JPH05320420A - 液状重合体組成物 - Google Patents

液状重合体組成物

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Publication number
JPH05320420A
JPH05320420A JP15123692A JP15123692A JPH05320420A JP H05320420 A JPH05320420 A JP H05320420A JP 15123692 A JP15123692 A JP 15123692A JP 15123692 A JP15123692 A JP 15123692A JP H05320420 A JPH05320420 A JP H05320420A
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JP
Japan
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rubber
hollow filler
hydroxyl group
diene polymer
containing liquid
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Withdrawn
Application number
JP15123692A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Koga
哲也 古閑
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水酸基含有液状ジエン系重合体或いはその水
素化物、中空フィラー及びカップリング剤からなる液状
重合体組成物、並びにこの液状重合体組成物と固形ゴム
からなるゴム組成物。 【効果】 本発明の液状重合体組成物は、中空フィラー
のカップリング処理が不要であり、しかも混練時におけ
る中空フィラーの飛散が殆どなく、かつ、破壊が少な
い。しかもこの液状重合体組成物を固形ゴムと混練して
なるゴム組成物を硬化処理して得られる加硫ゴムは、軽
量であって、しかも機械的物性にも優れたものである。
従って、本発明は車輛用タイヤ,ホースなどのゴム製品
全般の軽量化を図る手段として有効に利用することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状重合体組成物及び
そのゴム組成物に関し、詳しくは中空フィラーのカップ
リング処理が不要であり、かつ、中空フィラーの飛散や
破壊がなく、物性的にも優れた軽量化硬化体を与えるこ
とのできる液状重合体組成物及びそのゴム組成物に関す
るものであって、車輛用タイヤ,ホースなどのゴム製品
全般の軽量化を図る手段として有効に利用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
固形ゴムの軽量化においては、固形ゴムに中空フィラー
及びカップリング剤を添加する方法が一般的に実施され
ていた。しかしながら、この方法では中空フィラーを予
めカップリング剤で処理する必要が生じ、工程が複雑と
なっていた。さらに、カップリング処理した中空フィラ
ーを固形ゴムと混練する際、中空フィラーの嵩密度が極
端に小さいために、中空フィラーと固形ゴムとの混練作
業は非常に困難を極め、中空フィラーが飛散したり、或
いは混練不良を引き起こしていた。また、混練条件を厳
しくすれば混練不良は解消されるものの、この場合には
混練時に中空フィラーの破壊が生じ、そのため安定した
性能を有するゴム組成物を得ることが難しく、その改善
が求められていた。この問題を改善する方法として、中
空フィラーにプロセスオイルなどの可塑剤を添加する方
法があるが、この場合はゴムの物性が低下するため、使
用範囲が限られていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、この
ような従来の問題を解決すべく鋭意検討した結果、中空
フィラーに対し水酸基含有液状ジエン系重合体或いはそ
の水素化物を添加することにより、これらの問題が解決
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに到った。
【0004】すなわち本発明は第1に、水酸基含有液状
ジエン系重合体或いはその水素化物、中空フィラー及び
