JPH06153535A - 静電フィルムアクチュエータ - Google Patents

静電フィルムアクチュエータ

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JPH06153535A
JPH06153535A JP30364992A JP30364992A JPH06153535A JP H06153535 A JPH06153535 A JP H06153535A JP 30364992 A JP30364992 A JP 30364992A JP 30364992 A JP30364992 A JP 30364992A JP H06153535 A JPH06153535 A JP H06153535A
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JP
Japan
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strip
electrodes
stator
electrode
strip electrodes
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Application number
JP30364992A
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English (en)
Inventor
Eiji Niikura
栄二 新倉
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の帯状電極を備えた絶縁性ベース材から
なる固定子基板の、高電圧印加による動作時の帯状電極
間の十分な絶縁性能や、安定した駆動力を得る。 【構成】 固定子基板を構成する複数枚の絶縁性ベース
材31〜34上に3極以上からなる所定のピッチ間隔で
設けられた平行パターンを形成する帯状電極4a,4
b,4cを、相異なる電極が交互に並列するよう配置す
るとともに、前記帯状電極を、前記絶縁性ベース材の一
方の表面に1極のみ設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙やフィルムを駆動ま
たは搬送する為の静電アクチュエータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図13は、特開平2−285978号公
報に記載された従来のフィルムを利用した静電アクチュ
エータの斜視図、図14は機能を説明するための構成
図、図15は具体的構成例の断面図である。図13およ
び図14において、1は固定子であって、後述する絶縁
体2に帯状電極4を設けたものである。2は固定子1を
構成する絶縁体であり、たとえばPETフィルム等が用
いられる。4は絶縁体2に設けられた複数からなる帯状
電極であり、10は固定子1上を動く移動子である。帯
状電極4は、互いに絶縁された帯状電極4a,4b,4
cの3極から構成されており、固定子1内に絶縁されて
埋め込まれている。移動子10は、絶縁体層11および
高抵抗体層12からなる。
【0003】具体的構成を図15についてさらに詳しく
述べる。図15において、3はガラスエポキシ基板であ
って、その上に帯状電極4a,4b,4cが同一表面上
に設けられている。5はガラスエポキシ基板3および帯
状電極4の表面に塗られたエポキシ樹脂であって、絶縁
体2の一部をなし、帯状電極4a,4b,4c間を絶縁
する。6および7はPETフィルムであって、ガラスエ
ポキシ基板3およびエポキシ樹脂5とともに絶縁体2を
構成している。
【0004】次に、動作を説明する。まず、帯状電極4
a,4b,4cにそれぞれ正または負の電圧を印加す
る。帯状電極4a,4b,4cは印加電圧の電極に応じ
て正負の電荷が帯電し、高抵抗体層12の帯状電極4
a,4b,4cにそれぞれ対向した位置に逆の電位が誘
電する。この状態では、固定子1と移動子10がそれぞ
れ逆の電位に帯電されているので吸引力が働いている。
【0005】次に、帯状電極4a,4b,4cの電位を
適切に切り換えることによって、固定子1と移動子10
の間には反発力が生じ、浮上力と吸引力により横方向へ
の力が作用し、移動子10は上記力によって帯状電極4
a,4b,4cの1ピッチ分だけ移動する。上記印加電
圧の電極の切り換えを繰り返すことによって、移動子1
