JPH05271364A - ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物

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JPH05271364A
JPH05271364A JP13648492A JP13648492A JPH05271364A JP H05271364 A JPH05271364 A JP H05271364A JP 13648492 A JP13648492 A JP 13648492A JP 13648492 A JP13648492 A JP 13648492A JP H05271364 A JPH05271364 A JP H05271364A
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JP
Japan
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resin composition
vinyl aromatic
polymer
monomer
copolymer
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JP13648492A
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English (en)
Inventor
Jun Yonezawa
順 米沢
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸無
水物単量体を主体とするビニル単量体の重合体マトリッ
クス中にジエン系重合体が粒子状に分散しており、該ジ
エン系重合体が、1,3−ブタジエン単量体単位を主体
とするジエン系重合体ブロックと、メチルメタクリレー
ト単量体単位を主体とする重合体ブロックよりなるブロ
ック共重合体であることを特徴とするゴム変性ビニル芳
香族系樹脂組成物。 【効果】 本発明のゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物
は、衝撃強度、剛性及び光沢に優れており、成形用素材
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的物性に優れた樹脂
組成物に関する。更に詳しくは、耐熱性と耐衝撃性(特
に低温耐衝撃性)及び光沢に優れたゴム変性ビニル芳香
族系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPSに代表されるゴム変性ビニル芳
香族樹脂は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝撃性に優
れていることから、家電機器、OA機器を始め多岐にわ
たり使用されている。近年これらの分野において、耐熱
性に対する要望が高まりつつある。このためHIPS
に、スチレン−無水マレイン酸共重合体をブレンドして
なる樹脂組成物が知られている(特開昭55−1618
36)。上記樹脂組成物は、耐熱性は優れるものの、H
IPSとスチレン−無水マレイン酸共重合体の相溶性が
悪く、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が著しく低下する
という問題があった。
【0003】他方、HIPSと同様にして、ジエン系重
合体をスチレン、無水マレイン酸および必要に応じて、
メチルエチルケトンなどの不活性溶媒を加えた液に溶解
し、撹拌下に重合を行ない、ジエン系重合体を、スチレ
ンと無水マレイン酸よりなる重合体マトリックス中に、
分散粒子として析出させてなるゴム変性スチレン−無水
マレイン酸共重合体樹脂組成物が知られている。
【0004】上記樹脂組成物を得る際、重合初期には該
ジエン系重合体とスチレンと無水マレイン酸のビニル単
量体混合物よりなる相(以後ゴム相と称する。)が連続
相を形成し、該ビニル単量体混合物の共重合体とビニル
単量体混合物よりなる相(以後樹脂相と称する。)が分
散相を形成しているが、重合の進行に伴い樹脂相の体積
が増大していき、ついにはゴム相の体積を上回るように
なって樹脂相が連続相となり、ゴム相が分散粒子となる
いわゆる相転換(または相転)現象を呈する。この場
合、分散粒子の大きさは、ジエン系重合体の組成、分子
量が一定の条件下においては、上記相転換が生起する時
期の撹拌の強度が高い程小さくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法
においては、ポリスチレンと比較してスチレンと無水マ
レイン酸の共重合体の粘度がはるかに高くなるため、撹
拌が困難であり、従って撹拌数を上げて、分散ゴム粒子
を小粒子となし、光沢を高めることが困難であった。こ
の傾向は、無水マレイン酸の含量が高いほど顕著であっ
た。このため、無水マレイン酸の含量の高いスチレン−
無水マレイン酸共重合体マトリックス中にジエン系重合
体が小粒子として分散してなる、耐熱性、衝撃強度及び
光沢に優れた樹脂組成物が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、ビニル芳香族単
量体及び不飽和ジカルボン酸無水物を主成分とするビニ
ル単量体の共重合体マトリックス中に、特定構造のジエ
ン系重合体が粒子状に分散してなる樹脂組成物が上記課
題を効果的に解決し、耐熱性、衝撃強度(特に低温衝撃
強度)及び光沢に優れたゴム変性ビニル芳香族系樹脂組
成物となることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、ジエン系重合体がビニル
芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を
主体とする共重合体マトリックス中に粒子状に分散して
なるゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物において、該ジ
エン系重合体が、1,3−ブタジエン単量体単位を主体
とする重合体ブロックと、メチルメタクリレート単量体
単位を主体とする重合体ブロックよりなるブロック共重
合体を主成分とするジエン系重合体であることを特徴と
する耐熱性、衝撃強度(特に低温衝撃強度)及び光沢に
優れたゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物を提供するも
のである。
【0008】以下に本発明の樹脂組成物について詳細に
