JPH05325073A - 状態監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発生事象の重大性を見落とすことのない適切
な表示を可能とし、かつ、発生事象の重要性による処置
を行なうまでの時間を短縮する。 【構成】 各種センサ１１による観測値及び状態表現信
号を状態判定装置１４に入力し、プラントの現在の運転
状況と異常等の事象を判定する。この判定結果より発生
事象の重要度を決定し、その状況に応じた操作方法や対
策を知識として蓄えた処置操作データベース１５から対
応策を引き出し、個々の運転員にそれらの情報が最も理
解され易い表示方法をメンタルモデル手順管理装置１７
によって決定すると共に、表示すべき情報を状態判定装
置１４の出力結果と表示情報選択処理装置１６により決
定する。情報表示処理管理装置１８は、上記各処理結果
からプラントの発生事象に対する処置や操作、またトレ
ンドやプラント系統図等の情報をＣＲＴ表示装置１９に
表示し、個々の運転員に最適な情報を提示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、火力、原子力、科学プ
ラント等のプロセス情報を監視する状態監視装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、各種プラント等のプロセス情報を
監視する状態監視装置は、図３に示すように、各種セン
サ１から得られる各種プロセス量や機器の操作状況を集
約するプラント計算機２と、このプラント計算機２によ
り集約されたデータを表示用データとして加工するデー
タ処理装置３と、その表示用データを選択する表示選択
装置４と、選択されたデータを表示する表示装置５とか
ら成っている。

【０００３】図４に表示装置５の一例を示す。表示装置
５としてＣＲＴを用いており、各監視対象ごとに分類さ
れ、ＣＲＴ上にはグラフィックによりトレンドやプラン
ト系統図などの表示がなされる。情報は各個別に表示さ
れるため、故障等の事象が発生した場合、表示された各
情報を読取り、場合によってはＣＲＴのモニタ画面の切
替を行ない、必要な情報を検索する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の状態監視装
置では、プラントの情報を監視する際、１台のＣＲＴに
全てを表示せず何台かで表示し、マルチウィンドウによ
り、その区域内の情報を複数画面により表示しているの
で、事象発生により運転員が何らかの処置を行なう場
合、どの事象がどこで発生し、プラントに対してどのよ
うな影響を与えるかを理解する上で時間がかかり、迅速
な処置を行なう事ができない。また、ＣＲＴの統一的な
表示形式では、発生事象の重大性を見落とすことがあ
る。

【０００５】本発明は上記の問題点を改善するためにな
されたもので、発生事象の重大性を見落とすことのない
適切な表示が可能であり、かつ、発生事象の重要性によ
る処置を行なうまでの時間を短縮して適切な操作を行な
い得る状態監視装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、プラント等の
状態を監視する状態監視装置において、プラントの観測
値及びプラント機器の状態を表現する信号からプラント
の現在の運転状況と異常等の事象を判断する状態判定装
置と、この状態判定装置の判定結果より発生事象の重要
度を決定し、その状況に応じた操作方法や対策を出力す
る処置操作データベースと、この処置操作データベース
の出力情報に対する表示方法を個々の運転員に対応して
決定するメンタルモデル手順管理装置と、上記状態判定
装置の出力結果から表示すべき情報を決定する表示情報
選択処理装置と、上記状態判定装置と上記メンタルモデ
ル手順管理装置の結果及び上記表示情報選択処理装置の
結果からプラントの発生事象に対する処置や操作等の情
報を管理して画面表示する情報表示処理管理装置とを備
えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】状態判定装置は、各種センサから得られるプロ
セス量や機器の操作状況に基づいて、プロセス量と各機
器の状況を判断する。この状態判定装置により、現在の
状態がプラントに対して大きな影響を与えると判定され
た場合、処置操作データベースは、状態判定装置の結果
より、予め格納している熟練運転員なみの知識によって
事象発生の重要度を判断し、その判断に基づいた処置対
応操作をメンタルモデル手順管理装置に出力する。メン
タルモデル手順管理装置は、処置操作データベースから
の出力を基に、その運転員が最適となる表示手法や表示
手順を情報表示処理管理装置に出力し、ＣＲＴ表示装置
に表示させる。

