発することが出来た。
【0016】ここにおいて、それぞれ、右旋性のL
(−)乳酸を生産する微生物を(L)と指称し、左旋性
のD(−)乳酸を生産する微生物を(D)と指称し、そ
して、不旋光性のDL乳酸を生産する微生物を(R)と
して指称する。
【0017】かくして、本発明者らは、種々の(L)、
(D)、(R)の特性、たとえば、温度、pH、糖の資
化性、基質濃度、乳酸濃度ならびに培地組成などの諸環
境条件と、増殖活性、基質消費速度、乳酸生産速度なら
びに収率などとを、詳細に、調査し、研究して、目的と
する乳酸のD/L比に合致し得るような、それぞれ、
(L)と(D);(L)と(R);(D)と(R);あ
るいは(L)と(D)と(R)との組み合わせを選択
し、まず、或る特定の光学特性の乳酸を生産する微生
物、たとえば、上記の(L)を用いて、所定量の該乳酸
を発酵させ、次いで、別の特定の光学特性の乳酸を生産
する微生物、たとえば、上記した(D)または(R)を
用いて、所定量の別の光学特性乳酸を生産させるとい
う、2段階の工程を経ることによって、はじめて、任意
の光学異性体比率を持った乳酸を得ることに成功した。
【0018】本発明の方法に従って、任意の光学異性体
比率の乳酸を、一層、確実に得るためには、第2段目の
発酵、つまり、上述の例で言えば、(D)または(R)
を用いて、所定量の別の光学特性乳酸を生産する段階
で、(L)を除去せしめるか、あるいは活性を落として
おいて、(L)による乳酸発酵を防止することが望まし
い。
【0019】こうした上記(L)の除去法として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、第1段目の発
酵槽に、分離膜を取り付けるとか、この(L)を固定化
せしめておくとか、第1段目において得られる発酵液を
遠心分離や、ろ過などで以て処理せしめるなどと言っ
た、種々の方法である。
【0020】また、上記(L)の活性を落としておく方
法としては、(D)または(R)の増殖および発酵に適
し、この(L)の増殖および発酵にとって、不適当なる
発酵条件に設定するなどの方法が推奨されるし、さら
に、(D)または(R)の発酵を円滑に行うために、糖
をはじめ、さらには、その他の栄養素を、新たに追加す
るということも有効である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により、一層、具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定さ
れるものでは無いし、本発明に係わる微生物は、これら
の実施例に記載の微生物のみに限定されるものでは、決
して無い。たとえば、ラクトバチルス属、ロイコノスト
ック属、ペディオコッカス属、ラクトコッカス属または
ビフィドバクテリウム属などの、いわゆる乳酸菌のほか
にも、ストレプトカッカス属、エンテロコッカス属、バ
チルス属、クロストリヂウム属またはスポロラクトバチ
ルス属の如き、種々の細菌や、リゾープス属の如き、種
々のカビなどのように、乳酸を生産し得る微生物である
ならば、すべてのものが包含される。
【0022】また、たとえば、L−乳酸の生産に当たっ
て用いられる微生物の種類も、1種類である必要は無い
し、さらに、(L)、(D)、(R)の発酵させる順序
や、それらの組み合わせについても、これらの実施例に
限定されるものでは無い。
【0023】さらに、第1段目の発酵に使用した微生物
の除去あるいは不活性化方法についてもまた、これらの
実施例のみに限定されるものでは無い。前述したよう
に、たとえば、除去法としては、第1段目の発酵槽に分
離膜を取り付けるとか、第1段目の発酵槽内の微生物を
固定化しておくとか、第1段目において得られる発酵液
を遠心分離や、ろ過などで処理せしめるなどと言った、
各種の方法が採れる訳であるし、
【0024】また、活性を落とすという方法としても、
第1段目において得られる発酵液を加熱処理や薬剤処理