説明する。本発明に言うビニル芳香族単量体とは、スチ
レンのほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核ア
ルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル
−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン
などであるが、代表的なものは、スチレンの単独もしく
は、その一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量体
で置き換えた単量体混合物である。
【0009】また本発明に言う不飽和ジカルボン酸無水
物単量体とは、無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマ
レイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸などの
無水物などであるが、代表的なものは無水マレイン酸で
ある。本発明の樹脂組成物は、上記ビニル芳香族単量体
及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を主体とする
共重合体マトリックス中に、ジエン系重合体が粒子状に
分散した構造を有する樹脂組成物であるが、その特徴
は、新規なジエン系重合体を用いる点にある。
【0010】即ち、本発明においては、ジエン系重合体
として、1,3−ブタジエン単量体単位を主体とする重
合体ブロック(以後、重合体ブロックAの略称を用い
る。)と、メチルメタクリレート単量体単位を主体とす
る重合体ブロック(以後、重合体ブロックBの略称を用
いる。)よりなるブロック共重合体を主成分とするジエ
ン系重合体を用いる。ジエン系重合体が、重合体ブロッ
クBを欠いた公知のジエン系重合体、例えばポリブタジ
エンゴム、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロ
ック共重合ゴムである場合には、たとえ本発明の他の条
件が満たされていても、共重合体マトリックス中に分散
するジエン系重合体粒子が大きくなって、光沢が劣り、
また例えジエン系重合体粒子を小粒子と成し得ても、衝
撃強度の劣ったものとなる。ジエン系重合体が、重合体
ブロックBを有する場合に、小粒子となり、光沢と衝撃
性に優れる理由は明確ではないが、重合体ブロックBと
前記共重合体マトリックスとの相溶性または接着力が増
すためと考えられる。
【0011】尚、上記において、該ブロック共重合体を
主成分とするジエン系重合体とは、該ブロック共重合体
の単独、または該ブロック共重合体に少量の既存のジエ
ン系重合体を加えたものを言うが、本発明の目的からは
該ブロック共重合体の単独が好ましい。上記ブロック共
重合体において、重合体ブロックAは、1,3−ブタジ
エンの単独重合体、もしくは1,3−ブタジエンと後記
する触媒により1,3−ブタジエンと共重合可能なジオ
レフィン単量体との共重合体よりなるブロックである。
1,3−ブタジエンと共重合可能なジオレフィンの例と
しては、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチ
ル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタ
ジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−
ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、
1,3−ヘプタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジ
エン、1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,
3−ヘキサジエンなどを挙げることが出来る。これらの
うち特に好ましいものはイソプレンである。1,3−ブ
タジエンと共重合可能な上記ジオレフィンは、重合体ブ
ロックA中の割合が0〜40重量%となる範囲で、1,
3−ブタジエンと置換することが出来る。また上記ブロ
ック共重合体中の重合体ブロックA中のブタジエン単位
連鎖部分に占めるシス1,4結合の割合が、90モル%
以上のものである場合には、最終的に得られる樹脂組成
物の衝撃強度、特に低温衝撃強度が特に優れており好ま
しい。シス1,4結合のより好ましい割合は、95モル
%以上である。
【0012】次にブロック共重合体の重合体ブロックB
は、メチルメタクリレート単量体単位を主体とする重合
体ブロックである。上記重合体ブロックBは、メチルメ
タクリレート単量体の一部をエチルメタクリレート、ノ
ルマルプロピルメタクリレート、メチルアクリレートな
どと置換することが出来るが重合体ブロックBのガラス
転移温度および前記共重合体マトリックスとの相溶性の
観点から、ポリメチルメタクリレートであることが最も
好ましい。重合体ブロックBがポリメチルメタクリレー
トである場合には、上記ブロック共重合体は、前記ビニ
ル芳香族単量体及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単
位を主成分とする共重合体マトリックスとの相溶性が増
し、結果としてマトリックス中に小粒子として分散し、
かつ粒子とマトリックス界面との接着力が増すため、最
終的に得られる樹脂組成物は、光沢及び衝撃強度の極め
て優れたものとなる。
【0013】また上記ブロック共重合体は、前記重合体
ブロックAと前記重合体ブロックBの間に、重合体ブロ
ックAを構成する単量体単位と重合体ブロックBを構成
する単量体単位の組成比が漸減または漸増する部分を有
するもの(当業者には、テーパーブロック構造として知
られている。)であっても良い。また上記ブロック共重
合体における前記重合体ブロックAと前記重合体ブロッ
クBの重量比は、重合体ブロックBの分子量や、重合体
ブロックBと前記共重合体マトリックスとの相溶性によ
り適宜調節されるが、一般的には、各々の重量比が、8
5:15〜15:85、より好ましくは70:30〜5
0:50の範囲にあることが好ましい。
【0014】また上記ブロック共重合体の分子量として
は特に制限はなく、常用の5万〜100万の分子量範囲
であれば良い。次に上記要件を満たすブロック共重合体
の具体的な製法について説明する。上記ブロック共重合
体は、例えば特公平3−52487号公報に記載の方法
により得ることも出来るが、以下に記す特定の触媒を用
