JPH1045817A - 安定な遊離ラジカルと遊離ラジカル開始剤との存在下での重合 - Google Patents
安定な遊離ラジカルと遊離ラジカル開始剤との存在下での重合Info
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- JPH1045817A JPH1045817A JP9137616A JP13761697A JPH1045817A JP H1045817 A JPH1045817 A JP H1045817A JP 9137616 A JP9137616 A JP 9137616A JP 13761697 A JP13761697 A JP 13761697A JP H1045817 A JPH1045817 A JP H1045817A
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Abstract
低いポリマーまたはコポリマーが高速で得る。 【解決方法】 安定な遊離ラジカルと、〔化1〕で表さ
れる開始剤の存在下で少なくとも1種のモノマーをラジ
カル重合または共重合するポリマーまたはコポリマーの
製造方法: 【化1】 (ここで、R1 とR2 はアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基またはアラルキル基を表し、互いに同一
でも異なっていてもよい)
Description
ルと重合開始剤との存在下で(共)重合可能な少なくと
も1種のモノマーをラジカル重合する方法に関するもの
である。
するとポリマー鎖の成長を制御でき、一般には多分散性
が低いポリマーすなわちアニオン重合で得られるような
共通単位近傍の多分散性を有するポリマーが得られる。
しかし、安定な遊離ラジカルが存在すると反応速度が大
幅に減くなり、例えば平均重量が50,000以上の高い分子
量を有するポリマーを得るのが困難になり、実際には不
可能になる。この問題点を解決するために重合開始剤を
添加する試みが行われているが、重合可能なモノマーと
安定な遊離ラジカルとを含む混合物で現在までに用いら
れてきた重合開始剤は副反応の原因となり、安定な遊離
ラジカルおよび重合開始剤の一部が破壊され、不純物が
生成して最終ポリマーの外観が損われる原因になる。重
合開始剤はこの副反応のためほとんど効果がなく、反応
時間が長くなり、高分子量のポリマーを得るのは困難で
ある。しかも、最終ポリマーは着色し、大抵は不透明で
ある。
始剤としてのベンゾイルペルオキシドの存在下で重合す
る方法が記載されている。この方法で得られるポリマー
は数平均分子量が60,000以下、重量平均分子量が70,000
以下で、黄変指数が高い。米国特許第 4,581,429号には
成長するポリマー鎖の形成を制御する重合方法が記載さ
れている。しかし、この方法ではアルコキシアミンを作
る必要があり、得られるオリゴマーの分子量は10,000以
下である。この方法はモノマーのポリマーへの変換率が
低い。WO 95/26987 、米国特許第 5,412,047号、米国特
許第 5,449,724号および BR9400671 にも関連の記載が
ある。
公知文献では重合開始剤は必須要因として考えられてい
ない。本発明方法では重合開始剤は必須要因であり、本
発明はこの点で新規である。本発明者は上記の問題点を
解決することができる重合開始剤のグループを発見し
た。本発明方法では重合開始剤の役目をより効率的にす
ることができ、反応が高速になり、ASTM D 1925 規格に
よる黄変指数が低いポリマーまたはコポリマーが得られ
る。
ジカルと、〔化2〕で表される開始剤の存在下で少なく
とも1種のモノマーをラジカル重合または共重合するポ
リマーまたはコポリマーの製造方法を提供する:
キルアリール基またはアラルキル基を表し、互いに同一
でも異なっていてもよい)
香族環を有するのが好ましい。開始剤が1時間で半減す
る温度は80〜150 ℃が好ましく、さらには100 〜130℃
が好ましい。開始剤の例としては下記が挙げられる: (a) ジ−tertブチルペルオキシド (b) tertブチルクミルペルオキシド (c) ジクミルペルオキシド 特に適した開始剤はジクミルペルオキシドである。
マーの重量に対して50〜50,000ppmの重量比率で重合ま
たは共重合の混合物に導入することができる。安定な遊
離ラジカルは、寿命が瞬間的(数ミリ秒)な遊離ラジカ
ル、例えばペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾ型
の開始剤のような通常の重合開始剤から生じる遊離ラジ
カルと混同してはならない。重合開始剤であるラジカル
は重合を加速し、安定な遊離ラジカルは一般に重合を減
速する。本発明では一般に、重合開始剤ではなく、しか
も、本発明の使用条件下でラジカルの平均寿命が少なく
