JPH05117341A - 新規な共役ジエン系ブロツク共重合体及びその製造方法 - Google Patents

新規な共役ジエン系ブロツク共重合体及びその製造方法

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JPH05117341A
JPH05117341A JP28482891A JP28482891A JPH05117341A JP H05117341 A JPH05117341 A JP H05117341A JP 28482891 A JP28482891 A JP 28482891A JP 28482891 A JP28482891 A JP 28482891A JP H05117341 A JPH05117341 A JP H05117341A
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JP
Japan
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monomer
conjugated diene
polymer
acid
styrene
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Withdrawn
Application number
JP28482891A
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English (en)
Inventor
Jun Yonezawa
順 米沢
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
Mitsutoshi Toyama
満俊 遠山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】共役ジエン単量体単位を主体とし、かつ共役ジ
エン単量体単位部分に占めるシス1,4結合の割合が7
0モル%以上である重合体ブロックA、及びビニル芳香
族単量体及び不飽和ニトリル単量体単位を主体とする重
合体ブロックBよりなるブロック共重合体。 【効果】このブロック共重合体は、弾性に富む重合体ブ
ロックと極性に富む重合体ブロックを有するので、優れ
た弾性、強度、加工性と、耐溶剤性、極性ポリマーに対
する相溶性を有し、かつ低温衝撃強度に優れ、接着剤、
熱可塑性エラストマー、樹脂補強材、異樹脂相溶化剤な
どとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な共役ジエン系ブ
ロック共重合体に関する。更に詳しくは、エラストマ
ー、熱可塑性エラストマー、樹脂補強用ゴム、接着剤原
料、ポリマーアロイ用相溶化剤等として有用な新規な共
役ジエン系のブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エラストマー、熱可塑性エラ
ストマー、樹脂補強用ゴム、接着剤原料、ポリマーアロ
イ用相溶化剤等として用いられている共役ジエン系ブロ
ック共重合体として、スチレン−ブタジエン系ブロック
共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体が
知られている。これらの重合体は、優れた弾性、強度、
加工性を有するため、上記分野にて、広く用いられるに
至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
共役ジエン系ブロック共重合体は、極性に乏しいため、
耐溶剤性、極性ポリマーに対する相溶性などに欠け、使
用範囲が限定されてしまうという問題があった。一方上
記問題を解決するため、米国特許第4,169,115
号明細書には、アニオン重合にてジエン系単量体を重合
し、特定のイオウ化合物にて反応を停止した後、ビニル
単量体をラジカル重合する方法が提案されている。この
方法は例えばブタジエン重合体ブロックとスチレン−ア
クリロニトリル共重合体ブロックよりなる共役ジエン系
ブロック共重合体の製造を可能とするものであるが、ブ
タジエン部分の重合にリチウム触媒を用いているため、
シス1,4結合が、50モル%以下となり、低温特性が
劣るという課題が残されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、特定の触媒の存
在下に、共役ジエンを重合し、引き続きビニル芳香族単
量体と不飽和ニトリル単量体を主成分とする単量体を重
合することにより、優れた弾性、強度、加工性と、耐溶
剤性、極性ポリマーに対する相溶性を有し、かつ低温衝
撃強度に優れた、新規な共役ジエン系ブロック共重合体
が効率良く得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0005】即ち本発明は、共役ジエン単量体単位を主
体とし、かつ共役ジエン単量体単位部分に占めるシス
1,4結合の割合が70モル%以上である重合体ブロッ
クA、及びビニル芳香族単量体単位と不飽和ニトリル単
量体単位を主体とする重合体ブロックBよりなる共役ジ
エン系ブロック共重合体及びその製造方法を提供するも
のである。以下本発明について詳しく説明する。
【0006】上記において、共役ジエン単量体単位を主
体とする重合体ブロックAとは、共役ジエンの1種また
は2種以上の単量体単位および必要に応じ加えられる少
量の、上記共役ジエンと共重合可能なビニル単量体単位
よりなる重合体ブロックを言う。重合体ブロックAを構
成する上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,
3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、