いて、1,3−ブタジエン及び必要に応じ共重合可能な
前記のジオレフィンを加えた単量体と前記メチルメタク
リレートを主体とする単量体を特定の方法にて重合する
ことにより、前記重合体ブロックA中のブタジエン単位
連鎖部分に占めるシス1,4結合の割合が、90モル%
以上のブロック共重合体を得ることが出来る。
【0015】上記の特定の触媒としては、希土類元素の
カルボキシレート、アルコラート、フェノラート、リン
酸塩、亜リン酸塩から選ばれた少なくとも一種と有機ア
ルミニウム化合物とルイス酸よりなる重合触媒を挙げる
ことができる。上記重合触媒において希土類元素として
は、セリウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、
ガドリウムなどを挙げることができるが、特にネオジ
ム、プラセオジウムが本発明に好適なブロック共重合体
を得るのに好ましい。
【0016】また上記重合触媒の成分のうち、希土類元
素のカルボキシレート、アルコラート、フェノラート、
リン酸塩、亜リン酸塩とは、各々下記一般式で示される
ものである。なお、以下の一般式においてLnは、セリ
ウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、ガドリウ
ムなどの希土類元素を示す。 1)希土類元素のカルボキシレート;下記(1)式で示
されるカルボキシレート。
【0017】
【化1】
【0018】但し、Rは下記1−1)〜1−7)のいず
れかより選ばれる有機酸の残基である。 1−1)直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜17のア
ルキル基。 1−2)炭素数17の直鎖状アルケニル基。 1−3)フェニル基。
【0019】1−4)ベンジル基。 1−5)トリフェニルメチル基。 1−6)トリシクロヘキシルメチル基。 1−7)下記(2)式で示されるロジン酸の有機酸の残
基。
【0020】
【化2】
【0021】2)希土類元素のアルコラート; Ln−(O−R)3 (3) 但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基。 3)希土類元素のフェノラート;下記(4)式または
(5)式で示されるフェノラート、ナフトラート、チオ
フェノラート、チオナフトラート。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】(式中Yは、酸素またはイオウ原子、R
1 ,R2 ,R3 またはR4 ,R5 ,R6は、水素または
炭素数1〜20の炭化水素基である。) 4)希土類元素のリン酸塩、亜リン酸塩; Ln(Px)3 (6) 但し、Pxは下記(7)式、(8)式で表されるリン酸
または、亜リン酸の残基である。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】(ここでj,k,l,mは、0以上の整数
を表しそれぞれ同じであっても、異なっていても良い。
1〜R4は、水素原子、あるいは炭化水素基、あるいは
芳香族炭化水素基、あるいはアルコキシ基、あるいはア
ルキルフェノキシを表し、R 1とR2及びR3とR4は、そ
れぞれ同一の基であっても異なる基であっても構わな
い。)上記(7)式の酸は、5価の有機リン酸化合物を
表し、一般には母体構造をとる5価のリン酸及びそのモ
ノあるいはジエステルの形で命名される。そのような好
ましい例としては、リン酸ジブチル、リン酸ジペンチ
ル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン酸ジオ
クチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビ
ス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、リン酸
ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−ノニ
ルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−
p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2エチルヘ
キシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エチルヘ
キシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニル
フェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノブチ
ル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘ
キシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシ
ル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフ
ェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホスホ
ン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−p−
ノニルフェニル、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−エ
チルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチ
ル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレイ
ルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p−
ノニルフェニルホスフィン酸、ブチル(2−エチルヘキ
シル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(1−メ
チルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホスフィ
ン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−メチルヘ
プチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウリル
ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニルフェ
ニルホスフィン酸等が挙げられる。
【0028】また上記(8)式で表される3価の有機リ
ン酸化合物の好ましい例としては、上記(7)式に例示
した5価の有機リン酸化合物の母体構造が、それぞれ亜
リン酸に置換された化合物を挙げることができる。上記
に例示した有機リン酸化合物のうちで、好ましい例とし
ては、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス
(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェ
ニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノ
ニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エ
チルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−
ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ
ブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチ
ルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−
ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィ
ン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(2−エチルヘ
キシル)(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−
エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸
が挙げられ、特に好ましい例として、リン酸ビス(2−
エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチ
ル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチル
ヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸が
挙げられる。
【0029】5)希土類元素のフェニルヒドロキシルア
ミド化合物の塩;下記(9)式で表されるフェニルヒド
ロキシルアミド化合物の塩。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R1 炭素数1〜40の炭化水素基
であり、R2,R3,R4は水素または炭素数1〜20の
炭化水素基である。)上記9式において、R1は炭素数
1〜40の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及びこ
れらの不飽和結合を有する炭化水素基であり、炭素数1
〜40、好ましくは炭素数4〜30、特に好ましくは炭
素数8〜25の範囲であり、特に2級もしくは3級の炭
化水素基が好ましい。好ましいものの具体例としては、
1−エチルペンチル基、1−ヘキシルペンタデカニル基
及びバーサチック酸10(シェル化学の商品名、2級も
しくは3級のデカン酸の混合物)のアルキル残基を挙げ
ることが出来る。
【0032】次に上記重合触媒の有機アルミニウム化合
物は、下記(10)式で表される。 AlR3-nn (10) (ここにnは0,1または2であり、Rは炭素数1〜8
個の炭化水素基、Hは水素原子である。)好ましい有機
アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、
イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、
特に好ましいものは、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドラ
イド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドである。
これらは2種以上の混合物であっても良い。
【0033】次ぎに、上記重合触媒の一成分であるルイ
ス酸は、ハロゲン元素含有ルイス酸化合物や、ジメチル
ホルムアミド、トリエチルアミンなどの化合物である。
これらの好ましいものとしては、周期律表の主族III
a,IVaまたはVaに属する元素のハライドないしは
有機金属ハライドが挙げられ、ハライドとしては、塩素
または臭素が好ましい。これらの化合物の例としては、
メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウム
ジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブ
ロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチル
アルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロラ
イド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイ
ド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニ
ウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライ
ド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、
五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン及び四塩化
錫、四塩化炭素、クロロホルム及び二塩化エチレンがあ
り、特に好ましいものとしてジエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチル
アルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロ
マイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド及びエチ
ルアルミニウムジブロマイド、四塩化炭素、クロロホル
ム、二塩化エチレンが挙げられる。
【0034】本発明の上記の触媒成分の好ましい構成比
は、各々を希土類元素/アルミニウム/ルイス酸のモル
比で表示して1/(2〜100)/(1〜50)が好ま
しく、特に好ましくは、1/(5〜50)/(1.5〜