とも5分である場合に遊離ラジカルはる安定していると
いうことができる。この平均寿命中に、安定な遊離ラジ
カル分子はラジカルの状態と共有結合でポリマー鎖と結
合した結合状態とを常時交互に繰り返している。本発明
では安定な遊離ラジカルが使用中に良好な安定性を有し
ているのが好ましいということは理解できよう。一般に
安定な遊離ラジカルは室温でラジカルの状態で単離する
ことができる。
剤の役目をする化合物で、安定なニトロキシド基すなわ
ち〔化3〕〔化4〕で表されるような=NO* 基を有す
る基を有する化合物である:
1 およびR' 2 は塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子、アルキル基またはフェニル基等の飽和または不飽和
の直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素基、エステル基-C
OOR 、アルコキシ基-OR 、ホスホネート基-PO(OR) 2 ま
たはポリマー鎖、例えばポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリブタジエン、ポリエチレンやポリプロピレン
等のポリオレフィン、好ましくはポリスチレンを表し、
互いに同一でも異なっていてもよく、R5 、R6 、
R7 、R8 、R9 およびR10は上記のR1 、R2 、
R3 、R4 、R' 1 およびR' 2 と同じ種類の中から選
択することができるが、水素原子、ヒドロキシル基-OH
、-COOH 、-PO(OH) 2 、 -SO 3 H等の酸基を表すこと
もでき、互いに同一でも異なっていてもよい)
キシル(Proxyl)で市販の2,2,5,5-テトラメチル-1- ピ
ロリジルオキシまたは一般に商品名:テンポ(Tempo)で
市販の2,2,6,6-テトラメチル-1- ピペリジニルオキシを
挙げることができる。安定な遊離ラジカルは下記a)〜g)
の中から選択することもできる: N-tert-ブチル-1- フェニル-2- メチルプロピルニトロ
キシド N-tert-ブチル-1- (2- ナフチル)-2- メチルプロピル
ニトロキシド N-tert-ブチル-1- ジエチルホスホノ-2,2- ジメチルプ
ロピルニトロキシド N-tert-ブチル-1- ジベンジルホスホノ-2,2- ジメチル
プロピルニトロキシド N- フェニル-1- ジエチルホスホノ-2,2- ジメチルプロ
ピルニトロキシド N- フェニル-1- ジエチルホスホノ-1- メチルエチルニ
トロキシド N-(1-フェニル-2- メチルプロピル)-1-ジエチルホスホ
ノ-1- メチルエチルニトロキシド
離ラジカルとの総量の0.005 〜5重量%の比率で(共)
重合混合物に導入することができる。開始剤に対する安
定な遊離ラジカルのモル比は1.5 〜2.5 が好ましく、さ
らにには約2が好ましい。本発明ではラジカル重合また
は共重合が可能な炭素−炭素二重結合を有する任意のモ
ノマーを用いることができる。
くとも1種のモノマーは芳香族ビニル、オレフィン、ジ
エン、アクリルまたはメタクリルモノマーにすることが
できる。このモノマーはジフルオロビニリデンまたは塩
化ビニルでもよい。芳香族ビニルモノマーとはスチレ
ン、α- メチルスチレン、オルト−ビニルトルエン、パ
ラ−ビニルトルエン、オルト−エチルスチレンまたは2,
4-ジメチルスチレン等のビニル基がアルキル基で置換さ
れたスチレン、2,4-ジクロロスチレン等の環がハロゲン
で置換されたスチレン、ビニルアントラセン、クロロメ
チルスチレン、パラ−アセトオキシスチレン等を意味す
る。
2,3-ジメチル-1,3- ブタジエン、ピペリレン、クロロプ
レン等の炭素数4〜8の共役ジエンを意味する。本発明
方法は芳香族ビニルおよびジエンモノマーの場合に特に
有効である。本発明の重合または共重合は、開始剤およ
び安定な遊離ラジカルに対する本発明の特徴を除いて、
当業者に周知の各モノマーに応じた一般的条件下でのラ
ジカル(共)重合で実施することができる。
で、多分散度が狭くなるようにポリマーまたはコポリマ
ーの成長を良く制御したい場合には、開始剤が存在しな
い時に重合または共重合が全く見られないような温度で
重合または共重合を行うのが好ましい。例えば、少なく
とも1種の芳香族ビニルモノマーの重合または共重合を
行う場合には、約 120℃以下の温度で実施する。なお、
本発明方法は90〜120℃の時に十分な (共) 重合速度が
得られる。
合には、より高温で混合物を加熱することもできる。従
って、混合物が芳香族ビニルモノマーを含む場合には、
50〜120 ℃で重合または共重合を実施することができ、
多分散度が悪くても重合速度が速い方が好ましい場合に
は 200℃に加熱することもできる。本発明方法は50〜20
0 ℃、好ましくは 100〜130 ℃で実施できる。耐衝撃性
芳香族ビニルポリマーを得るための重合または共重合混
