JPH05328750A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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Publication number
JPH05328750A
JPH05328750A JP4132343A JP13234392A JPH05328750A JP H05328750 A JPH05328750 A JP H05328750A JP 4132343 A JP4132343 A JP 4132343A JP 13234392 A JP13234392 A JP 13234392A JP H05328750 A JPH05328750 A JP H05328750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
mover
electrostatic actuator
gap
force
Prior art date
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Pending
Application number
JP4132343A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Kondo
雅俊 近藤
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication of JPH05328750A publication Critical patent/JPH05328750A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電アクチュエータにおいてより大きな駆動
力を得ると共により円滑な移動子の移動を可能とする。 【構成】 静電アクチュエータの固定子21の端部に超
音波振動子26を設け、該振動子26によって固定子2
1の表面に超音波定在波を発生させる。これにより、帯
状電極24と移動子30とのギャップd1を小さく設定し
てそれだけ横方向の駆動力を大きく確保するようにしな
がら、該ギャップd1が小さくなることによって通常なら
ば増大する摩擦力を低減でき、駆動力が大きいにも拘ら
ず摩擦の小さい円滑な移動が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクチュエータは主として電磁力
を利用したものであり、その特質上電磁コイルや永久磁
石等を備えなければならず、構造が複雑で、又消費電力
も非常に大きいものであった。このため、アクチュエー
タよりの発熱量も大きかった。
【0003】そのため、電磁式に比べ、低消費電力、高
効率、小型化可能という面から、静電モータや静電アク
チュエータが注目されている。
【0004】静電モータとしては、誘電体を用いた誘導
モータや、誘電体の代わりに抵抗体を用いたモータが存
在している。誘電体を用いた誘導モータは、電界内にお
かれた誘電体が分極することに着目し、その分極の時間
遅れを利用したものである。又、抵抗体を用いたモータ
は回転電界内で抵抗体内に誘導される電荷が、電界の向
きに対して遅れることを利用したものである。
【0005】しかしながら、従来の静電モータは、固定
子と回転子とを具備し、ある程度のギャップを有する回
転機構を必須としている。そのため、そのギャップを保
持するために軸受等の機構を用い、より均一なギャップ
の保持のためには固定子、回転子の剛性を高くする必要
がある。従って、上記装置をコンパクトに構成すること
が難しく、又、その力密度も低いものであった。
【0006】以上のような状況に鑑み、電界内に置かれ
た誘電体の分極の時間遅れを利用して固体表面間で静電
気力を発生させ、該静電気力によりアクチュエータとし
ての駆動力を得る静電アクチュエータが特開平2−28
5978号公報に提案されている。
【0007】この静電アクチュエータは、図4、図5に
示すように、固定子1と移動子10を有する。
【0008】固定子1は、フィルム状の絶縁体2内に複
数の帯状電極4を一定ピッチで配列したものである。
又、移動子10は、絶縁体層11と高抵抗体層12とか
らなるもので、固定子1の上に載置されている。そし
て、この静電アクチュエータは、図示しない駆動制御回
路によって帯状電極4への印加電圧を切り換えることに
より、固定子1と移動子10との間に静電気力を発生さ
せ、それにより移動子10を、固定子1から浮上させて
動かすようになっている。
【0009】次に、この静電アクチュエータの動作を図
6を参照して説明する。
【0010】まず、図6(a)に示すように、固定子1
を構成する絶縁体2に埋め込まれた第1の電極群(I
相)である電極4a1、4a2、4a3に正電圧+Vを、第2
の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に負電圧
−Vを、第3の電極群(III 相)である電極4c1、4c
2、4c3に0Vを、それぞれ印加する。すると、始めは
電荷の存在していなかった高抵抗体層12内に電流が流
れ、高抵抗体層12と絶縁体層11の境界に電荷が誘導
され、平衡状態になる。
【0011】この電荷は、図6(b)の点線で示した位
置の鏡像電荷(反対極性の電荷)で置き換えることがで
きる。この状態で、移動子10は固定子1に吸引されて
いる。この段階を充電ステップと言う。
【0012】次に、図6(c)に示すように、各電極へ
の印加電圧を切り換える。つまり第1の電極群(I相)
である電極4a1、4a2、4a3に負電圧−Vを、第2の電
極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に正電圧+V