カップリング剤からなる液状重合体組成物を提供するも
のである。さらに本発明は第2に、上記本発明の第1の
液状重合体組成物と固形ゴムとからなるゴム組成物を提
供するものである。
【0005】本発明においては、第1の成分として水酸
基含有液状ジエン系重合体或いはその水素化物を用い
る。後者の水酸基含有液状ジエン系重合体の水素化物
は、前者の水酸基含有液状ジエン系重合体を、公知の方
法を用いて水素化することにより得ることができる。
【0006】本発明において用いる水酸基含有液状ジエ
ン系重合体としては、数平均分子量が、通常、300〜
25000、好ましくは500〜8000のものであ
り、水酸基含有量が0.2〜10meq/g、好ましくは0.4
〜7meq/gのものである。また、構造的にはシス−1,
4構造及びトランス−1,4構造の合計が70%以上を
占めることが好ましい。なお、水酸基は、分子鎖末端、
分子鎖内部のいずれにあっても良いが、特に分子鎖末端
にあるものが望ましい。また、本発明では2種以上の水
酸基含有液状ジエン系重合体を使用してもよい。
【0007】このような水酸基含有液状ジエン系重合体
は公知のものをそのまま用いてもよいが、公知の手法に
より容易に製造することができる。具体的には例えば、
炭素数4〜22のジエンモノマー(より具体的には、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタ
ジエン、シクロペンタジエンなど)の1種或いは2種以
上を、過酸化水素、水酸基を有するアゾ化合物(例え
ば、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒド
ロキシエチル)プロピオンアミド〕等)又は水酸基を有
するパーオキサイド(例えば、シクロヘキサノンパーオ
キサイド等)を重合開始剤として、ラジカル重合するこ
とにより、水酸基含有液状ジエン系重合体が得られる。
【0008】この際の重合開始剤の使用量は、ジエンモ
ノマー100gに対して、例えば、過酸化水素は1.0
〜50gが適当であり、2,2’−アゾビス〔2−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕
又はシクロヘキサノンパーオキサイドは5.0〜100
gが適当である。重合開始剤としては、このうち過酸化
水素を用いるのが好ましい。なお、重合は無溶媒で行な
うことも可能であるが、反応の制御の容易さ等のため、
溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等が通常用いら
れる。反応温度は80〜150℃、反応時間は0.5〜
15時間が適当である。
【0009】また、ナフタレンジリチウム等の触媒を用
いて、炭素数4〜22のジエンモノマーの1種或いは2
種以上をアニオン重合させて、リビングポリマーを製造
し、さらにモノエポキシ化合物等を反応させることによ
っても、水酸基含有液状ジエン系重合体を得ることがで
きる。この際の重合は無溶媒で行なうことも可能である
が、ラジカル重合の場合と同様の観点から、すなわち反
応の制御の容易さ等のため、溶媒を用いることが好まし
い。その際の溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン
等の飽和炭化水素が好適に用いられる。反応温度は50
〜100℃、反応時間は1〜10時間が適当である。
【0010】なお、重合時には2種以上のジエンモノマ
ーを混合して用いることもできる。また、ジエンモノマ
ーに対し、50mol %以下の割合で、炭素数2〜22の
付加重合性モノマー(例えば、ブテン、ペンテン、スチ
レン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルアミド等)を添
加することもできる。反応終了後に、溶液を減圧下で蒸
留すれば、溶剤,未反応モノマー等が除去され、水酸基
含有液状ジエン系重合体が得られる。
【0011】本発明における第1の成分としては、この
ようにして得られる水酸基含有液状ジエン系重合体を用
いてもよいし、或いは、これを更に水素化することによ
り得られる、水酸基含有液状ジエン系重合体の水素化物
を用いてもよい。
【0012】このような水酸基含有液状ジエン系重合体
の水素化物は、均一系触媒、不均一系触媒等を用いる公
知の手法により、上記の如く製造した水酸基含有液状ジ
エン系重合体を、水素化することにより得ることができ
る。