0を固定子1に対して、所定の速度で所定の位置に駆動
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の静
電フィルムアクチュエータにおいては、帯状電極4a,
4b,4cに正負の電圧を印加するため、異なる電極間
には過大な電位差が生じる。さらに従来の静電アクチュ
エータにおいては、駆動力を増すためには印加電圧を上
げたり、帯状電極4a,4b,4cの間隔を狭める必要
があるが、この従来例では、帯状電極4a,4b,4c
がガラスエポキシ基板3の同一平面上に設けられている
ため、帯状電極間の距離が近接しており、十分な絶縁性
能が得られない。
【0007】また、この従来例では、エポキシ樹脂5を
塗布して帯状電極4a,4b,4c間の絶縁性を与えて
いるが、帯状電極間を完全に固体で絶縁することは不可
能であり、塗布むら等による絶縁性能の劣化も予想され
る。したがって、駆動力を高めるために、帯状電極4
a,4b,4cに印加する電圧を上げたり、帯状電極4
a,4b,4cの間隔を狭めたりすると、絶縁破壊が生
じる等の問題がある。
【0008】さらに、帯状電極4a,4b,4cのピッ
チに対する面積占有率を大きくすると、駆動力が増すこ
とが分かっているが、帯状電極4a,4b,4cの間隔
が狭くなるため絶縁破壊が生じる可能性がある。また、
構造的に隣合う帯状電極との間隙を0にすることは不可
能であるなどの問題点がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、隣合う帯状電極間の絶縁性能が
十分に得られ、高電圧を印加することが可能な静電アク
チュエータを得ることを目的とする。
【0010】また、安定した駆動力の得られる構造の静
電アクチュエータを得ることを目的とする。
【0011】さらに、隣合う異極の帯状電極との間隙を
最小0にすることができ、帯状電極を任意の電極幅にと
ることができて十分な駆動力が得られる静電アクチュエ
ータを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る静電アク
チュエータは、複数枚の各絶縁性ベース材の一面には1
極の帯状電極のみを設け、少なくとも3極以上の帯状電
極が交互に並列するように各絶縁性ベース材を張り合わ
せて固定子を構成したものである。
【0013】また、帯状電極と移動子の高抵抗体層まで
の距離の2乗に比例して、帯状電極の幅を変えたもので
ある。
【0014】また、各帯状電極と移動子の高抵抗体層ま
での距離の2乗に比例して各帯状電極に印加する電圧の
絶対値を設定したものである。
【0015】さらに、複数枚の絶縁性ベース材から構成
され、少なくとも3極以上から成る前記絶縁性ベース材
上に設けられた平行パターン状の帯状電極を備えた固定
子において、隣合う異極の帯状電極との間隙を最小で0
にし、帯状電極を任意の幅に構成したものである。
【0016】
【作用】この発明による静電アクチュエータにおいて
は、動作時に帯状電極に正負の電圧を印加した際に、異
なる電圧が作用している帯状電極同志が、異なるフィル
ム面上に構成されているため、相互に十分絶縁されてい
る。
【0017】また、各帯状電極の幅を、各帯状電極から
移動子の高抵抗体層までの距離の2乗に比例した幅に形
成したので、各帯状電極に対向する固定子表面での電界
密度が一様になる。
【0018】また、各帯状電極に印加する電圧の絶対値
を移動子の高抵抗体層までの距離の2乗に比例した値に
したので、各帯状電極に対向する固定子表面での電界密
度が一様になる。
【0019】また、3極以上からなる帯状電極の隣合う
電極が異なるフィルム面に存在するため、隣合う異極の
帯状電極との間隙を最小で0になるまで、帯状電極の幅
を任意の値にすることができる。
【0020】
【実施例】 実施例1.以下、本発明の実施例1について説明する。
図1は実施例1を示す静電アクチュエータの概観図、図
2は静電アクチュエータの構成図、図3は固定子1と移
動子10の具体的構成図、図4は断面図である。図にお
いて、上記従来装置と同一または相当部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。図1において、
20は電極の切換えを制御するコンピュータ、21は電
極を切り換える回路、22は正電圧を与える直流電源、
23は負電圧を与える直流電源である。
【0021】図2は実施例1の静電アクチュエータの構
成を示す斜視図で、1は固定子、4は帯状電極であり、
