JPH10182705A - 安定な遊離ラジカルおよびイニファーターの存在下での重合 - Google Patents

安定な遊離ラジカルおよびイニファーターの存在下での重合

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JPH10182705A
JPH10182705A JP9335033A JP33503397A JPH10182705A JP H10182705 A JPH10182705 A JP H10182705A JP 9335033 A JP9335033 A JP 9335033A JP 33503397 A JP33503397 A JP 33503397A JP H10182705 A JPH10182705 A JP H10182705A
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JP
Japan
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iniferter
group
polymerization
monomer
stable free
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JP9335033A
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English (en)
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Denis Bertin
ベルタン ドゥニ
Bernard Boutevin
ブゥトヴァン ベルナール
Pascal Nicol
ニコル パスカル
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Arkema France SA
Original Assignee
Elf Atochem SA
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • User Interface Of Digital Computer (AREA)
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  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定な遊離ラジカルとイニファーターとの存
在下での重合。 【解決方法】 安定な遊離ラジカルとイニファーターの
存在下で少なくとも1種のモノマーをラジカル重合また
は共重合する。安定な遊離ラジカルの存在によって重合
または共重合時のイニファーターの性能が大幅に改質さ
れ、望ましくない反応が大幅に減少する。イニファータ
ーの存在下で迅速且つ高収率に重合または共重合するこ
とができ、多分散性が低く、単一モードの分子量分布を
有するポリマーまたはコポリマーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はラジカル重合または
共重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イニファーター(iniferter) とは分解に
よって遊離ラジカルを発生させ、発生した遊離ラジカル
が重合または共重合を開始させ、連鎖移動反応、特にイ
ニファーター上での連鎖移動反応と停止反応とを上手に
行わせることができる分子を意味する。
【0003】このイニファーター分子をA−Bで表し、
ラジカル重合されるモノマー分子をXで表した場合、重
合媒体中で起こる反応は反応(1) 〜(4) で表される: (a) イニファーターからのラジカルの生成: A−B → A. + B. (1) (b) 重合の開始: A. +X → AX. (2) AX. +X→ AXX. A(X)n . の生成 (nは0でない整数) (c) イニファーター上での連鎖移動反応: A(X)n . +AB → A(X)n+1 B+A. (3) (d) イニファーターから直接生じるラジカル上での停止反応: A(X)n . +B. → A(X)n+1 B (4)
【0004】イニファーターは反応(1) 〜(4) の存在に
よって特徴付けられるということは当業者に認められて
いる。反応(3) および(4) の存在によって短い鎖が生じ
るため、従来は、イニファーターはオリゴマーの製造の
みで使用できると考えられてきた。
【0005】重合または共重合がイニファーターおよび
開始剤の非存在下でもある程度行われるような温度でイ
ニファーターを使用した場合には、分子量分布が極めて
広い2つの頂点を有する(bimodal) な分子グループすな
わち分子量が全く異なる2つの分子グループからなるポ
リマーまたはコポリマーが得られる。この低分子量側の
分子グループはイニファーターの存在とイニファーター
が関与する(3) および(4) の反応とに起因する。
【0006】しかし、2つの頂点を持つ分子量分布を有
するポリマーまたはコポリマーは一般に望ましくない。
事実、例えばデミキシオン現象に起因する不均質性が内
部に生じて、完成品の機械的特性が損なわれる危険があ
る。そのため、これまでは、イニファーターまたは他の