などにかけるとか、発酵液中の微生物を死滅ないしは不
活性化せしめたり、第2段目以降の発酵に用いる微生物
の増殖および発酵には適するが、第1段目の発酵に用い
た微生物の増殖および発酵にとっては不適当な発酵条
件、たとえば、糖の種類、発酵温度、pH、微量栄養
素、溶存酸素濃度、酸化還元電位、通気攪拌条件、培地
組成あるいは塩濃度などを、適宜、調整したり、発酵促
進物質あるいは発酵阻害物質などを添加せしめるなど
の、各種の方法が採れる訳である処から、これらのうち
の1つ、ないしは2つ以上を、適宜、組み合わせて利用
できることは、言うまでもない。
【0025】実施例 1 L−乳酸:D−乳酸=9:1なる組成を持った乳酸の生
産を目的とし、それぞれ、L−乳酸生産菌(L)として
は、「ラクトバチルス・カゼイ ATCC4913」
を、D−乳酸生産菌(R)としては、「ラクトバチルス
・デルブリュッキATCC7994」を用いた。
【0026】まず、Difco改変培地(「Difco
Lactobacilli MRS broth」
に、糖と等量の炭酸カルシウムを加えたもの)にて、3
7℃に1日間、静置培養しておいた(L)の培養液の2
ミリ・リットル(ml)を、500ml容の三角フラス
コ中の、このDifco改変培地の300mlに加え、
90rpmなる回転振とう培養機にて、37℃で以て培
養した。
【0027】定期的に、発酵液を採取し、L−乳酸濃度
と、グルコース濃度とを、酵素電極法で以て分析した。
【0028】培養開始後32時間にして、L−乳酸濃度
が16.3g/リットル(l)で、かつ、グルコース濃
度が2.5g/lとなったので、培養を中断し、発酵液
を高速冷凍遠心分離機に掛け、15,000Gで以て1
5分間、遠心処理せしめることによって(L)を除去
し、277mlなる量の発酵上澄液を収得した。
【0029】次いで、この発酵上澄液に、Difco改
変培地にて1日間、静置培養しておいた(R)の培養液
の2mlと、炭酸カルシウムの0.6gとを加え、37
℃、90rpmなる条件で以て8時間培養し、最終発酵
液を得た。
【0030】この発酵液中の、グルコース、L−乳酸お
よびD−乳酸の各濃度を、液体クロマトグラフィーによ
って分析せしめた処、それぞれ 0.22g/l、1
6.1g/lおよび2.1g/lであって、目標のL−
乳酸:D−乳酸=9:1に、ほぼ、匹敵する比率を持っ
た乳酸を、高収率で以て、得ることが出来た。
【0031】実施例 2 L−乳酸:D−乳酸=9:1の乳酸の生産を目的とし、
それぞれ、L−乳酸生産菌(L)としては、「ラクトバ
チルス・カゼイ ATCC11443」を、D−乳酸生
産菌(R)としては、「スポロラクトバチルス・イヌリ
ナス IFO13595」を用いた。
【0032】予備検討の結果、前者(L)の増殖至適温
度は32〜45℃であったし、後者(R)のそれは30
〜35℃であって、後者は、特に、43℃以上では、増
殖および乳酸発酵できないことが明きらかとなってい
る。
【0033】5l容の発酵槽2基を連結し、それぞれ、
第1発酵槽は(R)、第2発酵槽は(L)と第1発酵槽
より流入して来る(R)とによる、直列2槽連続発酵を
行なった。
【0034】まず、(D)を「IFO 803」改変培
地(糖源としては、乳糖の代わりに、グルコースを使用
し、炭酸カルシウムを、糖と等量で以て添加した。)を
用い、500mlの容三角フラスコ中で、35℃、90
rpmなる条件で以て、また、この(D)を「IFO
804」改変培地(炭酸カルシウムを、糖と等量で以て
添加した。)を用い、500ml容の三角フラスコ中
で、35℃、90rpmなる条件で以て、それぞれ、1
日間、振とう培養して種菌と為した。
【0035】第1発酵槽および第2発酵槽に、グルコー
スの5%、酵母エキスの0.5%、K2HPO4の0.1
%、MgSO4・H2Oの0.02%、MnSO4・46
2Oの0.001%およびFeSO4・7H2Oの0.