3極の帯状電極4a,4b,4cを備えている。10は
固定子1上を移動する移動子である。また、図3は実施
例1の具体的構成を示す斜視図で、本実施例1では、絶
縁性ベース材31,32,33,34にポリイミドフィ
ルムを利用しており、図4に示すように、ポリイミドフ
ィルム32の上面に帯状電極4a、下面に帯状電極4
b、ポリイミドフィルム33の下面に帯状電極4cがそ
れぞれエッチングによって設けてある。これら3極の帯
状電極4a,4b,4cは、それぞれ近接する他の帯状
電極と重なり合うことなく所定のピッチで平行に配置し
てある。35,36,37は帯状電極4a,4b,4c
間の湿式レジストとしてのシリコンであり、ポリイミド
フィルム31,32,33,34の間にシリコン35,
36,37を塗布し、張り合わせたものを固定子1とし
ている。帯状電極4a,4b,4cは、それぞれ近接す
る帯状電極間が、固体の絶縁物質であるポリイミドフィ
ルムによって十分に絶縁されている。また、移動子10
は、図3に示すように、絶縁体層11と高抵抗体層12
からなり、高抵抗体層12には帯電防止材を抵抗体とし
て塗布してある。
【0022】直流電源22,23は、電極切換回路21
に接続されており、正負の電圧を供給している。電極切
換回路21は、コンピュータ20によって制御されてお
り、直流電源22,23から供給された電圧の正負の極
性の切り換えをおこなう。また、固定子1の帯状電極4
a,4b,4cは、それぞれ電圧の正負の極性を切り換
える電極切換回路21に接続されている。移動子10
は、固定子1の上面に接触した状態で設置される。
【0023】次に、この静電アクチュエータの動作原理
について説明する。図5(a)〜図6(b)は、実施例
1の静電アクチュエータの動作原理図である。図5
(a)は初期状態を示す。図において、固定子1上に移
動子10が接触した状態で設置してあり、帯状電極4
a,4b,4cには直流電源22,23から電圧は印加
されていない。
【0024】図5(b)は帯状電極4a,4b,4cに
電圧を印加した状態を示す図で、帯状電極4aには正電
圧+V、帯状電極4bには負電圧−V、帯状電極4cに
は0Vをそれぞれ印加する。このとき、移動子10の高
抵抗体層12には、帯状電極4a,4b,4cが帯電し
た電荷の量に応じて帯状電極4a,4b,4cに対向し
ている部分に電荷が誘導され、帯電された状態になる。
この操作を充電と呼ぶ。
【0025】図5(c)は帯状電極4a,4b,4cに
印加する電圧の極性の切り換えを示した図である。図に
示すように、帯状電極4aは負電圧−V、帯状電極4b
は正電圧+V、帯状電極4cは負電圧−Vにそれぞれ印
加電圧の極性を切り換える。帯状電極4a,4b,4c
内に帯電していた電荷は、印加電圧の切り換えと同時に
移動するが、高抵抗体層12の帯状電極4a,4b,4
cに対向している部分に帯電していた電荷は、抵抗値が
高いので瞬時に移動することができない。この時、帯状
電極4a,4bの電荷と、それに対向している高抵抗体
層12に帯電された電荷とは互いに同符号となって反発
しあい、移動子10は固定子1から浮き上がる。そし
て、帯状電極4bの+電荷と、帯状電極4aに対向して
いる高抵抗体層12上の−電荷と、帯状電極4cの−電
荷と帯状電極4bに対向している高抵抗体層12上の+
電荷とは互いに吸引し合い、また、帯状電極4aに対向
している高抵抗体層12上の−電荷と、それに最も隣接
した帯状電極4cの−電荷とは反発し合うので、移動子
10は右方向に1ピッチ移動する。図6(a)はこの移
動後の状態を示す図である。図のように、帯状電極4
a,4b,4cの電荷と、高抵抗体層12上の電荷とは
相互に異極なので吸引しあい、移動子10は停止する。
【0026】さらに、帯状電極4a,4b,4cに印加
する電圧の極性を図6(b)のように切り換える。図6
(b)は再充電した状態を示す図である。図に示すよう
に、帯状電極4aには0V、帯状電極4bには正電圧+
V、帯状電極4cには負電圧−Vをそれぞれ印加して再
充電すると、高抵抗体層12上の帯状電極4a,4b,
4cにそれぞれ対向している部分には、0,−,+の電
荷が帯電する。
【0027】以下、上記と同様に、各帯状電極4a,4
b,4cに印加する電圧の極性の切り換えを繰り返し行
なうことによって、移動子10は帯状電極の1ピッチ分
ずつ浮上しながら移動する。
【0028】静電フィルムアクチュエータは、直流電源
