JPH0532619A - アジリジン化合物の製造方法 - Google Patents
アジリジン化合物の製造方法Info
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- JPH0532619A JPH0532619A JP21418091A JP21418091A JPH0532619A JP H0532619 A JPH0532619 A JP H0532619A JP 21418091 A JP21418091 A JP 21418091A JP 21418091 A JP21418091 A JP 21418091A JP H0532619 A JPH0532619 A JP H0532619A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】チオエーテル基とスルホンアミド基が隣接する
炭素に結合したスルホンアミド化合物にメチル化剤を作
用させてスルホニウム塩とし、このスルホニウム塩に塩
基性化合物を作用させてアジリジン環を形成させること
からなるアジリジン化合物の製造方法で、特には、前記
スルホンアミド化合物として光学活性体を用いて光学活
性なアジリジン化合物を得る方法であり、特に好ましく
は、前記メチル化剤としてトリメチルオキソニウムテト
ラフルオロボレートを用い、さらに前記塩基性化合物と
して水素化ナトリウムを用いる方法。 【効果】従来製造が困難であったアジリジン化合物、特
にはその光学活性体を簡便かつ安価に製造することがで
きる。またこれにより、このアジリジン化合物を原料と
する生理活性物質や機能性化合物などを安価に製造でき
る。
炭素に結合したスルホンアミド化合物にメチル化剤を作
用させてスルホニウム塩とし、このスルホニウム塩に塩
基性化合物を作用させてアジリジン環を形成させること
からなるアジリジン化合物の製造方法で、特には、前記
スルホンアミド化合物として光学活性体を用いて光学活
性なアジリジン化合物を得る方法であり、特に好ましく
は、前記メチル化剤としてトリメチルオキソニウムテト
ラフルオロボレートを用い、さらに前記塩基性化合物と
して水素化ナトリウムを用いる方法。 【効果】従来製造が困難であったアジリジン化合物、特
にはその光学活性体を簡便かつ安価に製造することがで
きる。またこれにより、このアジリジン化合物を原料と
する生理活性物質や機能性化合物などを安価に製造でき
る。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、スルホンアミド化合
物、特にはこの光学活性体を用い、アジリジン環を形成
させて、アジリジン化合物、特にはその光学活性体を製
造する方法に関する。
物、特にはこの光学活性体を用い、アジリジン環を形成
させて、アジリジン化合物、特にはその光学活性体を製
造する方法に関する。
【0002】アジリジン化合物、特にはその光学活性体
は医薬や農薬等の生理活性物質、液晶や界面活性剤等の
機能性有機化合物、機能性材料ポリマー等々の原料とし
て有用である。
は医薬や農薬等の生理活性物質、液晶や界面活性剤等の
機能性有機化合物、機能性材料ポリマー等々の原料とし
て有用である。
【0003】
【従来の技術】アジリジン環は、強い生理活性を持つ化
合物の部分構造として知られており、例えば、抗腫瘍性
化合物の一つとして知られているマイトマイシンCにお
いては、その活性発現において本質的な役割を果たして
いるものと考えられている。また、アジリジン環は、高
い反応性を持っており、種々の官能基へ変換する方法が
確立されている。例えば、このアジリジン環を加水分解
することによりα-アミノアルコールに変換でき、この
α-アミノアルコールからは容易にα-アミノ酸を合成で
きる。
合物の部分構造として知られており、例えば、抗腫瘍性
化合物の一つとして知られているマイトマイシンCにお
いては、その活性発現において本質的な役割を果たして
いるものと考えられている。また、アジリジン環は、高
い反応性を持っており、種々の官能基へ変換する方法が
確立されている。例えば、このアジリジン環を加水分解
することによりα-アミノアルコールに変換でき、この
α-アミノアルコールからは容易にα-アミノ酸を合成で
きる。
【0004】上記のように、アジリジン環は重要な官能
基であり、種々の合成法が検討されてきている。その合
成方法は、大きく縮合環化反応による方法と、二重結合
に対するニトレンの付加反応による方法とに分けること
ができる。本発明はこの前者の縮合環化反応による方法
に分類される。
基であり、種々の合成法が検討されてきている。その合
成方法は、大きく縮合環化反応による方法と、二重結合
に対するニトレンの付加反応による方法とに分けること