001%からなる殺菌培地を、それぞれ、1.2lおよ
び7.5lづつを仕込み、前者には(R)を、後者には
(L)を植菌せしめて、回分培養を行った。そのさい
の、基本的なる培養条件を、第1表に示す。
【0036】第2発酵槽の発酵温度は44℃なので、後
述する連続発酵において、第1発酵槽より第2発酵槽に
流入する(R)は、D−乳酸発酵を行えなかった。
【0037】
【表1】
【0038】回分発酵開始後の10時間より、第1発酵
槽に、上記と同組成の殺菌培地を連続的に供給し、ま
た、同量の発酵液を、第1発酵槽から第2発酵槽に流入
せしめ、さらに、第2発酵槽から、同量の発酵液を抜き
出すことによって、第1表と同様の発酵条件にて、連続
発酵に移行した。連続発酵移行後は、第1発酵槽から第
2発酵槽へ流入する発酵液(A)と、第2発酵槽から流
出する発酵液(B)とを、定期的に採取し、(A)のグ
ルコース濃度と、(B)のL−乳酸濃度とを、酵素電極
法で以て分析した。
【0039】そして、前者が4.5%に、後者が4.0
%以上になるようにして、培地流量ならびに発酵槽内液
量を調節した結果、第2表に示されるような連続発酵を
達成することが出来た。
【0040】
【表2】
【0041】第1表からも明かなように、第2発酵液
(B)における発酵液中のL−乳酸:D−乳酸の平均値
は、88.5:11.5となり、目標値に、ほぼ、匹敵
するものである。
【0042】実施例 3 L−乳酸:D−乳酸=9:1なる組成を持った乳酸の生
産を目的とし、L−乳酸生産菌(L)としては、「ラク
トバチルス・カゼイ ATCC11443」を、D−乳
酸生産菌(D)としては、「バチルス・デルブリュッキ
IFO 3534」を用いた。
【0043】5l容の発酵槽の一つである、第1発酵槽
に、セラミック製の分離膜〔平均孔径=0.2ミクロン
(μm)、膜面積=358cm2〕を取付け、もう一つ
の発酵槽である第2発酵槽と連結して、第1発酵槽内の
菌体(イ)の第2発酵槽への流入を防止し、第2発酵槽
では、専ら、(ロ)のみが発酵するようなシステムに
て、連続発酵せしめた。
【0044】実施例2と同様の条件で以て培養せしめ
た、(L)および(D)の種菌を、実施例2と同様の組
成になる培地の3.5lを仕込んだ、第1発酵槽と、第
2発酵槽とに、それぞれ、植菌せしめて、回分培養を実
施した。発酵条件は、第3表に示す通りである。
【0045】回分培養開始後の24時間から連続培養に
移行した。連続培養に当たっては、第1発酵槽から第2
発酵槽に流入する菌体分離発酵液中と、第2発酵槽より
流出する発酵液中との、それぞれのグルコース濃度を、
酵素分析計によって、オンライン分析し、これらが、そ
れぞれ、0.5%および0.02%となるように、流量
を、オンオフ制御した。その結果、第1発酵槽内の
(L)の菌濃度増加などのために、流量は変動したが、
第2発酵槽から流出する発酵液のグルコース、L−乳酸
およびD−乳酸の濃度は、それぞれ、1〜2.6g/
l、40.1〜45.3g/lおよび2.5−4.7
g/lとなり、目標のL−乳酸:D−乳酸に、ほぼ近い
平均値が得られた。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】各実施例が示すように、生産する乳酸の
光学特性の異なる、2種類以上の微生物を用い、しか
も、2段階以上の発酵経過を経ることによって、所定の
光学異性体比率を持った乳酸混合物を、効率よく、生産
することが出来るということが確認された。
【0048】したがって、本発明の方法は、従来型の乳
酸発酵プロセスに比し、製造費上、特に不利な面は無い
し、実用的に極めて高い、経済的な光学異性体の異なる
混合乳酸の製造法であると、位置付けることが出来よ
う。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 7/56 C12R 1:01)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物(A)を用いて乳酸発酵せしめ
    て、乳酸と糖とを含む発酵液を得たのち、ここに得られ
    た乳酸とは光学特性の異なる乳酸を生産する微生物
    (B)を用いて乳酸発酵せしめることを特徴とする、光
    学特性の異なる乳酸混合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 微生物(A)を用いて乳酸発酵せしめ
    て、乳酸と糖とを含む発酵液を得、次いで、この微生物
    (A)を除去あるいは不活性化せしめたのち、ここに得
    られた乳酸とは光学特性の異なる乳酸を生産する微生物
    (B)を用いて乳酸発酵せしめることを特徴とする、光
    学特性の異なる乳酸混合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 微生物(A)を用いて乳酸発酵せしめ
    て、乳酸と糖とを含む発酵液を得、次いで、この微生物
    (A)を除去あるいは不活性化せしめたのち、ここに得
    られた乳酸とは光学特性の異なる乳酸を生産する微生物
    (B)を用いて乳酸発酵せしめることから成り、上記微
    生物(A)を用いる乳酸発酵と、上記微生物(B)を用
    いる乳酸発酵とを、同一培養液で以て、それぞれ、別の
    発酵槽中で行うことを特徴とする、光学特性の異なる乳
    酸混合物の製造方法。
JP14425692A 1992-06-04 1992-06-04 光学異性体の異なる乳酸混合物の製造方法 Pending JPH05328983A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104451A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Toray Ind Inc 連続発酵によるd−乳酸の製造方法
JP2008131931A (ja) * 2006-11-01 2008-06-12 Toray Ind Inc 連続発酵による乳酸の製造方法
JP2008263945A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Toray Ind Inc 連続発酵による乳酸の製造方法

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