JPH0591762A - 静電アクチユエータの駆動制御装置 - Google Patents

静電アクチユエータの駆動制御装置

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JPH0591762A
JPH0591762A JP27195791A JP27195791A JPH0591762A JP H0591762 A JPH0591762 A JP H0591762A JP 27195791 A JP27195791 A JP 27195791A JP 27195791 A JP27195791 A JP 27195791A JP H0591762 A JPH0591762 A JP H0591762A
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JP
Japan
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voltage
mover
stator
phase
electrodes
Prior art date
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Pending
Application number
JP27195791A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Kondo
雅俊 近藤
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電アクチュエータの固定子と移動子間の距
離を小さくした場合にも、確実に大きな推進力が得られ
るようにする。 【構成】 静電アクチュエータは、絶縁体内に複数の帯
状電極を配列してなるフィルム状の固定子と、該固定子
上に載置されるフィルム状の移動子と、から構成され
る。このアクチュエータを駆動制御するための装置は、
充電ステップと駆動ステップを交互に実行する。充電ス
テップでは、前記帯状電極へ電圧を印加することにより
移動子に充電する。駆動ステップでは、印加電圧の切り
換えにより、固定子と移動子との間に静電気的反発力を
発生させて、それにより前記移動子を固定子から浮上さ
せて帯状電極の配列方向に沿って移動させる。そして、
ここでは駆動ステップの印加電圧を、充電ステップの印
加電圧よりも大きく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム状の薄形の静
電アクチュエータの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクチュエータは主として電磁力
を利用したものであり、その特質上電磁コイルや永久磁
石等を備えなければならず、構造が複雑で、又消費電力
も非常に大きいものであった。このため、アクチュエー
タよりの発熱量も大きかった。
【0003】そのため、電磁式に比べ、低消費電力、高
効率、小型化可能という面から、静電モータや静電アク
チュエータが注目されている。
【0004】静電モータとしては、誘電体の分極の遅れ
を利用した誘導モータや、誘電体の代わりに抵抗体を用
いたモータが存在している。誘導モータの原理は、電界
内におかれた誘電体が分極することに着目し、その分極
の時間遅れを利用したものである。又、抵抗体を用いた
モータは回転電界内で抵抗体内に誘導される電荷が、電
界の向きに対して遅れることを利用したものである。
【0005】しかしながら、従来の静電モータは、固定
子と回転子とを具備し、ある程度のギャップを有する回
転機構を必須としている。そのため、そのギャップを保
持するために軸受等の機構を用い、より均一なギャップ
の保持のためには固定子、回転子の剛性を高くする必要
がある。従って、上記装置をコンパクトに構成すること
が難しく、又、その力密度も低いものであった。
【0006】以上のような状況に鑑み、電界内に置かれ
た誘電体の分極の時間遅れを利用して固体表面間で静電
気力を発生させ、該静電気力によりアクチュエータとし
ての駆動力を得る静電アクチュエータが特開平2−28
5978号公報に提案されている。この静電アクチュエ
ータは、図3、図4に示すように、固定子1と移動子1
0を有する。
【0007】固定子1は、フィルム状の絶縁体2内に複
数の帯状電極4を一定ピッチで配列したものである。
又、移動子10は、絶縁体層11と高抵抗体層12とか
らなるもので、固定子1の上に載置されている。そし
て、この静電アクチュエータは、図示しない駆動制御回
路によって帯状電極4への印加電圧を切り換えることに
より、固定子1と移動子10との間に静電気力を発生さ
せ、それにより移動子10を、固定子1から浮上させて
動かすようになっている。
【0008】次に、この静電アクチュエータの動作を図
5を参照して説明する。
【0009】まず、図5(a)に示すように、固定子1
を構成する絶縁体2に埋め込まれた第1の電極群(I
相)である電極4a1、4a2、4a3に正電圧+Vを、第2
の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に負電圧
−Vを、第3の電極群(III 相)である電極4c1、4c
2、4c3に0Vを、それぞれ印加する。すると、始めは
電荷の存在していなかった高抵抗体層12内に電流が流
れ、高抵抗体層12と絶縁体層11の境界に電荷が誘導
され、平衡状態になる。この電荷は、図5(b)の点線
で示した位置の鏡像電荷(反対極性の電荷)で置き換え