ができる。本発明はこの前者の縮合環化反応による方法
に分類される。
【0005】従来、縮合環化反応によるアジリジン環の
形成は、エポキシドを出発原料とする方法が知られてい
る。この方法は、まずエポキシドをアンモニア等と作用
させエポキシ環を開いて2級アルコールに変換し、この
アルコールをエステルに変換し、これを塩基性化合物で
処理してアジリジン環を形成するものである。この方法
により光学活性なエポキシドを用いて光学活性なアジリ
ジン化合物を得ようとする場合、アジリジン環が形成さ
れるときに、アルコール化合物のヒドロキシル基が結合
している不斉メチン炭素上において立体の反転が起こ
り、元のエポキシドとは逆の光学活性を持つアジリジン
化合物ができる。従って、目的とするアジリジン化合物
によっては、逆の立体を持つエポキシドを原料として用
意する必要がある。しかし、微生物を用いた酸化などに
より安価に得られるエポキシドはその光学活性が片方の
ものだけであることが多く、目的の光学活性を持つアジ
リジン化合物を得ることができない場合もあった。
形成は、エポキシドを出発原料とする方法が知られてい
る。この方法は、まずエポキシドをアンモニア等と作用
させエポキシ環を開いて2級アルコールに変換し、この
アルコールをエステルに変換し、これを塩基性化合物で
処理してアジリジン環を形成するものである。この方法
により光学活性なエポキシドを用いて光学活性なアジリ
ジン化合物を得ようとする場合、アジリジン環が形成さ
れるときに、アルコール化合物のヒドロキシル基が結合
している不斉メチン炭素上において立体の反転が起こ
り、元のエポキシドとは逆の光学活性を持つアジリジン
化合物ができる。従って、目的とするアジリジン化合物
によっては、逆の立体を持つエポキシドを原料として用
意する必要がある。しかし、微生物を用いた酸化などに
より安価に得られるエポキシドはその光学活性が片方の
ものだけであることが多く、目的の光学活性を持つアジ
リジン化合物を得ることができない場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、エポキ
シ化合物のエポキシ環をチオアルコール、またはジスル
フィド化合物を用いて開環することにより、チオエーテ
ル基を持つアルコールを製造し、さらにその水酸基をそ
の結合している不斉炭素の立体を反転させることなくス
ルホンアミド基に変換する方法を確立している(日本化
学会第61春季年会、講演番号4C711参照)。本発
明者らは、かかる研究をさらに進めた結果、このスルホ
ンアミド化合物に対してメチル化剤を反応させると、驚
くべきことには、脱離しやすいスルホンアミド基を残し
たまま脱離しにくいチオエーテル基が選択的に脱離し、
アジリジン環の周りの立体配置は上記エポキシドを用い
た場合とは逆のものになることを見出した。
シ化合物のエポキシ環をチオアルコール、またはジスル
フィド化合物を用いて開環することにより、チオエーテ
ル基を持つアルコールを製造し、さらにその水酸基をそ
の結合している不斉炭素の立体を反転させることなくス
ルホンアミド基に変換する方法を確立している(日本化
学会第61春季年会、講演番号4C711参照)。本発
明者らは、かかる研究をさらに進めた結果、このスルホ
ンアミド化合物に対してメチル化剤を反応させると、驚
くべきことには、脱離しやすいスルホンアミド基を残し
たまま脱離しにくいチオエーテル基が選択的に脱離し、
アジリジン環の周りの立体配置は上記エポキシドを用い
た場合とは逆のものになることを見出した。
【0007】本発明は、上記の知見によりなされたもの
であり、本発明の目的は、安価にかつ簡便に、特には光
学活性なエポキシドから従来の方法により生産される光
学活性なアジリジン化合物とは逆の光学活性を持つアジ
リジン化合物を製造する方法を提供することにある。す
なわち、本発明は、光学活性体の点でいえば従来の製造
方法と相補的な関係にあるものである。
であり、本発明の目的は、安価にかつ簡便に、特には光
学活性なエポキシドから従来の方法により生産される光
学活性なアジリジン化合物とは逆の光学活性を持つアジ
リジン化合物を製造する方法を提供することにある。す
なわち、本発明は、光学活性体の点でいえば従来の製造
方法と相補的な関係にあるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、チオエーテル
基とスルホンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホ
ンアミド化合物にメチル化剤を作用させてスルホニウム
塩とし、このスルホニウム塩に塩基性化合物を作用させ
てアジリジン環を形成させることからなるアジリジン化
