JPH05322036A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH05322036A
JPH05322036A JP4152957A JP15295792A JPH05322036A JP H05322036 A JPH05322036 A JP H05322036A JP 4152957 A JP4152957 A JP 4152957A JP 15295792 A JP15295792 A JP 15295792A JP H05322036 A JPH05322036 A JP H05322036A
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Atsushi Tabata
淳 田端
Yasuo Hojo
康夫 北條
Takayuki Okada
孝幸 岡田
Takeshi Inuzuka
武 犬塚
Masashi Hattori
雅士 服部
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 手動変速モードでの不用意な変速を防ぐ。 【構成】 走行状態に基づいて変速を指示する自動変速
モードと、手動操作に基づく変速指示信号により変速を
指示する手動変速モードとを選択することのできる自動
変速機Aの変速制御装置であって、前記手動変速モード
を選択するシフト機構1と、このシフト機構1とは独立
して手動操作可能でありかつ手動操作に基づく変速指示
信号を出力する手動変速指示機構2と、前記シフト機構
1による自動変速モードから手動変速モードへの切換え
時点は前記手動変速指示機構2からの変速指示信号に基
づく変速を規制する変速規制手段3とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走行状態に基づいて
変速を指示する自動変速モードと手動操作に基づく変速
指示信号により変速を指示する手動変速モードとを選択
することのできる自動変速機の変速制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置が、特開平2−8545号
公報や特開平2−125174号公報に記載されてい
る。すなわち自動変速機は、歯車列における動力の伝達
経路を、クラッチやブレーキの係合・解放状態に応じて
適宜に変えて変速を行うよう構成されており、通常は車
速やエンジン負荷(スロットル開度)などの走行状態に
応じて変速を行うが、上記の公報に記載された装置は、
手動操作に基づく変速指示信号により前記摩擦係合装置
の係合・解放の状態を切り換えて変速を実行するように
構成されている。そのシフト機構は、車両の走行状態に
基づいて変速指示信号を出力する自動変速モードと手動
操作に基づいて変速指示信号を出力する手動変速モード
との切り換え、および自動変速モードでの走行レンジの
選択、ならびに手動変速モードでの変速指示操作を行う
よう構成されている。より具体的には、シフトレバーを
パーキングレンジ位置やドライブレンジ位置等の自動変
速モードでの走行レンジを設定する位置にガイドする溝
と、その溝と平行に形成されかつドライブレンジ位置か
らシフトレバーを移動させて車両の前後方向にシフトレ
バーをガイドすることによりアップシフト信号およびダ
ウンシフト信号を出力させる溝とを有するものである。
そしてこの種の装置では、シフトレバーを自動変速モー
ドでの走行レンジを選択する溝の内部に位置させて所定
の走行レンジを選択していれば、走行状態に応じた変速
段が自動的に設定され、またシフトレバーを手動変速モ
ード用の溝の内部で前方もしくは後方に倒せば、その都
度、アップシフト信号もしくはダウンシフト信号が出力
され、現状の変速段に対して1段高速側もしくは1段低
速側の変速段への変速が指示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置
は、自動変速モードでの走行レンジの選択を行う溝と、
手動変速モードでのアップシフト操作およびダウンシフ
ト操作を行う溝とを設ける必要があるので、装置が大型
化する不都合があった。これは、従来の装置が、1本の
シフトレバーで自動変速機モードでのレンジの選択、お
よび自動変速モードと手動変速モードとの選択ならびに
手動変速モードでのアップシフト操作とダウンシフト操
作とを行うように構成しているためである。
【0004】そこで自動変速モードでのレンジの選択操
作や自動変速モードと手動変速モードとの切換え操作と
は独立してアップシフト操作やダウンシフト操作を行う
ことのできる機構を有する変速制御装置が考えられる。
このような構成であれば、例えばアップシフト操作とダ
ウンシフト操作とをスイッチ操作とすることができるの
