JP3716460B2 - 不斉シクロプロパン化反応 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬及び農薬等の重要中間体である光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性シクロプロパン化合物は、医薬、農薬を初めとする種々の生理活性物質の重要な中間体であり、特に、ピレスロイド系殺虫剤やβ−ラクタム系抗生物質の合成中間体としてよく知られている。
このような光学活性シクロプロパン化合物を、プロキラルなオレフィンから直接合成する方法としては、光学活性遷移金属錯体を触媒として使用した不斉シクロプロパン化反応が知られている。
【0003】
例えば、Synlett 638 (1993)には、銅錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、J. Am. Chem. Soc. 113, 1423 (1991)には、ロジウム錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、J. Am. Chem. Soc. 116, 2223 (1994)には、ルテニウム錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、それぞれ報告されており、いずれも優れた方法である。
【0004】
又、J. Am. Chem. Soc. 100, 3443 (1978)には、コバルト錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の不斉シクロプロパン化反応に用いられる遷移金属錯体は、現在も種々の改良が行なわれており、触媒性能及び経済性を考慮した、更に優れた光学活性遷移金属錯体触媒の開発研究が盛んに行なわれているのが現状である。
又、J. Am. Chem. Soc. 100, 3443 (1978)の光学活性サレン(2分子のサリチルアルデヒド誘導体と1分子のエチレンジアミン誘導体の縮合反応により生成した化合物)コバルト錯体による不斉シクロプロパン化反応の不斉収率は5%ee以下と全く実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、不斉シクロプロパン化反応について、鋭意検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、オレフィン化合物にジアゾ酢酸エステル化合物を反応させて、触媒的不斉シクロプロパン化反応を行ない、光学活性シクロプロパン化合物を製造する際に、触媒として光学活性サレンコバルト錯体を用いることを特徴とする光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関するものである。
【0007】
更に、詳しくは
式(1)
【0008】
【化8】
【0009】
〔式中、Z1、Z2、Z3及びZ4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、ナフチル基(該ナフチル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基、C2〜C5アルカノイル基、C2〜C5アルコキシカルボニル基、ニトロ基又はシアノ基を意味する。〕
で表わされるオレフィン化合物と、
式(2)
【0010】
【化9】
【0011】
〔式中、Z5はC1〜C8アルキル基を意味する。〕
で表わされるジアゾ酢酸エステル化合物との不斉シクロプロパン化反応により、式(3)
【0012】
【化10】
【0013】
〔式中、Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は前記に同じ。*で示された炭素原子の絶対配置はRかSを意味する。〕
で表わされる光学活性シクロプロパン化合物を製造する際に、
式(4)
【0014】
【化11】
【0015】
〔式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)を意味し、又、いずれか2つが一緒になってC4〜C8の環を形成してもよい。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立して水素原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、ナフチル基(該ナフチル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、アントラセン基(該アントラセン基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)を意味し、又、いずれか2つが一緒になってC4〜C8の環を形成してもよく、ナフチル環等の縮合環を形成してもよい。
【0016】
X-は塩を形成しうる陰イオン対を意味する。〕
で表わされる光学活性コバルト錯体化合物を使用することを特徴とする光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、式(1)〜(4)の置換基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素原子が挙げられる。
C1〜C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
【0018】
C1〜C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。
C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0019】
C2〜C5アルカノイル基としては、アシル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
C2〜C5アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0020】
C1〜C8アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
X-としては、OH-、F-、Br-、I-、CH3CO2 - 、 PF6 - 、 ClO4 - 、BF4 - 、CO3 2- 、SO4 2- 、PO4 3-等が挙げられる。
本発明の、式(4)の光学活性コバルト錯体化合物としては、
【0021】
【化12】
【0022】
等、及びこれらのエナンチオマーが挙げられる。
次に、不斉シクロプロパン化反応の具体的な方法について説明する。
反応は、無溶媒又は適当な溶媒の存在下、触媒として式(4)の光学活性コバルト錯体化合物を使用し、式(1)のオレフィン化合物と式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物の反応を行なうものである。
【0023】
式(1)のオレフィンの使用量としては、式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物に対して1〜10モル倍、好ましくは1〜5モル倍がよい。
