JPH0532848A - ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物

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JPH0532848A
JPH0532848A JP16684091A JP16684091A JPH0532848A JP H0532848 A JPH0532848 A JP H0532848A JP 16684091 A JP16684091 A JP 16684091A JP 16684091 A JP16684091 A JP 16684091A JP H0532848 A JPH0532848 A JP H0532848A
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butadiene
rubber
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based polymer
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Application number
JP16684091A
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Inventor
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
Mitsutoshi Toyama
満俊 遠山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定割合のブタジエン系重合体がポリスチレ
ンマトリックス中に粒子状に分散しており、かつ上記ブ
タジエン系重合体粒子が小粒子部分と大粒子部分の二つ
の山から成る粒子径分布を有するゴム変性ポリスチレン
であり、該小粒子部分のブタジエン系重合体粒子が、ブ
タジエン単位連鎖中に占めるシス1,4結合の割合が8
0モル%以上であり、その総数に占めるカプセル構造を
有する粒子の割合が80%以上であり、その総数に占め
る特定範囲にある粒子の割合が80%以上であり、該大
粒子部分のブタジエン系重合体粒子がサラミ構造を有
し、かつ重量平均粒子径が特定範囲にあり、ブタジエン
系重合体粒子の総重量中に占める該小粒子部分のブタジ
エン系重合体粒子の比率が特定割合であることを特徴と
するゴム変性ポリスチレン。 【効果】 光沢と機械的物性、特に低温時における衝撃
強度に優れた成形用スチレン系樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢と機械的物性に優れ
た樹脂組成物に関する。更に詳しくは光沢と耐衝撃性
(特に低温耐衝撃性)、剛性に優れたゴム変性ビニル芳
香族系樹脂組成物に関する。ブタジエン系重合体の存在
下に、スチレンを主成分とする単量体を攪拌もしくはシ
ェアーの存在下に塊状重合または塊状懸濁重合し、スチ
レン系重合体マトリックス中にブタジエン系重合体を粒
子状に分散させた耐衝撃性ポリスチレンなどのゴム変性
ビニル芳香族樹脂は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝
撃性に優れていることから、家電機器、OA機器を始め
多岐にわたり使用されてきた。
【0002】しかしながら上記ゴム変性ビニル芳香族樹
脂は、ABS樹脂に比して成形品の、耐衝撃性、剛性、
光沢が劣っているため、その改良が望まれていた。この
目的を達成するため、例えば特開昭52−86444号
公報には、ブタジエン系重合体のうち、特にブタジエン
単位連鎖中に占めるシス1,4結合が90%以上のハイ
シスポリブタジエンゴムを主成分とするゴムを使用し、
かつ分散ゴム粒子径を0.5〜2.5ミクロンに制御し
た光沢を改良したゴム変性ポリスチレンが提案されてい
る。上記公報に開示のゴム変性ポリスチレンは、変性用
ブタジエン系重合体として、ローシスポリブタジエンゴ
ムよりも低いガラス転移温度を有するハイシスポリブタ
ジエンゴムを用いているため、耐衝撃性、特に低温にお
ける耐衝撃性に優れるという利点があった。しかしなが
ら、分散ゴム粒子径が0.5ミクロン以上と未だ大きい
ため、依然としてABS樹脂よりも光沢が劣っていた。
【0003】一方、米国特許第4,493,922号明
細書、特開昭63−112646号公報、特開平1−2
61444号公報、特開平1−275649号公報、特
開平2−38435号公報、特開平2−38347号公
報には、ポリスチレン中にブタジエン系重合体が粒子状
に分散しており、その分散粒子が小粒子部分と大粒子部
分との二つの山からなる分布を示し、かつ小粒子部分が
カプセル構造であり、0.1〜0.6ミクロンの粒子径
を有することを特徴とするゴム変性ポリスチレンが提案
されている。これらの方法によるゴム変性ポリスチレン
は、従来のゴム変性ポリスチレンと比較すれば格段に優
れた光沢と耐衝撃性のバランスを有し、ABS樹脂の光
沢に一歩近づくものであった。しかしながら、これらの
方法はいずれも上記カプセル構造の小粒子を得る手段と
して、従来技術によるスチレン−ブタジエンブロック共
重合体、すなわちブタジエン単位連鎖中に占めるシス
1,4結合の含量が80モル%に満たないスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を用いているため、耐衝撃
性、特に低温における耐衝撃性が劣るという問題を残し
ていた。またABS樹脂と比較して、剛性が低いという
課題を残していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた光沢
と耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性および剛性に優
れたゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、特定構造のブタ
ジエン系重合体よりなる特定の粒子径分布及び粒子構造
を有するブタジエン系重合体粒子が、ビニル芳香族系重
合体マトリックス中に分散してなる構造を有するゴム変
性ビニル芳香族系樹脂組成物が本発明の目的を効果的に
達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、ブタジエン換算にて3〜3
0重量%のブタジエン系重合体、及び70〜97重量%
のビニル芳香族系重合体よりなり、該ブタジエン系重合
体が該ビニル芳香族系重合体のマトリックス中に粒子状
に分散しており、かつ前記ブタジエン系重合体の粒子径
が0.6ミクロン未満の小粒子部分と0.6ミクロン以
上の大粒子部分の二つの山から成る粒子径分布を有する
ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物であって、 A)該小粒子部分のブタジエン系重合体が、 A1)ブタジエン単位連鎖中に占めるシス1,4結合の
割合が80モル%以上であり、 A2)その総数に占めるカプセル構造を有する粒子の割
合が80%以上であり、 A3)その総数に占める0.1〜0.4ミクロンの範囲
にある粒子の割合が80%以上であり、 B)該大粒子部分のブタジエン系重合体粒子の重量平均
粒子径が0.8〜4.0ミクロンの範囲にあり、 C)ブタジエン系重合体粒子の総重量中に占める該小粒
子部分のブタジエン系重合体粒子の比率が60〜95重
量%であることを特徴とするゴム変性ビニル芳香族系樹
脂組成物である。
【0007】本発明においては、上記A)〜C)のいず
れの要件が欠けても発明の目的を達成することが出来な
い。以下本発明について詳しく説明する。本発明にいう
ビニル芳香族系重合体とは、ビニル芳香族単量体を主体
とする単量体単位と必要に応じこれと共重合可能なビニ
ル単量体単位を含有させてなる重合体である。
【0008】上記のビニル芳香族単量体とは、スチレン
のほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキ
ル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなど
を指すが、代表的なものとしては、スチレンの単独もし
くは、その一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量
体で置き換えた単量体混合物である。
【0009】また上記の共重合可能なビニル単量体とし
ては、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、iso−ブチルアクリレート、メチルメタクリ
レートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、メタ
クリル酸、アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン
酸、無水マレイン酸に代表されるα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、フマロニトリルなどの不飽和ニトリル単量体、N−
フェニルマレイミドに代表されるマレイミド系単量体を
挙げることが出来る。これらの共重合可能なビニル単量
体は前記ビニル芳香族系重合体中に10重量%を上限に
含有させることが出来る。含有量が10重量%を越える
場合には、後記するように、前記のブタジエン系重合体
の粒子の小粒子部分がカプセル構造とならず、本発明の
目的を達成することが出来ない。
【0010】本発明の樹脂組成物は、後記する特定構造
のブタジエン系重合体を上記ビニル芳香族単量体(及び
必要に応じて、これと共重合可能なビニル単量体を加え
た単量体の混合物。以下、ビニル芳香族単量体主体の単
量体混合物と略称する。)に必要に応じエチルベンゼ
ン、トルエンなどの不活性溶媒を加えた液に溶解し、最
終的に得られる樹脂組成物中のブタジエン系重合体の含
量が、ブタジエン換算にて3〜30重量%となるよう
に、塊状重合、溶液重合または塊状懸濁重合することに
より得られる。
【0011】ここにブタジエン換算の重量%とは、樹脂
組成物中のブタジエン系重合体の含量に、該ブタジエン
系重合体中のポリブタジエン含量を乗じたものである。
樹脂組成物中の該ブタジエン系重合体の含量の調整は、
定法に従い重合液中のブタジエン系重合体の含量及びビ
ニル芳香族単量体(またはビニル芳香族単量体主体の単
量体混合物)の転化率を制御することにより容易に調整
することが出来る。
【0012】先に述べたように、本発明の樹脂組成物は
前記ビニル芳香族系重合体のマトリックス中に、0.6
ミクロン未満の小粒子部分と0.6ミクロン以上の大粒
子部分の二つの山から成る粒子径分布を有するブタジエ
ン系重合体粒子が分散してなる構造を有するが、まず
A)小粒子部分のブタジエン系重合体粒子が、 A1)ブタジエン単位連鎖中に占めるシス1,4結合の
割合が80モル%以上であり、 A2)その総数に占めるカプセル構造を有する粒子の割
合が80%以上であり、 A3)その総数に占める0.1〜0.4ミクロンの範囲
にある粒子の割合が80%以上であることが必要であ
る。
【0013】小粒子部分のブタジエン系重合体粒子(以
後、小粒子ゴムと称する。)が、上記A1)〜A3)の
いずれかの条件を満足しない場合には、最終的に得られ
る樹脂組成物の物性が劣ったものとなる。小粒子ゴム
が、上記A1)の要件を満たさない場合には、樹脂組成
物の耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性が低いものと
なる。小粒子ゴム中のブタジエン単位連鎖中に占めるシ
ス1,4結合のより好ましい割合は85モル%以上であ
り、さらに好ましい割合は90モル%以上である。
【0014】また小粒子ゴムが、上記A2)の要件を満
たさない場合には、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝
撃性と光沢のバランスが劣ったものとなる。より好まし
くは、小粒子ゴムの総数に占めるカプセル構造を有する
粒子の割合が85%以上であり、さらに好ましくは90
%以上である。また小粒子ゴムが、上記A3)の要件を
満たさない場合にも、最終的に得られる樹脂組成物の耐
衝撃性と光沢のバランスが劣ったものとなる。より好ま
しくは、その総数に占める0.1〜0.4ミクロンの範
囲にある粒子の割合は90%以上である。
【0015】上記に於いて、小粒子ゴムのうち、A2)
及びA3)の要件を満たす粒子の割合は、樹脂組成物の
超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中のブ
タジエン系重合体粒子1000個の粒子を観察、粒子径
を測定し、粒子径が0.6ミクロンに満たない粒子の総
数に占めるカプセル構造粒子の数及び粒子径が0.1〜
0.4ミクロンの範囲にある粒子の数を求め、各々の粒
子の百分率を算出する。
【0016】次にB)大粒子部分のブタジエン系重合体
粒子(以後、大粒子ゴムと称する。)は、その重量平均
粒子径が0.8〜4.0ミクロンの範囲にあることが必
要である。大粒子ゴムの重量平均粒子径が0.8ミクロ
ンに満たない場合には、最終的に得られる樹脂組成物の
耐衝撃性が劣ったものとなる。また大粒子ゴムの重量平
均粒子径が4.0ミクロンを越える場合には、最終的に
得られる樹脂組成物の光沢が劣ったものとなる。より好
ましい大粒子ゴムの重量平均粒子径は1.0〜1.9ミ