25)の範囲である。本発明で好適に用いられる上記触
媒は極めて活性が高く、使用する触媒量は重合すべき単
量体2モル当たり、希土類元素で表示して1.5×10
-3モル以下が好ましく、特に好ましい範囲は0.01×
10-3〜1.0×10-3モルである。
【0035】本発明のブロック共重合体の重合は具体的
には不活性溶剤の存在下に、上記触媒を用いて先ず前記
1,3−ブタジエンの単独、もしくは1,3−ブタジエ
ンとこれと共重合可能なジオレフィン単量体の混合単量
体の重合を進行せしめ(以後、第一段重合と称す
る。)、該単量体の重合が実質的に終了した後、前記
α、β不飽和カルボン酸エステル単量体の1種または2
種以上のビニル単量体を重合する(以後、第二段重合と
称する。)ことにより得ることが出来る。上記の不活性
溶剤とは、前記単量体の重合に不活性な溶剤であり、好
ましいものとしてブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペ
ンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等ま
たはこれらの混合物である。上記の不活性溶剤の量は、
単量体の合計100重量部に対して300重量部以上、
より好ましくは400重量部以上である。
【0036】また上記の触媒は上記1,3−ブタジエン
の存在下、または不存在下に希土類元素のカルボキシレ
ート、アルコラート、フェノラート、リン酸塩、亜リン
酸塩をルイス酸の添加に先立って、有機アルミニウム化
合物と予備反応させることにより、活性を高めることも
できる。この予備反応は反応温度0〜100度Cで実施
するのが好ましい。特に好ましい反応時間は0.05〜
3時間である。
【0037】また前記第一段重合の温度、時間は、触媒
濃度に応じて適宜選択しうるが、好ましくは20〜95
度C、0.1〜8時間、より好ましくは、40〜75度
C、0.5〜2時間である。次ぎに上記第二段重合は、
第一段重合よりも低温で行うことが、前記メタクリル酸
エステル単量体の転化率が高くなり好ましい。第一段重
合に先立ち加えた上記触媒濃度にもよるが、好ましくは
−90〜+40度C、0.01〜8時間、より好ましく
は、−85〜+20度C、0.05〜2時間である。
【0038】重合終了後、既知の方法に従い未反応の単
量体を除去し、ブロック共重合体を回収する。具体的に
は、ドラムドライヤー、スチームストリッピングなどの
方法を採用することが出来る。前記したように、本発明
においては上記のブロック共重合体に、必要に応じて既
存のジエン系重合体の少量を加えることが出来る。既存
の該ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエン
ゴム(公知のハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポ
リブタジエンゴム)、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、イソプレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合ゴムなどを挙げることが出来る
が、ポリブタジエンが最も好ましい。
【0039】かくして得られたブロック共重合体に、必
要に応じ上記のジエン系重合体を加えてなるジエン系重
合体を、前記ビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸
無水物を主体とするビニル単量体の共重合体中に分散さ
せることにより本発明の樹脂組成物が得られる。該ブロ
ック共重合体を上記共重合体中に分散させる方法として
は、該ブロック共重合体と別途調整した上記共重合体を
溶融混合する方法もあるが、本発明の趣旨からは、該ブ
ロック共重合体に、必要に応じ上記のジエン系重合体を
加えてなるジエン系重合体に、前記ビニル芳香族単量
体、不飽和ジカルボン酸無水物を主体とするビニル単量
体を、剪断力の存在下に塊状重合または溶液重合し、ビ
ニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸無水物を主成分
とする共重合体よりなるマトリックス中に、該ブロック
共重合体が粒子状に分散してなるゴム変性スチレン系樹
脂組成物と成すことがより好ましい。この場合、上記ビ
ニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸無水物を主体と
するビニル単量体の一部が該ブロック共重合体にグラフ
トする。該ブロック共重合体にグラフトするビニル単量
体の割合は、重合条件により変動するが、通常該ブロッ
ク共重合体の重量に対して10〜200重量%の範囲で
ある。
【0040】上記ビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボ
ン酸無水物の使用割合は、マトリックス中の該ビニル芳
香族単量体単位と不飽和ジカルボン酸無水物単位の重量
比が、各々60:40〜95:5、好ましくは70:3
0〜90〜10の割合となるように調節することが、最
終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度と耐熱性のバラン
スの上から好ましい。
【0041】本発明においては、上記ビニル芳香族単量
体と不飽和ジカルボン酸無水物に加え、少量の他の共重
合可能なビニル単量体、たとえばアクリロニトリルなど
の不飽和ニトリル単量体、メチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど
のα,β不飽和カルボン酸エステル、及びマレイミド、
N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体を、
マトリックス中に単量体単位として20重量%を上限に
含有されるような割合で用いてもよい。
【0042】つぎに本発明の樹脂組成物中のジエン系重
合体の含量は、該ジエン系重合体中の前記重合体ブロッ
クA部分の重量を基準にして、樹脂組成物中に3〜30
重量%の範囲にあることが、最終的に得られる樹脂組成
物の衝撃強度と剛性のバランスの上から好ましい。また
ジエン系重合体の重量平均粒子径は、0.2〜10ミク
ロンの範囲にあることが好ましい。重量平均粒子径が
0.2ミクロンに満たない場合には、樹脂組成物の衝撃
強度が劣り、10ミクロンを越える場合には、樹脂組成
物の成形品の光沢が劣るようになる。ジエン系重合体の
重量平均粒子径のより好ましい範囲は、1.0〜3.0
ミクロンである。