【0013】まず均一系触媒を用いる場合には、ヘキサ
ン,シクロヘキサン等の飽和炭化水素やベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、常温〜
150℃の反応温度において、常圧〜50kg/cm2 Gの
水素圧下で水素添加反応が行なわれる。均一系触媒とし
ては、還移金属ハライドと、アルミニウム,アルカリ土
類金属若しくはアルカリ金属などのアルキル化物との組
合せによるチーグラー触媒等を、ポリマーの2重結合あ
たり、0.0.〜0.1mol %程度使用すればよい。反
応は通常、1〜24時間で終了する。
【0014】一方、不均一系触媒等を用いる場合には、
ヘキサン,シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチル
エーテル,テトラヒドロフラン(THF),ジオキサン
等のエーテル類、エタノール,イソプロパノール,1−
ブタノール等のアルコール類等、或いはこれらの混合系
を溶媒として用い、常温〜200℃の反応温度におい
て、常圧〜100kg/cm2Gの水素圧下で水素添加反応
が行なわれる。不均一系触媒としてはニッケル,コバル
ト,パラジウム,白金,ロジウム,ルテニウム等の触媒
を単独で、或いはシリカ,ケイソウ土,アルミナ,活性
炭等の担体に担持して用いればよい。触媒の使用量はポ
リマー重量に対し、0.05〜10重量%が適当であ
る。これらの触媒は2種以上を混合して用いても良い。
なお、反応は通常、1〜48時間で終了する。
【0015】反応終了後に触媒をろ別して、溶液を減圧
下で蒸留すれば、溶剤が除去され、目的とする水酸基含
有液状ジエン系重合体の水素化物が得られる。このよう
にして得られる水酸基含有液状ジエン系重合体の水素化
物は、数平均分子量は300 〜25,000、好ましくは500 〜
10,000であり、水酸基含有量が0.1〜10meq/gであ
るものが望ましい。
【0016】上記水酸基含有液状ジエン系重合体の水素
化物の水素化率は、50%以上であることが好ましく、
特に70%以上であることが好ましい。更に、2種以上
の水酸基含有ジエン系重合体の水素化物の混合物を用い
ることもできる。また、必要に応じて、水酸基含有液状
ジエン系重合体の水素化物と、水酸基含有液状ジエン系
重合体とを混合して用いることもできる。ここで水素化
率、すなわち水素化反応後における重合体中の不飽和二
重結合の水素化の割合は、下式で表わされる。
【0017】
【数1】
【0018】なお、本発明において、水酸基含有液状ジ
エン系重合体の水素化物としては、1分子当りの平均水
酸基数は、1.7以上、特に2.0以上であるものを用
いることが、良好な物性の硬化体を得る観点から好まし
い。1分子当りの平均水酸基数は、次の式で表わされ
る。
【0019】
【数2】
【0020】次に、本発明においては中空フィラーを用
いる。本発明において用いる中空フィラーは、内部が中
空であって、しかも薄い殻で囲まれたものであり、微小
なピンポン玉のような形状を有する粉体であり、一般に
バルーンと呼ばれているものである。この中空フィラー
の粒径は特に限定はないが、通常、数十μm〜数百μm
である。この中空フィラーの成分は、通常は、セラミッ
ク系,ガラス系,炭素系,アルミナ系などの無機化合物
からなるものであり、天然物としてはシラス,パーライ
ト,フライフィッシュなどがある。また、フェノール
系,ポリ塩化ビニリデン系,エポキシ系などの有機化合
物からなる中空フィラーも用いることができる。これら
のなかでも中空フィラー自体の強度や嵩密度の小ささや
物性の点から、無機化合物からなるもの、特にセラミッ
ク系のものが好ましい。中空フィラーの添加量は、前記
水酸基含有液状ジエン系重合体或いはその水素化物10
0重量部に対して、10〜3000重量部、好ましくは
100〜1000重量部である。中空フィラーの添加量
が多過ぎると、中空フィラーが飛散し易く、混練が困難
となり、破壊が生ずる。一方、中空フィラーの添加量が
少な過ぎると、ゴム組成物とした場合に物性が向上せ
ず、また比重の低下も小さく、軽量化が難しくなる。
【0021】また、本発明ではカップリング剤を用い
る。本発明において用いるカップリング剤としては、一
般的に用いられているものを使用することができ、シラ
ン系,チタネート系,アルミニウム系などのカップリン