クロンである。上記に言う重量平均粒子径は、樹脂組成
物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中
のブタジエン系重合体粒子のうち、粒子径が0.6ミク
ロン以上の粒子についてその粒子径を求め、次式により
算出する。
【0017】 重量平均粒子径=ΣNi・Di4 /ΣNi・Di3 (ここにNiは、粒子径がDiである0.6ミクロン以
上のブタジエン系重合体粒子の個数である。)なお、大
粒子ゴムの構造について特に制約は無く、公知のサラミ
構造のものを好適に用いることが出来る。
【0018】上記大粒子ゴムを形成するブタジエン系重
合体の種類に特に制約は無く、公知のブタジエン系重合
体、たとえばローシスポリブタジエンゴム、ハイシスポ
リブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンランダム共重
合ゴムなどを用いることが出来るが、本発明の目的から
は、ブタジエン単位連鎖中に占めるシス1,4結合の割
合が80モル%以上であるブタジエン系重合体であるこ
とがより好ましい。
【0019】次に上記小粒子ゴムと大粒子ゴムの比率に
関し、C)ブタジエン系重合体粒子の総重量に占める小
粒子ゴムの比率が60〜95重量%であることが必要で
ある。小粒子ゴムの比率が60重量%に満たない場合に
は、最終的に得られる樹脂組成物の光沢が劣ったものと
なる。また小粒子ゴムの比率が95重量%を越える場合
には、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性が劣った
ものとなる。小粒子ゴムのより好ましい比率は70〜9
0重量%である。
【0020】以上に述べた要件A)〜C)を満足するゴ
ム変性ビニル芳香族系樹脂組成物は、一般には前記A)
の要件を満足するゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物と
前記B)の要件を満足するゴム変性ビニル芳香族系樹脂
組成物を、前記C)の要件を満足するように混合するこ
とにより得ることが出来る。以下、本発明の樹脂組成物
の製法について順を追って説明する。
【0021】先ず上記A)の要件を満足するゴム変性ビ
ニル芳香族系樹脂組成物は、以下に述べる特定構造のブ
タジエン系重合体の存在下に前記ビニル芳香族単量体ま
たはビニル芳香族単量体主体の単量体混合物を攪拌下
に、塊状重合、溶液重合または塊状懸濁重合することに
より得ることが出来る。上記の特定構造のブタジエン系
重合体とは、 1)ブタジエンを主体とする重合体ブロック(以後、ポ
リブタジエンブロックと称する。)1個とスチレンを主
体とする重合体ブロック(以後、ポリスチレンブロック
と称する。)1個を有し、 2)該ブタジエン系重合体中のポリスチレンブロックの
含量が10〜40重量%、より好ましくは25〜35重
量%であり、 3)ブタジエン単位連鎖中中に占めるシス1,4結合の
割合が80モル%以上であるスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体である。
【0022】上記1)〜3)の要件のうち、1)及び
2)の要件は、前記の小粒子ゴムがカプセル構造の均一
な小粒子となる傾向を高め、樹脂組成物の光沢を高め
る。また3)の要件は樹脂組成物の耐衝撃性、特に低温
における耐衝撃性を高める。また上記スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体は、上記のポリブタジエンブロッ
クとポリスチレンブロックとの間に、ブタジエン単位と
スチレン単位の含量が漸減(または漸増)する部分を有
するブロック共重合体(当業者には、テーパー型ブロッ
ク共重合体として知られる。)であっても良い。
【0023】なお、上記ブタジエン系重合体の分子量に
特に制約は無いが、従来技術によるブタジエン系重合体
相当の50,000〜500,000の重量平均分子量
の範囲ならば好適である。上記1)〜3)の要件を満た
すスチレン−ブタジエンブロック共重合体は、以下に記
す特定の触媒を用いて、1,3−ブタジエンとスチレン
を特定の条件下に重合することにより得ることが出来
る。
【0024】上記の特定の触媒としては、希土類元素の
カルボキシレート、アルコラート、フェノラート、リン
酸塩、亜リン酸塩から選ばれた少なくとも一種と有機ア
ルミニウム化合物とルイス酸よりなる重合触媒を挙げる
ことができる。上記重合触媒において希土類元素として
は、セリウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、
ガドリウムを挙げることができるが、特にネオジム、プ
ラセオジウムが本発明に好適なブタジエン系重合体を得
るのに好ましい。
【0025】また上記重合触媒の成分のうち、希土類元
素のカルボキシレート、アルコラート、フェノラート、
リン酸塩、亜リン酸塩とは、各々下記一般式で示される
ものである。なお、以下の一般式においてLnは、セリ
ウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、ガドリウ
ムのいずれかの希土類元素を示す。 1)希土類元素のカルボキシレート;下記(1)式で示
されるカルボキシレート。
【0026】
【化1】
【0027】但し、Rは下記1−1)〜1−7)のいず
れかより選ばれる有機酸の残基である。 1−1)直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜17のア
ルキル基。 1−2)炭素数17の直鎖状アルケニル基。 1−3)フェニル基。
【0028】1−4)ベンジル基。 1−5)トリフェニルメチル基。 1−6)トリシクロヘキシルメチル基。 1−7)下記(2)式で示されるロジン酸の有機酸の残
基。
【0029】
【化2】
【0030】2)希土類元素のアルコラート; Ln−(O−R)3 (3) 但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基。 3)希土類元素のフェノラート;下記(4)式または
(5)式で示されるフェノラート、ナフトラート、チオ
フェノラート、チオナフトラート。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】(式中Yは、酸素またはイオウ原子、
1 ,R2 ,R3 またはR4 ,R5 ,R 6 は、水素また
は炭素数1〜20の炭化水素基である。) 4)希土類元素のリン酸塩、亜リン酸塩; Ln(Px)3 (6) 但し、Pxは下記(7)式、(8)式で表されるリン酸
または、亜リン酸の残基である。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】(ここでj,k,l,mは、0以上の整数