を、第3の電極群(III 相)である電極4c1、4c2、4
c3に負電圧−Vを、それぞれ印加する。すると、各電極
内の電荷は瞬時に移動するが、高抵抗体層12に誘導さ
れた鏡像電荷は、同層材料の抵抗値が高いためにすぐに
は移動しない。したがって、電極4a1、4b1、4a2、4
b2上の電荷と、その直上の移動子10上の鏡像電荷とが
同極性(同符号)となることにより、反発力が発生し、
移動子10は固定子1の表面から浮上する。
【0013】又、電極4c1上の負電荷と、隣接する電極
4b1の直上の鏡像正電荷とが異極性(異符号)となるこ
とにより互いに吸引し、同時に電極4c1上の負電荷と、
電極4a2の直上の鏡像負電荷とが同極性(同符号)とな
ることにより互いに反発するので、移動子10は右方向
の駆動力を受け、右に移動する。この段階を駆動ステッ
プと言う。
【0014】移動子10が右方向に1ピッチ移動する
と、図6(d)に示すように、電極4b1、4c1、4b2、
4c2の電荷と、それらの上の鏡像電荷とが異極性となる
ので、吸引力が働き、移動子10はその位置で位置決め
されて停止する。
【0015】移動子10が移動する間に鏡像電荷は拡散
するが、引き続いて図5(e)に示すように、第1の電
極群(I相)である電極4a1、4a2、4a3に0Vを、第
2の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に正電
圧+Vを、第3の電極群(III 相)である電極4c1、4
c2、4c3に負電圧−Vを、それぞれ印加することによ
り、移動子10上に再び鏡像電荷を誘導(充電)する。
この段階も充電ステップと言う。
【0016】そして、以下同様に、各電極群への印加電
圧を順次切り換えていくことにより、移動子10を1ピ
ッチずつ移動させる。
【0017】図7は、この例での各相へ印加する電圧の
時間変化を示す。駆動制御回路は、充電ステップと駆動
ステップを交互に実行することにより、充電と駆動を制
御する。
【0018】この静電アクチュエータは、移動子10に
は電極がなく、充電操作によって固定子1側の帯状電極
4のパターンを移動子10側に転写するようにしている
ので、固定子1と移動子10の位置合わせが不要であ
り、帯状電極4を高精度に加工する必要がないという点
で有益である。
【0019】又、固定子1と移動子10を接触させるこ
とで、固定子1と移動子10間の距離(ギャップ)を保
持しているので、その距離を極めて小さくすることがで
き、よって、薄形でコンパクトな構造にすることができ
る上、大きな力密度(単位当たりに発生する力)を得る
ことができるという点でも有益である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、日本機
械学会の1990年ロボティクス・メカトロニクス講演
会における「No.912静電フィルムアクチュエータの
特性(柄川索、樋口俊郎)」という論文によれば、前記
固定子1と移動子10間の距離(ギャップ)d につい
て、最適値が存在することが示されている。
【0021】即ち、上記論文によれば、「駆動時の発生
力(単位面積当りの力密度)は、ギャップd が小さくな
る程、横方向(移動方向)の駆動力は増大するが、垂直
方向の反発力は電極ピッチの約1/4のときに最大値と
なり、ギャップd がそれ以下では減少し、逆に吸引力と
なる。反発力が減少すると、固定子1及び移動子10間
の摩擦が増大するため、外部に取り出させる正味の駆動
力は減少する。」と記載され、実験的にも確認されてい
る。
【0022】このことは換言すると、従来の静電アクチ
ュエータでは、駆動力を大きくするためにギャップを小
さくしても、該ギャップd があまり小さ過ぎると逆に吸
引力が作用することになって摩擦力の増大につながり、
それ故結果的にマイナス効果となってしまうという問題
があったということである。
【0023】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、ギャップdの大きさに関する上
述したような相容れない問題を合理的に解消し、簡単な
構造でより駆動力を増大することのできる静電アクチュ
エータを提供し、上記課題を解決したものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁体内に複
数の帯状電極を配列してなるフィルム状の固定子と、該
固定子上に載置されるフィルム状の移動子と、前記帯状
電極への印加電圧の切り換えにより固定子と移動子との
間に静電気力を発生させ、それにより前記移動子を固定
子から浮上させて帯状電極の配列方向に沿って移動させ
る駆動回路とを、を備えた静電アクチュエータにおい
て、前記固定子の一部に超音波振動子を設け、固定子表
面に超音波定在波を励振させるように構成したことによ
り、上記課題を解決したものである。
【0025】なお、前記超音波振動子としては、ランジ
ュバン型超音波振動子を用いることができる。
【0026】又、前記固定子の一部を圧電材料で構成す
ることによって、この圧電材料に超音波振動子としての
機能を持たせるようにしてもよい。
【0027】
【作用】図3に固定子21に発生する超音波定在波を図
示する。固定子21と移動子30とにギャップ(より具
体的には帯状電極24と移動子30とのギャップ)d
は、従来より小さい値に設定されている。
【0028】これにより、横方向の駆動力の増大を得る
ことができる。
【0029】このようにギャップd が小さくなると、垂
直方向Yの吸引力が増大して従来はこの吸引力が摩擦を
増大させるため、移動の際の性能に悪影響を及ぼしてい
た。
【0030】しかしながら、この発明においては、超音