重合開始剤の非存在下で重合が実質的に行われない温度
すなわち一般に100 °C以下でのみイニファーターは使
用できると考えられていた。従って、従来はイニファー
ターはオリゴマーすなわち例えば数および/または重量
平均分子量が10,000以下のポリマーの製造でしか使用さ
れなかった。イニファーターを従来の重合開始剤、例え
ばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシ
ドまたはジクミルペルオキシドと混同してはならない。
これら従来の開始剤は反応(3) および(4) を生じないの
で、開始剤の非存在下で重合または共重合が実質的に行
われる温度で重合または共重合を行った場合でも、2つ
の頂点を持つ分子量分布を有するポリマーまたはコポリ
マーはできない。
【0007】国際特許WO 94/11412 にはスチレン重合に
おける安定な遊離ラジカルの作用が記載されている。米
国特許第 5,412,047号にはアクリレート重合における安
定な遊離ラジカルの作用が記載されている。米国特許第
5,449,724号にはエチレン重合における安定な遊離ラジ
カルの作用が記載されている。国際特許WO 95/26987 、
米国特許第 4,581,429号、欧州特許第507 036 号、欧州
特許第418 118 号、欧州特許第342 073 号または欧州特
許第338,918 号にも関連の記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はイニファータ
ーを用いた新規なラジカル重合または共重合方法を提供
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、安定な遊離ラ
ジカルとイニファーターとの存在下で、少なくとも1種
のモノマーをラジカル重合または共重合する少なくとも
1つの段階を有することを特徴とるする方法を提供す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】安定な遊離ラジカルの存在によっ
て重合または共重合時のイニファーターの性能が大幅に
改良されて、望ましくない反応(3) および(4) は大幅に
減少し、実際には無くなる。従って、イニファーターの
存在下で迅速且つ高収率に重合または共重合することが
でき、イニファーターおよび開始剤の非存在下で重合ま
たは共重合が観察されるような温度でも、重合または共
重合を実施した場合でも、低い多分散性および単一モー
ドの分子量分布を有するポリマーまたはコポリマーが得
られる。
【0011】本発明は、特許WO 94/11412 に記載の方法
では重合または共重合が困難なメタクリレートの重合ま
たは共重合で特に有利である。紫外線の作用下で2つの
遊離ラジカルに分割可能なイニファーターを選択するこ
とができる。例えば、イニファーターは2つの硫黄原子
が関与する単一の共有結合(ジスルフィド結合)を有す
ることができる。この結合は2つの遊離ラジカルを生
じ、反応(1) に従って破壊する。各硫黄原子は遊離ラジ
カル状態の追加の電子を有している。
【0012】イニファーターは、例えば〔化2〕で表さ
れる:
【化2】
【0013】(ここで、R1 とR2 は一般に少なくとも
1個の炭素原子を有するラジカルを表し、性質が極めて
異なっていてもよく、互いに同一でも異なっていてもよ
い)。例えば、R1 およびR2 は例えば1〜30個の炭素
原子を有するアルキル基、アリール基、アラルキル基ま
たはアルキルアリール基、〔化3〕で表されるチウラム
基:
【0014】
【化3】
【0015】〔化4〕で表されるキサントゲン酸基:
【0016】
【化4】 〔化5〕で表されるカルバモイル基:
【0017】
【化5】
【0018】(ここで、R3 、R4 、R5 、R6 および
7 は例えば1〜30個の炭素原子を有するアルキル基、
アリール基、アラルキル基またはアルキルアリール基)
から選択することができる。
【0019】イニファーターの例は欧州特許第507,036
号、第418,118 号、第342,073 号および第338,918 号に
記載されている。イニファーターは下記の中から選択す
ることもできる: テトラエチルチウラムジスルフィド テトラメチルチウラムジスルフィド N,N'- ジエチル-N,N'-ビス(2- ヒドロキシエチル) チウ
ラムジスルフィド N,N'- ビス(N-(2-フタルイミドエチル) ピペラジンチウ
ラムジスルフィド ジイソプロピルキサントゲン酸ジスルフィド
【0020】イニファーターはモノマーとイニファータ
ーとの総量の0.001 〜15モル%の比率で重合または共重
合媒体に導入することができる。本発明方法では安定な
遊離ラジカルが用いられる。安定な遊離ラジカルと、寿
命が瞬間的(数ミリ秒)な遊離ラジカル、例えばペルオ
キシド、ヒドロペルオキシド、アゾ型の開始剤のような
通常の重合開始剤から生じる遊離ラジカルとを混同して
はならない。重合開始剤であるラジカルは重合を加速
し、安定な遊離ラジカルは一般に重合を減速する。本発
明では一般に、重合開始剤ではなく、しかも、本発明の
使用条件下でラジカルの平均寿命が少なくとも5分であ
る場合に遊離ラジカルは安定しているということができ
る。この平均寿命中に、安定な遊離ラジカル分子はラジ
カルの状態と、共有結合でポリマー鎖と結合した結合状