合物の製造方法で、特には、前記スルホンアミド化合物
として光学活性体を用いて光学活性なアジリジン化合物
を得る方法であり、特に好ましくは、前記メチル化剤と
してトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレートを
用い、さらに前記塩基性化合物として水素化ナトリウム
を用いる方法である。
基とスルホンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホ
ンアミド化合物にメチル化剤を作用させてスルホニウム
塩とし、このスルホニウム塩に塩基性化合物を作用させ
てアジリジン環を形成させることからなるアジリジン化
合物の製造方法で、特には、前記スルホンアミド化合物
として光学活性体を用いて光学活性なアジリジン化合物
を得る方法であり、特に好ましくは、前記メチル化剤と
してトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレートを
用い、さらに前記塩基性化合物として水素化ナトリウム
を用いる方法である。
【0009】本発明の反応は、チオエーテル基とスルホ
ンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホンアミド化
合物のチオエーテル部をメチル化し、スルホニウムカチ
オン部を持つスルホンアミド化合物とした後に、これに
塩基性化合物を作用させることによりこのスルホニウム
カチオン部分を活性の高い脱離基として脱スルフィド
し、それにより、スルホニウムカチオンが結合していた
炭素とスルホンアミドの窒素との間に新しい結合を形成
するものである。
ンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホンアミド化
合物のチオエーテル部をメチル化し、スルホニウムカチ
オン部を持つスルホンアミド化合物とした後に、これに
塩基性化合物を作用させることによりこのスルホニウム
カチオン部分を活性の高い脱離基として脱スルフィド
し、それにより、スルホニウムカチオンが結合していた
炭素とスルホンアミドの窒素との間に新しい結合を形成
するものである。
【0010】この反応の出発物質であるチオエーテル基
とスルホンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホン
アミド化合物は、塩化メチレン等の有機溶媒中でβ-ヒ
ドロキシチオエーテル化合物とスルホンアミドとを三フ
ッ化ホウ素等の触媒の存在下に反応させることにより得
られる〔利光ら、日本化学会第61春季年会、講演番号
4C711を参照〕。この場合、β-ヒドロキシチオエ
ーテル化合物の光学活性体を用いると、そのヒドロキシ
ル基の結合している不斉メチン炭素周りの立体を保持し
たままヒドロキシル基をスルホンアミド基に変換するこ
とができ、光学活性なスルホンアミド化合物を得ること
ができる。この立体保持のまま水酸基がスルホンアミド
に置換される機構については、水酸基に対してβ-位の
チオエーテル基の隣接基関与により反応中間においてエ
ピスルホニウムカチオンを経由するためと推測される。
とスルホンアミド基が隣接する炭素に結合したスルホン
アミド化合物は、塩化メチレン等の有機溶媒中でβ-ヒ
ドロキシチオエーテル化合物とスルホンアミドとを三フ
ッ化ホウ素等の触媒の存在下に反応させることにより得
られる〔利光ら、日本化学会第61春季年会、講演番号
4C711を参照〕。この場合、β-ヒドロキシチオエ
ーテル化合物の光学活性体を用いると、そのヒドロキシ
ル基の結合している不斉メチン炭素周りの立体を保持し
たままヒドロキシル基をスルホンアミド基に変換するこ
とができ、光学活性なスルホンアミド化合物を得ること
ができる。この立体保持のまま水酸基がスルホンアミド
に置換される機構については、水酸基に対してβ-位の
チオエーテル基の隣接基関与により反応中間においてエ
ピスルホニウムカチオンを経由するためと推測される。
【0011】上記のスルホンアミド化合物としては、N
-[1-フェニル-2-(フェニルチオ)エチル]-p-トルエン
スルホンアミド、N-[1-フェニル-2-(トリルチオ)エ
チル]-p-トルエンスルホンアミド、N-〔1-(フェニル
チオメチレン)-1-メチルヘキシル〕-p-トルエンスルホ
ンアミド、N-〔1-(トリルチオメチレン)-1-メチルヘ
キシル〕-p-トルエンスルホンアミド、N-[1-〔(フェ
ニルチオ)メチル〕ヘプチル]-p-トルエンスルホンアミ
ド、N-[1-(ペンタフルオロフェニル)-2-(フェニルチ
オ)-エチル]-p-トルエンスルホンアミド等を例示しう
る。
-[1-フェニル-2-(フェニルチオ)エチル]-p-トルエン
スルホンアミド、N-[1-フェニル-2-(トリルチオ)エ