で、装置の小型化を図ることができるが、手動変速モー
ドへの切換えとアップシフトおよびダウンシフトの変速
指示とを、互いに独立して行うことができるから、例え
ばアップシフト操作した状態で自動変速モードから手動
変速モードへの切換え操作が可能であり、その場合に
は、手動変速モードへの切換えと同時にアップシフトも
しくはダウンシフトが生じてしまい、運転者に違和感を
与えるなどのおそれがあった。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、手動操作による不用意な変速の生じることな
い変速制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたものである。
すなわちこの発明は、走行状態に基づいて変速を指示す
る自動変速モードと、手動操作に基づく変速指示信号に
より変速を指示する手動変速モードとを選択することの
できる自動変速機Aの変速制御装置において、前記手動
変速モードを選択するシフト機構1と、このシフト機構
1とは独立して手動操作可能でありかつ手動操作に基づ
く変速指示信号を出力する手動変速指示機構2と、前記
シフト機構1による自動変速モードから手動変速モード
への切換え時点は前記手動変速指示機構2からの変速指
示信号に基づく変速を規制する変速規制手段3とを備え
ていることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】この発明で対象とする自動変速機Aでは、シフ
ト機構1を操作することにより手動変速モードに切換え
ることができる。また手動変速モードに設定している状
態で手動変速指示機構2を操作することにより、アップ
シフト信号もしくはダウンシフト信号が出力される。通
常は、これらシフト機構1により手動変速モードを選択
していることによる信号と、手動変速指示機構2を操作
することに基づく変速指示信号とにより変速が生じる
が、手動変速モードから手動変速モードに切換えた時点
は変速規制手段3が、手動変速指示機構2からの変速指
示信号に基づく変速を規制する。したがって例えば、手
動変速指示機構2よって変速を指示した状態のまま、シ
フト機構1によって手動変速モードを選択しても、手動
変速モードを選択してから所定の期間が経過するまで
は、変速が実行されず、不用意な変速とならない。
【0008】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明する。図2はこの発明の一実施例の基本的な構成を示
すブロック図であって、ここに示す自動変速機Aは、走
行状態に応じて変速段を設定する自動変速モードと、手
動操作に基づいて変速段を設定する手動変速モードとを
選択できるよう構成されている。すなわち自動変速機A
は、油圧制御装置10における変速用のソレノイドバル
ブS1 ,S2 ,S3およびライン圧用ソレノイドバルブ
SLT、ロックアップクラッチ用ソレノイドバルブSLU、
ならびにアキュームレータ背圧用ソレノイドバルブSLN
を自動変速機用の電子制御装置(ECU)11によって
制御するとともにシフトレバー12によって操作するシ
フト装置13によりマニュアルバルブ(図示せず)を動
作させて所定の変速段に設定するよう構成されている。
【0009】このシフト装置13は、パーキング
(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライ
ブ(D)、第3速保持(“3”)、第2速保持
(“2”)、第1速保持(L)の各レンジ位置と第1速
ないし第4速を手動操作で1段づつ変速して設定するマ
ニュアルシフト位置(ダイレクトモード位置:DM)と
をシフトレバー12によって選択するようになってい
る。またそのシフトレバー12のグリップ部にはアップ
シフトスイッチ14とダウンシフトスイッチ15とが、
互いに異なる指で操作する位置に設けられ、これらのス
イッチ14,15は電子制御装置11に接続されてい
る。
【0010】前記電子制御装置11は、中央演算素子
(CPU)および記憶素子(ROM,RAM)ならびに
入出力インターフェースを主たる要素とするものであっ
て、車速Vやスロットル開度θ、ブレーキ信号、パター
ンセレクト信号等の各種の信号が入力され、自動変速モ
ードでは走行状態に応じた変速段を設定するよう各シフ
ト用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を制御し、また
手動変速モードでは、アップシフトスイッチ14を1回
操作するごとに1段づつアップシフトするよう油圧制御
装置10の変速用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を
動作させ、またダウンシフトスイッチ15を1回操作す