を表しそれぞれ同じであっても、異なっていても良い。
1 〜R4 は、水素原子、あるいは炭化水素基、あるい
は芳香族炭化水素基、あるいはアルコキシ基、あるいは
アルキルフェノキシを表し、R1とR2及びR3とR4は、
それぞれ同一の基であっても異なる基であっても構わな
い。)また上記一般式(I)の酸は、5価の有機リン酸
化合物を表し、一般には母体構造をとる5価のリン酸及
びそのモノあるいはジエステルの形で命名される。その
ような好ましい例としては、リン酸ジブチル、リン酸ジ
ペンチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン
酸ジオクチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リ
ン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、
リン酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p
−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコ
ール−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2エ
チルヘキシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エ
チルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−
ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ
ブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチ
ルヘキシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘキ
シル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニル
フェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホス
ホン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−p
−ノニルフェニル、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−
エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプ
チル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレ
イルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p
−ノニルフェニルホスフィン酸、ブチル(2−エチルヘ
キシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(1−
メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシ
ル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホス
フィン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−メチ
ルヘプチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウ
リルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニル
フェニルホスフィン酸等が挙げられる。
【0037】また上記(8)式で表される3価の有機リ
ン酸化合物の好ましい例としては、上記(7)式に例示
した5価の有機リン酸化合物の母体構造が、それぞれ亜
リン酸に置換された化合物を挙げることができる。上記
に例示した有機リン酸化合物のうちで、好ましい例とし
ては、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス
(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェ
ニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノ
ニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エ
チルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−
ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ
ブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチ
ルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−
ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィ
ン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(2−エチルヘ
キシル)(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−
エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸
が挙げられ、特に好ましい例として、リン酸ビス(2−
エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチ
ル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチル
ヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸が
挙げられる。
【0038】次に上記重合触媒の有機アルミニウム化合
物は、下記(9)式で表される。 AlR3-n n (9) (ここでnは0,1または2であり、Rは炭素数1〜8
個の炭化水素基、Hは水素原子である。)上記の好まし
い有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライ
ド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げら