2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘ
プタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、1,
3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサ
ジエンなどを挙げることが出来るが、特に1,3−ブタ
ジエン、イソプレンなどが好適である。また前記の、こ
れらの共役ジエンと共重合可能なビニル単量体としては
エチレンなどを挙げることが出来る。これらの単量体
は、上記共役ジエンの重合速度を低下させない範囲で共
重合することができる。実用的見地からは、これらのビ
ニル単量体の量は、共役ジエンの重量の1/10以下で
あることが好ましい。
【0007】つぎに上記重合体ブロックAの共役ジエン
部分のミクロ構造は、シス1,4結合の割合が70モル
%以上である必要がある。シス1,4結合割合が70モ
ル%に満たない場合には、最終的に得られる共役ジエン
系ブロック共重合体の低温衝撃強度が劣り好ましく無
い。シス1,4結合のより好ましい割合は90モル%以
上であり、さらに好ましい割合は95モル%以上であ
る。シス1,4結合の割合に関する上記要件は、後述す
る本発明に特有の重合触媒を用いることにより効率よく
達成することが出来る。
【0008】次に上記ビニル芳香族単量体単位と不飽和
ニトリル単量体単位を主体とする重合体ブロックBと
は、ビニル芳香族単量体の1種または2種以上と不飽和
ニトリル単量体の1種または2種以上及び必要に応じ加
えられる少量の、上記ビニル芳香族単量体及び不飽和ニ
トリル単量体と共重合可能なビニル単量体単位よりなる
重合体ブロックを言う。
【0009】本発明に言う上記ビニル芳香族単量体と
は、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンな
どの核アルキル置換スチレン、モノクロルスチレン、ジ
クロルスチレン、ジブロムスチレン、トリブロムスチレ
ンなどの核ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキ
ル置換スチレンなどを指すが、代表的なものとしては、
スチレンの単独もしくは、その一部をスチレン以外の上
記ビニル芳香族単量体で置き換えた単量体混合物であ
る。
【0010】また本発明に言う上記不飽和ニトリル単量
体とは、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどで
あるが、代表的なものはアクリロニトリルである。 重
合体ブロックB中の、上記ビニル芳香族単量体単位と不
飽和ニトリル単量体単位の重量比に特に制約は無いが、
各々の重量比が75/25〜55/45の範囲にあるこ
とが好ましく、70/30〜60/40がより好まし
い。
【0011】次に前記の、必要に応じ加えられる少量
の、上記ビニル芳香族単量体及び不飽和ニトリル単量体
と共重合可能なビニル単量体としては、メチルメタクリ
レート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピ
ルメタクリレート等のα、β不飽和カルボン酸エステル
単量体を挙げることが出来る。
【0012】上記重合体ブロックAと重合体ブロックB
の重量比に特に制約はなく、目的に応じ調整される。例
えば、重合体ブロックBを構成する重合体のガラス転移
温度が室温以上である場合には、重合体ブロックAの重
量比が50重量%以上の場合には、ブロック共重合体
は、エラストマーとしての性状を示し、重合体ブロック
Aの重量比が50重量%に満たない場合には、ブロック
共重合体は、熱可塑性重合体としての性状を示すように
なる。
【0013】また本発明の共役ジエン系ブロック共重合
体の分子量に特に制約は無く、常用の20,000〜
1,000,000であれば良い。好ましい分子量の範
囲は50,000〜500,000である。本発明の好
ましい態様の1例は、上記重合体ブロックBが、スチレ
ンとアクリロニトリルを主体とする繰り返し単位より成
る場合である。重合体ブロックBが上記単量体を主体と
する繰り返し単位より成る場合、共役ジエン系ブロック
共重合体は、それ自身有用な熱可塑性エラストマーと成
り得るほか、更にポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、
スチレン- アクリロニトリル共重合体などの熱可塑性樹
脂の補強剤として有用である。
【0014】本発明の上記共役ジエン系ブロック共重合
体は、以下に示す特定の触媒を用いて、前記共役ジエ
ン、ビニル芳香族単量体、不飽和ニトリル単量体及び必
要に応じこれらと共重合可能なビニル単量体を、特定の
条件下に重合することにより得ることができる。上記の
特定の触媒の例としては、 a)希土類元素のカルボキシレート、アルコラート、フ
ェノラート、リン酸塩、亜リン酸塩及びフェニルヒドロ
キシルアミド化合物との塩から選ばれた少なくとも一種 b)有機アルミニウム化合物 c)ルイス酸の3成分よりなる重合触媒を挙げることが
できる。
【0015】上記重合触媒において、希土類元素として
は、セリウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、
ガドリウムなどを挙げることができるが、特にネオジ
ム、プラセオジウムが本発明の共役ジエン系ブロック共
重合体を得るのに好ましい。上記の重合触媒のa)成分
に言う、希土類元素のカルボキシレート、アルコラー
ト、フェノラート、リン酸塩、亜リン酸塩及びフェニル
ヒドロキシルアミド化合物との塩とは、各々下記一般式