態とを常時交互に繰り返している。本発明では安定な遊
離ラジカルが使用中に良好な安定性を有しているのが好
ましいということは理解できよう。一般に安定な遊離ラ
ジカルは室温でラジカルの状態で単離することができ
る。
【0021】安定な遊離ラジカルとはラジカル重合の抑
止剤の役目をする化合物で、安定なニトロキシド基すな
わち〔化6〕で表されるような=N−O. 基を有する基
を有する化合物である:
【0022】
【化6】
【0023】(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R'
1 およびR' 2 は塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子、アルキル基またはフェニル基等の飽和または不飽和
の直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素基、エステル基-C
OOR 、アルコキシ基-OR 、ホスホネート基-PO(OR) 2
たはポリマー鎖、例えばポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリブタジエン、ポリエチレンやポリプロピレン
等のポリオレフィン、好ましくはポリスチレンを表し、
互いに同一でも異なっていてもよく、R5 、R6
7 、R8 、R9 およびR10は上記のR1 、R2
3 、R4 、R' 1 およびR' 2 と同じ種類の中から選
択することができるが、水素原子、ヒドロキシル基-OH
、-COOH 、-PO(OH) 2 、 -SO 3 H等の酸基を表すこと
もでき、互いに同一でも異なっていてもよい)
【0024】安定な遊離ラジカルとしては商品名:プロ
キシル(Proxyl)で市販の2,2,5,5-テトラメチル-1- ピ
ロリジニルオキシまたは一般に商品名:テンポ(Tempo)
で市販の2,2,6,6-テトラメチル-1- ピペリジルオキシを
挙げることができる。安定な遊離ラジカルは下記の中か
ら選択することもできる: N-tert-ブチル-1- フェニル-2- メチルプロピルニトロ
キシド N-tert-ブチル-1- (2- ナフチル)-2- メチルプロピル
ニトロキシド N-tert-ブチル-1- ジエチルホスホノ-2,2- ジメチルプ
ロピルニトロキシド N-tert-ブチル-1- ジベンジルホスホノ-2,2- ジメチル
プロピルニトロキシド N- フェニル-1- ジエチルホスホノ-2,2- ジメチルプロ
ピルニトロキシド N- フェニル-1- ジエチルホスホノ-1- メチルエチルニ
トロキシド N-(1-フェニル-2- メチルプロピル)-1-ジエチルホスホ
ノ-1- メチルエチルニトロキシド
【0025】安定な遊離ラジカルはモノマーと安定な遊
離ラジカルとの総量の0.005 〜4モル%の比率で(共)
重合媒体に導入することができる。イニファーターに対
する安定な遊離ラジカルのモル比は0.2 〜5が好まし
く、さらに0.5 〜3が好ましい。本発明ではラジカル重
合または共重合が可能な炭素−炭素二重結合を有する任
意のモノマーを用いることができる。
【0026】重合または共重合媒体中に存在する少なく
とも1種のモノマーは、芳香族ビニル、オレフィン、ジ
エン、(メタ)アクリルモノマーにすることができる。
このモノマーはジフルオロビニリデンまたは塩化ビニル
でもよい。芳香族ビニルモノマーとはスチレン、α- メ
チルスチレン、オルト−ビニルトルエン、パラ−ビニル
トルエン、オルト−エチルスチレンまたは2,4-ジメチル
スチレン等のビニル基がアルキル基で置換されたスチレ
ン、2,4-ジクロロスチレン等の環がハロゲンで置換され
たスチレン、ビニルアントラセン、クロロメチルスチレ
ン、パラ−アセトオキシスチレン等を意味する。
【0027】ジエンとは1,3-ブタジエン、イソプレン、
2,3-ジメチル-1,3- ブタジエン、ピペリレン、クロロプ
レン等の炭素数4〜8の共役ジエンを意味する。『(メ
タ)アクリルモノマー』という用語は〔化7〕および
〔化8〕で表される(メタ)アクリレートから選択され
るモノマーを意味する。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】(ここで、R3 は直鎖または分岐鎖を有す
る第1級、第2級または第3級C1-C18アルキル、C5-
18シクロアルキル、(C1-C18アルコキシ)C1-C18
アルキル、(C1-C18アルキルチオ)C1-C18アルキ
ル、アリールおよびアリールアルキル基から選択され、
これらの基は、必要に応じてさらに少なくとも1個のハ
ロゲン原子および/または少なくとも1個のヒドロキシ
基(このヒドロキシ基は保護する)で置換でき、アルキ
ル基は直鎖または分岐鎖を有することができる) 例えば、グリシジル、ノルボニル、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、メタクリロニトリルまたはモノ−お
よびジ(C1-C18アルキル)(メタ)アクリルアミドを
挙げることができる。
【0031】上記化学式のメタクリレートの例として
は、メチル、エチル、2,2,2-トリフルオロエチル、n-プ
ロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert.