22,23からの印加電圧の絶対値の大きさを大きくし
たり、帯状電極4のピッチ間距離を狭めたりすることに
よって移動子10の駆動力を増すとともに、滑らかな移
動が可能となる。本実施例1においては、帯状電極4
a,4b,4c間がポリイミドフィルムによって絶縁さ
れているため、大電圧の印加やピッチ間の隣接化をおこ
なっても、帯状電極が絶縁破壊を起こす可能性は少な
い。
【0029】実施例2.図7は、この発明の実施例2を
示す固定子基板の断面図である。上記実施例1では、固
定子1は絶縁性ベース材としてポリイミドフィルムを利
用しており、3極の帯状電極4a,4b,4cを、ポリ
イミドフィルムの片面に1極づつ設けたものであって、
図4に示したように、ポリイミドフィルム32の上面に
1極、下面に1極、ポリイミドフィルム33の下面に1
極が設けてあり、ポリイミドフィルムを4枚張り合わせ
た構成であったが、本実施例2でも、同様に、絶縁性ベ
ース材としてポリイミドフィルムを利用している。図7
に示すように、ポリイミドフィルム32の上面に帯状電
極4aを、ポリイミドフィルム33の上面に帯状電極4
bを、ポリイミドフィルム34の上面に帯状電極4cを
それぞれエッチングによって配置したものである。
【0030】図中のポリイミドフィルム31,32,3
3,34の間には、それぞれシリコン35,36,37
が湿式レジストとして塗られており、帯状電極4a,4
b,4c間は、それぞれポリイミドフィルム32,33
によって絶縁されている。この実施例2においても、上
記実施例1と同様に、3極の帯状電極はフィルムの片面
に1極設ける構成であるので、帯状電極4a,4b,4
c間で絶縁破壊を起こさず、移動子10は十分な駆動力
を得ることができる。
【0031】実施例3.図8は、本発明の実施例3を示
す固定子基板の断面図である。本実施例3は上記実施例
2と同様に、図8に示すように、ポリイミドフィルム3
2の上面に帯状電極4aを、下面に帯状電極4bを、ポ
リイミドフィルム34の上面に帯状電極4cをそれぞれ
エッチングによって配置したものである。各ポリイミド
フィルム間には、シリコン35,36,37が湿式レジ
ストとして塗られている。本実施例3においても、帯状
電極4a,4b,4cはポリイミドフィルム32,33
によって十分に絶縁されているため、電極間で絶縁破壊
を起こさず、移動子10は十分な駆動力を得ることがで
きる。
【0032】実施例4.図9は、本発明の実施例4を示
す固定子基板の断面図である。本実施例4は、絶縁性ベ
ース材としてポリイミドフィルムを利用しており、ポリ
イミドフィルム上に帯状電極4a,4b,4cをエッチ
ングにより設けている。図に示すように、ポリイミドフ
ィルム31を絶縁体とし、ポリイミドフィルム32の上
面に帯状電極4aを、ポリイミドフィルム33の上面に
帯状電極4bを、ポリイミドフィルム34の上面に帯状
電極4cを配置し、ポリイミドフィルム31,32,3
3,34を張り合わせて固定子1としている。
【0033】また、移動子10の高抵抗体層12の表面
から、それぞれの帯状電極4a,4b,4cまでの距離
の2乗に比例して、帯状電極4a,4b,4cの幅をそ
れぞれ変えたものである。本実施例4では、帯状電極4
aが高抵抗体層12の表面から最も近いので電極幅を狭
くし、帯状電極4cが高抵抗体層12の表面から最も離
れているので電極幅を最大にしている。
【0034】静電アクチュエータの動作時に、帯状電極
4a,4b,4cに帯電する電荷の量は、帯状電極4
a,4b,4cの面積の大きさに比例する。また、移動
子10の高抵抗体層12に帯状電極4a,4b,4cの
電荷によって誘電されて帯電する電荷の量は、高抵抗体
層12と帯状電極4a,4b,4cの距離の2乗にそれ
ぞれ反比例している。つまり、高抵抗体層12と帯状電
極4a,4b,4cそれぞれの距離に応じて帯状電極の
幅と、面積を変化させることにより、高抵抗体層12上
での帯状電極4a,4b,4cが作る電界の大きさを一
様にすることが可能になり、そのようにすれば、電極の
切り換えによって生じる吸引力や反発力が高抵抗体層1
2上では一定になり、安定した駆動力を得ることができ
る。
【0035】実施例5.図10は、本発明の実施例5を
示す固定子基板の断面図、図11はその帯状電極に供給
する電圧切り換えのシーケンス図である。本実施例5
は、実施例2と同様の固定子を使用している。本実施例
5は、絶縁性ベース材としてポリイミドフィルムを利用
しており、ポリイミドフィルム上に帯状電極4a,4