るごとに1段づつダウンシフトするよう油圧制御装置1
0の変速用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を動作さ
せるようになっている。なお、シフト装置13における
各レンジのシフトポジションは、図3に示すように配列
されている。
【0011】上記の自動変速機Aにおける歯車列の一列
を図示すれば、図4のとおりであり、またこの歯車列を
対象として自動変速モードと手動変速モードとで変速を
実行する油圧制御装置10の主要回路部分を図示すれ
ば、図5のとおりである。
【0012】すなわち図4に示す自動変速機Aには、ロ
ックアップクラッチ20を有するトルクコンバータ21
と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部30と、二
組の遊星歯車機構によって複数の前進段および後進段を
設定する第1変速部40とが設けられている。
【0013】第2変速部30は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
31がトルクコンバータ21のタービンランナ22に連
結されており、またこのキャリヤ31とサンギヤ32と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチFo が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ32
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。
【0014】第1変速部40の各遊星歯車機構における
サンギヤ41,42は、共通のサンギヤ軸43に設けら
れており、この第1変速部40の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ44と第2
変速部30におけるリングギヤ33との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸43と第2変速
部30のリングギヤ33との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部40における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ45と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ46とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ45とリングギヤ46とに出力軸47
が連結されている。
【0015】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸43の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸43とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ48とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0016】上記の歯車列を備えた自動変速機Aは、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動変速モードでエンジ
ンブレーキが効かず、手動変速モードでエンジンブレー
キを効かせる必要があるので、前記油圧制御装置10に
は図5に示す油圧回路が組み込まれている。
【0017】マニュアルバルブ100は、前記シフト装
置13によってスプール101を移動することにより油
圧の給排状態を切換えるものであって、プライマリーレ
ギュレータバルブ(図示せず)で調圧されたライン圧P
L を供給するライン圧油路60が入力ポート102に接
続されており、DレンジおよびDMレンジならびに
“3”レンジでは、スプール101が図示の位置にあっ
て入力ポート102をDポート103に連通させるよう
になっている。またSレンジではスプール101が図の
下側に移動して入力ポート102がDポート103とS
ポート104とに連通し、Lレンジではスプール101
が更に下側に移動して入力ポート102がDポート10
3、Sポート104およびLポート105の三者に連通
し、また反対にNレンジではスプール101が入力ポー
ト102を閉じ、Rレンジでは入力ポート102がRポ
ート106に連通し、Pレンジでは入力ポート102を
閉じるとともに、他のポートをドレンポートに連通する
ようになっている。
【0018】第1速と第2速との間の変速を行う 1-2シ
フトバルブ200は、四つのランドを有するスプール2
01とその一端部に配置したスプリング202とを備え
ており、スプリング202とは反対側の端部に形成した