ブチル、n-アミル、i-アミル、n-ヘキシル、2-エチルヘ
キシル、シクロヘキシル、オクチル、i-オクチル、ノニ
ル、デシル、ラウリル、ステアリル、フェニル、ベンジ
ル、β- ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたは
ヒドロキシブチルメタクリレートを挙げることができ
る。好ましいメタクリルモノマーはメチルメタクリレー
トである。
【0032】上記化学式のアクリレートの例としては、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル、sec-ブチル、tert. ブチル、ヘキシル、2-エチルヘ
キシル、イソオクチル、3,3,5-トリメチルヘキシル、ノ
ニル、イソデシル、ラウリル、オクタデシル、シクロヘ
キシル、フェニル、メトキシメチル、メトキシエチル、
エトキシメチルおよびエトキシエチルアクリレートを挙
げることができる。
【0033】上記反応(1) 〜(4) で用いられる記号を使
用し、安定な遊離ラジカルをEで表した場合、本発明で
は、重合時にA(X)n E(nは0でない整数)で表す
ことができる結合が生成する。重合時には鎖の末端Aと
Eとの間にモノマー単位がランダムまたは序列型の状態
で挿入してポリマー鎖は成長する。すなわち、Xは1種
または複数のモノマー単位を表し、種類は異なってもよ
い。
【0034】モノマー単位の種類、イニファーターの種
類および温度に応じて、下記によってモノマー単位を挿
入することができる: (1) ポリマー鎖のA−X結合を破壊し、新規なA−X結
合が生成した時に直ちにA. と新規なモノマー単位との
間にモノマー単位を挿入するか、 (2) ポリマー鎖のX−E結合を破壊し、新規なX−E結
合が生成した時に直ちにE. と新規なモノマー単位との
間にモノマー単位を挿入する。
【0035】この結合が光線、特に紫外線の作用下で可
逆的である場合には、A−X結合を用いるモノマー単位
の挿入が可能である。この性質は使用するイニファータ
ーが反応(1) の単一の共有結合の所で2つの硫黄原子を
有する場合に観察することができる。この場合には一般
に−30℃〜200 ℃でS−X結合間にモノマー単位を挿入
することができる。この場合、硫黄原子SはAラジカル
に相当する。従って、本発明方法は少なくとも1段階の
光化学重合または共重合にすることができる。この光化
学反応を媒体中で基本的に単一の重合または共重合反応
にすることが望まれる場合は、他の重合または共重合反
応を阻止する条件を選択するのが好ましい。これは一般
に−30℃〜200 ℃である。
【0036】本発明方法は少なくとも1段階で熱的に重
合または共重合する(X−E結合の関与)こともでき
る。重合または共重合を主としてX−E結合で行うこと
が望まれる場合は、他の重合または共重合反応を阻止す
る条件を選択するのが好ましい。これは一般に下記で観
察される: (1) A−X結合が光線の作用下で可逆性である時の光線
の非存在下 (2) A−X結合が光線の作用下で可逆性でない時の光線
の非存在下 (3) 温度が高いためにモノマーの自然重合または共重合
すなわちA−(X)n −E構造を含まない重合または共
重合が主反応になることがないようにモノマー量を調節
し、温度を十分にした場合。
【0037】例えば、Xが芳香族ビニルモノマー単位で
ある場合は、これらの条件は媒体の温度が100 〜130 ℃
の時に存在する。しかし、多分散度を犠牲にしてより高
い重合率が好ましい場合には、より高温、例えば200 ℃
以下で重合または共重合をすることができる。耐衝撃性
芳香族ビニルポリマーを得るために用いる重合または共
重合媒体の場合には、耐衝撃性芳香族ビニルポリマーは
一般に少なくとも1種の芳香族ビニルモノマーとゴムと
で構成する。ゴムは一般に1種または複数のポリブタジ
エン等の共役ポリジエンである。
【0038】Xがジエン単位である場合には、これらの
条件は混合物の温度が100 〜200 ℃の時に存在する。X
−E結合によるモノマー単位の挿入は特に芳香族ビニル
モノマーおよびジエンの場合に望ましい。A−X結合す
なわち光化学反応によるモノマー単位の挿入は特に(メ
タ)アクリルモノマー、特にメタクリルモノマーの場合
に望ましい。これは、熱的な重合または共重合のみで、
メタクリルモノマーの重合または共重合には適していな
い国際特許WO 94/11412 に記載の従来法に対する本発明
の基本的な利点である。
【0039】本発明方法でブロックコポリマーを製造す
ることができる。モノマーの種類に応じてA−X結合を
通る光化学によるブロックの挿入か(可能な場合)、E
−X結合を通る熱によるブロックの挿入を選択すること
ができる。当然、性質の異なる複数のブロックを熱によ
って挿入することもでき、さらに性質の異なる複数のブ
ロックを光化学によって挿入することもできる。従っ
て、A(X)n E構造は種々自由に応用でき、しかも、
簡単な方法で複雑な構造を有するブロック(または序列
型)コポリマーを製造することができる。