b,4cをエッチングにより設けている。図10に示す
ように、ポリイミドフィルム31を絶縁体とし、ポリイ
ミドフィルム32の上面に帯状電極4aを、ポリイミド
フィルム33の上面に帯状電極4bを、ポリイミドフィ
ルム34の上面に帯状電極4cを配置し、ポリイミドフ
ィルム31,32,33,34を張り合わせて固定子1
としている。
【0036】また、移動子10の高抵抗体層12の表面
から、それぞれの帯状電極4a,4b,4cまでの距離
の2乗に比例して帯状電極4a,4b,4cへの印加電
圧の大きさを、それぞれ変えたものである。本実施例5
では、図11(a)〜(c)に示すように、帯状電極4
aが高抵抗体層12の表面から最も近いので、印加電圧
をVaにし、帯状電極4cが高抵抗体層12の表面から
最も離れているので、印加電圧をVcにしている。ただ
し、図中で、Va<Vb<Vcである。
【0037】固定子1の帯状電極4a,4b,4cに帯
電する電荷の量は、印加する電圧の大きさに比例する。
また、移動子10の高抵抗体層12に帯状電極4a,4
b,4cの電荷によって誘電されて帯電する電荷の量
は、高抵抗体層12と帯状電極4a,4b,4cの距離
の2乗に反比例している。つまり、高抵抗体層12と帯
状電極4a,4b,4cそれぞれの距離に応じて、印加
する電圧の大きさを変化させることにより、高抵抗体層
12上に帯状電極4a,4b,4cが作る電界の大きさ
が一様になるため、上記実施例4と同様に、電極の切り
換えによって生じる吸引力や反発力が一定になり、安定
した駆動力を得ることができる。
【0038】実施例6.図12は本発明の実施例6を示
す固定子基板の断面図である。本実施例6でも上記実施
例1と同様に、絶縁性ベース材としてポリイミドフィル
ムを利用している。図12に示すように、ポリイミドフ
ィルム32の上面に帯状電極4aを、ポリイミドフィル
ム33の上面に帯状電極4bを、ポリイミドフィルム3
4の上面に帯状電極4cをそれぞれエッチングによって
配置したものである。図中のポリイミドフィルム31,
32,33,34の間には、それぞれシリコン35,3
6,37が塗られており、帯状電極4a,4b,4c間
は、それぞれポリイミドフィルム32,33によって絶
縁されている。本実施例5の固定子の構造上、帯状電極
4a,4b,4cがそれぞれ異なるフィルム面に存在す
るため、隣合う異極の帯状電極との間隙が0になるまで
帯状電極の幅を広げることが可能である。上記実施例4
では、帯電する電荷の量が帯状電極4a,4b,4cの
電極面積の大きさに比例すると述べたが、本実施例6で
は、帯状電極の幅を最大にする、つまり帯状電極の面積
を最大にするため、移動子10に誘電する電荷の量も最
大になり、安定した駆動力を得る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数枚の絶縁性ベース材から構成される固定子基板
と、相互に絶縁された3極以上からなる前記絶縁性ベー
ス材上に所定のピッチ間隔で設けられた平行パターンの
帯状電極を、前記固定子基板上に相異なる電極が交互に
並列するよう配置された静電フィルムアクチュエータに
おいて、3極以上からなる帯状電極を、前記絶縁性ベー
ス材の片面に1極だけ設ける構成とするため、大電圧の
印加や印加電圧の切り換えによって起こる電極間の絶縁
破壊を防ぐことができる効果がある。
【0040】また、各帯状電極と高抵抗体層との距離の
2乗に比例して、各帯状電極の幅を変えたので、動作時
に、固定子表面の各帯状電極に対向する位置での電界密
度が一定になり、安定した駆動力が得られる効果があ
る。
【0041】また、各帯状電極に印加する電圧の絶対値
を、各帯状電極と高抵抗体層までの距離の2乗に比例し
た値にしたので、動作時に、固定子表面の各帯状電極に
対向する位置での電界密度が一定になり、安定した駆動
力が得られる効果がある。
【0042】また、複数枚の絶縁性ベース材上に設けら
れた3極以上からなる帯状電極の幅を、隣合う異極の帯
状電極との間隙が最小で0になるまで大きくできるの
で、所定の電極間ピッチにおいて、最大の駆動力を得る
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す静電アクチュエータの
概観図である。
【図2】実施例1の静電アクチュエータの斜視図であ
る。
【図3】実施例1の固定子と移動子の具体的構成を示す
斜視図である。
【図4】実施例1の固定子を示す断面図である。