制御ポート203が第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、第2ソレノイドバルブS2 がOFFのときに、ライ
ン圧油路61からストレーナ62およびオリフィス63
を介して供給されるライン圧PL が制御ポート203に
生じるようになっている。
【0019】制御ポート203より図での下側に、最上
部のランドで開閉されるセカンドコーストポート204
と、このセカンドコーストポート204とドレンポート
205とに選択的に連通される第1ブレーキポート20
6とが順に形成され、この第1ブレーキポート206に
セカンドコーストモジュレータバルブ64を介して第1
ブレーキB1 が接続されている。またドレンポート20
5より図での下側に、マニュアルバルブ100のDポー
ト103に接続したDポート207が形成されており、
このDポート207と他のドレンポート208とに選択
的に連通される第2ブレーキポート209に第2ブレー
キB2 が接続されている。前記他のドレンポート208
より図での下側に更に他のドレンポート210が形成さ
れており、このドレンポート210とローコーストポー
ト211とに選択的に連通される第3ブレーキポート2
12に第3ブレーキB3 が接続されている。そしてスプ
リング202を配置してある最下端部にホールドポート
213が形成されている。
【0020】第2速と第3速との間の変速を行う 2-3シ
フトバルブ300は、六つのランドを形成したスプール
301と、その一端部(図の下端部)に配置したスプリ
ング302とを有しており、スプリング302とは反対
側の端部に形成した制御ポート303が第1ソレノイド
バルブS1 に接続され、第1ソレノイドバルブS1 がO
FFのときに、前記マニュアルバルブ100のDポート
103からストレーナ65およびオリフィス66を介し
て供給されるライン圧PL が制御ポート303に生じる
ようになっている。
【0021】この 2-3シフトバルブ300には、図の上
から順に、第1ドレンポート304、ブレーキポート3
05、第1Dポート306が形成されており、そのブレ
ーキポート305が前記 1-2シフトバルブ200のセカ
ンドコーストポート204に接続されるとともに、この
ブレーキポート305を第1ドレンポート304と第1
Dポート306とに選択的に連通させるようになってい
る。上記のポートに続けて、ホールド出力ポート30
7、入力ポート308、クラッチポート309、第2ド
レンポート310が順に形成されており、第1ドレンポ
ート304とブレーキポート305とが連通していると
きに、第1Dポート306とホールド出力ポート30
7、入力ポート308とクラッチポート309とがそれ
ぞれ連通し、ブレーキポート305が第1Dポート30
6に連通しているときに、ホールド出力ポート307と
入力ポート308、クラッチポート309と第2ドレン
ポート310とがそれぞれ連通するようになっている。
【0022】さらに第2ドレンポート310に続けてブ
レーキポート311、第2Dポート312が順に形成さ
れており、クラッチポート309が入力ポート308に
連通しているときに第2ドレンポート310がブレーキ
ポート311に連通し、また反対にクラッチポート30
9が第2ドレンポート310に連通しているときにブレ
ーキポート311と第2Dポート312とが連通するよ
うになっている。さらにまたスプリング302を配置し
てある最下端部にホールドポート313が形成されてい
る。
【0023】そして前記クラッチポート309に第2ク
ラッチC2 が接続される一方、前記1-2シフトバルブ2
00のホールドポート213とこのクラッチポート30
9とが接続されている。またブレーキポート311がロ
ーコーストモジュレータバルブ67を介して 1-2シフト
バルブ200のローコーストポート211に接続されて
いる。さらにホールドポート313がマニュアルバルブ
100のLポート105に接続され、Lレンジではスプ
ール301を図の右半分に示すように押し上げた位置に
保持するようになっている。
【0024】3-4シフトバルブ400は第2ソレノイド
バルブS2 および 2-3シフトバルブ300のホールド出
力ポート307から送られる油圧によって制御されて、
前述した第2変速部30の変速を実行するものであっ
て、四つのランドが形成されたスプール401とその一
端部に配置したスプリング402とを備えており、スプ
リング402とは反対側の端部に形成した制御ポート4
03が、前述した 1-2シフトバルブ200の制御ポート
203と同様に、第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、またスプリング402を配置してある端部に形成し