グ剤が挙げられる。具体的には例えばγ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン,ビニル−トリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
などのシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネートなどのチタニウム原子にアルコ
キシ基などの加水分解性基が結合したチタネート系カッ
プリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピレートなどのアルミニウム原子にアルコキシ基などの
加水分解性基が結合したアルミニウム系カップリング剤
などが挙げられる。
【0022】これらのカップリング剤の添加量は、中空
フィラーの添加量により異なるため特に制限はないが、
一般的には中空フィラーに対して、0.05〜5重量
%、特に0.5〜2.5重量%が好ましい。カップリン
グ剤の添加量が多過ぎると、物性向上への効果が頭打ち
となるばかりでなく、コストアップとなる。一方、カッ
プリング剤の添加量が少な過ぎると、ゴム組成物とした
場合の物性の向上効果が現れない。本発明の第1の液状
重合体組成物は、上記した如き水酸基含有液状ジエン系
重合体或いはその水素化物、中空フィラー及びカップリ
ング剤からなるものであり、通常これらの成分を所定量
添加し、ロール,ニーダー,バンバリーミキサー等の混
合機を用いて調製される。
【0023】次に、本発明の第2のゴム組成物は、前記
本発明の第1の液状重合体組成物と、固形ゴムとからな
るものである。本発明の第2で用いる固形ゴムとして
は、通常、工業的に生産されている一般の固形ゴムであ
ればよく、用途に応じて適宜選択すればよい。具体的に
は例えば天然ゴム(NR),SBR(スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム),BR(ブタジエンゴム),EPD
M(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム),I
R(イソプレンゴム),NBR(ニトリルゴム),II
R(ブチルゴム),CR(クロロプレンゴム),HSN
(水素化ニトリルゴム),CSM(クロロスルホン化ポ
リエチレン),T(多硫化ゴム),ACM或いはANM
(アクリルゴム),EO或いはECO(エピクロルヒド
リンゴム),Q(シリコーンゴム),FKM(フッ素ゴ
ム)などが挙げられる。
【0024】液状重合体組成物の固形ゴムへの添加量
は、希望するゴム組成物(加硫ゴム)の比重により異な
るが、一般的には固形ゴム100重量部に対し、液状重
合体組成物を1〜200重量部、好ましくは5〜50重
量部である。液状重合体組成物の添加量が多過ぎると、
得られるゴム組成物の比重は低下するが、加硫後の物性
が悪化し、実用に適さなくなる。また、液状重合体組成
物の添加量が少な過ぎると、低比重の加硫ゴムを得るこ
とができない。
【0025】本発明の第2においては、この他に通常の
ゴム配合に用いられる充填剤,粘着付与樹脂,老化防止
剤,亜鉛華,ステアリン酸,加硫促進剤,加硫促進助
剤,可塑剤などを添加することもできる。
【0026】さらに、本発明においては、無機・有機充
填材を配合することもできる。本発明において用いるこ
とができる無機充填材としては、例えば亜鉛,アルミニ
ウム,銅,ニッケル,ガラス球,ガラスフレーク,ガラ
ス繊維,カーボンブラック(チャンネルブラック,ファ
ーネスブラック,アセチレンブラック,サーマルブラッ
ク),炭素繊維,グラファイト,アスベスト,カオリン
クレー,ロウ石クレー,タルク,カスミ石,クリオライ
ト,ケイ灰石,ケイソウ土,スレート粉,ホワイティン
グ,長石粉,マイカ,セッコウ,石英粉,微粉珪酸,ア
タバルジャイト,セリサイト,火山灰,蛭石,シリカ,
アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化ジルコニ
ウム,酸化チタン,酸化鉄,二酸化モリブテン,水酸化
アルミニウム,水酸化マグネシウム,炭酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,硫酸バリウム,珪酸カルシウム,ゼ
オライト,チタン酸カリウム,窒化ホウ素,ボロンナイ
トライト,二硫化モリブデン等を挙げることができる。
これらの中でもゴム組成物の物性向上の面から、カーボ
ンブラックが好ましく用いられる。
【0027】また、有機充填材としては、例えばゴム粉