チル]-p-トルエンスルホンアミド、N-〔1-(フェニル
チオメチレン)-1-メチルヘキシル〕-p-トルエンスルホ
ンアミド、N-〔1-(トリルチオメチレン)-1-メチルヘ
キシル〕-p-トルエンスルホンアミド、N-[1-〔(フェ
ニルチオ)メチル〕ヘプチル]-p-トルエンスルホンアミ
ド、N-[1-(ペンタフルオロフェニル)-2-(フェニルチ
オ)-エチル]-p-トルエンスルホンアミド等を例示しう
る。
【0012】本発明の反応に用いるメチル化剤は、特異
的にチオエーテル基の硫黄原子をメチル化するものであ
ればどのような種類のものであって特に支障ないが、特
には、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート
(Me3OBF4)が簡便で好ましい。このメチル化剤は、スル
ホンアミド化合物1モルに対し、0.5〜10モル量、
特には1.0〜1.5モル量用いることが好ましい。
的にチオエーテル基の硫黄原子をメチル化するものであ
ればどのような種類のものであって特に支障ないが、特
には、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート
(Me3OBF4)が簡便で好ましい。このメチル化剤は、スル
ホンアミド化合物1モルに対し、0.5〜10モル量、
特には1.0〜1.5モル量用いることが好ましい。
【0013】本発明で用いられる塩基性化合物は、脱ス
ルフィド反応のために用いられるが、水素化ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、t-ブトキシ
カリウムなどを用いることができるが、水素化ナトリウ
ムが簡便で好ましい。この塩基性化合物は、スルホンア
ミド化合物1モルに対し、1〜10モル量、特には2〜
5モル量用いることが好ましい。
ルフィド反応のために用いられるが、水素化ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、t-ブトキシ
カリウムなどを用いることができるが、水素化ナトリウ
ムが簡便で好ましい。この塩基性化合物は、スルホンア
ミド化合物1モルに対し、1〜10モル量、特には2〜
5モル量用いることが好ましい。
【0014】本発明の反応は、無溶媒下に行ってもよい
が、溶媒の存在下に行う方が良い。この場合、溶媒とし
ては、反応中間体等と反応することがなく、かつ適当な
極性を持つものが好ましく、具体的には、塩化メチレン
等の極性塩化物溶媒、THFなどのエーテル系溶媒が好
適である。
が、溶媒の存在下に行う方が良い。この場合、溶媒とし
ては、反応中間体等と反応することがなく、かつ適当な
極性を持つものが好ましく、具体的には、塩化メチレン
等の極性塩化物溶媒、THFなどのエーテル系溶媒が好
適である。
【0015】この反応は、高温では化合物の光学純度の
低下をまねく恐れがあるので、100℃以下、特には0
℃〜室温の温和な温度条件で行うことが望ましい。本発
明では、先ず、原料化合物であるスルホンアミド化合物
とメチル化剤とを反応させて、スルホニウムカチオン部
を持つスルホンアミド化合物を合成するが、この第一段
目の反応の終了はNMRなどの分析手段により決定する
ことができる。
低下をまねく恐れがあるので、100℃以下、特には0
℃〜室温の温和な温度条件で行うことが望ましい。本発
明では、先ず、原料化合物であるスルホンアミド化合物
とメチル化剤とを反応させて、スルホニウムカチオン部
を持つスルホンアミド化合物を合成するが、この第一段
目の反応の終了はNMRなどの分析手段により決定する
ことができる。
【0016】さらに、この化合物を、酸素が存在しない
ような反応系、例えば窒素雰囲気下で、−30〜50
℃、特には0℃〜室温で塩基性化合物と反応させ、その
後に用いた塩基性化合物に応じた適当な後処理、例え
ば、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手段により、
単離、精製することにより目的物であるアジリジン化合
物を得ることができる。
ような反応系、例えば窒素雰囲気下で、−30〜50
℃、特には0℃〜室温で塩基性化合物と反応させ、その
後に用いた塩基性化合物に応じた適当な後処理、例え
ば、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手段により、
単離、精製することにより目的物であるアジリジン化合
物を得ることができる。
【0017】
【化1】
N-〔1-フェニル-2-(フェニルチオ)エチル〕-p-トル
エンスルホンアミド99mg(0.25mmol)及びトリメチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレート41mg(0.28