たホールドポート404が、 2-3シフトバルブ300に
おけるホールド出力ポート307に接続されている。
【0025】この 3-4シフトバルブ400は、第2ソレ
ノイドバルブS2 がOFFとなっていて制御ポート40
3にライン圧PL が作用している場合に、ライン圧油路
61に接続してある入力ポート405が、ブレーキB0
を接続してあるブレーキポート406に連通し、また反
対に制御ポート403から排圧されている場合あるいは
ホールドポート404に油圧が作用している場合に入力
ポート405が、クラッチC0 を接続してあるクラッチ
ポート407に連通するようになっている。
【0026】そしてマニュアルバルブ100のDポート
103に第1クラッチC1 が接続されるとともに、この
第1クラッチC1 から 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に至る油路68の途
中に、手動変速モードでの第1速と第2速とでエンジン
ブレーキを効かせるため、換言すれば自動変速モードで
の第1速と第2速とでのエンジンブレーキを阻止するた
めのコーストブレーキカットオフバルブ500が設けら
れている。
【0027】これは、第1クラッチC1 に接続してある
クラッチポート501と 2-3シフトバルブ300の第1
および第2のDポート306,312に接続してあるブ
レーキポート502とを選択的に連通させるものであっ
て、スプリング503によって一方向に押圧されたスプ
ール504を有するとともに、スプリング503を配置
した端部に形成されているホールドポート505が、オ
ーバードライブ(O/D)ロックアウトバルブ600を
介して、マニュアルバルブ100のSポート104に接
続され、またこれとは反対側の端部に形成した制御ポー
ト506が第3ソレノイドバルブS3 に接続されてい
る。そしてこの第3ソノイドバルブS3 は、第1クラッ
チC1 と制御ポート506とを、ストレーナ65および
オリフィス70を介して接続している油路71に介装さ
れ、OFF状態でドレンポートを閉じて制御ポート50
6にライン圧PL を生じさせ、ON状態でドレンポート
を開いて制御ポート506から排圧するようになってい
る。
【0028】O/Dロックアウトバルブ600は、弁体
601の位置を、制御ポート602に作用するライン圧
PL とこの制御圧に対抗するスプリング603とによっ
て制御することにより、出力ポート604を入力ポート
605とドレンポート606とに選択的に連通させるよ
う構成されている。すなわち弁体601は、中間部の外
径を両端部の外径より小さくしたものであって、図5の
右半分に示すように弁体601がスプリング603を圧
縮して押し下げられている状態では、出力ポート604
と入力ポート605とが弁体601の外周側の隙間を介
して連通し、また弁体601が図5の左半分に示す位置
に押し上げられている状態では、入力ポート605が閉
じられるとともに、出力ポート604がドレンポート6
06に連通する。
【0029】そしてその出力ポート604にコーストブ
レーキカットオフバルブ500のホールドポート505
が接続され、また入力ポート605はマニュアルバルブ
100のSポート104に接続され、さらに制御ポート
602は第1ソレノイドバルブS1 に接続されている。
【0030】上記の各ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 が図6に示すようにONもしくはOFFとされるの
で、 1-2シフトバルブ200では、第1速で右半分に示
すようにスプール201が押し下げられ、それ以外の前
進段ではスプール201が図の左半分に示すように押し
上げられ、また 2-3シフトバルブ300では、第1速お
よび第2速で図の右半分に示すようにスプール301が
押し上げられ、第3速および第4速ではスプール301
が図の左半分に示すように押し下げられ、さらに3-4シ
フトバルブ400では、第1速ないし第3速でスプール
401が図の右半分に示すように押し上げられ、第4速
で図の左半分に示すように押し下げられる。その結果、
各摩擦係合装置が図6に示すように係合あるいは解放さ
れて各変速段が設定される。
【0031】なお、図6は作動表であって、○印はソレ
ノイドバルブについてON、摩擦係合装置については係
合を示し、また×印はソレノイドバルブについてOF
F、摩擦係合装置については解放を示す。
【0032】ここで特に手動変速モードでの第1速と第
2速とについて説明すると、これらの変速段を設定する
場合、第3ソレノイドバルブS3 はONとされるので、
コーストブレーキカットオフバルブ500の制御ポート
506から排圧され、そのスプール504がスプリング
503によって図の左半分に示す位置へ押し上げられ