末,セルロース,リグニン,キチン質,皮革粉,ヤシ
殻,木粉,木綿,麻,羊毛,絹等の天然系の繊維、ナイ
ロン,ポリエステル,ビニロン,アセテート,アクリル
等の合成繊維、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリス
チレン,ABS樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレン
テレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリメ
チルメタクリレート,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等
の合成樹脂粉末または顆粒等を挙げることができる。こ
れらの無機充填材,有機充填材の配合量については特に
制限はないが、通常は固形ゴム100重量部に対して
0.5〜500重量部、好ましくは5〜200重量部で
ある。
【0028】さらに、本発明においては、耐変色性,耐
熱性等の物性をさらに向上させるためにアミン系,ヒン
ダードフェノール系,ヒンダードアミン系,ベンゾトリ
アゾール系等の老化防止剤の1種又は2種以上を添加す
ることができる。これら老化防止剤の添加量は、固形ゴ
ム100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部である。添加量が少な過ぎる
と、期待した老化防止効果が得られず、多過ぎると効果
が頭打ちとなる上、コストアップなどの不都合を生ず
る。また、難燃剤としてリン化合物,ハロゲン化合物,
酸化アンチモン等を用いることもできる。さらに、粘着
力,接着力の調整のために、粘着性付与樹脂を用いるこ
とができる。具体的には例えば、アルキルフェノール樹
脂,テルペン樹脂,テルペンフェノール樹脂,キシレン
ホルムアルデヒド樹脂,ロジン,水添ロジン,クマロン
樹脂,脂肪族, 脂環族及び芳香族石油樹脂等がある。
【0029】また、粘度調整剤として例えば、ジオクチ
ルフタレート等のジアルキルフタレート類、パラフィン
系,ナフテン系,アロマ系のプロセスオイル、オレフィ
ンオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレ
ン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニル、
シリコーンオイル、流動パラフィン、1−デセンオリゴ
マー、パラフィン系オリゴマーなどを用いることができ
る。上記粘度調整剤の配合量についても特に制限はない
が、添加量が多いと加硫ゴムの物性が低下するため、で
きるだけ少ない方が好ましい。
【0030】本発明の第2のゴム組成物は、固形ゴムに
本発明の第1の液状重合体組成物及びその他の添加剤を
加え、ロール,ニーダー,バンバリーミキサー等の混合
機を用いて調製したり、又は固形ゴムに水酸基含有液状
ジエン系重合体或いはその水素化物,中空フィラー,カ
ップリング剤、さらにその他の添加剤を所定量添加し、
ロール,ニーダー,バンバリーミキサー等の混合機を用
いて調製するインテグラルブレンド法などによって得る
ことができる。
【0031】本発明の第2において得られたゴム組成物
は、架橋剤などの添加剤を加え、カレンダリングロー
ル,押出機,プレス等の通常の成型機によって所望の形
状に成型加硫され、軽量加硫ゴムとして用いられる。こ
の場合の架橋法としては、イオウ加硫、加硫促進剤添加
による加硫、過酸化物架橋など、いずれの方法によって
もよい。
【0032】
【実施例】本発明の実施に先立ち、水酸基含有液状ジエ
ン系重合体及びその水素化物を製造した。 製造例1 (1)水酸基含有液状ポリイソプレンの調製 1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレ
ン200g、濃度20%の過酸化水素水40g及びイソ
プロパノール100gを仕込み、温度120℃、反応時
間2時間の条件で反応を行なった。反応中において、圧
力は最大8kg/cm2 Gに達した。反応が終了した後、分
液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して
振盪し、3時間静置した後、油層を分取した。この油層
から、溶媒、モノマー、低沸点成分を、2mmHg、100
℃、2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基を有す