【０００８】上記のようにプラントに発生した事象によ
りその事象がどのような状態であるかを判断し、プラン
トに対し影響を与える場合は、トレンド等の情報と共に
その状態からどのように推移するかを表示し、その対応
策も手順を追いながら表示していくことによって、情報
の見落としもなく運転員に対してプラントでの発生事象
を把握させることができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。

【００１０】図１は本発明の一実施例に係る状態監視装
置の構成を示すブロック図である。同図に示すように各
種センサ１１からプラント観測値やボイラ補機の状態値
を取込み、プラント計算機１２によりそれらのデータの
管理を行なう。プラント計算機１２により処理されたデ
ータは、データ処理装置１３に入力され、表示用データ
形式に加工する。例えば各種センサ１１からの情報は
“０”から“１”の規格化された信号が多いので、それ
らの信号をデータ処理装置１３で工学値として処理し、
状態判定装置１４に入力する。この状態判定装置１４
は、プラントが現在どのような運転状況であるか、異常
が発生しているかどうか等の状態を判定する。この状態
判定装置１４の状態判定結果は、処置操作データベース
１５、表示情報選択処理装置１６及び情報表示処理管理
装置１８に送られる。

【００１１】処置操作データベース１５には、プラント
異常に対する処置操作データが蓄積されている。この処
置操作データベース１５には、熟練運転員と同等の操作
知識が、ＩＦ〜ｔｈｅｎルールの形式により、例えば
「蒸気温度が高く、ダンパ開度が低くなっているときは
補機であるダンパのモータに異常が認められるためプラ
ントに異常事象が認められる。その時の処置として、負
荷を下げ、燃料流量を絞る処置を行なう。」等の知識が
蓄えられる。この場合、例えば蒸気温度、ダンパ開度な
ど閾値を必要とするものに対しては熟練運転員の経験
や、解析に基づいた値に一定の幅を持たせておく。

【００１２】上記処置操作データベース１５から出力さ
れる処置操作データは、メンタルモデル手順管理装置１
７に送られる。このメンタルモデル手順管理装置１７に
は、各運転員のメンタルモデルを格納すると共に、処置
操作データベース１５の出力を基にＣＲＴに表示するた
めの画面構成及びその手順を格納している。即ち、メン
タルモデル手順管理装置１７は、運転員個々のメンタル
モデルを格納し、その運転員が最適となる表示手法（例
えば画面のブリンクや背影色など）や表示手順を運転員
との対話によりモデルを作り上げていくもので、学習機
能により途中でもモデルの変更が可能である。このメン
タルモデル手順管理装置１７に格納された情報は、運転
員に対応したモデルが情報表示処理管理装置１８に送ら
れる。また、上記表示情報選択処理装置１６は、状態判
定装置１４の結果より、表示するための情報を選択して
情報表示処理管理装置１８に出力する。

【００１３】情報表示処理管理装置１８は、上記情報判
定装置１４、メンタルモデル手順管理装置１７、表示情
報選択処理装置１６からの情報に基づいてＣＲＴ表示装
置１９に表示する情報を管理する。即ち、情報表示処理
管理装置１８は、各入力情報から、発生事象に対する処
理手順を個々の運転員に応じた表示のための情報、例え
ば表示画面の分割数、表示タイミング、表示開始位置、
次の画面の表示位置などの情報を管理し、要求に応じて
ＣＲＴ表示装置１９に情報を表示する。次に上記実施例
の動作を説明する。

【００１４】各種センサ１１から得られるプロセス量や
機器の操作状況は、プラント計算機１２に入力されて集
約され、データ処理装置１３に送られる。このデータ処
理装置１３は、上記集約されたデータを表示するための
データ形式に加工し、状態判定装置１４に出力する。こ
の状態判定装置１４は、データ処理部３から得られる情
報を基にプロセス量と各機器の状況、例えばバーナの点
火、消火、ダンパ開度などから現在の負荷状態における
運転が整定しているか、変動しているか、また機器の不
調によりプラントがどのような事象に陥るかなどの状況
を判断する。この時の状況判定は、観測された現事象が
つづくと仮定したときのものとする。

