JPH0532207U - 油圧倍力装置用リザーバ - Google Patents

油圧倍力装置用リザーバ

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JPH0532207U
JPH0532207U JP8017591U JP8017591U JPH0532207U JP H0532207 U JPH0532207 U JP H0532207U JP 8017591 U JP8017591 U JP 8017591U JP 8017591 U JP8017591 U JP 8017591U JP H0532207 U JPH0532207 U JP H0532207U
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誠 堀内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧倍力装置のリザーバにおいて、油圧ブー
スタから帰還した作動油を、正常な脱泡状態にして油圧
ポンプへ送出し得るようにする。 【構成】 リザーバ本体12に堰板36を設けて、この
堰板36の一側に送出室32を、また他側に送出室32
よりも流路長が長い脱泡室34をそれぞれ形成し、堰板
36の下方には脱泡室34から送出室32へ作動油を流
通させる通油路40を設ける。送出室32には送出管
を、また脱泡室34には戻り管をそれぞれ接続する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、油圧ブースタ及びマスタシリンダの組合せからなる油圧倍力装置の 作動油を貯留するリザーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる油圧倍力装置用リザーバとして、リザーバ本体に、油圧ポンプを介して 油圧ブースタの流入口に連通する比較的広い第1室と、油圧ブースタの流出口に 連通する比較的狭い第2室とを隔壁を挟んで設け、その隔壁の高さ方向中間部に 、第2室から第1室へ作動油を流通させる通孔を設けたものが既に知られている (例えば実開平3−37071号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このようなリザーバでは、油圧ブースタを出た圧油が第2室に吐出されると、 大気圧まで急減圧し、それに伴い多量の気泡が発生するものであり、それにも拘 らず第2室が第1室よりも狭く形成されているため、多量の気泡を含んだ作動油 が第2室から隔壁を乗越えて第1室に入り込む欠点がある。また、第2室の作動 油は、下方へ行くにつれて気泡が減少していくものであるにも拘らず、この作動 油を第1室へ移す通孔が隔壁の高さ方向中間部に設けられているため、気泡が最 も少ない作動油を第2室から第1室へ送り得ない欠点がある。これらの欠点によ れば、気泡を含まない正常な作動油を第1室から油圧ポンプへ送出することが困 難となる。
【0004】 そこで本考案は、上記欠点をすべて解消した前記リザーバを提供することを目 的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、リザーバ本体に、その内部を、油圧ポ ンプを介して油圧ブースタの流入口に連通する送出室と、油圧ブースタの流出口 に連通する、流路長が送出室より長い脱泡室とに区画する堰板を設け、この堰板 の下方に、脱泡室から送出室へ作動油を流通させる通油路を設けたことを特徴と する。
【0006】
【実施例】
以下、図面により本考案の一実施例について説明する。
【0007】 まず図1において、ブレーキペダル1により操作される油圧ブースタBは、自 動車のエンジンルームにおいてダッシュボード前面にスタッドボルト2を介して 取付けられ、その前端には油圧ブースタBの出力により作動されるブレーキ用の タンデム型マスタシリンダMが連結される。これら油圧ブースタB及びマスタシ リンダMは、エンジンルームへの水平方向突出長さを短くし、且つメンテナンス 性を良くするために、前方上向きに配置される。
【0008】 マスタシリンダMの上側には、このマスタシリンダM及び油圧ブースタBに共 通の作動油を貯留するリザーバRが設置される。
【0009】 このリザーバRの下面には送出管4及び戻り管5が突設され、送出管4は、電 動モータその他の駆動手段6により駆動される油圧ポンプ7の吸入ポートに第1 ホース81 を介して接続され、この油圧ポンプ7の吐出ポートは油圧ブースタB の入口弁に連なる流入口9に第2ホース82 を介して接続され、この第2ホース 82 の中間部にアキュムレータ10が接続される。戻り管5は油圧ブースタBの 出口弁に連なる流出口11に第3ホース83 を介して接続される。
【0010】 図2及び図3において、リザーバRは平面視で略方形の箱形をなす単一の合成 樹脂製リザーバ本体12を備えており、このリザーバ本体12は成形上の都合か ら水平面で分割された上部及び下部半体13,14から構成される。これら上部 及び下部半体13,14の対向端にはフランジ13a,14aが形成されており 、この両フランジ13a,14aを互いに接着若しくは溶着により接合して両半 体13,14は結合される。
【0011】 リザーバRの底壁には、その下面の略中心部から突出する短い接続筒15が一 体に形成され、この接続筒15に取付板16が埋設されている。