【図5】実施例1の動作原理を説明するための図であ
る。
【図6】実施例1の動作原理を説明するための図であ
る。
【図7】本発明の実施例2の固定子を示す断面図であ
る。
【図8】本発明の実施例3の固定子を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の実施例4の固定子を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の実施例5の固定子を示す断面図であ
る。
【図11】実施例5の印加電圧の切り換えを示すシーケ
ンス図である。
【図12】本発明の実施例6の固定子を示す断面図であ
る。
【図13】従来の静電アクチュエータを示す斜視図であ
る。
【図14】従来の静電アクチュエータの機能を説明する
ための構成図である。
【図15】従来の静電アクチュエータを示す具体的構成
例の断面図である。
【符号の説明】
1 固定子 2 絶縁体 3 ガラスエポキシ基板 4 帯状電極 5 エポキシ樹脂 6 PETフィルム 7 PETフィルム 10 移動子 11 絶縁体層 12 高抵抗体層 20 コンピュータ 21 電極切換回路 22 直流電源(正電圧) 23 直流電源(負電圧) 31 ポリイミドフィルム 32 ポリイミドフィルム 33 ポリイミドフィルム 34 ポリイミドフィルム 35 シリコン 36 シリコン 37 シリコン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状の絶縁性ベース材の表面に所
    定のピッチ間隔でもって平行パターン状に形成された少
    なくとも3極の帯状電極を有する固定子と、この固定子
    の面上を移動する移動子とを備えた静電フィルムアクチ
    ュエータにおいて、前記3極以上の帯状電極を、前記複
    数枚の各絶縁性ベース材の一面には1極の帯状電極のみ
    を設けてなることを特徴とする静電フィルムアクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 フィルム状の絶縁性ベース材の表面に所
    定のピッチ間隔でもって平行パターン状に形成された少
    なくとも3極の帯状電極を有する固定子と、この固定子
    の面上を移動する移動子とを備えた静電フィルムアクチ
    ュエータにおいて、前記各極を構成する帯状電極の幅
    を、当該各帯状電極と移動子との距離の2乗に比例した
    幅に形成してなることを特徴とする静電フィルムアクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 フィルム状の絶縁性ベース材の表面に所
    定のピッチ間隔でもって平行パターン状に形成された少
    なくとも3極の帯状電極を有する固定子と、この固定子
    の面上を移動する移動子とを備えた静電フィルムアクチ
    ュエータにおいて、前記各帯状電極に印加する電圧の絶
    対値を、各帯状電極と移動子との距離の2乗に比例した
    値としたことを特徴とする静電フィルムアクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 複数枚のフィルム状の絶縁性ベース材の
    表面に所定のピッチ間隔でもって平行パターン状に形成
    された少なくとも3極の帯状電極を有する固定子と、こ
    の固定子の面上を移動する移動子とを備えた静電フィル
    ムアクチュエータにおいて、前記3極以上の帯状電極
    を、前記複数枚の各絶縁性ベース材の一表面には1極の
    帯状電極のみを設けるとともに、各帯状電極の幅を、隣
    り合う異極の帯状電極との間隔が最小で0になる幅に形
    成してなることを特徴とする静電フィルムアクチュエー
    タ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003244972A (ja) * 2002-02-21 2003-08-29 Toto Ltd 静電アクチュエータ

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JP2003244972A (ja) * 2002-02-21 2003-08-29 Toto Ltd 静電アクチュエータ

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