mmol)の混合物中に、窒素雰囲気下で塩化メチレン1ml
を加え、室温で18時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去
ところ、129mgの白色固体が残った。この白色固体
は、メチル フェニル 〔2-(トシルアミノ)-2-フェニ
ル〕-エチルスルホニウム テトラフルオロボレートと推
定された。
エンスルホンアミド99mg(0.25mmol)及びトリメチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレート41mg(0.28
mmol)の混合物中に、窒素雰囲気下で塩化メチレン1ml
を加え、室温で18時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去
ところ、129mgの白色固体が残った。この白色固体
は、メチル フェニル 〔2-(トシルアミノ)-2-フェニ
ル〕-エチルスルホニウム テトラフルオロボレートと推
定された。
【0018】この化合物をテトラヒドロフラン溶媒中
で、窒素雰囲気下に、水素化ナトリウム18mg(0.75
mmol)と19時間室温で反応させた。反応混合物を15m
lの水に加え、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン
相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、減圧下に溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフフィーにより精製し、62mgの精製物を得た。こ
の精製物の1H-NMRを測定した結果、次のとおりで、1-
(p-トリルスルホニル)-2-フェニル アジリジンである
ことが確認でき、その収率は91%であった。1 H-NMR(CDCl3,δppm):2.38(d,1H)、2.42(s,3
H)、2.98(d,1H)、3.77(dd,1H)、7.15〜7.4
0(m,7H)、7.87(d,2H)
で、窒素雰囲気下に、水素化ナトリウム18mg(0.75
mmol)と19時間室温で反応させた。反応混合物を15m
lの水に加え、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン
相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、減圧下に溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフフィーにより精製し、62mgの精製物を得た。こ
の精製物の1H-NMRを測定した結果、次のとおりで、1-
(p-トリルスルホニル)-2-フェニル アジリジンである
ことが確認でき、その収率は91%であった。1 H-NMR(CDCl3,δppm):2.38(d,1H)、2.42(s,3
H)、2.98(d,1H)、3.77(dd,1H)、7.15〜7.4
0(m,7H)、7.87(d,2H)
【0019】実施例2
原料として光学純度98.7%eeの光学活性なN-〔1-
フェニル-2-(フェニルチオ)エチル〕-p-トルエンスル
ホンアミドを用いて、実施例1に記載の方法と同様の操
作を行い、1-(p-トリルスルホニル)-2-フェニル ア
ジリジンを合成した。得られたアジリジン化合物をHP
LC(キラルパックAS)で分析した結果、光学活性体で
あることが確認され、その光学純度は98.3%eeであ
った。
フェニル-2-(フェニルチオ)エチル〕-p-トルエンスル
ホンアミドを用いて、実施例1に記載の方法と同様の操
作を行い、1-(p-トリルスルホニル)-2-フェニル ア
ジリジンを合成した。得られたアジリジン化合物をHP
LC(キラルパックAS)で分析した結果、光学活性体で
あることが確認され、その光学純度は98.3%eeであ
った。
【0020】実施例3
〔1-(p-トリルスルホニル)-2-メチル-2-ペンチル
アジリジンの合成〕
アジリジンの合成〕
【化2】
N-〔1-(フェニルチオメチレン)-1-メチルヘキシル〕
-p-トルエンスルホンアミドを原料とし、実施例1と同
じモル比、同じ方法で反応を行い、1-(p-トリルスルホ
ニル)-2-メチル-2-ペンチル アジリジンを収率92
%で得た。
-p-トルエンスルホンアミドを原料とし、実施例1と同
じモル比、同じ方法で反応を行い、1-(p-トリルスルホ
ニル)-2-メチル-2-ペンチル アジリジンを収率92
%で得た。
【0021】この1-(p-トリルスルホニル)-2-メチル-
2-ペンチル アジリジンは、次の物性を示したことに