る液状ポリイソプレン(収率66重量%)を得た。この
ものの数平均分子量は2240であり、水酸基含有量は
0.96meq/g、粘度は64ポイズ/30℃、臭素価は
220g/100gであった。このときの1分子当たり
の平均水酸基数は2.15である。また、 1H−NMR
による構造解析結果は、トランス−1,4構造が57
%、シス−1,4構造が33%、1,2構造が6%、
3,4構造が4%であった。
【0033】(2)水酸基含有液状ポリイソプレンの水
素化物の調製 上記(1)の如くして得た、分子鎖末端に水酸基を有す
る液状ポリイソプレン100g、ルテニウム含量5重量
%のルテニウムカーボン触媒5g及び溶媒としてシクロ
ヘキサン100gを仕込み、50kg/cm2 Gの水素圧下
で150℃にて6時間水素化反応を行なった。反応終了
後、0.45μmのメンブランフィルターを通して、反応
溶媒から触媒を分離除去した後、2mmHg、110℃、2
時間の条件で溶媒を留去した。その結果、分子鎖末端に
水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物が得られ
た。このものの数平均分子量は2310であり、水酸基
含有量は0.94meq/g、粘度は632ポイズ/30
℃、臭素価は1g/100gであった。このときの1分
子当たりの平均水酸基数は2.17である。
【0034】製造例2 (1)水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体
の調製 1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレ
ン90g、ブタジエン110g、濃度20%の過酸化水
素水40g及びイソプロパノール100gを仕込み、温
度120℃、反応時間2時間の条件で反応を行なった。
反応中において、圧力は最大15kg/cm2 Gに達した。
反応が終了した後、分液ロートに反応混合物を入れ、6
00gの水を添加して振盪し、3時間静置した後、油層
を分取した。この油層から、溶媒、モノマー、低沸点成
分を、2mmHg、100℃、2時間の条件で留去し、水酸
基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体(収率62
重量%)を得た。このものの数平均分子量は2240で
あり、水酸基含有量は0.91meq/g、粘度は44ポイ
ズ/30℃、臭素価は215g/100gであった。こ
のときの1分子当たりの平均水酸基数は2.04であ
る。また、 1H−NMRによる構造解析結果はイソプレ
ン含量45%であり、ブタジエン含量55%であった。
【0035】(2)水酸基含有液状イソプレン−ブタジ
エン共重合体の水素化物の調製 上記(1)の如くして得た水酸基含有液状イソプレン−
ブタジエン共重合体100g、ルテニウム含量5重量%
のルテニウムカーボン触媒5g及び溶媒としてシクロヘ
キサン100gを仕込み、50kg/cm2 Gの水素圧下で
150℃にて6時間水素化反応を行なった。反応終了
後、0.45μmのメンブランフィルターを通して、反応
溶媒から触媒を分離除去した後、2mmHg、110℃、2
時間の条件で溶媒を留去した。その結果、水酸基含有液
状イソプレン−ブタジエン共重合体の水素化物が得られ
た。このものの数平均分子量は2350であり、水酸基
含有量は0.94meq/g、粘度は311ポイズ/30
℃、臭素価は1g/100gであった。このときの1分
子当たりの平均水酸基数は2.21である。
【0036】実施例1〜8 第1表に示す固形ゴムを、ロールを用いて130℃の温
度にて加熱しながら素練りした。これに第1表に示す水
酸基含有液状ジエン系重合体或いはその水素化物,中空
フィラー,カップリング剤を添加して、1分間インテグ
ラルブレンド法で混練した。これに加硫促進剤及びイオ
ウを除く他の添加物(第1表に示したもの)を加え、1
30℃で10分間混練した後、ロールを冷却し、加硫促
進剤及びイオウを加えて素練りし、ゴム組成物を得た。
このゴム組成物をプレスにて加硫成型して加硫ゴムを得
た。なお、加硫は、150℃で30分間行なった。
【0037】このようにして得られた加硫ゴムについ
て、以下のような項目について評価した。結果を第1表
に示す。 比重 自動比重計を用い、加硫ゴムの比重を測定した。 機械的強度 JIS K 6301に準拠して測定した。 中空フィラーの破壊率 得られた加硫ゴムについて、中空フィラーの破壊が発生
