JPH0532011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液状化粧料を収容した袋体を収納す
る収納容器を着脱自在に設けたカートリツジ式液
状化粧料収納用コンパクト容器に関するものであ
る。

「従来の技術」 従来、クリーム状フアンデーシヨンなどの液状
化粧料は、瓶またはチユーブ容器などに入れて使
用されているため、例えばコンパクト容器などに
収容された固形フアンデーシヨンなどに比べ携帯
に不便であるといつた問題点があつた。

そこで、本出願人等は、前記クリーム状フアン
デーシヨン等の液状化粧料（流体物）を袋体に入
れ、これを袋体に設けたポンプ機構によつて吐出
するようにした構造のコンパクト容器を提案し
た。このような容器は、例えば第４図ないし第６
図に示すような構造である。

すなわち、このコンパクト容器は、第４図に示
すように、受皿状の容器本体１に蓋体２および中
仕切３がヒンジ結合され、容器本体１内に流体物
を収容したポンプ機構付き袋体４が配設され、ま
た容器本体１の底板上に中仕切３の押釦５を押圧
操作することによつて袋体４内のポンプ機構Ｐを
操作するてこ部材６が主突起１ａを中心に縦回動
自在に設けられる。このてこ部材６は平面十字状
に形成されており、その前部にポンプ機構Ｐを押
圧操作する操作板部６ａが形成され、後部に押釦
５の下面に当接する凹部６ｂが設けられる。ま
た、てこ部材６の左右側部には容器本体１のヒン
ジピン７に回動自在に連結される回動アーム６
ｃ，６ｃが設けられている。

なお、図面に示すコンパクト容器は、容器本体
１のフツク８ａと蓋体２のフツク８ｂとを互いに
係合させることによつて仮止めされるように構成
されており、中仕切３上にはパフ９が備えられて
いる。

また、袋体４内のポンプ機構Ｐは、第６図に示
すように、シリンダ１０と、このシリンダ１０の
内壁面に密接した状態で上下動自在に設けられた
ピストン１１と、このピストン１１を下方に付勢
する弾発部材１２とを主体として構成されてい
る。

前記シリンダ１０の上端中央には、中仕切３の
吐出口３ａとシリンダ内部１０ａを経由する第１
流通路１３が形成されるとともにシリンダ１０の
下端内周には周突条１４が突設されている。前記
第１流通路１３の上端開口回りには環状凹部１０
ｂが形成されており、この環状凹部１０ｂにはシ
リンダ内部１０ａの液圧が設定圧（ポンプ機構Ｐ
の設計上の吐出圧）以上のときに第１流通路１３
を開放する弁体１５ａを備えた弁体１５が嵌着さ
れている。

一方、前記ピストン１１の上端中央には、シリ
ンダ内部１０ａとピストン内部１１ａとを経由す
る第２流通路１６が形成されている。そして、ピ
ストン１１の下端側壁部にはピストン内部１１ａ
と袋体４とに連通しピストン１１の上下動によつ
て開閉する流路１７が形成され、また、このピス
トン１１の上端外周には前記シリンダ１０の周突
条１４に係合する係止突条１８が突設されてい
る。さらに、前記第２流通路１６の上端開口回り
には環状凹部１１ｂが形成されており、この環状
凹部１１ｂにはシリンダ内部１０ａの液圧が設定
圧以下のときに第２流通路１６を開放する弁体１
９ａを備えた内弁１９が嵌着されている。この内
弁１９は、弁体１９ａ自身の弾発力によつて、常
時ピストン１１の第２流通路１６を閉塞状態に保
持し、ピストン１１が下方へ移動したときにシリ
ンダ内部１０ａに発生した負圧により弁体１９ａ
の弾発力に抗して第２流通路１６を開放するよう
に設定されているものである。

このように構成されたコンパクト容器は、第５
図に示すように、容器本体１内に袋体４を収納し
た状態としておき、中仕切３の上面に突出した押
釦５を押圧操作することにより、てこ部材６を動
かし、ポンプ機構Ｐを作動させて袋体４内の化粧
料を吐出する。