波振動子26によって励振された超音波振動が図3に示
されるような超音波定在波を固定子21の表面に発生さ
せることにより、移動子30が固定子21上に浮上がっ
たような状態となる。言換えれば、両者の間の接触面積
が減少し、摩擦力が小さくなると言える。
【0031】即ち、固定子表面に超音波振動を発生さ
せ、移動子との間の摩擦力を小さくすることにより、横
方向の駆動力の100%近くが有効に作用するため、静
電アクチュエータの力密度を増大させることができ性能
向上を図ることができるものである。
【0032】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0033】図1に本発明の第1実施例を示す。
【0034】図において符号21が固定子、22が絶縁
体、24が帯状電極、30が移動子である。なおこの符
号は「作用」の項での説明に用いた図3に付されていた
符号と同一の符号としてある。
【0035】静電アクチュエータ自体の基本的な構造は
従来と特に異なるところはない。ただ、固定子21と移
動子30とのギャップd1が従来の値d より小さな値に設
定されている。
【0036】一方、固定子21の端部にはランジュバン
型の超音波振動子26が配置され、この超音波振動子2
6によって超音波定在波を固定子21の表面に発生させ
ることができるようになっている。
【0037】この第1実施例は、このような構成が採用
されているため、まず従来より固定子21と移動子30
とのギャップd1が小さく設定されていることから横方向
の駆動力が従来以上となっている。一方、このようにギ
ャップd1を小さく設定すると、従来ならば垂直方向Yの
吸引力が増大してこの吸引力が摩擦を増大させるため移
動の際の性能に悪影響を及していたが、この実施例では
ランジュバン型の超音波振動子26によって励振された
超音波振動が前述の図3に示されるような超音波定在波
を固定子21の表面に発生させるため、移動子30がち
ょうど固定子21上に浮上がったような状態とされる。
換言すると、この超音波定在波により、両者間の接触面
積が減少するだけでなく、しかもその接触位置が常に移
動するような構成とされるため、両者間の摩擦力を非常
に低減することができ、移動子30の移動を非常に効率
的に行うことができるようになる。
【0038】次に、図2に本発明の第2実施例を示す。
【0039】この第2実施例では、固定子31の内部に
圧電材料27及び振動子電極28で構成される超音波振
動子29を配置するようにしている。この結果、非常に
コンパクトな形とでき、OA機器等に組込む場合に容易
である。なお、その他の構成は前記第1実施例と同様で
あるため図中で同一部位に同一符号を付すに止め、上記
説明を省略する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
固定子と移動子とのギャップを小さくしたことによる駆
動力の増強を得ながら、通常ならばそれによって発生す
る不具合を効果的に抑制することができ、非常に駆動力
が大きく、且つその移動が円滑な静電アクチュエータを
得ることができるようになるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略断面図
【図2】本発明の第2実施例を示す概略断面図
【図3】本発明によって固定子21の表面に超音波定在
波が発生している様子を示す断面図
【図4】従来の静電アクチュエータの構成を示す指図
【図5】図4のV−V線に沿う断面図
【図6】この種の静電アクチュエータの動作を順を追っ
て示す線図
【図7】上記アクチュエータに印加する電圧パターンを
示す線図
【符号の説明】
21、31…固定子 22…絶縁体 24…帯状電極 26…ランジュバン型超音波振動子 29…圧電材料を用いた超音波振動子 30…移動子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁体内に複数の帯状電極を配列してなる
    フィルム状の固定子と、該固定子上に載置されるフィル
    ム状の移動子と、前記帯状電極への印加電圧の切り換え
    により固定子と移動子との間に静電気力を発生させ、そ
    れにより前記移動子を固定子から浮上させて帯状電極の
    配列方向に沿って移動させる駆動回路とを、を備えた静
    電アクチュエータにおいて、 前記固定子の一部に超音波振動子を設け、固定子表面に
    超音波定在波を励振させるように構成したことを特徴と
    する静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記超音波振動子として、ランジュバン型
    超音波振動子を用いたことを特徴とする請求項1に記載
    の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】前記固定子の一部を圧電材料で構成し、該
    圧電材料に前記超音波振動子としての機能を持たせたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
JP4132343A 1992-05-25 1992-05-25 静電アクチュエータ Pending JPH05328750A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004332923A (ja) * 2003-04-18 2004-11-25 Canon Inc 動力伝達機構、動力伝達機構を備えた作動装置、および動力伝達方法

Cited By (2)

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