る。その結果、クラッチポート501とブレーキポート
502とが連通するので、 2-3シフトバルブ300の第
1Dポート306と第2Dポート312とにライン圧P
L が供給される。一方、 2-3シフトバルブ300は、第
1速および第2速を設定する際に、第1ソレノイドバル
ブS1 がONとされて制御ポート303から排圧され、
それに伴ってスプール301が図の右半分に示す位置に
押し上げられているから、第1Dポート306がブレー
キポート305に連通し、第2Dポート312がブレー
キポート311に連通する。すなわちこれらのブレーキ
ポート305,311にそれぞれ接続されている 1-2シ
フトバルブ200のセカンドコーストポート204とロ
ーコーストポート211とにライン圧PL が供給され
る。
【0033】この 1-2シフトバルフ200は、第1速の
ときに第2ソレノイドバルブS2 がOFFとなって制御
ポート203に油圧が供給されることによりスプール2
01が図の右半分に示す位置に押し下げられるから、ロ
ーコーストポート211が第3ブレーキポート212に
連通し、その結果、ここに接続してある第3ブレーキB
3 に油圧が供給されてこれが係合する。すなわち図4に
示す歯車列において、第2一方向クラッチF2 と並列の
関係にある第3ブレーキB3 が係合するためにキャリヤ
48の正逆両方向への回転が阻止され、エンジンブレー
キを効かせることができる。
【0034】また 1-2シフトバルブ200は第2速の際
に、第2ソレノイドバルブS2 がONとなって制御ポー
ト203から排圧され、そのスプール201が図の左半
分に示す位置へ押し上げられるから、セカンドコースト
ポート204が第1ブレーキポート206に連通し、そ
の結果、ここに接続してある第1ブレーキB1 が係合す
る。すなわち図4に示す歯車列において、第1一方向ク
ラッチF1 および第2ブレーキB2 に対して並列の関係
にある第1ブレーキB1 が係合することにより、第1変
速部40におけるサンギヤ41,42の正逆両方向の回
転が阻止され、エンジンブレーキを効かせることができ
る。
【0035】図4に示す歯車列および図5に示す油圧回
路を備えた自動変速機Aは、上述したように自動変速モ
ードによる変速と手動変速モードによる変速とを行うこ
とができ、そのモードの切換えおよび手動変速モードで
の各変速段の選択は、前述したシフト装置13によって
行う。すなわちシフトレバー12によってDレンジある
いは“3”レンジもしくは“2”レンジを選択すれば、
車速やスロットル開度などの走行状態に基づいて自動的
に各変速段に設定され、またシフトレバー12をダイレ
クトモード位置DMに設定すれば、図示しないスイッチ
からダイレクトモード信号が出力され、したがってその
状態でアップシフトスイッチ14もしくはダウンシフト
スイッチ15を操作すれば、その都度、1段づつアップ
シフトもしくはダウンシフトするよう電子制御装置11
が油圧制御装置10のソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 に信号を出力して、現在の変速段に対して1段高速側
もしくは低速側の変速段への変速指令信号を出力する。
【0036】上記の制御装置による手動変速は、シフト
装置13によって手動変速モード(すなわちダイレクト
モード)が選択されていること、およびアップシフトス
イッチ14もしくはダウンシフトスイッチ15がON操
作されていることの二つの要件を備えることにより実行
されるが、前記電子制御装置11は、アップシフトスイ
ッチ14もしくはダウンシフトスイッチ15からの信号
が、ダイレクトモードが選択されたことを示す信号より
先に入力された場合、もしくは同時に入力された場合に
は、アップシフトスイッチ14もしくはダウンシフトス
イッチ15からの信号に基づく変速を実行しないように
なっている。この制御は具体的には、図7および図8に
示すとおりである。
【0037】すなわちステップ1で装置の初期化を行っ
た後に、ステップ2でアクセル操作量θ、車速V、シフ
ト装置13からのシフトポジション信号およびアップシ
フトスイッチ14やダウンシフトスイッチ15からのマ
ニュアルシフト信号、シフトパターンセレクト信号など
の各信号の入力処理を行う。これに続くステップ3では
ダイレクトモードが選択されていることを示す信号が入
力されているか否かを判断し、ダイレクトモードが選択
されていれば、ステップ4において既にダイレクトモー
ドが選択されていることを示すフラグFdが“1”か否
かを判断する。このフラグFdは“1”であることによ
りダイレクトモードが選択されていること示し、また
“0”であることによりダイレクトモードが選択されて
いないことを示すフラグであり、シフト装置13によっ
てダイレクトモードを選択した後に初めてこのステップ