ることができる。この状態で、移動子10は固定子1に
吸引されている。この段階を充電ステップと言う。
【0010】次に、図5(c)に示すように、各電極へ
の印加電圧を切り換える。つまり第1の電極群(I相)
である電極4a1、4a2、4a3に負電圧−Vを、第2の電
極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に正電圧+V
を、第3の電極群(III 相)である電極4c1、4c2、4
c3に負電圧−Vを、それぞれ印加する。すると、各電極
内の電荷は瞬時に移動するが、高抵抗体層12に誘導さ
れた鏡像電荷は、同層材料の抵抗値が高いためにすぐに
は移動しない。したがって、電極4a1、4b1、4a2、4
b2上の電荷と、その直上の移動子10上の鏡像電荷とが
同極性(同符号)となることにより、反発力が発生し、
移動子10は固定子1の表面から浮上する。又、電極4
c1上の負電荷と、隣接する電極4b1の直上の鏡像正電荷
とが異極性(異符号)となることにより互いに吸引し、
同時に電極4c1上の負電荷と、電極4a2の直上の鏡像負
電荷とが同極性(同符号)となることにより互いに反発
するので、移動子10は右方向の駆動力を受け、右に移
動する。この段階を駆動ステップと言う。
【0011】移動子10が右方向に1ピッチ移動する
と、図5(d)に示すように、電極4b1、4c1、4b2、
4c2の電荷と、それらの上の鏡像電荷とが異極性となる
ので、吸引力が働き、移動子10はその位置で位置決め
されて停止する。移動子10が移動する間に鏡像電荷は
拡散するが、引き続いて図5(e)に示すように、第1
の電極群(I相)である電極4a1、4a2、4a3に0V
を、第2の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3
に正電圧+Vを、第3の電極群(III 相)である電極4
c1、4c2、4c3に負電圧−Vを、それぞれ印加すること
により、移動子10上に再び鏡像電荷を誘導(充電)す
る。この段階も充電ステップと言う。
【0012】そして、以下同様に、各電極群への印加電
圧を順次切り換えていくことにより、移動子10を1ピ
ッチずつ移動させる。
【0013】図6は、この例での各相へ印加する電圧の
時間変化を示す。駆動制御回路は、充電ステップと駆動
ステップを交互に実行することにより、充電と駆動を制
御する。従来では、この図から分かるように、充電ステ
ップと駆動ステップを実行する際の電極への印加電圧を
等しく設定している。
【0014】この静電アクチュエータは次の利点を持
つ。
【0015】(1)移動子10には電極がなく、充電操
作によって固定子1側の帯状電極4のパターンを移動子
10側に転写するようにしているので、固定子1と移動
子10の位置合わせが不要であり、帯状電極4を高精度
に加工する必要がない。
【0016】(2)固定子1と移動子10を接触させる
ことで、固定子1と移動子10間の距離(ギャップ)を
保持しているので、その距離を極めて小さくすることが
できる。よって、薄形でコンパクトな構造にすることが
できる上、大きな力密度(単位当たりに発生する力)を
得ることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
静電気力を利用したアクチュエータの駆動力は、印加電
圧(v)の2乗に比例し、固定子と移動子間の距離
(d)に反比例することが分かっている。したがって、
この静電アクチュエータの駆動力を大きくし、力密度を
向上させようとする場合、固定子1と移動子10間の距
離(d)を小さくすればよい。
【0018】しかし、固定子1と移動子10間の距離d
を小さくして、図6に示した電圧印加パターンで駆動制
御を行った場合、帯状電極4への印加電圧を切り換えた
とき(駆動ステップ実行時)に、移動子10に既に誘導
されている電荷の影響が大きく、そのため逆に帯状電極
4側に移動子10の電荷と異極性の電荷が誘導されると
いう現象が起きる。そうすると、本来電極4と移動子1
0の間には反発力が働いて摩擦を低減しなければいけな
いのに、逆に吸引力が働いてより摩擦力が大きくなり、
そのため十分な推進力が得られなくなる、という問題を
生じることになる。
【0019】本発明は、そのような点を考慮し、静電ア
クチュエータの駆動力を大きくし力密度を向上させるた
めに、固定子と移動子間の距離を小さくした場合にも、
確実に大きな推進力が得られるようにした静電アクチュ
エータの駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁体内に複
数の帯状電極を配列してなるフィルム状の固定子と、該
固定子上に載置されるフィルム状の移動子と、を備え、
充電ステップにて、前記帯状電極へ電圧を印加すること
により移動子に充電し、駆動ステップにて、印加電圧の
切り換えにより固定子と移動子との間に静電気的反発力
を発生させてそれにより前記移動子を固定子から浮上さ
せて帯状電極の配列方向に沿って移動させ、該充電ステ
ップと駆動ステップとを交互に実行する静電アクチュエ
ータの駆動制御装置において、前記駆動ステップでの印
加電圧を、充電ステップでの印加電圧よりも大きく設定
したことにより、前記課題を解決するものである。
【0021】
【作用】前述したように、静電アクチュエータの駆動力
を大きくし、力密度を向上させるために、固定子と移動
子間の距離(d)を小さくすれば、移動子に既に誘導さ
れている電荷の影響で電極と移動子の間に吸引力が働い
て十分な推進力が得られなくなる。