式(4)の光学活性コバルト錯体の使用量としては、式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物に対し、通常0.1モル%から5モル%の範囲である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はなく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の尿素類等が挙げられる。
【0024】
これらは、単独又は組み合わせて使用することができる。
反応温度は、通常−50℃から50℃の範囲、好ましくは−25℃から25℃の範囲がよい。
反応終了後は、有機溶媒等を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸留等により分離すれば、目的とする光学活性シクロプロパン化合物を単離することができる。
【0025】
得られた、光学活性シクロプロパン化合物の光学純度は、そのまま、又は誘導体に変換して、光学活性クロマトグラフィーカラムや旋光度によって分析することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0027】
【化13】
【0028】
シッフベース1と酢酸コバルトから合成されたサレンコバルト(II)錯体22.0mg(4.2μmol)のジクロロメタン溶液0.5mlに、ヨウ素のジクロロメタン溶液17μl(0.12M、2.1μmol)を加え、2時間撹拌し、光学活性サレンコバルト(III)錯体3を合成した。
この溶液に、スチレン49μl(0.42mmol)、メタノールのジクロロメタン溶液8.5μl(0.50M、4.2μmol)を加えて10分撹拌した。 更に、ジアゾ酢酸t−ブチルエステルのジクロロメタン溶液150μl(0.57M、85μmol)を上記混合物に加えて24時間室温で撹拌した。
【0029】
反応後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜9/1)により精製し、2−フェニルシクロプロパン−1−カルボン酸t−ブチル417.1mg(収率69%、トランス/シス=96/4)を得た。
更に、分取TLC(シリカゲル、ヘキサン/ジイソプロピルエーテル=4/1)にてトランス体のみを精製して、LiAlH4でエステル部分を相当するアルコール体に還元して不斉収率を算出した。
【0030】
不斉収率:74%ee。絶対配位:(1R,2S)[DAICEL CHIRALCEL OJ, ヘキサン/イソプロパノール=9/1]。
【0031】
【化14】
【0032】
実施例2〜3
実施例1と同様に各種のオレフィン化合物に対して、光学活性コバルト錯体3を用い、不斉シクロプロパン化反応を行った結果を下表に示す。
実施例4〜6
実施例1と同様にスチレンに対して、光学活性コバルト錯体5〜7を触媒として用い、不斉シクロプロパン化反応を行った結果を下表に示す。
【0033】
【0034】
【化15】
【0035】
【発明の効果】
本発明の方法に従えば、医薬及び農薬等の生理活性物質の合成に有用な重要中間体である、式(3)の光学活性シクロプロパン化合物合を容易に高い収率で製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬及び農薬等の重要中間体である光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性シクロプロパン化合物は、医薬、農薬を初めとする種々の生理活性物質の重要な中間体であり、特に、ピレスロイド系殺虫剤やβ−ラクタム系抗生物質の合成中間体としてよく知られている。
このような光学活性シクロプロパン化合物を、プロキラルなオレフィンから直接合成する方法としては、光学活性遷移金属錯体を触媒として使用した不斉シクロプロパン化反応が知られている。
【0003】
例えば、Synlett 638 (1993)には、銅錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、J. Am. Chem. Soc. 113, 1423 (1991)には、ロジウム錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、J. Am. Chem. Soc. 116, 2223 (1994)には、ルテニウム錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が、それぞれ報告されており、いずれも優れた方法である。
【0004】
又、J. Am. Chem. Soc. 100, 3443 (1978)には、コバルト錯体を用いた不斉シクロプロパン化反応が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の不斉シクロプロパン化反応に用いられる遷移金属錯体は、現在も種々の改良が行なわれており、触媒性能及び経済性を考慮した、更に優れた光学活性遷移金属錯体触媒の開発研究が盛んに行なわれているのが現状である。
又、J. Am. Chem. Soc. 100, 3443 (1978)の光学活性サレン(2分子のサリチルアルデヒド誘導体と1分子のエチレンジアミン誘導体の縮合反応により生成した化合物)コバルト錯体による不斉シクロプロパン化反応の不斉収率は5%ee以下と全く実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、不斉シクロプロパン化反応について、鋭意検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、オレフィン化合物にジアゾ酢酸エステル化合物を反応させて、触媒的不斉シクロプロパン化反応を行ない、光学活性シクロプロパン化合物を製造する際に、触媒として光学活性サレンコバルト錯体を用いることを特徴とする光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関するものである。
【0007】
更に、詳しくは
式(1)
【0008】
【化8】
【0009】
〔式中、Z1、Z2、Z3及びZ4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、ナフチル基(該ナフチル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基、C2〜C5アルカノイル基、C2〜C5アルコキシカルボニル基、ニトロ基又はシアノ基を意味する。〕
で表わされるオレフィン化合物と、
式(2)
【0010】
【化9】
【0011】
〔式中、Z5はC1〜C8アルキル基を意味する。〕
で表わされるジアゾ酢酸エステル化合物との不斉シクロプロパン化反応により、式(3)
【0012】
【化10】
【0013】
〔式中、Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は前記に同じ。*で示された炭素原子の絶対配置はRかSを意味する。〕
で表わされる光学活性シクロプロパン化合物を製造する際に、
式(4)
【0014】
【化11】
【0015】