で示されるものである。なお、以下の一般式においてL
nは、セリウム、ランタン、プラセオジウム、ネオジ
ム、ガドリウムなどの希土類元素を示す。
【0016】1)希土類元素のカルボキシレート;下記
(1)式で示されるカルボキシレート。
【0017】
【化1】
【0018】但し、Rは下記1−1)〜1−7)のいず
れかより選ばれる有機酸の残基である。 1−1)直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜17のア
ルキル基。 1−2)炭素数17の直鎖状アルケニル基。 1−3)フェニル基。
【0019】1−4)ベンジル基。 1−5)トリフェニルメチル基。 1−6)トリシクロヘキシルメチル基。 1−7)下記(2)式で示されるロジン酸の有機酸の残
基。
【0020】
【化2】
【0021】2)希土類元素のアルコラート; Ln−(O−R)3 (3) 但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基。 3)希土類元素のフェノラート;下記(4)式または
(5)式で示されるフェノラート、ナフトラート、チオ
フェノラート、チオナフトラート。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】(式中Yは、酸素またはイオウ原子、R
1 ,R2,R3 またはR4 ,R5 ,R6は、水素または炭
素数1〜20の炭化水素基である。) 4)希土類元素のリン酸塩、亜リン酸塩; Ln(Px)3 (6) 但し、Pxは下記(7)式、(8)式で表されるリン酸
または、亜リン酸の残基である。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】(ここでj,k,l,mは、0以上の整数
を表しそれぞれ同じであっても、異なっていても良い。
1 〜R4 は、水素原子、あるいは炭化水素基、あるい
は芳香族炭化水素基、あるいはアルコキシ基、あるいは
アルキルフェノキシを表し、R1 とR2 及びR3 とR4
は、それぞれ同一の基であっても異なる基であっても構
わない。)上記(7)式の酸は、5価の有機リン酸化合
物を表し、一般には母体構造をとる5価のリン酸及びそ
のモノあるいはジエステルの形で命名される。そのよう
な好ましい例としては、リン酸ジブチル、リン酸ジペン
チル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン酸ジ
オクチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸
ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、リン
酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−ノ
ニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール
−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2エチル
ヘキシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エチル
ヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニ
ルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノブチ
ル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘ
キシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシ
ル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフ
ェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホスホ
ン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−p−
ノニルフェニル、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−エ
チルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチ
ル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレイ
ルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p−
ノニルフェニルホスフィン酸、ブチル(2−エチルヘキ
シル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(1−メ
チルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホスフィ
ン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−メチルヘ
プチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウリル
ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニルフェ
ニルホスフィン酸等が挙げられる。
【0028】また上記(8)式で表される3価の有機リ
ン酸化合物の好ましい例としては、上記(7)式に例示
した5価の有機リン酸化合物の母体構造が、それぞれ亜
リン酸に置換された化合物を挙げることができる。上記