れ、特に好ましいものは、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイ
ドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドであ
る。これらは2種以上の混合物であっても良い。
【0039】次に、上記重合触媒の一成分であるルイス
酸は、ハロゲン元素含有ルイス酸化合物や、ジメチルホ
ルムアミド、トリエチルアミンなどの化合物である。こ
れらの好ましいものとしては、周期律表の主族III
a,IVaまたはVaに属する元素のハライドないしは
有機金属ハライドが挙げられ、ハライドとしては、塩素
または臭素が好ましい。これらの化合物の例としては、
メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウム
ジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブ
ロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチル
アルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロラ
イド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイ
ド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニ
ウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライ
ド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、
五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン及び四塩化
錫、四塩化炭素、クロロホルム及び二塩化エチレンがあ
り、特に好ましいものとしてジエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチル
アルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロ
マイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド及びエチ
ルアルミニウムジブロマイド、四塩化炭素、クロロホル
ム、二塩化エチレンが挙げられる。
【0040】本発明の上記の触媒成分の好ましい構成比
は、各々を希土類元素/アルミニウム/ルイス酸のモル
比で表示して1/(2〜100)/(1〜6)が好まし
く、1/(5〜50)/(1.5〜5)の範囲が特に好
ましい。本発明で好適に用いられる上記触媒は極めて活
性が高く、使用する触媒量は重合すべき単量体2モル当
たり、希土類元素で表示して1.5×10-3モル以下が
好ましく、特に好ましい範囲は0.015×10-3
1.0×10-3モルである。
【0041】また上記の触媒はブタジエンの存在下、ま
たは不存在下に希土類元素のカルボキシレート、アルコ
ラート、フェノラート、リン酸塩、亜リン酸塩をルイス
酸の添加に先立って、有機アルミニウム化合物と予備反
応させることにより、活性を高めることもできる。この
予備反応は反応温度0〜100度Cで実施するのが好ま
しい。特に好ましい反応時間は0.05〜3時間であ
る。
【0042】次に上記触媒を用いて、本発明に好適なブ
タジエン系重合体を得る方法としては、1)不活性溶剤
の存在下に、上記触媒を用いてブタジエンの重合を進行
せしめ、ブタジエンの重合が実質的に終了した後に、ス
チレンを加え、重合反応を継続させる方法と、2)不活
性溶剤の不存在下または存在下に、上記触媒を用いて、
ブタジエンとスチレンの混合物の重合を進行させる方法
とがあり、いずれの方法によっても、目的のブタジエン
系重合体が得られる。1)の方法のよれば、ブロック性
の高いスチレン−ブタジエンブロック共重合体が得ら
れ、2)の方法によれば、(上記触媒が、ブタジエンを
優先的に重合させるため)ブタジエンに対するスチレン
の成分比が漸増する部分を有するテーパー型スチレン−
ブタジエンブロック共重合体が得られる。
【0043】1)、2)の方法における不活性溶剤と
は、上記ブタジエン系重合体の重合に不活性な溶剤であ
り、好ましいものとしてブタン、ペンタン、ヘキサン、
イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなど
の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチル
シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、あるいはベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族
炭化水素など、またはこれらの混合物である。
【0044】上記の不活性溶剤の量は、1)の方法にお
いてはブタジエン100重量部に対して300重量部以
上、より好ましくは400重量部以上である。また2)
の方法においては不活性溶剤の量は、ブタジエンとスチ
レンの混合単量体100重量部に対して200重量部以
下、好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは5
0重量部以下であり、実質的に不活性溶剤を使用しない
実施態様も可能である。
【0045】また2)の方法において、ブタジエンとス
チレンの比率は、各々1〜70重量部/99〜30重量
部、好ましくは5〜40重量部/95〜60重量部、特
に好ましくは10〜30重量部/90〜70重量部であ
る。特に不活性溶剤を使用しない実施態様においては、
10〜25重量部/90〜75重量部、好ましくは10
〜15重量部/90〜85重量部に調整される。
【0046】上記方法のいずれにおいても、ビニル芳香
族単量体の重合速度は、ブタジエンの重合速度に比して
遅いため、1)の方法においてはブタジエンの重合の実
質的終了後に引き続き行われるスチレンの重合は十分に
時間をかけて行う必要がある。また2)の方法において
も、ブタジエンとスチレンの混合物のうち、ブタジエン
の重合が優先的に進行し、未反応ブタジエン量の低下に
伴い、スチレンの重合が遅い速度で進行し、ブタジエン
系重合体中に取り込まれるようになる。従ってこの場合
も、重合時間を十分に取る必要があり、この点は重要で
ある。重合温度、触媒量などの条件にもよるが、1)、
2)のいずれの方法においても、ブタジエンの実質的な
重合終了後、更に5〜100時間重合を継続することが
好ましい。
【0047】重合温度は、1)、2)のいずれの方法に
おいても、30〜90度Cの範囲が好ましい。なお2)