【００１５】上記状態判定装置１４により、現在の状態
がプラントに対して大きな影響を与えると判定されたと
きは、その判定結果が処置操作データベース１５に送ら
れ、それに対応する処置がとられる。処置操作データベ
ース１５は、状態判定装置１４の結果より、予め格納し
ている熟練運転員なみの知識によって事象発生の重要度
を判断し、その判断に基づいた処置対応操作をメンタル
モデル手順管理装置１７に出力する。

【００１６】メンタルモデル手順管理装置１７は、処置
操作データベース１５からの出力を基に、その運転員が
最適となる表示手法や表示手順を情報表示処理管理装置
１８に出力し、ＣＲＴ表示装置１９に表示させる。例え
ば、ある運転員は情報を理解するのに最適に表示方法が
画面を分割し、ある時間ごとに１枚づつ表示する方法で
あるとする。

【００１７】情報表示処理管理装置１８は、異常事象に
対し、状態判定装置１４とメンタルモデル手順管理装置
１７及び表示情報選択処理装置１６の結果から、その対
策処置を例えば図２（ａ）に示すようにＣＲＴ表示装置
１９の画面の左端から表示を行ない、その処置を順次図
２（ｂ）に示すようにＣＲＴ画面の左端から操作処置の
順序に従い、徐々に表示を行なっていく。これらの表示
は運転員個々や、担当運転員自身にも表示形態が異なっ
てくる。そのため、対話形式でメンタルモデルの学習を
行ない、ブリンク・フリッカー、背影色、ウィンドウの
大きさ等を決定することにより、最適な表示形態を形成
していく。この結果、発生事象に応じた最小限必要でか
つ重要な情報を提供でき、ウィンドウに対する注意を促
す効果と、発生事象に対する適切な処置を行なう時間の
短縮を図ることができる。

【００１８】上記のようにプラントに発生した事象によ
り、その事象がどのような状態であるかを判断し、プラ
ントに対し影響を与える場合は、トレンド等の情報と共
にその状態からどのように推移するかを表示し、その対
応策も手順を追いながら表示していく。これにより事象
発生に際して、従来では不足していた情報も表示でき、
情報の見落としもなく運転員に対してプラントでの発生
事象を把握させることができる。また、重要度に応じそ
の対策や処置を表示するので運転員に対する理解の一助
となる。

【００１９】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、個
々の運転員に対し、それぞれ固有の表示方法を提示で
き、従来に比べて注意を促すことが可能となり、発生事
象の重大性を見落とすことのない適切な表示を行なうこ
とができる。また、発生事象の重要性による処置を行な
うまでの時間を短縮でき、適切な操作を行なうことが可
能となる。更に、発生事象に対する処置や操作を熟練運
転員なみの知識から、適切な対策を行なうことができ、
運転員の教育にも最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に一実施例に係る状態監視装置の構成を
示すブロック図。

【図２】同実施例における画面表示例を示す図。

【図３】従来の状態監視装置の構成を示すブロック図。

【図４】従来装置における画面表示例を示す図。

【符号の説明】

１１…各種センサ、１２…プラント計算機、１３…デー
タ処理装置、１４…状態判定装置、１５…処置操作デー
タベース、１６…表示情報選択処理装置、１７…メンタ
ルモデル手順管理装置、１８…情報表示処理管理装置、
１９…ＣＲＴ表示装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラント等の状態を監視する状態監視装
   置において、プラントの観測値及びプラント機器の状態
   を表現する信号からプラントの現在の運転状況と異常等
   の事象を判断する状態判定装置と、この状態判定装置の
   判定結果より発生事象の重要度を決定し、その状況に応
   じた操作方法や対策を出力する処置操作データベース
   と、この処置操作データベースの出力情報に対する表示
   方法を個々の運転員に対応して決定するメンタルモデル
   手順管理装置と、上記状態判定装置の出力結果から表示
   すべき情報を決定する表示情報選択処理装置と、上記状
   態判定装置と上記メンタルモデル手順管理装置の結果及
   び上記表示情報選択処理装置の結果からプラントの発生
   事象に対する処置や操作等の情報を管理して画面表示す
   る情報表示処理管理装置とを具備したことを特徴とする
   状態監視装置。