4の判断を行った場合には、その判断は“ノー”とな
り、この場合は、ステップ5において変速指示信号すな
わちアップシフト信号もしくはダウンシフト信号が入力
されているか否かを判断する。その判断結果が“イエ
ス”であれば、フラグFsを“1”にセットし(ステッ
プ6)、また“ノー”であればフラグFsを“0”にセ
ットする(ステップ7)。すなわちこのフラグFsは
“1”にセットされることにより、ダイレクトモード信
号と変速指示信号とが同時に入力されていることを示す
ことになる。
【0038】これにつづくステップ8においてタイマー
T1 をゼロリセットして時間のカウントを開始するとと
もに、ステップ9でフラグFdを“1”にセットし、さ
らにステップ10に進む。なお、ステップ4において、
既にダイレクトモードが選択されていれば、その判断結
果が“イエス”となり、この場合は直ちにステップ10
に進む。
【0039】ステップ10では、前記アップシフトスイ
ッチ14もしくはダウンシフトスイッチ15からの変速
指示信号が入力されたか否かを判断する。その判断結果
が“ノー”の場合には、制御プロセスはリターンし、ま
た“イエス”であれば、ステップ11に進んで、フラグ
Fsが“1”か否かを判断する。このフラグFsが
“1”にセットされていれば、ダイレクトモード信号と
変速指示信号とが同時に入力されていることになるの
で、この場合は、ステップ9に進んでタイマーT1 のカ
ウント値すなわちダイレクトモード信号と変速指示信号
とが同時に入力された後の経過時間が予め定めた時間α
以上となったか否かを判断する。
【0040】その基準時間α以上の時間が経過していな
ければ、制御プロセスはステップ2の前に戻る。また基
準時間α以上の時間が経過していれば、ステップ13に
進んで、前記ステップ10において入力が判断された変
速指示信号に基づく変速を実行する。すなわちダイレク
トモード信号と変速指示信号とが同時に入力された場合
は、基準時間αの間は変速を規制する。
【0041】またステップ11の判断結果が“ノー”の
場合には、すなわちダイレクトモードに切り換えた後に
変速指示信号が出力された場合には、直ちにステップ1
3に進んでその変速指示信号に基づく変速を実行する。
そしてこれに続くステップ14でフラグFsをゼロリセ
ットした後に制御プロセスはリターンする。
【0042】一方、ステップ3の判断結果が“ノー”の
場合、すなわちダイレクトモードが選択されていない場
合には、ステップ15に進んでブラグFdをゼロリセッ
トした後にリータンする。
【0043】したがって上述した制御を行うことによ
り、ダイレクトモードに切り換えると同時に変速が生じ
るなどの不用意な変速を防止することができる。なお、
図7および図8に示す制御において、基準時間αが経過
する以前に変速指示信号の入力がなくなった場合には、
その時点でフラグFsをゼロリセットし、その後に変速
指示信号があれば、それに基づく変速を直ちに実行する
こととしてもよい。
【0044】ところでこの発明は、手動変速モードと自
動変速モードとの切換え操作と、手動での変速指示信号
の出力とを互いに独立して行うことのできるシフト装置
を有する自動変速機を対象とするものであり、この種の
シフト装置の他の例としては、例えば図9に示すよう
に、シフトレバー700の先端部にダイレクトモード設
定スイッチ701を設け、そのスイッチ701を押した
状態でシフトレバー700を十字状に配置した4つの変
速段位置DM1,DM2,DM3,DM4のいずれかに倒すこと
により変速指示信号を出力するよう構成した例を挙げる
ことができる。
【0045】上述した実施例は、ダイレクトモードに切
り換えた後に所定の時間をおいて変速を実行するよう構
成した例であるが、所定の変速操作の後に時間をおいて
他の変速操作を実行するよう構成すれば、所謂安定感の
ある変速を行うことができる。図10はその例を示すフ
ローチャートであって、ここに示す例では、変速指示信
号の出力の後の一定時間の間は変速を禁止するようもの
である。
【0046】すなわち初期化(ステップ20)および入
力信号の処理(ステップ21)を行った後、ステップ2
2でダイレクトモードが選択されているか否かを判断
し、その判断結果が“ノー”であれば、制御プロセスは
ステップ2の前にもどり、また“イエス”であれば、ス
テップ23に進んで変速指示信号が入力されているか否
かを判断する。変速指示信号が入力されている場合に
は、その事実を示すためにフラグFONを“1”にセット
し(ステップ24)、ついで基準時間が経過したか否か
を示すフラグF1 が“1”か否かを判断する(ステップ
25)。このフラグF1 が“1”であれば、後述する基
準時間が経過したことを示すので、その場合は、ステッ
プ26で変速を実行するための信号を出力する。また基