の方法による場合は、ブタジエン系重合体は、未反応の
スチレン(及び不活性溶剤)の溶液として得られるの
で、必要に応じて他のビニル芳香族単量体や、これらと
共重合可能なビニル単量体を加えて、定法に従い、攪拌
下に熱重合または有機過酸化物の存在下に重合を行い、
所望のゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物を得ることが
出来る。(ブタジエン系重合体として、スチレン含量の
少ないスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用いる
場合には、有機過酸化物の存在下に重合を行う方が、カ
プセル構造粒子を得やすい。)上記の有機過酸化物とし
ては1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール
類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジ
アルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等
のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類、
シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド類、p−メンタハイドロパーオキサイド等のハイド
ロパーオキサイド類がある。
【0048】次に前記B)の要件を満足するゴム変性ビ
ニル芳香族系樹脂組成物は、定法に従いブタジエン系重
合体の存在下に、ビニル芳香族系単量体を攪拌下に重合
することにより得ることができる。本発明の樹脂組成物
は、以上に述べた方法により得られた前記A)の要件を
満足するゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物と前記B)
の要件を満足するゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物
を、前記C)の要件を満足するように配合することによ
り得ることができるが、変法として前記A)の要件を満
足する重合途中のゴム変性ビニル芳香族系樹脂の重合液
と前記B)の要件を満足する重合途中のゴム変性ビニル
芳香族系樹脂の重合液を、前記C)の要件を満足する割
合で混合し、引き続き重合を行うことにより、前記A)
〜C)の要件を満足するゴム変性ビニル芳香族系樹脂組
成物を、直接に、しかも連続的に得ることが出来る。
【0049】本発明の樹脂組成物には、ポリジメチルシ
ロキサンや高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸のアミド類
を添加することにより耐衝撃性を一段と高めることが出
来る。また本発明の樹脂組成物には、染顔料、滑剤、離
型剤、可塑剤、難燃剤などの添加剤を必要に応じて添加
することが出来る。
【0050】以下、実施例、参考例により、本発明をよ
り具体的に説明する。
【0051】
【実施例】以下の実施例、比較例では、下記の参考例に
示す方法により得たブタジエン系重合体を用いた。な
お、以下の参考例においてネオジムのリン酸塩化合物と
は、
【0052】
【化7】
【0053】で示される化合物のことである。 [ブタジエン系重合体の調整]
【0054】
【参考例1−ブタジエン系重合体Aの調整】乾燥窒素で
内部をパージした内容積20リットルのオートクレーブ
に2Kgの1,3−ブタジエンと8Kgのスチレンを仕
込んだ。続いてネオジムのリン酸塩化合物6ミリモル、
ジイソブチルアルミニウムハイドライド78ミリモルを
添加し、室温で15分間予備反応させた。さらにエチル
アルミニウムセスキクロライド6ミリモルを添加し、攪
拌下に60℃にて4時間、続いて80℃にて34時間重
合し、重合体濃度24重量%の粘稠な液を得た。単量体
の転化率は、1,3ブタジエンが99%、スチレンが6
%であった。またホモポリスチレンの生成量は、生成し
たブタジエン系重合体重量に対して2%であった。かく
して得られたブタジエン系重合体のスチレン溶液を後記
する実施例のゴム変性ポリスチレンの重合原液とした。
【0055】他方上記の生成ブタジエン系重合体の構造
解析を行った結果、スチレン含有量が20重量%、ブロ
ックスチレン量が14重量%のスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体であることが判明した。またブタジエン
単位連鎖の結合様式は、シス1,4結合91モル%、ト
ランス1,4結合7モル%、ビニル1,2結合2モル%
であった。また得られたスチレン−ブタジエンブロック
共重合体の重量平均分子量は20×104 であり、該
共重合体中のポリスチレンブロックの重量平均分子量は
3×104 であった。
【0056】
【参考例2−ブタジエン系重合体Bの調整】乾燥窒素で
内部をパージした内容積20リットルのオートクレーブ
に2Kgの1,3−ブタジエンと8Kgのスチレンを仕
込んだ。予め窒素で内部をパージした別の容器に、触媒
成分としてネオジムのリン酸塩化合物10ミリモル、
1,3−ブタジエン20g、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド130ミリモルを投入し、室温で15分間
予備反応させた後、エチルアルミニウムセスキクロライ
ド10ミリモルを加えた。30℃で3時間熟成後、この
触媒成分を前記の1,3−ブタジエンとスチレンの入っ
たオートクレーブに加え、60℃で20時間重合し、ブ
タジエン系重合体のスチレン溶液を得た。単量体の転化
率は、ブタジエンが99%、スチレンが3%であった。
ブタジエン系重合体の構造を表−1に示す。
【0057】
【参考例3−ブタジエン系重合体Cの調整】乾燥窒素で
内部をパージした内容積20リットルのオートクレーブ
に2Kgの1,3−ブタジエンと8Kgのシクロヘキサ
ンを仕込んだ。続いてネオジムのリン酸塩化合物6ミリ
モル、ジイソブチルアルミニウムハイドライド78ミリ
モルを添加し、室温で15分間予備反応させた。さらに
エチルアルミニウムセスキクロライド6ミリモルを添加
し、攪拌下に60℃にて4時間した。この時点でブタジ
エンの転化率は99%に達していた。続いてスチレン5
Kgを加え、80℃にて30時間重合し、高真空下に脱
揮することによりスチレン−ブタジエン共重合体Cを得
た。スチレンの転化率は12%であった。ブタジエン系
重合体Cの構造を表−1に示す。
【0058】
【参考例4−ブタジエン系重合体Dの調整】参考例1に
おいて、ブタジエン系重合体を得る条件として、重合時
間を60℃で2時間とするほかは同様にしてブタジエン
系重合体Dのスチレン溶液を得た。ブタジエン系重合体
