JPH0649021A - プロスタグランジンF2αの製造方法 - Google Patents

プロスタグランジンF2αの製造方法

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JPH0649021A
JPH0649021A JP20247392A JP20247392A JPH0649021A JP H0649021 A JPH0649021 A JP H0649021A JP 20247392 A JP20247392 A JP 20247392A JP 20247392 A JP20247392 A JP 20247392A JP H0649021 A JPH0649021 A JP H0649021A
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JP
Japan
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prostaglandin
present
aluminum hydride
producing
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JP20247392A
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Yoshikazu Tsuchiya
芳計 土屋
Toshio Takahashi
俊夫 高橋
Kazuhiko Sunazaki
和彦 砂崎
Moriaki Higo
盛明 肥後
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入手が容易でかつ安価な還元剤を用いてプロ
スタグランジンE2からプロスタグランジンF2αを高
収率で製造する方法を提供する。 【構成】 下記一般式(I) R1 2 Al H (I) (式中、R1 及びR2 は炭素数3〜8のアルキル基を表
し、同一でも異なってもよい。)で示される水素化アル
ミニウム化合物でプロスタグランジンE2を還元するこ
とを特徴とするプロスタグランジンF2αの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロスタグランジンE
2を原料とするプロスタグランジンF2αの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジンF2αは、既に産婦
人科領域において分娩誘発剤として知られており、さら
に開腹手術後の腸管運動促進剤としても知られている。
このプロスタングランジンF2αの製造に関しては、多
くの方法が発表されており、例えば、シクロペンタジエ
ンを出発物質として“Corey ラクトン”と呼ばれる中間
体を経由する方法 (J. Am. Chem. Soc.,91, 5675, 196
9) 、シクロペンテノン誘導体への1,4付加によりω
鎖を導入した後生成するエノラートをα鎖でトラップし
て、プロスタグランジンを合成する方法 (J. Chem. So
c.,107,3348, 1985) などが代表的な方法である。しか
しながら、これらの方法は合成工程が多いために、通し
収率が低いという欠点がある。また、天然抽出物を原料
とする半化学的合成法も知られているが、プロスタグラ
ンジンE2の製造法に関するものであり (J. Org. Che
m.,38, 3187, 1973) 、プロスタグランジンF2αにつ
いての報告はない。
【0003】これとは別に、天然物から抽出する方法と
して、Gracilaria Iichenoidesからプロスタグランジン
F2αおよびプロスタグランジンE2 を得る方法が報告
されている (Tetrahedron, Lett., 46, 4505, 1979)
が、収率が非常に低い。例えば、最も高い収率を達成し
ている特公平1−14910号公報記載の方法は、プロ
スタグランジンE2に関するものに過ぎないが、それで
も、原体当たりの収量が96μg/gと非常に低い。生
体反応を利用した生合成法も試みられている。例えば、
アップジョン社では、75kgのヒツジ精嚢ホモジネート
およびアラキドン酸から8〜12gのプロスタグランジ
ンを生合成している。また、特開平3−206895号
公報には、Graciliariaverrucosa (Hudson) Papenfuss
に含まれる生体内酵素を用いてプロスタグランジンE
2、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE
3、およびプロスタグランジンF2αを製造する方法が
開示されている。しかし、これらの方法ではプロスタグ
ランジンE2は多く得られるがプロスタグランジンF2
αは、ほとんど得られない。
【0004】このような状況において、プロスタグラン
ジンF2αを比較的容易にかつ大量に得る方法として、
プロスタグランジンE2を原料とする方法がある。米国
特許第 3,927,075号はプロスタグランジンE2を水素化
ホウ素ナトリウムで還元してプロスタグランジンF2α
を製造する方法を開示している。しかしながら、この方
法は選択性が低く、還元の際に異性体であるプロスタグ
ランジンF2βが同量生成するため、生成混合物からプ
ロスタグランジンF2αを効率よく分離することが必要
である。これに対して、J. Am. Chem. Soc.,93, 1971に
は、修飾された下記のホウ素還元剤を用いてプロスタグ
ランジンF2αのみを合成する方法が開示されている。
【0005】
【化1】
【0006】しかし、この方法ではホウ素還元剤を合成
することが難しく、しかもコストがかかるので実用化が
困難である。さらにJ. Org. Chem.,38, 1973には、パン
酵母によりプロスタグランジンE2を還元する方法が記
載されているが還元率が低く、しかもプロスタグランジ
ンF2βの生成割合も高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、入手
が容易でかつ安価な還元剤を用いてプロスタグランジン
E2からプロスタグランジンF2αを高収率で製造する
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロスタ
グランジンE2からのプロスタグランジンF2αの製造
方法につき鋭意研究した結果、入手が容易な還元剤を用
いることにより、プロスタグランジンE2から高収率で
プロスタグランジンF2αを製造できることを見い出し
本発明するに至った。即ち、本発明は、下記一般式
(I) R1 2 Al H (I) (式中、R1 及びR2 は炭素数3〜8のアルキル基を表
し、同一でも異なってもよい。)で示される水素化アル
ミニウム化合物でプロスタグランジンE2を還元するこ
とを特徴とするプロスタグランジンF2αの製造方法の
発明である。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて原料として用いるプロスタグランジンE2は、特に
限定されずいかなる方法で得られたものでも使用でき
る。本発明で使用する還元剤は、一般式(I)のR1
びR2 が独立して炭素数3〜8のアルキル基である水素
化アルミニウム化合物である。R1 及びR2 で表わされ
るアルキル基は直鎖状、分岐状のいずれであってもよ
く、具体例としては、例えば、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec −ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec −ペンチ