【0040】本発明方法は塊重合または有機溶媒中での
溶液重合の場合と同様に、水が存在しない有機相中で実
施される重合または共重合に特に適している。(共)重
合条件、特にモノマーのポリマーまたはコポリマーへの
変換時間、温度および変換率に応じて、種々の分子量の
化合物を製造することができるということは理解できよ
う。本発明は重量平均分子量が10,000以下のオリゴマ
ー、ポリマーまたはコポリマーの製造方法であると同時
に、重量平均分子量が10,000以上(通常は100,000 〜40
0,000)の高い分子量を有するポリマーまたはコポリマー
の製造方法にも関するものである。10,000以上の重量平
均分子量は重合または共重合温度および時間が十分な場
合に得られる。
【0041】本発明はモノマーのポリマーまたはコポリ
マーへの変換率が50%以下である重合または共重合方法
であると同時に、モノマーのポリマーまたはコポリマー
への変換率が50%以上である重合または共重合方法にも
関し、モノマーのポリマーまたはコポリマーへの変換率
は例えば60%以上にすることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例で
は下記特性を測定した:変換率% :ポリマーに変換したモノマーの%。H1 NM
Rで測定 (Bruker 200MHz)で測定し、ポリマーおよびモ
ノマーに対応するピークを積分して求めた。数平均分子量 (Mn):ポリスチレン標準サンプルで検定
後に、30℃でTHF中のゲル透過クロマトグラフ(GP
C)で分析。多分散度指数 (Pi):GPC(Mn)で測定した数平均分
子量に対する重量平均分子量の比。
【0043】実施例1〜8 電磁攪拌棒と温度制御装置とを備えた50ml容のガラス丸
底フラスコに下記(a)〜(c) を窒素雰囲気下で室温で導
入した: (a) 50g のスチレン(0.481 モルすなわち1リットル当
たり8.7 モル) (b) 1リットル当たりXモルのジ−tert- ブチルニトロ
キシド (c) 1リットル当たりyモルのテトラエチルチウラムジ
スルフィド 次いで、反応器を攪拌しながら120 ℃に加熱した。 (混
合物が120 ℃に達する瞬間を試験の開始点と定義) 。結
果はx、y、重合時間の関数で〔表1〕に示してある。
【0044】
【表1】
【0045】(注) 一頂:単一モード 二頂:2つの頂点を有するモード
【0046】実施例9 a) ポリスチレンブロックの生成 電磁攪拌棒を備えた50ml容のガラス丸底フラスコに下記
(a) 〜(c) をアルゴン下で室温で入れた: (a) 10g のスチレン(9.6 ×10-2モル) (b) 0.144 g のジ-tert −ブチルニトロキシド(1×10
-3モル) (c) 0.15g のテトラエチルチウラムジスルフィド(5×
10-4モル) 次いで、丸底フラスコを20分間攪拌しながら120 ℃に加
熱した。次いで、反応混合物を室温に戻した。得られた
ポリスチレンをメタノールから析出して分析した。8.4
g のポリスチレンが得られた。この生成物のMnは37,000
で、Piは1.6 であった。
【0047】b) ポリスチレンブロックと、ポリ(メチ
ルメタクリレート) ブロックとを有するコポリマーの生
a)で調製された0.5 g のポリスチレンをアルゴン下、ガ
ラス管内で2gのメチルメタクリレート(MMA)に溶解
した。反応混合物をUVランプ(登録商標Philips HPK
125 W 4A)から約15cmの場所に6時間30℃で置いた。得
られたコポリマーをメタノールから析出した。2.1 gの
コポリマーが得られた。CCl4 からコポリマーを再析
出する試みでは析出物が全く生成されなかった。このこ
とから、ポリ(メチルメタクリレート)ホモポリマーが
存在していないことが分かる。得られたコポリマーのMn
は120,000 、Piは2.3 であった。
【0048】実施例10(比較例) 9a) で調製された1gのポリスチレンをガラス反応器内で
5gのメチルメタクリレート(MMA)に溶解した。反応
混合物を、不活性雰囲気下に置いた後、光線を除去した
密閉容器内で70時間で120 ℃に加熱した。メタノールか
ら析出後、GPCおよびH 1NMRによって、光線を除
去した状態では70時間加熱中に重合または共重合は全く
起こらないことが分かった。
【0049】実施例11(比較例) 実施例9の操作を繰り返したが、テトラエチルチウラム
ジスルフィドを同量のベンゾイルペルオキシド(0.12g
)に代えた。 b)段階中に重合または共重合は全く起こらなかった。
【0050】実施例12(比較例) b)段階中にUVを全く使用せず、反応混合物を130 ℃で
6時間加熱して実施例11の操作を繰り返した。 b)段階中に重合または共重合は全く起こらなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パスカル ニコル フランス国 64000 ポー アヴニュ ド ュ ディズュイティエン エール.イ.45 ベー