「考案が解決しようとする問題点」 前記コンパクト容器によれば、クリーム状フア
ンデーシヨン等の液状化粧料を、固形化粧料のよ
うに収納することができ、携帯に対する適用性を
向上することができる。しかしながら、このよう
な容器にあつても、例えば次のような点で解決す
べき問題点が残されている。

液状化粧料の交換に際しては、中仕切３を開
けて袋体４を容器本体１内に入れ、中仕切３を
閉める際にその吐出孔３ａに袋体４のシリンダ
１０を嵌め合わせる操作を必要とし、また袋体
４はポリエチレン等の可撓性のある素材により
形成されているので、袋体４のセツト操作が難
しく、交換作業が面倒なこと。

袋体４と中仕切３とを分割構造としているの
で、袋体４のシリンダ１０と中仕切３の吐出口
３ａとの間に間隙が生じやすく、液状化粧料の
使用に際して前記間隙に液状化粧料が詰まり、
不衛生になること。

化粧品容器として見た場合、前記袋体４を直
接交換する構造では、袋体４の体裁が悪く、ま
たその取り扱いにおいて、使用者等が誤つて袋
体４をつぶしたりするおそれがあり、液状化粧
料のリフイールとして提供しにくいこと。

本考案は前記従来技術における問題点を有効を
解決することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 そこで本考案では、液状化粧料の収納室が設け
られた容器本体と、この容器本体の収納室を覆う
蓋体と、前記容器本体の収納室に着脱自在に設け
られかつ液状化粧料を収容した袋体を収納する箱
型の収納容器とを具備し、前記袋体に液状化粧料
を吐出するポンプ機構を設けるとともに前記収納
容器の上面に液状化粧料の吐出口を形成し、下面
には表裏に連通する切欠部を形成してなり、さら
に、前記容器本体に収納容器の切欠部を通してポ
ンプ機構を操作する操作機構を設け、該操作機構
を押釦と、この押釦の押圧操作に連動して前記ポ
ンプ機構を操作するてこ部材とを備えた構成とし
たことを特徴とするものである。

「作用」 前記構成のコンパクト容器において、液状化粧
料を交換するには、収納容器を容器本体から交換
すれば良い。そして化粧料を使用する場合は、収
納容器を容器本体の収納室内にセツトしておき、
押釦を押圧操作すると、この押釦に連動しててこ
部材が収納容器の切欠部を通して袋体のポンプ機
構を作動させ、袋体内の液状化粧量が収納容器の
上面に吐出される。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
を参照して説明する。

これらの図において符号２０は容器本体、２１
はこの容器本体２０を覆う蓋体、２２は袋体４を
収納する箱型の収納容器であり、これら符号２０
ないし２２によつてこのコンパクト容器の主要部
材を構成している。

次いで、これらについて具体的に説明すると、
前記容器本体２０はその内部に収納容器２２を格
納する収納室２５を備えた矩形受皿状に形成され
ており、またその前壁部にはフツク２６が突設さ
れるとともにその上面には中仕切２７が取り付け
られている。この中仕切２７には収納容器２２を
収納室２５に挿入する長方形状の挿入孔２７ａが
形成され、該挿入孔２７ａの左右縁部にはそれぞ
れ前後に所定間隔をおいて切欠溝２７ｂ，２７ｂ
が形成されている。一方、この容器本体２０に
は、収納容器２２内の袋体４に設けられたポンプ
機構Ｐを操作する操作機構３０が設けられてい
る。この操作機構３０も基本的構成は従来のもの
と同様に押釦３１とこの押釦３１の押圧操作によ
つて前記ポンプ機構Ｐを操作するてこ部材３２と
から構成されている。前記押釦３１は中仕切２７
に形成された収納穴２７ｃに上下動自在に装着さ
れており、その下端がてこ部材３２の一端に当接
するようになつている。また、前記てこ部材３２
は容器本体２０の底板上にヒンジピンを介して縦
回動自在に設けられており、前部にポンプ機構Ｐ
を押圧操作する操作板部３２ａが形成され、後部
に押釦５の下面に当接する押圧部が設けられる。