Dの構造を表−1に示す。
【0059】
【参考例5−ブタジエン系重合体Eの調整】乾燥窒素で
内部をパージした内容積20リットルのオートクレーブ
に0.75Kgの1,3−ブタジエンと10Kgのシク
ロヘキサンを仕込んだ。続いてn−ブチルリチウムを
0.8g加え、重合液を昇温し3時間重合して1,3−
ブタジエンの全量を重合した後、スチレン0.25Kg
を加えて更に3時間重合した後、未反応のスチレン及び
シクロヘキサンを脱揮し、ブタジエン系重合体Eを得
た。ブタジエン系重合体Eの構造を表−1に示す。
【0060】なお、上記参考例1〜5のブタジエン系重
合体の構造解析については下記測定方法・手順に従っ
た。 ブタジエン及びスチレンの転化率:ブタジエン系重合
体を含有する重合終了後の重合体溶液をトルエンを含ん
だ密封容器に所定量採取し、ガスクロマトグラフによ
り、未反応のブタジエンの重量を求め、仕込みブタジエ
ンとの比率からブタジエンの転化率を求める。他方、重
合体溶液の所定量を高真空下230℃、30分間脱揮す
ることにより、固形分重量を求める。下式によりスチレ
ンの転化率を求める。
【0061】 CST=(S−FBD×CBD÷100)÷FST×100 ただし、CST:スチレンの転化率。 S:固形分重量。 FBD:仕込みブタジエン重量。 CBD:ブタジエンの転化率。
【0062】FST:仕込みスチレン重量。 重合終了後の溶液からのスチレン−ブタジエン共重合
体及びホモポリスチレンの分離:重合終了後の溶液をト
ルエンにて希釈し、次いでメチルエチルケトン/アセト
ンの45:55重量比の混合溶媒中に注ぎ、遠心分離操
作を行う。上澄み液及び沈殿物を各々50℃、真空下に
乾燥する。上澄み液中の重合体重量を算出し、生成した
ホモポリスチレンの重量を求める。また沈殿物の重量を
算出し、生成したスチレン−ブタジエン共重合体の重量
を求める。
【0063】スチレン−ブタジエン共重合体の組成:
で分離したスチレン−ブタジエン共重合体中のブタジ
エン、スチレンの重量比を赤外分光光度法により求め
る。スチレンの含有量は、700cm-1のベンゼン環に
基づく吸収から算出する。次いでモレロ法により、ブタ
ジエン単位連鎖中のシス1,4結合、トランス1,4結
合、ビニル1,2結合の割合を求める。
【0064】スチレン−ブタジエン共重合体中のポリ
スチレンブロックの定量:スチレン−ブタジエン共重合
体2重量部を四塩化炭素100重量部に溶解し、ジ−t
ert−ブチルハイドロパーオキサイド5重量部を加
え、更にオスミウムテトラオキサイドを0.01重量部
添加し、100℃で30分間加熱し、スチレン−ブタジ
エン共重合体中に存在する二重結合を完全み酸化分解さ
せる。こうして得られた溶液に多量のメタノールを加え
て沈殿物を濾過・乾燥し秤量し、スチレン−ブタジエン
共重合体中のポリスチレンブロックの含量(重量%)と
して算出する。 スチレン−ブタジエン共重合体及び同共重合体中のポ
リスチレンブロックの分子量:及びで分離したスチ
レン−ブタジエン共重合体及び同共重合体中のポリスチ
レンブロックの分子量を、定法に従いゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフにより、ポリスチレン換算の重量平
均分子量を求める。
【0065】
【実施例1】 [小粒子ゴム変性ポリスチレンの調整]前述の参考例に
て得たブタジエン系重合体Aのスチレン溶液に、スチレ
ン、エチルベンゼン及びα−メチルスチレン2量体、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの少量を加え、最終的に下記の
組成より成る重合原液を調整した。(単位は重量部数) ・ブタジエン系重合体A−−−−10.0 ・スチレン−−−−−−−−−−75.0 ・エチルベンゼン−−−−−−−15.0 ・α−メチルスチレン2量体−−0.03 ・1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン−−−−−−−−−−−−
0.03 上記の重合原液を、攪拌機付きの多段式重合機に連続的
に送液した。第一槽反応機出口の固形分濃度が38重量
%となるように反応機内温度を制御し、同時に第一槽反
応機の攪拌数を100rpmとして分散ゴム粒子径を調
整した。最終的に得られるゴム変性ポリスチレン中のブ
タジエン系重合体Aの含量がブタジエン換算にて、1
0.0重量%となるように、最終槽反応機出口の固形分
濃度を調整した。
【0066】次いで加熱真空下の脱揮装置に送り込み、
未反応のスチレン及びエチルベンゼンを除去し、押出機
にて造粒しペレット状のゴム変性ポリスチレン、S1を
得た。S1の平均ゴム粒子径は、0.20ミクロン、ゴ
ム粒子の殆どはカプセル構造を有していた。 [大粒子ゴム変性ポリスチレンの調整]前記小粒子ゴム
変性ポリスチレンの調整において、ブタジエン系重合体
として前記ブタジエン系重合体Dを用い、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンを0.02重量部とするほかは、同様にして
ブタジエン系重合体含量10.0重量%のゴム変性ポリ
スチレン、L1を得た。L1の重量平均ゴム粒子径は、
1.3ミクロンであり、また粒子はサラミ構造を有して
いた。
【0067】[樹脂組成物の調整]かくして得た小粒子
ゴム変性ポリスチレンS1、及び大粒子ゴム変性ポリス
チレンL1のペレットを85:15の重量比に配合し、
押出機にて造粒することにより、樹脂組成物を得た。前
記方法に従い、0.6ミクロン未満の小粒子部分のブタ
ジエン系重合体粒子の総数に占めるカプセル構造粒子の
割合、及び0.1〜0.4ミクロンの範囲にある粒子の
割合、0.6ミクロン以上の大粒子部分の重量平均ゴム
粒子径を求めた。次いで機械的物性、及び光沢を測定し
た。結果を表−2に示す。尚、機械的物性、及び光沢の
測定は以下の方法に従った。
【0068】・アイゾット衝撃強度:射出成形により試
験片を作成し、ASTMD256に準拠し、ノッチ付衝
撃強度を求める。測定温度は、23度C,−30度Cの
二条件で行なう。 ・曲げ弾性率:射出成形により試験片を作成しASTM
D256に準拠し、測定する。
【0069】・光沢度:射出成形により作成したAST
M D638のダンベル試験片のゲート部とエンド部の
光沢度を測定する。尚、光源の入射角は、慣用の60度
のほかに、20度の場合も測定した。(入射角が小さい
程、光沢値の差が大きくなり、より精密な比較が可能と
なる。)
【0070】
【実施例2】実施例1において、S1及びL1の配合比
を70:30の重量比とするほかは同様にして、樹脂組
成物を得た。物性測定結果を表−2に示す。
【0071】
【実施例3】大粒子ゴム変性ポリスチレンを得るに際