に例示した有機リン酸化合物のうちで、好ましい例とし
ては、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス
(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェ
ニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノ
ニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2エ
チルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−
ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ
ブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチ
ルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−
ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィ
ン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(2−エチルヘ
キシル)(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−
エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸
が挙げられ、特に好ましい例として、リン酸ビス(2−
エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチ
ル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチル
ヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸が
挙げられる。
【0029】5)希土類元素のフェニルヒドロキシルア
ミド化合物の塩;下記(9)式で表されるフェニルヒド
ロキシルアミド化合物との塩。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R1 は炭素数1〜40の炭化水素
基であり、R2 ,R3 ,R4 は水素または炭素数1〜2
0の炭化水素基である。)上記において、R1 は脂肪族
炭化水素基、脂環式炭化水素基及びこれらの不飽和結合
を有する炭化水素基であり、炭素数1〜40、好ましく
は炭素数4〜30、特に好ましくは炭素数8〜25の範
囲であり、特に2級若しくは3級の炭化水素基が好まし
い。好ましいものの具体例としては、1−エチルペンチ
ル基、1−ヘキシルペンタデカニル基及びバーサチック
酸10(シェル化学の商品名、2級若しくは3級のデカ
ン酸の混合物)のアルキル残基を挙げることが出来る。
次に上記重合触媒の有機アルミニウム化合物は、下記
(10)式で表される。
【0032】AlR3-nn (10) (ここでnは0,1または2であり、Rは炭素数1〜8
個の炭化水素基、Hは水素原子である。)好ましい有機
アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、
イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、
特に好ましいものは、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドラ
イド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドである。
これらは2種以上の混合物であっても良い。
【0033】次ぎに、上記重合触媒の一成分であるルイ
ス酸は、ハロゲン元素含有ルイス酸化合物や、ジメチル
ホルムアミド、トリエチルアミンなどの化合物である。
これらの好ましいものとしては、周期律表の主族III
a,IVaまたはVaに属する元素のハライドないしは
有機金属ハライドが挙げられ、ハライドとしては、塩素
または臭素が好ましい。これらの化合物の例としては、
メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウム
ジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブ
ロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチル
アルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロラ
イド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイ
ド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニ
ウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライ
ド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、
五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン及び四塩化
錫、四塩化炭素、クロロホルム及び二塩化エチレンがあ
り、特に好ましいものとしてジエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチル
アルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロ
マイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド及びエチ
ルアルミニウムジブロマイド、四塩化炭素、クロロホル
ム、二塩化エチレンが挙げられる。
【0034】本発明の上記の触媒成分の好ましい構成比
は、各々を希土類元素/アルミニウム/ルイス酸のモル
比で表示して1/(2〜100)/(1〜50)が好ま
しく、特に好ましくは、1/(5〜50)/(1.5〜
25)の範囲である。本発明で好適に用いられる上記触
媒は極めて活性が高く、使用する触媒量は重合すべき単
量体2モル当たり、希土類元素で表示して1.5×10
-3モル以下が好ましく、特に好ましい範囲は0.01×
10-3〜1.0×10-3モルである。 本発明の共役ジ
エン系ブロック共重合体の重合は具体的には不活性溶剤
の存在下に、上記触媒を用いて先ず前記1,3−ブタジ
エンの単独、もしくは1,3−ブタジエンとこれと共重
合可能なジオレフィン単量体の混合単量体の重合を進行
せしめ(以後、第一段重合と称する。)、該単量体の重
合が実質的に終了した後、前記ビニル芳香族単量体及び
不飽和ニトリル単量体の1種または2種以上のビニル単
量体を重合する(以後、第二段重合と称する。)ことに
より得ることが出来る。
【0035】上記の不活性溶剤とは、前記単量体の重合
に不活性な溶剤であり、好ましいものとしてブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水
素、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等またはこれらの混合物であ
る。上記の不活性溶剤の量は、単量体の合計100重量
部に対して300重量部以上、より好ましくは400重
量部以上である。
【0036】また上記の触媒は上記1,3−ブタジエン
の存在下、または不存在下に希土類元素のカルボキシレ
ート、アルコラート、フェノラート、リン酸塩、亜リン
酸塩、フェニルヒドロキシルアミド化合物の塩をルイス
酸の添加に先立って、有機アルミニウム化合物と予備反
応させることにより、活性を高めることもできる。この
予備反応は反応温度0〜100度Cで実施するのが好ま
しい。特に好ましい反応時間は0.05〜3時間であ
る。
【0037】また前記第一段重合の温度、時間は、触媒
濃度に応じて適宜選択しうるが、好ましくは20〜95
度C、0.1〜8時間、より好ましくは、40〜75度
C、0.5〜2時間である。次ぎに上記第二段重合は、
第一段重合に先立ち加えた上記触媒濃度にもよるが、好
ましくは20〜95度C、0.1〜24時間、より好ま
しくは、40〜95度C、1〜24時間である。
【0038】重合終了後、既知の方法に従い未反応の単
量体を除去し、重合体を回収する。具体的には、ドラム
ドライヤー、スチームストリッピングなどの方法を採用
することが出来る。
【0039】
【実施例】以下、実施例にて本発明をより具体的に説明
する。
【0040】
【実施例1】以下の手順で触媒を調整する。ネオジムの
リン酸塩化合物Nd(P13 、(但しP1 は、
【0041】
【化8】
【0042】を示す。)0.15gをエチルベンゼン2
2gに加え、次いで1,3−ブタジエン1.1g、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドの0.1モル/リッ
トル濃度n−ヘキサン溶液1.64ミリリットルを加
え、15分間振とうすることにより、透明淡緑色の均一
溶液を得る。次いでルイス酸としてエチルアルミニウム
セスキクロライドの0.3モル/リットル濃度n−ヘキ
サン溶液0.33ミリリットルを加える。かくして得ら
れる触媒溶液の4.9g(ネオジム換算にて2.88×
10-5モル)を、別途乾燥窒素で内部をパージした耐圧
ガラスビンに仕込んだ1,3−ブタジエン6.6gと5
0gのエチルベンゼンの混合液に加え、60度Cにて3
時間重合を行なう。(この時点にて重合液の一部を採取
し、メタノールを加えて重合を停止させる。重合体をG
PCおよび13C−NMRにて分析した結果、重量平均分
子量104,000、多分散度2.4であり、シス1,
4結合99モル%のポリブタジエンである。)次いで、
スチレンとアクリロニトリルの等モル比の単量体混合物
15.5gを加え、60度Cにて8時間重合を継続し、
淡赤色の粘稠な重合液を得る。次いで重合液を多量のメ
タノール中に沈殿させ重合を停止する。かくして得られ
る重合体を二塩化メチレンに溶解しDMFにて沈殿する
操作を繰り返し、そのつどGPC、13C−NMRを測定
し両者に変化が無いことを確認する。得られる重合体
は、ブタジエン重合体:スチレン−アクリロニトリル共
重合体の重量比95:5、 重量平均分子量290,00
0、多分散度2.9、またスチレン−アクリロニトリル
共重合体中におけるアクリロニトリル単量体単位が34
重量%であるポリブタジエン−b−スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体の共役ジエン系ブロック共重合体であ
る。かくして得られる共役ジエン系ブロック共重合体2
gを、スチレン−アクリロニトリル共重合体(アクリロ
ニトリル含量35重量%、重量平均分子量120,00
0)8g及び二塩化メチレン90gとともにガラスビン
に採り、十分振とうの後、乳白色のエマルジョンが得ら
れる。位相差顕微鏡にて観察すると、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体の連続相中に約0.3ミクロンのブ
ロック共重合体の粒子が分散しているのが認められる。
尚、このエマルジョンは、6ケ月の経過の後も相分離を
起こさない。他方、上記の重合途中にて採取したポリブ