【0043】ジエン系重合体の重量平均粒子径は、前記
攪拌重合機の攪拌の大きさにて制御することも出来る
が、本発明にて用いる前記ブロック重合体の組成、すな
わち該ブロック重合体中に占める重合体ブロックBの含
量を調整することにより、容易に制御することが出来
る。すなわち重合体ブロックAの分子量が一定の場合、
重合体ブロックBの分子量を高め、ブロック重合体中に
占める重合体ブロックBの含量を高めることにより、よ
り小さなジエン系重合体粒子を得ることが出来る。
【0044】なお上記に言う重量平均粒子径は、樹脂組
成物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真
中のジエン系重合体粒子のおよそ1000個の粒子につ
いてその粒子径を求め、次式により算出する。 重量平均粒子径=ΣNi・Di4 /ΣNi・Di3 (ここにNiは、粒子径がDiであるジエン系重合体粒
子の個数である。)また本発明の樹脂組成物のマトリッ
クス共重合体の固有粘度(ηSP/C、30度C)は、衝撃
強度と流動性のバランスの上から、好ましくは0.20
〜1.50dl/g、より好ましくは0.40〜0.8
0dl/gである。
【0045】また本発明の樹脂組成物中の前記ジエン系
重合体粒子の架橋度の指標となるトルエン/メチルエチ
ルケトンの1:1等容量混合溶媒に対する膨潤指数は、
衝撃強度と光沢のバランスの上から、好ましくは5〜1
8、より好ましくは7〜15である。上記膨潤指数の制
御は、前記方法に従いビニル単量体を塊状重合、塊状・
懸濁重合または溶液重合にてグラフト重合する際の最終
反応率及び未反応単量体の脱揮温度などにより調整され
る。
【0046】なお上記方法にて本発明の樹脂組成物を得
るに際し、前記のビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボ
ン酸無水物を主体とするビニル単量体混合液に不活性溶
媒を加えて重合を行なっても良い。不活性溶媒として
は、エチルベンゼン、トルエンなどのほか、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などの極性溶媒を適宜使用もしくは併用することが出来
る。これらの不活性溶媒の量は、前記ジエン系重合体を
溶解したビニル単量体混合液100重量部に対し、10
0重量部以下が好ましく、50重量部以下が更に好まし
い。
【0047】また本発明においては、前記のジエン系重
合体を溶解したビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン
酸無水物を主体とするビニル単量体混合液を重合するに
際し、有機過酸化物の存在下に重合を行なうことによ
り、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度と光沢のバ
ランスを高めることが出来る。上記の有機過酸化物とし
ては1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール
類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジ
アルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等
のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類、
シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド類、p−メンタハイドロパーオキサイド等のハイド
ロパーオキサイド類がある。上記有機過酸化物の量は、
前記ビニル単量体混合物中10〜1,000ppmの範
囲が好ましい。
【0048】また上記ビニル単量体混合液に定法に従
い、α−メチルスチレン2量体、テルペン誘導体、メル
カプタン類などの分子量調節剤を加えることも出来る。
上記重合に用いる反応機としては、実質的に均一組成を
有する共重合体が得られる型であれば種々のものを採用
することが出来る。そのような要件を満たす反応機とし
ては、還流ラインを備えた塔式反応機、完全混合型反応
機、内部に静的撹拌機を備えた循環式管型反応機などを
挙げることが出来る。
【0049】また重合の進行に伴う組成ムラを防ぐた
め、回分式重合を行う場合には、不飽和ジカルボン酸無
水物を、その消費速度に合わせて追添加し、また多段式
の上記反応機を用い連続式重合を行う場合には、前段に
て消費された不飽和ジカルボン酸無水物の適量を次段の
重合機に追添加することが好ましい。また、ビニル芳香
族単量体及び不飽和ジカルボン酸無水物は、室温下に長
期間接触していると、錯体を形成して、沈殿物を生成し
易いので、反応機には別々にに導くのが好ましい。即
ち、前記ジエン系重合体をビニル芳香族単量体に溶解し
た液と、不飽和ジカルボン酸無水物をメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどの極性溶媒に溶解した
液とを、別々に反応機に導くことが好ましい。
【0050】上記ビニル単量体混合液の重合が終了した
後、定法に従い未反応の単量体や不活性溶媒が、高温・
高真空条件下にて脱揮される。本発明の樹脂組成物に
は、染顔料、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤などの添加
剤を必要に応じて添加することが出来る。以下実施例、
参考例により本発明をより具体的に説明する。
【0051】
【実施例、比較例】以下の実施例、比較例では、下記の
参考例に示す方法により得たジエン系重合体を用いた。
なお、以下の参考例においてネオジムのリン酸塩化合物
とは、
【0052】
【化8】
【0053】で示される化合物のことである。 1)参考例:[ジエン系重合体の調整] [参考例1−ジエン系重合体Aの調整]乾燥窒素で内部
をパージした内容積20リットルのオートクレーブに2
Kgの1,3−ブタジエンと8Kgのエチルベンゼンを
仕込んだ。続いてネオジムのリン酸塩化合物8.72ミ
リモル、ジイソブチルアルミニウムハイドライド105
ミリモルを添加し、室温で15分間予備反応させた。さ
らにエチルアルミニウムセスキクロライド6.36ミリ
モルを添加し、撹拌下に60度C、4時間にて第一段重
合を行い、重合体濃度20重量%の粘稠な液を得た。
(この時点にて重合液の一部を採取し、メタノールを加
えて重合を停止させた。重合体をゲルパーミッションク
ロマトグラフ(GPC)および13C−NMRにて分析し
た結果、重量平均分子量303,000、多分散度2.