【0012】 一方、マスタシリンダMのシリンダ本体17上側には、筒状の油溜18と、そ の内部を第1及び第2油溜室18a,18bに仕切る隔壁19とが突設され、第 1及び第2油溜室18a,18bからシリンダ本体17内の前,後一対の油圧室 に作動油をそれぞれ補給するようになっている。
【0013】 油溜18には前記接続筒15がOリング等のシール部材20を介して油密に嵌 合され、そして前記取付板16がビス21により隔壁19に固着される。この取 付板16は通孔22を有しており、作動油の流通を妨げない。
【0014】 上部半体13の上壁には、前記接続筒15と同軸上に給油口24が設けられ、 これにキャップ25が施される。
【0015】 下部半体14の底壁には、その上面から起立して前記接続筒15の上方開口部 を囲繞する案内筒23が一体に形成され、その上端は前記給油口24の直下で開 口する。この案内筒23には、その内外を連通する複数の縦スリット26が周方 向に間隔を置いて切られている。
【0016】 案内筒23内には、上端が前記給油口24に嵌合する円筒状のフィルタ27が 配設され、さらにこのフィルタ27内には、キャップ25に付設されたレベルセ ンサ28が配設される。このレベルセンサ28はリザーバR内の貯留油面が規定 レベル以下に低下したとき図示しない警報器に電気信号を出力する公知のフロー ト式のものである。フィルタ27は、接続筒15の取付板16上に支承される複 数の脚片27aを備えている。
【0017】 リザーバ本体12には、その上壁及び底壁間を連結して前記案内筒23を囲繞 する角筒状の隔壁29が一体に形成される。この隔壁29は、その内側に中央室 30を画成し、またリザーバ本体12の周壁との間に中央室30を囲繞する外側 室31を画成する。
【0018】 さらに外側室31は、その周方向に沿って送出室32、濾過室33及び脱泡室 34の三室に区画される。
【0019】 即ち、先ず送出室32は仕切壁35及び堰板36により外側室31の一隅に画 成され、そして隔壁29の一隅に設けられた切欠状の連通部37(図6参照)を 介して中央室30と連通する。
【0020】 前記仕切壁35は、外側室31を横断するようにリザーバ本体12に一体に形 成される。また前記堰板36は、外側室31の内側面に形成された相対向する一 対の案内溝38,38に嵌込まれる。その際、図2に明示するように、この堰板 36の上,下部には、送出室32及び脱泡室34間を連通する通気路39及び通 油路40が残存される。
【0021】 図5に示すように、送出室32の底壁には、その上面から突出する取付筒41 と、その下面から突出して取付筒41に連なる前記送出管4とが一体に形成され 、取付筒41には円筒状のフィルタ42が嵌装される。
【0022】 図3及び図5において、濾過室33は、前記仕切壁35と、これに対向するフ ィルタ板43とにより画成される。この濾過室33の底壁には、これを貫通して 上下に延びる前記戻り管5が一体に形成され、この戻り管5の上端には、濾過室 33の底壁より高い位置で仕切壁35に向って開口する吐出口5aが設けられる 。また濾過室33の底壁上面には、戻り管5を囲繞する環状のゴミ溜り51がフ ィルタ板43の下端より低く凹設される。
【0023】 前記フィルタ板43は、外側室31の内側面に形成された相対向する一対の案 内溝44,44に嵌込まれ、外側室31を余す所なく横断するように配置される 。
【0024】 フィルタ板43は、格子45aを有する長方形の合成樹脂製枠体45と、その 一側面にモールド結合された網46とからなっている。このフィルタ板43の案 内溝44,44への嵌込みに際しては、網46側の面を濾過室33に向けて配置 される。このような配置によれば、濾過室33の作動油が網46で濾過されたと き、残ったゴミが格子45a上に堆積することを防止できる。
【0025】 而して、案内筒23内のフィルタ27の網目は、上記フィルタ板43のそれと 同等若しくはそれより細かく設定され、また送出室32のフィルタ42の網目は 、上記フィルタ板43のそれより粗く設定される。
【0026】 脱泡室34は、外側室31から送出室32及び濾過室33を除いた残り部分と なる。即ち、フィルタ板43から始まり、隔壁29の三つの角を回って堰板36 に達する長い通路状に形成される。
【0027】 前記隔壁29及び仕切壁35も、成形上の都合から、上部及び下部半体13, 14と同様に上下に分割され、これらの分割面は接着、溶着等により接合される 。
【0028】 図2及び図4に示すように、外側室31の容積を極力大きく取るために、マス タシリンダMの油溜18の後側半周を囲むコ字状の膨出部48がリザーバ本体1 2の底壁に形成される。この膨出部48は、マスタシリンダMが前上り傾斜に配 置されることから油溜18周りに生じたデッドスペースに配置される。
【0029】 またリザーバ本体12の外周面には、その内部の貯留油面の上限及び下限レベ ルをそれぞれ示す上限及び下限マーク49,50がリブ状に形成される。図示例 では、上限マーク49は接合された前記フランジ13a,14aから構成される 。而して、前記通気路39は、上限マーク49よりも高い位置に設けられ、また 前記通油路40は下限マーク50よりも低い位置に設けられる。
【0030】 次にこの実施例の作用について説明する。
【0031】 リザーバRへの作動油の注入に際しては、キャップ25を外して給油口24か らフィルタ27内に注入する。注入された作動油はフィルタ27で濾過されてか ら案内筒23の縦スリット26を通って中央室30全体を満すと共に、通孔22 ,22を通って第1及び第2油溜室18a,18bをも満す。また中央室30の 作動油は、連通部37を通って送出室32へ、さらに通油路40を通って脱泡室 34へ、さらにフィルタ板43を通って濾過室33へと順次流入して、それらを も満す。