【0022】そこで、本発明のように駆動ステップのと
き、移動子に電荷を充電した電圧より高い電圧を印加す
ると、電極を逆に誘導しようにもそれ以上に電極の電位
が高いため、異極性の電荷が誘導されなくなる。そし
て、同極性の電荷が蓄積されるようになり、吸引ではな
く反発力を作用させることができる。反発力が作用すれ
ば、摩擦が低減され、移動子を推進させる力が大きくな
り、アクチュエータの性能が向上することになる。
【0023】なお、駆動ステップ時の電圧をそのまま継
続して印加し続けると、その電圧で新たに電荷が充電さ
れることになり、次のステップでは更に高電圧を印加し
なければならなくなる。そのため、移動子が1ピッチ動
いた後は、再び電圧を下げて充電する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0025】図2は実施例の駆動制御装置の構成を示
す。静電アクチュエータ20は、第1の電極群(I相)
と、第2の電極群(II相)と、第3の電極群(III 相)
の3つの相を有しており、各相の電極は、駆動制御装置
Mの中のそれぞれ異なるアンプ21a 21b 21c に接
続されている。個々のアンプ21a 21b 21c への入
力電圧は、A/D変換器22を介してコンピュータ23
で制御する。そして、各相の電極への印加電圧を、図1
に示すような階段状のパターンで制御する。
【0026】すなわち、充電ステップにおいてある電圧
で移動子に誘導電荷を充電した後、電圧を切り換えて駆
動するステップのとき、充電電圧よりも高い電圧を瞬間
的に印加するのである。そのとき移動子は瞬時に1ピッ
チ分移動する。従って、移動子が動いた後、再び印加電
圧を前の充電電圧に下げる。このような複数の階段状の
電圧印加パターンを繰り返すことにより、移動子を駆動
していく。
【0027】このように駆動制御することにより、駆動
ステップのとき、確実に固定子と移動子との間に反発力
を発生させることができるようになり、それにより摩擦
を低減して大きな推進力を発生させることができる。従
って、固定子と移動子間の距離dを小さくして駆動力を
向上させる場合にも、大きな推進力を保証することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電アク
チュエータの駆動制御装置によれば、静電アクチュエー
タの駆動力を大きくし力密度を向上させるために、固定
子と移動子間の距離を小さくした場合にも、確実に大き
な推進力を発生させることができ、アクチュエータの性
能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例の駆動制御装置によ
る電圧印加パターンを示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例の駆動制御装置の構
成を示す図である。
【図3】図3は、ここで駆動制御の対象とする静電アク
チュエータの一例を示す概観図である。
【図4】図4は、同静電アクチュエータの側断面図であ
る。
【図5】図5は、この種の静電アクチュエータの動作を
順を追って示す図である。
【図6】図6は、従来の駆動制御装置による電圧印加パ
ターンを示す図である。
【符号の説明】
1…固定子、 2…絶縁体、 4…電極、 4a1,4a2,4a3,4b1,4b2,4b3,4c1,4c2,4
c3…電極、 10…移動子、 20…静電アクチュエータ、 M…駆動制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁体内に複数の帯状電極を配列してなる
    フィルム状の固定子と、該固定子上に載置されるフィル
    ム状の移動子と、を備え、充電ステップにて、前記帯状
    電極へ電圧を印加することにより移動子に充電し、駆動
    ステップにて、印加電圧の切り換えにより固定子と移動
    子との間に静電気的反発力を発生させてそれにより前記
    移動子を固定子から浮上させて帯状電極の配列方向に沿
    って移動させ、該充電ステップと駆動ステップとを交互
    に実行する静電アクチュエータの駆動制御装置におい
    て、 前記駆動ステップでの印加電圧を、充電ステップでの印
    加電圧よりも大きく設定したことを特徴とする静電アク
    チュエータの駆動制御装置。
JP27195791A 1991-09-24 1991-09-24 静電アクチユエータの駆動制御装置 Pending JPH0591762A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123292A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Dainippon Printing Co Ltd 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの制御方法、および固定子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123292A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Dainippon Printing Co Ltd 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの制御方法、および固定子

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