4であり、シス1,4結合99モル%のポリブタジエン
であった。)またこの時点での1,3ブタジエンの転化
率は、99%であった。
【0054】かくして得られたジエン系重合体を含む溶
液に、メチルメタクリレート3Kgを加え、−78度C
にて4時間に渡り第二段重合を行った。メチルメタクリ
レートの転化率は、26%であった。得られた重合体溶
液に、大過剰のメタノールを加え、ジエン系重合体を回
収した。かくして得られた重合体をクロロホルムに溶解
しアセトンにて沈殿する操作を繰り返し、そのつどGP
C、 1H−NMRを測定し両者に変化が無いことを確認
した。得られた重合体は、ブタジエン/メチルメタクリ
レートの重量比74/26、 重量平均分子量416,0
00、多分散度2.8のブタジエン−b−メチルメタク
リレートのブロック共重合体であった。結果を表1に示
す。
【0055】[参考例2−ジエン系重合体Bの調整]参
考例1において、ジエン系重合体を得る条件として、第
一段重合のみで重合を終了したほかは同様にして、ジエ
ン系重合体Bを得た。ジエン系重合体Bの構造を表1に
示す。 [参考例3−ジエン系重合体Cの調整]英国特許第1,
332,404号明細書に記載の方法に従い、ブチルリ
チウム触媒にて、1,3−ブタジエンを重合し、次いで
ジフェニルエチレンを加えた後、メチリメタクリレート
を加えて重合し、メチルメタクリレート含量25重量%
のメチルメタクリレート−ブタジエンブロックゴムを得
た。構造を表1に示す。
【0056】2)実施例 以下の実施例、比較例においては、重合原液の組成は重
量部で表示する。
【0057】
【実施例1】前記の参考例にて得られたジエン系重合体
Aを用い、下記の組成より成る重合原液を調整した。 (1) ・ジエン系重合体A−−−−−−−−−−10.0wt% ・スチレン−−−−−−−−−−−−−−54.0 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−36.0 (2) ・無水マレイン酸−−−−−−−−−−−49.3 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−50.4 ・アゾビスイソブチロニトリル−−−−−0.30 撹拌機付きの3L完全混合型反応機に上記重合原液
(1)を1800g仕込み、内温を85℃とした。次い
で重合原液(2)590gを、初めの5時間を65ml
毎時、引き続き4時間を41ml毎時、残液を16ml
毎時の速度で追添した。
【0058】最終的な固形分濃度は50.1%であり、
無水マレイン酸の転化率は80.4%であった。また反
応機の撹はん数50rpmとして分散ゴム粒子径を調整
した。重合終了後、加熱真空下の脱揮装置に送り込み、
未反応の単量体及びメチルエチルケトンを除去し、押出
機にて造粒しペレット状のゴム変性ビニル芳香族系樹脂
組成物を得た。
【0059】得られた樹脂組成物の解析を行った結果、
ジエン系重合体含量(ブタジエン換算)11.1重量
%、重量平均ゴム粒子径1.0ミクロン、メチルエチル
ケトン可溶分の重量平均分子量120,000、メチル
エチルケトン/トルエンの1:1の等容量混合溶媒の不
溶分の膨潤指数7.6であった。またマトリックス共重
合体中の無水マレイン酸含量は、23重量%であった。
【0060】次いで機械的物性、及び光沢を測定した。
結果を表2に示す。尚、機械的物性及び光沢の測定は以
下の方法に従った。 ・アイゾット衝撃強度:射出成形により試験片を作成
し、ASTM D256に準拠し、ノッチ付衝撃強度を
求める。 ・曲げ弾性率:射出成形により試験片を作成しASTM
D638に準拠し、測定を行う。
【0061】・光沢度:射出成形により作成したAST
M D638のダンベル試験片のゲート部とエンド部の
光沢度を測定する。 ・ビカット軟化点:射出成形により試験片を作成し、A
STM D1525に準拠し測定を行う。
【0062】
【比較例1】実施例1において、重合原液(1)のジエ
ン系重合体Aに代えて、ジエン系重合体Bを用い、かつ
重合原液中のジエン系重合体のポリブタジエン換算の含
量が、実施例1と等しくなるよう下記組成の重合原液を
調整する他は同様にして重合を行い、ゴム変性スチレン
−無水マレイン酸共重合体樹脂組成物を得た。
【0063】 (1) ・ジエン系重合体B−−−−−−−−−−7.40wt% ・スチレン−−−−−−−−−−−−−−54.0 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−38.6 (2) ・無水マレイン酸−−−−−−−−−−−49.3 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−50.4 ・アゾビスイソブチロニトリル−−−−−0.30 得られた樹脂組成物の解析を行った結果、ジエン系重合
体含量(ブタジエン換算)11.5重量%、重量平均ゴ
ム粒子径2.7ミクロン、メチルエチルケトン可溶分の
重量平均分子量119,000、メチルエチルケトン/
トルエンの1:1の等容量混合溶媒の不溶分の膨潤指数
7.4であった。またマトリックス共重合体中の無水マ
レイン酸含量は、23重量%であった。
【0064】次いで機械的物性、及び光沢を測定した。
結果を表2に示す。
【0065】