より、確認された。 1H-NMR(CDCl3,δppm):0.87(t,3H)、1.2〜1.5
(m,8H)、1.61(s,3H)、2.27(s,1H)、2.42(s,3
H)、2.54(s,1H)、7.30(d,2H)、7.82(d,2H)
2-ペンチル アジリジンは、次の物性を示したことに
より、確認された。 1H-NMR(CDCl3,δppm):0.87(t,3H)、1.2〜1.5
(m,8H)、1.61(s,3H)、2.27(s,1H)、2.42(s,3
H)、2.54(s,1H)、7.30(d,2H)、7.82(d,2H)
【0022】実施例4
〔1-p-トリルスルホニル-2-ペンタフルオロフェニル
アジリジンの合成〕
アジリジンの合成〕
【化3】
N-〔1-(ペンタフルオロフェニル)-2-(フェニルチオ)
エチル〕-p-トルエンスルホンアミドを原料とし、実施
例1と同じモル比、同じ方法で反応を行い、1-p-トリ
ルスルホニル-2-ペンタフルオロフェニル アジリジン
を収率92%で得た。
エチル〕-p-トルエンスルホンアミドを原料とし、実施
例1と同じモル比、同じ方法で反応を行い、1-p-トリ
ルスルホニル-2-ペンタフルオロフェニル アジリジン
を収率92%で得た。
【0023】1-p-トリルスルホニル-2-ペンタフルオ
ロフェニル アジリジンは、次の物性を示したことによ
り、確認された。1 H-NMR(CDCl3,δppm):2.46(s,3H)、2.79(d,1
H)、3.03(d,1H)、3.79(dd,1H)、7.36(d,2H)、
7.85(d,2H)
ロフェニル アジリジンは、次の物性を示したことによ
り、確認された。1 H-NMR(CDCl3,δppm):2.46(s,3H)、2.79(d,1
H)、3.03(d,1H)、3.79(dd,1H)、7.36(d,2H)、
7.85(d,2H)
【0024】実施例5
原料として光学純度96%eeの光学活性なN-〔1-(ペ
ンタフルオロフェニル)-2-(フェニルチオ)エチル〕-p-
トルエンスルホンアミドを用いて同様の操作により1-p
-トリルスルホニル-2-ペンタフルオロフェニル アジ
リジンを合成し、得られたアジリジン化合物をHPLC
(キラルパックAS)で分析した結果、光学活性体である
ことが確認され、その光学純度は95%eeであった。
ンタフルオロフェニル)-2-(フェニルチオ)エチル〕-p-
トルエンスルホンアミドを用いて同様の操作により1-p
-トリルスルホニル-2-ペンタフルオロフェニル アジ
リジンを合成し、得られたアジリジン化合物をHPLC
(キラルパックAS)で分析した結果、光学活性体である
ことが確認され、その光学純度は95%eeであった。
【0025】実施例6
〔1-(p-トリルスルホニル)-2-ヘキシル アジリジン
の合成〕
の合成〕
【化4】
N-[1-〔(フェニルチオ)メチル〕ヘプチル]-p-トルエ
ンスルホンアミドを原料とし、実施例1と同じモル比、
同じ方法で反応を行い目的物である1-(p-トリルスルホ
ニル)-2-ヘキシル アジリジンを収率84%で得た。
ンスルホンアミドを原料とし、実施例1と同じモル比、
同じ方法で反応を行い目的物である1-(p-トリルスルホ
ニル)-2-ヘキシル アジリジンを収率84%で得た。
【0026】1-(p-トリルスルホニル)-2-ヘキシル
アジリジンは次の物性を示したことにより、確認され
た。1 H-NMR(CDCl3,δppm):0.84(t,3H)、1.1〜1.3
(m,8H)、1.3〜1.6(m,2H)、2.05(d,1H)、2.44
(s,3H)、2.63(d,1H)、2.71(tt,1H)、7.33(d,2
H)、7.82(d,2H)
アジリジンは次の物性を示したことにより、確認され
た。1 H-NMR(CDCl3,δppm):0.84(t,3H)、1.1〜1.3
(m,8H)、1.3〜1.6(m,2H)、2.05(d,1H)、2.44
(s,3H)、2.63(d,1H)、2.71(tt,1H)、7.33(d,2
H)、7.82(d,2H)
【0027】実施例7
原料として光学純度91%eeの光学活性なN-[1-〔(フ
ェニルチオ)メチル〕ヘプチル]-p-トルエンスルホンア
ミドを用いて、実施例1に記載の方法と同様の操作を行
い、1-(p-トリルスルホニル)-2-ヘキシル アジリジ
ンを合成した。得られたアジリジン化合物はHPLC分
析(キラルパックAS)で光学純度を測定することができ
なかったため、これをテトラヒドロフラン溶媒中で臭化
イソプロピルマグネシウムと反応させ、85%の収率で
N-〔(1-イソプロピル)ヘプチル〕-p-トルエンスルホ
ンアミドを得、これをHPLC分析した結果、光学純度
は90%eeであった。
ェニルチオ)メチル〕ヘプチル]-p-トルエンスルホンア