【0032】 而して、油圧ポンプ7を作動すれば、送出室32の作動油がフィルタ42で濾 過された後、送出管4及び第1ホース81 を通って油圧ポンプ7に吸入され、圧 油となって第2ホース82 へ吐出され、アキュムレータ10に蓄えられる。
【0033】 そこで、油圧ブースタBの作動及び解放が繰返されると、アキュムレータ10 の圧油が油圧ブースタBのブースト室に供給されたり、該ブースト室の圧油が第 3ホース83 へ流出し、戻り管5を経てその吐出口5aから濾過室33に吐出さ れる。
【0034】 その際、上記吐出口5aは、フィルタ板43とは反対側の仕切壁35に向って 開口しているので、吐出口5aから勢いよく吐出された作動油は仕切壁35に衝 突して減衰するので、フィルタ板43に大なる圧力を及ぼすことはない。こうし て濾過室33に吐出された作動油は、次にフィルタ板43により濾過されて脱泡 室34に移る。その際、作動油から分離したゴミは濾過室33の底壁上、特にゴ ミ溜り51に溜り、高所の吐出口5aへ逆流することはない。
【0035】 作動油が移った脱泡室34は隔壁29の三つの角を回る程長く形成されている ので、作動油が該室34を送出室32に向って進むうちに油中の気泡は大きく発 達しながら油面上に浮上していく。したがって、脱泡室34の作動油は送出室3 2に近づくにつれて気泡が減少し、特に底部では気泡が激減する。
【0036】 こうして気泡を排除した作動油は、堰板36下方の通油路40を通って送出室 32に戻る。このとき若し脱泡室34から送出室32へ気泡が侵入しても、その 気泡はフィルタ42により阻止されるので、送出室32から送出管4へ気泡を殆 ど含まない正常な作動油を送り出すことができる。以後、同様の循環を繰返す。
【0037】 而して、作動油は送出室32に戻るまで前述のようにフィルタ板43により濾 過されるので、送出室32から送り出す作動油を濾過するフィルタ42は上記フ ィルタ板43よりも大きい網目のもので足り、これにより送出抵抗を減じ、油圧 ポンプ7の負荷の軽減を図ることができる。
【0038】 また、送出室32、濾過室33及び脱泡室34の各上部は、通気路39及びフ ィルタ板43を介して互いに連通すると共に、連通部37を介して中央室30と も連通し、また中央室30はキャップ25のブリーザ通路を介して大気と連通し ているので、各室30,32,33,34は支障なく呼吸することができる。
【0039】 尚、上記実施例は、油圧ブースタB及びマスタシリンダMを同軸上で連結した 油圧倍力装置に本考案を適用したものであるが、油圧ブースタB及びマスタシリ ンダMを分離配置して両者間を油圧導管を介して接続したものにも適用可能であ る。
【0040】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、リザーバ本体に、その内部を、油圧ポンプを介 して油圧ブースタの流入口に連通する送出室と、油圧ブースタの流出口に連通す る、流路長が送出室より長い脱泡室とに区画する堰板を設け、この堰板の下方に 、脱泡室から送出室へ作動油を流通させる通油路を設けたので、油圧ブースタか ら脱泡室に吐出された作動油は、長い脱泡室を通過する間に油中の気泡を排除す ることができ、しかも作動油中、気泡が最も少ない下部のもののみが堰板下方の 通油路を通して送出室へ流入することができ、したがって常に正常な作動油を送 出室から油圧ポンプへ送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による油圧倍力装置の側面図
【図2】図1のリザーバ部の拡大縦断面図(図3の2−
2線断面図)
【図3】上記リザーバの分解斜視図
【図4】上記リザーバの下部半体を下方から見た斜視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【符号の説明】
4 送出管 5 戻り管 7 油圧ポンプ 9 流入口 11 流出口 12 リザーバ本体 29 隔壁 32 送出室 34 脱泡室 36 堰板 40 通油路 B 油圧ブースタ R リザーバ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リザーバ本体(12)に、その内部を、
    油圧ポンプ(7)を介して油圧ブースタ(B)の流入口
    (9)に連通する送出室(32)と、油圧ブースタ
    (B)の流出口(11)に連通する、流路長が送出室
    (32)より長い脱泡室(34)とに区画する堰板(3
    6)を設け、この堰板(36)の下方に、脱泡室(3
    4)から送出室(32)へ作動油を流通させる通油路
    (40)を設けたことを特徴とする、油圧倍力装置用リ
    ザーバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108698578A (zh) * 2016-03-11 2018-10-23 罗伯特·博世有限公司 用于集成式动力制动器单元的具有内部导管的制动器储槽

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108698578A (zh) * 2016-03-11 2018-10-23 罗伯特·博世有限公司 用于集成式动力制动器单元的具有内部导管的制动器储槽
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