しているか否かを、電子顕微鏡を用いて観察した。球形
として残存している中空フィラーの割合から中空フィラ
ーの破壊率(%)を求めた。 中空フィラーの飛散の有無 インテグラルブレンド法により混練した場合に、中空フ
ィラーの飛散があるか否かを確認した。
【0038】比較例1及び5 実施例1〜8において、水酸基含有液状ジエン系重合体
或いはその水素化物を添加しなかったこと以外は、実施
例1〜8と同様にしてゴム組成物を得、加硫ゴムを得
た。結果を第2表に示す。
【0039】比較例2 実施例1〜8において、カップリング剤を添加しなかっ
たこと以外は、実施例1〜8と同様にしてゴム組成物を
得、加硫ゴムを得た。結果を第2表に示す。
【0040】比較例3及び6 実施例1〜8において、中空フィラーを添加しなかった
こと以外は、実施例1〜8と同様にしてゴム組成物を
得、加硫ゴムを得た。結果を第2表に示す。
【0041】比較例4 実施例1〜8において、水酸基含有液状ジエン系重合体
或いはその水素化物を添加する代わりに、プロセスオイ
ルを添加したこと以外は、実施例1〜8と同様にしてゴ
ム組成物を得、加硫ゴムを得た。結果を第2表に示す。
【0042】比較例7 中空フィラーであるマイクロセルズの30%水溶液を調
製し、これに第2表に示したカップリング剤を添加し、
緩やかに5時間攪拌した。得られた懸濁液をろ過し、1
00℃にて10時間乾燥させ、中空フィラーのカップリ
ング処理を行なった。このようにしてカップリング処理
した中空フィラーを、未処理の中空フィラーの代わりに
を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてゴム組成物
を得、加硫ゴムを得た。結果を第2表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】*1:水酸基含有液状ポリブタジエン、水
酸基含量=0.81meq/g 、数平均分子量=2650、出光
アトケム(株)製 *2:製造例1(1)で得られた水酸基含有液状ポリイ
ソプレン *3:製造例1(2)で得られた水酸基含有液状ポリイ
ソプレンの水素化物 *4:製造例2(2)で得られた水酸基含有液状イソプ
レン−ブタジエンの水素化物 *5:商品名SL150、高強度軽量フィラー、セラミ
ックス製中空微小球、平均粒径100μm、小野田セメ
ント(株)製 *6:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、日
本ユニカー製 *7:チタネート系カップリング剤、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、(株)味の素製 *8:スチレン−ブタジエン共重合ゴム、JSR BR
31、日本合成ゴム製 *9:ブタジエンゴム、JSR1712、日本合成ゴム
製 *10:商品名 旭#70、HAFカーボン、旭カーボン
(株)製 *11:商品名 ノクセラーDM、ジベンゾチアジルジス
ルフィド、大内新興化学(株)製 *12:亜鉛華 特号、堺化学工業(株)製 *13:パラフィン系プロセスオイル、出光興産(株)製
【0046】
【発明の効果】本発明の液状重合体組成物は、中空フィ
ラーのカップリング処理が不要であり、しかも混練時に
おける中空フィラーの飛散が殆どなく、かつ、破壊が少
ない。しかも、この液状重合体組成物を固形ゴムと混練
してなるゴム組成物を硬化処理して得られる加硫ゴム
は、軽量であって、しかも機械的物性にも優れたもので
ある。従って、本発明は車輛用タイヤ,ホースなどのゴ
ム製品全般の軽量化を図る手段として有効に利用するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有液状ジエン系重合体或いはそ
    の水素化物、中空フィラー及びカップリング剤からなる
    液状重合体組成物。
  2. 【請求項2】 中空フィラーが無機化合物からなること
    を特徴とする請求項1記載の液状重合体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液状重合体組成物と固形
    ゴムとからなるゴム組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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