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定な遊離ラジカルとイニファーターと
    の存在下で、少なくとも1種のモノマーをラジカル重合
    または共重合する少なくとも1つの段階を有することを
    特徴とるする方法。
  2. 【請求項2】 イニファーターが紫外線の作用で2つの
    遊離ラジカルに分割する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの段階が光化学的な重合
    または共重合である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 光化学的な段階を−30〜60℃で行う請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの段階が熱による重合ま
    たは共重合である請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 モノマーのポリマーまたはコポリマーへ
    の変換率が50%以上である請求項1〜5のいずれか一項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 重量平均分子量が10,000以上のポリマー
    またはコポリマーが得られるような十分な温度および時
    間で重合または共重合を行う請求項1〜6のいずれか一
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 イニファーターが〔化1〕で表される請
    求項1〜7のいずれか一項に記載の方法: 【化1】 (ここで、 R1 とR2 は少なくとも1個の炭素原子を有するラジカ
    ルを表し、互いに同一でも異なっていてもよい)
  9. 【請求項9】 R1 とR2 がアルキル基、アリール基、
    アラルキル基、アルキルアリール基、チウラム基、キサ
    ントゲン酸基およびカルバモイル基を表す請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 イニファーターがテトラエチルチウラ
    ムジスルフィドまたはテトラメチルチウラムジスルフィ
    ドである請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 重合または共重合媒体中にイニファー
    ターをモノマーおよびイニファーターの総量の 0.001〜
    15モル%の比率で導入する請求項1〜10のいずれか一項
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 安定な遊離ラジカルが=N−O. 基を
    有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 イニファーターに対する安定な遊離ラ
    ジカルのモル比を0.2〜5にする請求項1〜12のいずれ
    か一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも1種のモノマーが芳香族ビ
    ニルモノマーである請求項1〜13のいずれか一項に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも1種のモノマーがジエンで
    ある請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも1種のモノマーがアクリレ
    ートまたはメタクリレートである請求項1〜15のいずれ
    か一項に記載の。
  17. 【請求項17】 ラジカルAが硫黄原子を介して単位X
    に連接されていることを特徴とする、下記の式で表され
    る化合物: A−(X)n −E (ここで、 Aはイニファーターから生じるラジカルを表し、 Xは1種または複数(種類は互いに異なっていてもよ
    い)のモノマー単位を表し、 nは0でない整数を表し、 Eは安定な遊離ラジカルから生じるラジカルを表す)
  18. 【請求項18】 Aが下記化学式で表される請求項17に
    記載の生成物: R1 −S− (ここで、 R1 はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキ
    ルアリール基、チウラム基、キサントゲン酸基およびカ
    ルバモイル基から選択される基)
  19. 【請求項19】 Xが少なくとも1種の芳香族ビニルモ
    ノマー単位を表す請求項17または18に記載の化合物。
  20. 【請求項20】 Xが少なくとも1種の(メタ)アクリ
    ルモノマー単位を表す請求項17〜19のいずれか一項に記
    載の化合物。
  21. 【請求項21】 Eがニトロキシドから生じるラジカル
    を表す請求項17〜20のいずれか一項に記載の化合物。
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