ミドを用いて、実施例1に記載の方法と同様の操作を行
い、1-(p-トリルスルホニル)-2-ヘキシル アジリジ
ンを合成した。得られたアジリジン化合物はHPLC分
析(キラルパックAS)で光学純度を測定することができ
なかったため、これをテトラヒドロフラン溶媒中で臭化
イソプロピルマグネシウムと反応させ、85%の収率で
N-〔(1-イソプロピル)ヘプチル〕-p-トルエンスルホ
ンアミドを得、これをHPLC分析した結果、光学純度
は90%eeであった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、従来製造が難しかったアジリ
ジン化合物、特にはその光学活性体を簡便かつ安価に製
造することができるという格別の効果を有する。またこ
れにより、このアジリジン化合物を原料とする生理活性
物質や機能性化合物などを安価に製造できる。
ジン化合物、特にはその光学活性体を簡便かつ安価に製
造することができるという格別の効果を有する。またこ
れにより、このアジリジン化合物を原料とする生理活性
物質や機能性化合物などを安価に製造できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 チオエーテル基とスルホンアミド基が隣
接する炭素に結合したスルホンアミド化合物にメチル化
剤を作用させてスルホニウム塩とし、このスルホニウム
塩に塩基性化合物を作用させてアジリジン環を形成させ
ることを特徴とするアジリジン化合物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の記載において、スルホンアミ
ド化合物として光学活性体を用いることを特徴とする光
学活性なアジリジン化合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のメチル化剤がトリメチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレートであることを特
徴とするアジリジン化合物の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の塩基性化合物が水素化
ナトリウムであることを特徴とするアジリジン化合物の
製造方法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21418091A JPH0532619A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | アジリジン化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21418091A JPH0532619A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | アジリジン化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532619A true JPH0532619A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16651566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21418091A Pending JPH0532619A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | アジリジン化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0532619A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010055887A1 (ja) * | 2008-11-12 | 2010-05-20 | 国立大学法人佐賀大学 | 新規なスルホニウム塩、その製造方法及びその用途 |
-
1991
- 1991-08-01 JP JP21418091A patent/JPH0532619A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010055887A1 (ja) * | 2008-11-12 | 2010-05-20 | 国立大学法人佐賀大学 | 新規なスルホニウム塩、その製造方法及びその用途 |
JP5555919B2 (ja) * | 2008-11-12 | 2014-07-23 | 国立大学法人佐賀大学 | 新規なスルホニウム塩、その製造方法及びその用途 |
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