し、第1槽反応機の攪拌数を75rpmとするほかは、
実施例1と同様にして重量平均ゴム粒子径1.8ミクロ
ンの大粒子ゴム変性ポリスチレンL2を得た。かくして
得たL2を、実施例1のL1に代えるほかは、実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。物性測定結果を表−2
に示す。
【0072】
【実施例4】実施例1において、小粒子ゴム変性ポリス
チレンとして参考例2で得たブタジエン系重合体Bのス
チレン溶液をもとに調整したゴム変性ポリスチレン、S
2を用いる他は同様にして樹脂組成物を得た。なお、S
2の平均ゴム粒子径は、0.25ミクロンであり、ゴム
粒子の多くがカプセル構造を有していた。物性測定結果
を表−2に示す。
【0073】
【実施例5】実施例1において、小粒子ゴム変性ポリス
チレンとして参考例3で得たブタジエン系重合体Cをも
とに調整したゴム変性ポリスチレン、S3を用いる他は
同様にして樹脂組成物を得た。なお、S3の平均ゴム粒
子径は、0.20ミクロンであり、ゴム粒子の殆どがカ
プセル構造を有していた。物性測定結果を表−3に示
す。
【0074】
【比較例1】実施例1において、小粒子ゴム変性ポリス
チレンを得るに際して参考例4で得たブタジエン系重合
体Dのスチレン溶液を用い、かつ1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを0.05重量部とし、第一槽反応機の攪拌数を25
0rpmに高めて調整したゴム変性ポリスチレン、S4
を用いる他は同様にして樹脂組成物を得た。なお、S4
の平均ゴム粒子径は、0.5ミクロン未満であったが、
サラミ構造のものとカプセル構造のものが混在し、かつ
0.1ミクロン未満の超微粒子が多数認められた。物性
測定結果を表−3に示す。
【0075】
【比較例2】実施例1において、S1及びL1の配合比
を50:50の重量比とするほかは同様にして、樹脂組
成物を得た。物性測定結果を表−3に示す。
【0076】
【比較例3】実施例1において、小粒子ゴム変性ポリス
チレンとして参考例5で得たブタジエン系重合体Eをも
とに調整したゴム変性ポリスチレン、S5を用いる他は
同様にして樹脂組成物を得た。なお、S5の平均ゴム粒
子径は、0.20ミクロンであり、ゴム粒子の殆どがカ
プセル構造を有していた。物性測定結果を表−3に示
す。
【0077】
【比較例4】大粒子ゴム変性ポリスチレンを得るに際
し、第1槽反応機の攪拌数を25rpmとするほかは、
実施例1と同様にして重量平均ゴム粒子径5.6ミクロ
ンの大粒子ゴム変性ポリスチレンL3を得た。かくして
得たL3を、実施例1のL1に代えるほかは、実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。物性測定結果を表−4
に示す。
【0078】
【比較例5】大粒子ゴム変性ポリスチレンを得るに際
し、第1槽反応機の攪拌数を200rpmとするほか
は、実施例1と同様にして重量平均ゴム粒子径0.7ミ
クロンの大粒子ゴム変性ポリスチレンL4を得た。かく
して得たL4を、実施例1のL1に代えるほかは、実施
例1と同様にして樹脂組成物を得た。物性測定結果を表
−4に示す。
【0079】
【実施例5】実施例1で得た樹脂組成物100重量部
に、ポリジメチルシロキサン0.05重量部を配合し、
押出機にて造粒することにより、樹脂組成物を得た。物
性測定結果を表−4に示す。
【0080】
【実施例6】実施例1において、S−1及びL−1の配
合を90:10の重量比とし、さらにポリジメチルシロ
キサン0.05重量部を配合し、押出機にて造粒するこ
とにより、樹脂組成物を得た。物性測定結果を表−4に
示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明により得られる樹脂組成物は、従
来より知られているカプセル構造小粒子ゴムとサラミ構
造大粒子ゴムよりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
と比較して、光沢、耐衝撃性(特に低温耐衝撃性)及び
剛性のバランスがはるかに優れ、成形用素材として有用
である。これに対し、従来のハイシスポリブタジエンゴ
ムやスチレン(ブロック)含量の少ないハイシスポリブ
タジエン−スチレン共重合ゴムを用いて得られる、カプ
セル構造小粒子ゴムの少ない小粒子ゴム変性ポリスチレ
ンを用いる樹脂組成物は、光沢または衝撃強度が劣った
ものとなる。また、従来のローシスポリブタジエン−ス
チレンブロック共重合ゴムを用いて得られるカプセル構
造小粒子ゴム変性ポリスチレンを用いる樹脂組成物は、
光沢は良好であるが低温衝撃強度が劣ったものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における小粒子ゴム変性ポリスチレン
S1の電子顕微鏡写真の摸写図。
【図2】比較例1における小粒子ゴム変性ポリスチレン
S4の電子顕微鏡写真の摸写図。
【図3】比較例3における小粒子ゴム変性ポリスチレン
S5の電子顕微鏡写真の摸写図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ブタジエン換算にて3〜30重量%のブ
    タジエン系重合体、及び70〜97重量%のビニル芳香
    族系重合体よりなり、該ブタジエン系重合体が該ビニル
    芳香族系重合体のマトリックス中に粒子状に分散してお
    り、かつ前記ブタジエン系重合体粒子が0.6ミクロン
    未満の小粒子部分と0.6ミクロン以上の大粒子部分の
    二つの山から成る粒子径分布を有するゴム変性ビニル芳
    香族系樹脂組成物に於て、 A)該小粒子部分のブタジエン系重合体が、 A1)ブタジエン単位連鎖中に占めるシス1,4結合の
    割合が80モル%以上であり、 A2)その総数に占めるカプセル構造を有する粒子の割
    合が80%以上であり、 A3)その総数に占める0.1〜0.4ミクロンの範囲
    にある粒子の割合が80%以上であり、 B)該大粒子部分のブタジエン系重合体粒子の重量平均
    粒子径が0.8〜4.0ミクロンの範囲にあり、 C)ブタジエン系重合体粒子の総重量中に占める該小粒
    子部分のブタジエン系重合体粒子の比率が60〜95重
    量%であることを特徴とするゴム変性ビニル芳香族系樹
    脂組成物。
JP16684091A 1991-07-08 1991-07-08 ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物 Withdrawn JPH0532848A (ja)

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