【比較例2】実施例1において、重合原液(1)のジエ
ン系重合体Aに代えて、ジエン系重合体Bを用い、かつ
重合原液中のジエン系重合体のポリブタジエン換算の含
量が、実施例1と等しくなるよう下記組成の重合原液を
調整した。 (1) ・ジエン系重合体B−−−−−−−−−−7.40wt% ・スチレン−−−−−−−−−−−−−−54.0 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−38.6 (2) ・無水マレイン酸−−−−−−−−−−−49.3 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−50.4 ・アゾビスイソブチロニトリル−−−−−0.30 第一槽反応機の撹はん数を250rpmとする他は比較
例1と同様にしてゴム変性スチレン−無水マレイン酸共
重合体樹脂組成物を得た。
【0066】得られた樹脂組成物の解析を行った結果、
ジエン系重合体含量(ブタジエン換算)11.5重量
%、重量平均ゴム粒子径1.5ミクロン、メチルエチル
ケトン可溶分の重量平均分子量119,000、メチル
エチルケトン/トルエンの1:1の等容量混合溶媒の不
溶分の膨潤指数7.4であった。またマトリックス共重
合体中の無水マレイン酸含量は、23重量%であった。
【0067】次いで機械的物性、及び光沢を測定した。
結果を表2に示す。
【0068】
【実施例2】前記の参考例にて得られたジエン系重合体
Cを用い、下記の組成より成る重合原液を調整した。 (1) ・ジエン系重合体C−−−−−−−−−−10.0wt% ・スチレン−−−−−−−−−−−−−−54.0 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−36.0 (2) ・無水マレイン酸−−−−−−−−−−−49.3 ・メチルエチルケトン−−−−−−−−−50.4 ・アゾビスイソブチロニトリル−−−−−0.30 撹拌機付きの3L完全混合型反応機に上記重合原液
(1)を1800g仕込み、内温を85℃とした。次い
で重合原液(2)590gを、初めの5時間を65ml
毎時、引き続き4時間を41ml毎時、残液を16ml
毎時の速度で追添した。最終的な固形分濃度は50.1
%であり、無水マレイン酸の転化率は80.4%であっ
た。また反応機の撹はん数50rpmとして分散ゴム粒
子径を調整した。重合終了後、加熱真空下の脱揮装置に
送り込み、未反応の単量体及びメチルエチルケトンを除
去し、押出機にて造粒しペレット状のゴム変性スチレン
−無水マレイン酸共重合体樹脂組成物を得た。
【0069】得られた樹脂組成物の解析を行った結果、
ジエン系重合体含量(ブタジエン換算)11.3重量
%、重量平均ゴム粒子径0.7ミクロン、メチルエチル
ケトン可溶分の重量平均分子量120,000、メチル
エチルケトン/トルエンの1:1の等容量混合溶媒の不
溶分の膨潤指数7.6であった。またマトリックス共重
合体中の無水マレイン酸含量は、23重量%であった。
【0070】次いで機械的物性、及び光沢を測定した。
結果を表2に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】以上から明らかなように、変性用ゴムと
して、1,3−ブタジエン単量体単位を主体とするジエ
ン系重合体ブロックAと、メチルメタクリレート単量体
単位を主体とする重合体ブロックBよりなるブロック共
重合体を用いることを特徴とする本発明のゴム変性ビニ
ル芳香族系樹脂組成物は、衝撃強度、剛性及び光沢に優
れている。特に本発明においてジエン系重合体ブロック
Aの1,3−ブタジエン部分に占めるシス1,4結合の
割合が、90重量%以上であるブロック共重合体を用い
た本発明のゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物は上記に
加え、低温衝撃性に優れている。これに対し従来の、ハ
イシスポリブタジエンゴムを用いたゴム変性ビニル芳香
族系樹脂組成物は、粒子を形成するジエン系重合体が重
合体ブロックBを欠くため衝撃強度と光沢のバランスに
劣る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸
    無水物単量体単位を主体とする共重合体マトリックス中
    に、ジエン系重合体が粒子状に分散してなるゴム変性ビ
    ニル芳香族系樹脂組成物において、該ジエン系重合体
    が、1,3−ブタジエン単量体単位を主体とする重合体
    ブロックと、メチルメタクリレート単量体単位を主体と
    する重合体ブロックよりなるブロック共重合体を主成分
    とするジエン系重合体であることを特徴とするゴム変性
    ビニル芳香族系樹脂組成物。
JP13648492A 1992-01-30 1992-05-28 ゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物 Withdrawn JPH05271364A (ja)

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JP1499492 1992-01-30

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