一方、蓋体２１は容器本体２０の後壁部に蝶番
２１ａを介して縦回動自在にヒンジ結合されてお
り、また袋体４を収納する箱型の収納容器２２は
矩形状の受皿３５と、この受皿３５を覆う上蓋３
６とを互いに嵌め合わせた構成となつている。

そして、収納容器２２の受皿３５には、第２図
に示すように、表裏に連通する長方形状の切欠部
３７が受皿３５の底板部から側壁部にかけて形成
されており、収納容器２２の装着状態においてて
こ部材３２の操作板部３２ａが挿入されるように
なつている。また、前記受皿３５の上部内周縁に
は、第３図などに示すように係止突条３５ａが形
成されている。

一方、収納容器２２の上蓋３６の上面中心位置
には表裏に貫通する吐出口３６ａが形成されると
ともに左右側壁部には中仕切２７の切欠溝２７ｂ
に嵌合する係止突起３６ｂが形成されている。こ
の係止突起３６ｂは収納容器２２を挿入孔２７ａ
に嵌め入れこれを前方にスライドさせた際に挿入
孔２７ａの周縁に係合するものである。また、上
蓋３６の後壁部上面には上方に向け突出する指掛
け部３６ｃが設けられ、下部内周縁には受皿３５
の係止突条３５ａを嵌合する係止溝３６ｄが形成
されている。

なお、この収納容器２２に収納される袋体４
は、予め工場等において収納容器２２に取り付け
られた状態で提供されるものであり、その構造お
よびその内部に配設されるポンプ機構Ｐの構造
は、第６図などに示す従来例のものと同一構成で
あるので、共通する構成要素に同一の符号を付し
てその説明を簡略化する。

次いで、以上のように構成された本実施例のコ
ンパクト容器の使用方法ならびに作用を説明す
る。

このコンパクト容器は、液状化粧料（例えばク
リーム状フアンデーシヨン）を収容したポンプ機
構付きの袋体４を、収納容器２２内に収納して、
この収納容器２２を容器本体２０の収納室２５内
に取り付けた状態で使用に供される。収納容器２
２を容器本体２０の収納室２５に取り付けるに
は、収納容器２２の係止突起３６ｂを中仕切２７
の切欠溝２７ｂに嵌め合わせた後、指掛け部３６
ｃなどを持つて前方にスライドさせ係止突起３６
ｂを中仕切２７の挿入孔２７ａの周縁に係止させ
れば良い。

そして、このようにして収納容器２２を取り付
けたコンパクト容器を使用する場合には、蓋体２
１を開けて、中仕切２７の上面に突出した押釦３
１を指先などで押圧すれば、この押釦３１により
てこの原理によつててこ部材３２の操作板部３２
ａが押し上げられ、これによりポンプ機構Ｐのピ
ストン１１が押し上げられる。そして、シリンダ
内部１０ａが加圧され、この結果、第１流通路１
３に配設された外弁１５が開口して、シリンダ内
部１０ａの液状化粧料が収納容器２２の吐出口３
６ａから吐出される。

このようにして袋体４内の化粧料を吐出させた
ら、後はパフ９に染み込ませ、使用すれば良い。
なお、１回の押圧操作で吐出する化粧料の量が足
りないときは、必要に応じて、押釦３１を再度押
圧操作した後、パフ９に染み込ませて使用すれば
良い。

なお、一度押し上げられたピストン１１は、ピ
ストン１１を下方に付勢する弾発部材（コイルス
プリング）１２の反発力によつて、元の状態に復
帰し、また、この際に外弁１５が閉じられるとと
もに、シリンダ内部１０ａが減圧されることによ
つて、第２流通路１６に配設された内弁１９が開
口してピストン内部１１ａの液状化粧料が流入す
る。この際、袋体４内に化粧料はピストン内部１
１ａに流入するため、袋体４はその分しぼんで、
次ぎの押圧操作に対する準備が完了する。