準時間が経過していないためにステップ25の判断結果
が“ノー”であれば、制御プロセスはステップ2の前に
戻る。
【0047】一方、変速指示信号が入力されていないた
めにステップ23の判断結果が“ノー”となった場合に
は、ステップ27に進んで、フラグFONが“1”か否か
を判断する。このフラグFONは変速信号が出力されるこ
とにより“1”にセットされるものであるから、ステッ
プ27でフラグFONが“1”となっていれば、直前に変
速信号が出力されたことを意味するから、この場合は、
ステップ28でタイマーT2 をゼロリセットして時間の
カウントを開始し、またステップ29でフラグFONを
“0”にリセットする。そしてこれに続くステップ30
でタイマーT2 のカウント値が基準値βを越えたか否
か、すなわち先の変速指示信号の出力完了から基準時間
βを経過したか否かを判断し、基準時間βを越えていれ
ば、ステップ31でフラグF1 を“1”にセットして実
質上、変速を許可する状態にした後にステップ2の前に
戻る。また基準時間βを越えていないためにステップ3
0の判断結果が“ノー”であれば、ステップ32でフラ
グF1 を“0”にリセットして実質上、変速を禁止する
状態にした後、ステップ2の前に戻る。
【0048】したがって図10に示す制御では、迅速も
しくは頻繁にアップシフトスイッチ14やダウンシフト
スイッチ15がON動作させられた場合であっても、一
定の時間をおいて変速が生じ、変速が頻繁かつ繰り返し
生じることが防止される。このようなシフトスイッチ1
4,15の頻繁なON操作は、運転者がシフトレバーに
不用意に触れるなどのことによって生じることが考えら
れるが、上述した制御では、そのようなスイッチ操作に
敏感には反応しないで、一定時間をおいた変速を行うの
で、不用意な変速を防止することが可能になる。
【0049】なおこの発明は、図4に示すギヤトレン以
外のギヤトレンや図5に示す油圧回路以外の油圧回路を
備えた自動変速機を対象として実施することができる。
【0050】またこの発明では、自動変速モードから手
動変速モードへの切換えの時点にアップシフトおよびダ
ウンシフトのいずれをも規制するよう構成してもよく、
あるいはいずれか一方の変速を規制するよう構成しても
よい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の変速制御
装置によれば、手動変速モードへの切換えの時点は、手
動操作に基づく変速を規制するので、例えば手動変速モ
ードへの切換え以前に、もしくはそれと同時に、手動操
作による変速指示信号を出力することとなっても、変速
が行われず、したがって不用意な変速を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の要旨を図面として示すブロック図で
ある。
【図2】この発明の一実施例の基本的な構成を示すブロ
ック図である。
【図3】シフト装置における各レンジの位置を示す図で
ある。
【図4】実施例における自動変速機の歯車列を示すスケ
ルトン図である。
【図5】実施例における油圧回路の一部を示す油圧回路
図である。
【図6】摩擦係合装置の係合作動表である。
【図7】実施例の装置による制御ルーチンの一部を示す
フローチャートである。
【図8】実施例の装置による制御ルーチンの他の部分を
示すフローチャートである。
【図9】シフト装置の他の例を示す模式的な斜視図であ
る。
【図10】手動による変速の後に所定の時間をあける制
御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シフト機構 2 手動変速指示機構 3 変速規制手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 孝幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行状態に基づいて変速を指示する自動
    変速モードと、手動操作に基づく変速指示信号により変
    速を指示する手動変速モードとを選択することのできる
    自動変速機の変速制御装置において、 前記手動変速モードを選択するシフト機構と、このシフ
    ト機構とは独立して手動操作可能でありかつ手動操作に
    基づく変速指示信号を出力する手動変速指示機構と、前
    記シフト機構による自動変速モードから手動変速モード
    への切換え時点は前記手動変速指示機構からの変速指示
    信号に基づく変速を規制する変速規制手段とを備えてい
    ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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