タジエンを用いて同様の操作を行うが、エマルジョンは
得られず、ポリブタジエンとスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体はクロロホルム中にて、直ちに2相に分離
(上層にポリブタジエン相、下層にスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体相を形成)してしまう。
【0043】
【実施例2】実施例1におけるルイス酸を四塩化炭素と
し、その添加量をNd換算モル数に対して7倍とする他
は同様にして重合体を得る。第一段重合終了時の重合体
は、重量平均分子量215,000、多分散度2.8、
シス1,4結合99モル%のポリブタジエンであり、第
二段重合終了時の重合体は、ブタジエン/スチレン−ア
クリロニトリル共重合体の重量比80:20、 スチレン
−アクリロニトリル共重合体中におけるアクリロニトリ
ル単量体単位が34重量%、重量平均分子量350,0
00、多分散度3.2のブタジエン−b−スチレン−ア
クリロニトリル共重合体のブロックポリマーである。
【0044】
【実施例3】実施例1において、触媒溶液重量23g、
1,3−ブタジエンを6.9gとして第一段重合を行う
他は、同様にしてして重合体を得る。第一段重合終了時
の重合体は、重量平均分子量48,000、多分散度
1.8、シス1,4結合76モル%のポリブタジエンで
あり、第二段重合終了時の重合体は、ブタジエン/スチ
レン−アクリロニトリル共重合体の重量比85:15、
スチレン−アクリロニトリル共重合体中におけるアクリ
ロニトリル単量体単位が35重量%、重量平均分子量1
27,000、多分散度2.6のブタジエン−b−スチ
レン−アクリロニトリル共重合体のブロックポリマーで
ある。
【0045】
【実施例4】実施例2において、触媒溶液重量23g、
1,3−ブタジエンを6.4gとして第一段重合を行う
他は、同様にして重合体を得る。第一段重合終了時の重
合体は、重量平均分子量101,000、多分散度2.
1、シス1,4結合83モル%のポリブタジエンであ
り、第二段重合終了時の重合体は、ブタジエン/スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体の重量比60:40、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体中におけるアクリロ
ニトリル単量体単位が34重量%、重量平均分子量23
2,000、多分散度2.8のブタジエン−b−スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体のブロックポリマーであ
る。
【0046】
【実施例5】実施例1において、1,3−ブタジエンに
代えてイソプレンを用いる他は同様にして重合を行い、
イソプレン−b−スチレン−アクリロニトリル共重合体
のブロックポリマーを得る。
【0047】
【発明の効果】本発明の共役ジエン系ブロック共重合体
は、低温特性に優れるハイシス共役ジエン重合体ブロッ
クと極性に富むビニル芳香族単量体単位と不飽和ニトリ
ル単量体単位を主体とする共重合体ブロックより成って
いるので、優れた弾性、強度、加工性と、耐溶剤性、極
性ポリマーに対する相溶性を有し、かつ低温衝撃強度に
優れ、接着剤、熱可塑性エラストマー、樹脂補強材、異
樹脂相溶化剤などとして有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン単量体単位を主体とし、かつ
    共役ジエン単量体単位部分に占めるシス1,4結合の割
    合が70モル%以上である重合体ブロックA、及びビニ
    ル芳香族単量体単位と不飽和ニトリル単量体単位を主体
    とする重合体ブロックBよりなる共役ジエン系ブロック
    共重合体。
  2. 【請求項2】 希土類元素のカルボキシレート、アルコ
    ラート、フェノラート、リン酸塩、亜リン酸塩及びフェ
    ニルヒドロキシルアミド化合物との塩から選ばれた少な
    くとも一種と有機アルミニウム化合物とルイス酸よりな
    る重合触媒の存在下に、共役ジエンを主成分とする単量
    体の重合を行ない、引き続きビニル芳香族単量体と不飽
    和ニトリル単量体を主成分とする単量体の重合を行なう
    ことを特徴とする前記特許請求の範囲第1項に記載の共
    役ジエン系ブロック共重合体の製造方法。
JP28482891A 1991-10-30 1991-10-30 新規な共役ジエン系ブロツク共重合体及びその製造方法 Withdrawn JPH05117341A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000069939A1 (de) * 1999-05-18 2000-11-23 Bayer Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von thermoplastischen formmassen unter verwendung von kautschuklösungen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000069939A1 (de) * 1999-05-18 2000-11-23 Bayer Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von thermoplastischen formmassen unter verwendung von kautschuklösungen

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