実施例においては、液状化粧料を収容した袋体
４は収納容器２２内に収納された状態で提供さ
れ、該収納容器２２の交換作業によつて簡単に化
粧料を取り替えることができるので、液状化粧料
の交換操作を容易に実施することができる。

また、袋体４は工場生産により収納容器２２の
吐出口３６ａに一体に取り付けられた状態で使用
者に提供されるため、袋体４の交換時に使用者が
誤つて袋体４をつぶしてしまうようなことがな
く、また吐出口３６ａと袋体４のシリンダ１０と
の間に間隙が生じることがないので、液状化粧料
がこの部分に詰まつて不衛生になるようなことが
ない。

さらに、収納容器２２をリフイールとして使用
者に提供することができ、またその際切欠部３７
を通して袋体４内の液状化粧料を確認することが
できる等の利点もある。

なお、本考案は前記実施例に限定されるもので
はなく、例えばコンパクト容器の形状は長方形状
に限らず他の形状であつても良い。また、収納容
器２２の着脱部分の構成は係止突起３６ｂによる
係止構造に限定されるものではなく、他の構成で
あつても良い。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、次のよう
な優れた効果を奏するものである。

液状化粧料を収容した袋体４を収納する収納
容器の交換作業によつて、液状化粧料を取り替
えることができるので、袋体に収納した液状化
粧料の交換操作を簡単にすることができる。

袋体を工場生産等により収納容器内に一体に
収納する構造としたので、その取り扱いが便利
で、袋体の交換時に使用者が誤つて袋体をつぶ
してしまうようなことがない。また収納容器と
袋体とを一体生産する構成としているので、収
納容器の吐出口と袋体のシリンダとの間に間隙
が生じることがなく、液状化粧料がこの部分に
詰まつて不衛生になるようなことがない。

さらに、収納容器をリフイールとして使用者
に提供することができ、またその際収納容器の
切欠部を通して袋体内の液状化粧料を確認する
ことができる等の利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は分解斜視図、第２図は収納容器
を底部側から見た斜視図、第３図は袋体を収納し
た状態を示す収納容器の半断面図、第４図ないし
第６図は従来例を説明するために示したもので、
第４図は分解斜視図、第５図はそれらを組み立て
た状態を示す斜視図、第６図は要部の断面図であ
る。 ２０……容器本体、２１……蓋体、２２……収
納容器、４……袋体、２５……収納室、９……パ
フ、１０……シリンダ、１１……ピストン、１３
……第１流通路、１６……第２流通路、１７……
流路、１５……外弁、Ｐ……ポンプ機構、２７ｂ
……切欠溝、３０……操作機構、３１……押釦、
３２……てこ部材、３２ａ……操作板部、３５…
…受皿、３６……上蓋、３７……切欠部、３６ｂ
……係止突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液状化粧料の収納室２５が設けられた容器本体
   ２０と、この容器本体２０の収納室を覆う蓋体２
   １と、前記容器本体２０の収納室に着脱自在に設
   けられかつ液状化粧料を収容した袋体４を収納す
   る箱型の収納容器２２とを具備し、前記袋体４に
   は液状化粧料を吐出するポンプ機構Ｐが設けられ
   るとともに前記収納容器２２の上面には液状化粧
   料の吐出口３６ａが形成され、下面には表裏に連
   通する切欠部３７が形成されており、さらに、前
   記容器本体２０には収納容器２２の切欠部３７を
   通してポンプ機構Ｐを操作する操作機構３０が設
   けられており、該操作機構３０は、押釦３１と、
   この押釦３１の押圧操作に連動して前記ポンプ機
   構Ｐを操作するてこ部材３２とを備えた構成であ
   ることを特徴とするカートリツジ式液状化粧料収
   納用コンパクト容器。