ル、tert−ペンチル、直鎖状及び分岐状のヘキシル、ヘ
プチル、オクチル等を挙げることができる。水素化アル
ミニウム化合物の具体例としては、ジイソプロピル、ジ
n−ブチル、ジイソブチル、ジtert−ブチル、プロピル
ノルマルブチル、ジペンチル、ジヘキシル、ジヘプチ
ル、ジオクチルなどの水素化アルミニウムが挙げられ
る。特に、ジイソブチル水素化アルミニウムが好まし
い。
【0010】水素化アルミニウム化合物の使用量は、原
料であるプロスタングランジンE2に対して1〜5当量
であり、1当量以下では反応が不十分となり収量が著し
く低下する。また、5当量以上では過剰反応となり、プ
ロスタングランジンF2αは生成されずにプロスタング
ランジンAを生成するので好ましくない。本発明に用い
る溶媒としては、非水系で水素化アルミニウム化合物と
反応しないものであればいずれでも良く、例えば、ヘキ
サン、ペンタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
などの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。これらは単
独で用いても混合して用いてもよい。この中では、テト
ラヒドロフランのようなエーテル溶媒系がプロスタング
ランジンE2をよく溶かすので好ましい。溶媒の使用量
は特に問わないが、通常原料であるプロスタングランジ
ンE2の1重量部に対して10〜100重量部程度であ
る。
【0011】一般的なプロスタングランジンF2αの合
成例としては、原料であるプロスタングランジンE2を
所定の溶媒に溶解させた後、不活性ガス気流下で冷却
し、反応系内を0〜−100℃にする。次いで、攪拌し
ながら、還元剤を徐々に所定量添加後、約30分〜4時
間反応した後、加温して約0℃とし、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム、硫酸アンモニウムなどの飽和水溶液を添
加して反応を停止する。本発明においても、プロスタン
グランジンF2βが副生するが、プロスタングランジン
F2αの割合が約80%以上と従来の技術に比べて極め
て高い選択性を有している。反応停止後、酢酸エチルの
ような溶剤によりプロスタングランジンF2αとプロス
タングランジンF2βとの混合物を抽出する。プロスタ
ングランジンF2αとプロスタングランジンF2βの分
離は、この抽出物をシリカゲル等を吸着剤としたカラム
クロマトグラフィーで処理することにより行うことがで
き、特に目的物の割合が多いことから容易に分離するこ
とができる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、天然物などから比較的
容易に得られるプロスタグランジンE2から高収率でプ
ロスタングランジンF2αが合成できるので、現在、医
薬分野で多く使用されており、更に、多くの新たな用途
が期待されるプロスタングランジンF2αの幅広い利用
を容易にするものである。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。実施例1 プロスタグランジンE2 34.56mg(0.0981mmo
l)を無水のテトラヒドロフラン(THFと略す)1ml
に溶解し、窒素気流下−78℃に冷却した。ジイソブ
チル水素化アルミニウム(DIBALと略す)の1.5M
トルエン溶液0.52ml (2当量)をゆっくりと滴下し
そのまま2時間攪拌した。そののち、反応液を飽和硫酸
ナトリウムに加えて反応を停止し、10%のクエン酸溶
液を少量加えて液性を酸性にした後、小時間攪拌し、さ
らにこの溶液に酢酸エチルを加えて生成物を抽出した。
抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。そののち溶媒を減圧下で留
去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(分離
溶媒クロロホルム:メタノール:水=100:10:
1)で分離した。精製したプロスタグランジンF2αは
31.3mg(収率90%)であり、プロスタグランジンF
2βは3.5mg(収率10%)であった。
【0014】得られたプロスタグランジンF2αの物性
値等を以下に示した。1 H-nmr (CDCl3):(ppm) 0.8-2.4(m,23H), 3.9-4.2(m,3
H), 4.4 (bs,3H),5.3-5.6(m,4H)13 C-nmr (CDCl3):(ppm) 14.1 (C20), 22.6 (C19) 24.5
(C3),25.3 (C7及び17), 26.3 (C4), 31.7 (C18), 32.9
(C2),42.8 (C10), 50.3 (C8), 55.4 (C12), 72.5 (C
9),73.2 (C15), 77.7 (C11), 129.2 (C6), 129.6 (C1
3),132.7 (C5), 135.0 (C14), 177.4 (C1) [α]D=+23.7°CC=1.0,クロロホルム(文献値+23.8
°) このように、プロスタングランジンF2αが高収率で合
成でき、全収率はほぼ定量的であった。プロスタングラ
ンジンF2βの生成も約10%と低く、この程度の副生
成物の量では、容易にプロスタングランジンF2αと分
離することが可能である。本発明で使用した水素化アル
ミニウム化合物は、安価であるものの反応性が高く選択
性に乏しいために、プロスタングランジンF2αの合成
には従来用いられていなかった還元剤であるが、本発明
により、意外にもプロスタングランジンF2αの製造に
非常に高い選択性を示すことが明らかになったものであ
り、安価なプロスタングランジンF2αの供給に極めて
大きな意義を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) R1 2 Al H (I) (式中、R1 及びR2 は炭素数3〜8のアルキル基を表
    し、同一でも異なってもよい。)で示される水素化アル
    ミニウム化合物でプロスタグランジンE2を還元するこ
    とを特徴とするプロスタグランジンF2αの製造方法。
JP20247392A 1992-07-29 1992-07-29 プロスタグランジンF2αの製造方法 Pending JPH0649021A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012520294A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 ヨンソン ファイン ケミカル カンパニー リミテッド プロスタグランジン誘導体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012520294A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 ヨンソン ファイン ケミカル カンパニー リミテッド プロスタグランジン誘導体の製造方法
US9126898B2 (en) 2009-03-11 2015-09-08 Yonsung Fine Chemical Co., Ltd. Process for preparing prostaglandin derivatives

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