合物を用いることができる。この耐衝撃性芳香族ビニル
ポリマーは一般に少なくとも1種の芳香族ビニルモノマ
ーとゴムとで構成され、ゴムは一般にポリブタジエン等
の共役ポリジエンである。
もある。例えば、混合物中に少なくとも1種の芳香族ビ
ニルモノマーが存在する場合は、このモノマーは例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、
メタクリル酸、炭素数1〜4のアルキル基を有するアル
キルエステル、炭素数1〜4のアルキル基を有するN-ア
ルキルマレイミドおよびN-フェニルマレイミドからなる
群の中から選択される少なくとも1種のモノマーと共重
合することができる。
することができる。すなわち、第1モノマーを安定な遊
離ラジカルの存在下で重合してリビングポリマーブロッ
クを作り、次に、第1リビングポリマーブロックを第2
モノマーの重合媒体中に入れて第1ブロックに別のポリ
マーのブロックを結合させ、それによってブロックコポ
リマー、例えば1種または複数のポリスチレンブロック
と1種または複数のポリブタジエンブロックとを含むコ
ポリマーを製造することができる。このラジカル共重合
によるブロックコポリマーの製造では各ブロックの重合
を良く制御する必要がある。事実、ブロックの重合によ
る成長が停止反応によって妨げると、別のモノマーのブ
ロックを結合させることができなくなる。従って、停止
反応はできるだけ起こらないようにしなければならな
い。重合時に数平均分子量と変換率との比例関係が線型
になればなる程、停止反応は少なくなる。停止反応が存
在する場合の数平均分子量の増加速度は変換率の関数で
遅くなる。
の溶液重合の場合と同様に、水が存在しない有機相中で
実施される重合または共重合に特に適している。(共)
重合条件、特にモノマーのポリマーまたはコポリマーへ
の変換時間、温度および変換率に応じた種々の分子量の
生成物を製造することができるということは理解できよ
う。本発明は重量平均分子量が10,000以下のオリゴマ
ー、ポリマーまたはコポリマーの製造方法であると同時
に、重量平均分子量が10,000以上(通常は100,000 〜40
0,000)の高い分子量を有するポリマーまたはコポリマー
の製造方法に関するものである。
マーへの変換率が50%以下である重合または共重合方法
であると同時に、モノマーのポリマーまたはコポリマー
への変換率が50%以上である重合または共重合方法に関
するものである。モノマーのポリマーまたはコポリマー
への変換率は例えば60%以上にすることができ、一般に
は65〜80%である。本発明方法では一般に多分散度が1.
9 以下で、ASTM規格D1925 で測定した黄変指数が20以
下、実際には10以下、さらには5以下であるポリマーま
たはコポリマー(オリゴマーを含む)が得られる。モノ
マー量に対する安定な遊離ラジカル量のモル比が1.2 以
上の場合に得られる最終ポリマーまたはコポリマーの多
分散度は一般に1.5 以下である。
は下記特性を測定した:変換率% :ポリマーに変換したモノマーの%。H1 NM
Rで測定 (Bruker 200MHz)で測定し、ポリマーおよびモ
ノマーに対応するピークを積分して求めた。数平均分子量 (Mn表記):ポリスチレン標準サンプルで
検定後に、30℃でTHF中のゲル透過クロマトグラフで
分析。多分散度指数 (PI表記):GPC(Mn参照)で測定した
数平均分子量に対する重量平均分子量の比。効率 :数平均分子量の実験値に対する数平均分子量の理
論値の比。数平均分子量の理論値は〔数1〕の式で与え
られる:
ル)、 (M)S は出発モノマーのモル濃度(モル/リット
ル)、(I) と(I) S は開始剤および出発開始剤のモル濃
度(モル/リットル)をそれぞれ表す)。
2〕の式で求められる:
遊離ラジカルが重合制御に有効に作用していることを示
し、これらが部分的に破壊されるという望ましくない副
反応を受けないということを示している。
応器を真空/窒素サイクルででパージした後、下記(a)
〜(c) を窒素下で室温で導入した: (a) 50g のスチレン(0.481 モル) (b) 開始剤(スチレンに対する開始剤のモル比は〔表
1〕〜〔表7〕の一番上の欄にC(開始剤)で記載)
(開始剤としてジクミルペルオキシドを用いる場合はC
DICUM 、開始剤としてベンゾイルペルオキシドを用いる
場合はCBENZで表示してある) (c) 2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ(一般に
Tempo とよばれる)(開剤剤に対するTempo のモル比は
2)
器を攪拌しながら125 ℃に加熱した(混合物が125 ℃に
達する瞬間を試験の開始点として定義) 。その後、ポリ
マーを室温に冷却し、10倍量のテトラヒドロフラン(T
HF)に溶解し、得られたTHF溶液を10倍量のメタノ