〔式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)を意味し、又、いずれか2つが一緒になってC4〜C8の環を形成してもよい。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立して水素原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、ナフチル基(該ナフチル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、アントラセン基(該アントラセン基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)を意味し、又、いずれか2つが一緒になってC4〜C8の環を形成してもよく、ナフチル環等の縮合環を形成してもよい。
【0016】
X-は塩を形成しうる陰イオン対を意味する。〕
で表わされる光学活性コバルト錯体化合物を使用することを特徴とする光学活性シクロプロパン化合物の製造法に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、式(1)〜(4)の置換基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素原子が挙げられる。
C1〜C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
【0018】
C1〜C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。
C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0019】
C2〜C5アルカノイル基としては、アシル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
C2〜C5アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0020】
C1〜C8アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
X-としては、OH-、F-、Br-、I-、CH3CO2 - 、 PF6 - 、 ClO4 - 、BF4 - 、CO3 2- 、SO4 2- 、PO4 3-等が挙げられる。
本発明の、式(4)の光学活性コバルト錯体化合物としては、
【0021】
【化12】
【0022】
等、及びこれらのエナンチオマーが挙げられる。
次に、不斉シクロプロパン化反応の具体的な方法について説明する。
反応は、無溶媒又は適当な溶媒の存在下、触媒として式(4)の光学活性コバルト錯体化合物を使用し、式(1)のオレフィン化合物と式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物の反応を行なうものである。
【0023】
式(1)のオレフィンの使用量としては、式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物に対して1〜10モル倍、好ましくは1〜5モル倍がよい。
式(4)の光学活性コバルト錯体の使用量としては、式(2)のジアゾ酢酸エステル化合物に対し、通常0.1モル%から5モル%の範囲である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はなく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の尿素類等が挙げられる。
【0024】
これらは、単独又は組み合わせて使用することができる。
反応温度は、通常−50℃から50℃の範囲、好ましくは−25℃から25℃の範囲がよい。
反応終了後は、有機溶媒等を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸留等により分離すれば、目的とする光学活性シクロプロパン化合物を単離することができる。
【0025】
得られた、光学活性シクロプロパン化合物の光学純度は、そのまま、又は誘導体に変換して、光学活性クロマトグラフィーカラムや旋光度によって分析することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0027】
【化13】
【0028】
シッフベース1と酢酸コバルトから合成されたサレンコバルト(II)錯体22.0mg(4.2μmol)のジクロロメタン溶液0.5mlに、ヨウ素のジクロロメタン溶液17μl(0.12M、2.1μmol)を加え、2時間撹拌し、光学活性サレンコバルト(III)錯体3を合成した。
この溶液に、スチレン49μl(0.42mmol)、メタノールのジクロロメタン溶液8.5μl(0.50M、4.2μmol)を加えて10分撹拌した。 更に、ジアゾ酢酸t−ブチルエステルのジクロロメタン溶液150μl(0.57M、85μmol)を上記混合物に加えて24時間室温で撹拌した。
【0029】
反応後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜9/1)により精製し、2−フェニルシクロプロパン−1−カルボン酸t−ブチル417.1mg(収率69%、トランス/シス=96/4)を得た。
更に、分取TLC(シリカゲル、ヘキサン/ジイソプロピルエーテル=4/1)にてトランス体のみを精製して、LiAlH4でエステル部分を相当するアルコール体に還元して不斉収率を算出した。
【0030】
不斉収率:74%ee。絶対配位:(1R,2S)[DAICEL CHIRALCEL OJ, ヘキサン/イソプロパノール=9/1]。
【0031】
【化14】
【0032】
実施例2〜3
実施例1と同様に各種のオレフィン化合物に対して、光学活性コバルト錯体3を用い、不斉シクロプロパン化反応を行った結果を下表に示す。
実施例4〜6
実施例1と同様にスチレンに対して、光学活性コバルト錯体5〜7を触媒として用い、不斉シクロプロパン化反応を行った結果を下表に示す。
【0033】
【0034】
【化15】
【0035】
【発明の効果】
本発明の方法に従えば、医薬及び農薬等の生理活性物質の合成に有用な重要中間体である、式(3)の光学活性シクロプロパン化合物合を容易に高い収率で製造することができる。
Claims (4)
- 式(1)
で表わされるオレフィン化合物と、
式(2)
で表わされるジアゾ酢酸エステル化合物との不斉シクロプロパン化反応により、式(3)
で表わされる光学活性シクロプロパン化合物を製造する際に、
式(4)
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立して水素原子、C1〜C4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、ナフチル基(該ナフチル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)、アントラセン基(該アントラセン基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。)を意味し、又、いずれか2つが一緒になってC4〜C8の環を形成してもよく、ナフチル環等の縮合環を形成してもよい。
X-は塩を形成しうる陰イオン対を意味する。〕
で表わされる光学活性コバルト錯体化合物を使用することを特徴とする光学活性シクロプロパン化合物の製造法。
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