ールに一滴づつ注入してポリマーを沈澱させた。回収し
たポリスチレンをゲル透過クロマトグラフィ(GPC)
で分析した結果は〔表1〕〜〔表7〕にまとめて示して
ある。これらの結果はポリマー生成は時間の関数で変化
することを示している。
ガラス反応器を真空/窒素サイクルでパージした後に、
300 g のスチレンと、4.5 ミリモルのジクミルペルオキ
シドと、15ミリモルの安定な遊離ラジカルTempo とを20
℃で窒素下に導入した。全体を125 ℃にした(混合物が
125 ℃に達した瞬間を試験の開始点として定義)。分析
用サンプルを時間の経過とともに抜き出した。ポリマー
生成の経時変化をモニターした結果は〔表8〕にまとめ
て示してある。得られたポリマーを5時間半重合した
後、真空炉中で25mバールの残留圧力で20分間 200℃で
脱気した。次いで、プレス内で厚さ3mmの板の形に10分
間で圧縮成形した (室温から170 ℃まで5分間予備加熱
した後、170 ℃、200 バールで5分間圧縮) 。ASTM規格
D1925 で測定した板の黄変指数は2であった。
に代えて実施例8の操作を繰り返した。ポリマー生成の
経時変化をモニターした結果は〔表9〕にまとめて示し
てをる。この場合の黄変指数は34.9であった。
Claims (20)
- 【請求項1】 安定な遊離ラジカルと、〔化1〕で表さ
れる開始剤の存在下で少なくとも1種のモノマーをラジ
カル重合または共重合するポリマーまたはコポリマーの
製造方法: 【化1】 (ここで、R1 とR2 はアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基またはアラルキル基を表し、互いに同一
でも異なっていてもよい) - 【請求項2】 R1 とR2 の少なくとも1つが芳香族環
を有する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 開始剤がジクミルペルオキシドである請
求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 開始剤がモノマーの重量に対して50〜5
0,000ppm の重量比率で(共)重合混合物に導入される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】 安定な遊離ラジカルがモノマーと安定な
遊離ラジカルとの総量の0.005 〜5重量%の比率で導入
される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項6】 開始剤に対する安定な遊離ラジカルのモ
ル比が1.5 〜2.5 である請求項1〜5のいずれか一項に
記載の方法。 - 【請求項7】 少なくとも1種のモノマーが芳香族ビニ
ルである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項8】 少なくとも1種のモノマーがジエンであ
る請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項9】 (共)重合温度が100 〜130 ℃である請
求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項10】 (共)重合を水の非存在下の有機相中
で実施する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項11】 モノマーのポリマーへの変換率が50%
以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項12】 変換率が60%以上である請求項11に記
載の方法。 - 【請求項13】 変換率が65〜80%である請求項12に記
載の方法。 - 【請求項14】 少なくとも1種のモノマーが芳香族ビ
ニルである請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項15】 モノマー量に対する安定な遊離ラジカ
ル量のモル比が1.2 以上である請求項1〜14のいずれか
一項に記載の方法。 - 【請求項16】 多分散性が1.9 以下で、ASTM規格D192
5 で測定した黄変指数が20以下であるポリマーまたはコ
ポリマー。 - 【請求項17】 黄変指数が10以下である請求項16に記
載のポリマーまたはコポリマー。 - 【請求項18】 黄変指数が5以下である請求項17に記
載のポリマーまたはコポリマー。 - 【請求項19】 多分散性が1.5 以下である請求項16〜
18のいずれか一項に記載のポリマーまたはコポリマー。 - 【請求項20】 少なくとも1種の芳香族ビニルモノマ
ーの(共)重合で得られる請求項16〜19のいずれか一項
に記載のポリマーまたはコポリマー。
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