JPH0532009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、クリーム状フアンデーシヨンなど
の液状化粧料とパフとが一つの容器内に収納され
た液状化粧料収納用コンパクト容器に関するもの
である。

〔従来の技術〕

一般に、コンパクト容器は、各種化粧品のう
ち、固形フアンデーシヨンを収納するものであ
り、外出先などにおける簡単な化粧直しの際に多
く利用されている。

ところで、外出先などにおいても、場合によつ
ては、固形フアンデーシヨンの他にクリーム状フ
アンデーシヨンなどが必要になることがある。と
ころが、従来一般のコンパクト容器では、周知の
ように蓋体を閉じても容器本体が完全に密封され
る構造となつていないので、クリーム状フアンデ
ーシヨンのような粘性の低い化粧料を内部に直接
収容することが不可能であつた。このため、クリ
ーム状フアンデーシヨンを外出先で使用しようと
する場合には、このクリーム状フアンデーシヨン
を瓶またはチユーブ容器などに入れてコンパクト
容器と共に持ち歩かなければならないという不便
さがあつた。また、瓶などの容器に収容されてい
るクリーム状フアンデーシヨンは、コンパクト容
器に収納されている固形フアンデーシヨンと比較
して、蓋の開閉や化粧料の取り出しなどの点で非
常に使いづらいという欠点があつた。

そこで、最近においては、クリーム状フアンデ
ーシヨン等の液状化粧料を袋体に入れた状態で収
納するようにした構造のコンパクト容器が、例え
ば、実願昭57−33013号（実公昭61−38501号）で
提供されている。このコンパクト容器は、第６図
に示すように、容器本体１に蓋体２を装着し、同
容器本体１に、内部に液状化粧料が収容された図
示しない袋体を収納し、この袋体の上部に押板３
を載せた状態で前記容器本体１に枠体４を装着し
てなるものである。前記押板３にはパフ入れ３ａ
が形成され、前記枠体４には前記液状化粧料の吐
出口４ａが形成されている。また、前記蓋体２に
は、この蓋体２により容器本体１が閉じられたと
きに、吐出口４ａを閉塞するパツキン２ａが装着
されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記のようなコンパクト容器では、
パフと液状化粧料とを一つの容器内に収納するこ
とができるという利点がある反面、次のような使
用上の問題点がある。

すなわち、このコンパクト容器を使用する場合
には、まず、パフ入れ３ａを押圧することにより
液状化粧料を吐出口４ａから押し出し、この後、
パフ入れ３ａからパフを取り出し、このパフに、
吐出口４ａから吐出した液状化粧料を浸み込ませ
るようにしている。

このため、液状化粧料を押し出す際にはずみで
余分量を吐出させてしまうことがあり、また、化
粧料を使用しない場合でも、不注意でパフ入れ３
ａを押して化粧料を吐出させてしまうこともあつ
て、袋体の化粧料を無駄に浪費してしまうという
問題があつた。また、適量の化粧料を押し出すに
あたつては、常に指先等で押圧の加減をする必要
があり、面倒でもあつた。さらに、袋体内の化粧
料を消費するにつれて、袋体がしぼんで、次第に
押板３およびパフ入れ３ａの位置が下がつてしま
うので、その周囲との外見を損つてしまい、しか
もパフ入れ３ａのパフの出し入れがしにくくなる
ので使い勝手も悪くなる等の問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記の問題点を有効に解決するための
コンパクト容器を提供するものであつて、容器本
体の液状化粧料の収納室に中仕切を設けるととも
に、該中仕切に液状化粧料の吐出口を形成し、前
記本体の液状化粧料収納室内に、液状化粧料を収
容する可撓性の有る袋体を配置し、かつ、この袋
体に、前記中仕切の吐出口から液状化粧料を吐出
するポンプ機構を設け、前記容器本体にポンプ機
構を操作する操作機構を設け、さらに前記操作機
構を、中仕切を上下に貫通する形態で上下動可能
に設けられた押釦と、前記収納室内における前記
袋体の下側に位置させて前記押釦の上下動に連動
して前記ポンプ機構を操作する押圧板とを備えた
構成としたことを特徴とするものである。

〔作用〕

前記構成の液状化粧料収納用コンパクト容器に
おいて、押釦を押し下げると押釦に連動して押圧
板がポンプ機構を操作して、このポンプ機構によ
り、袋体内の液状化粧料が中仕切の吐出口から吐
出される。そして、化粧料を吐出した袋体は吐出
量の分だけしぼむ。

〔実施例〕

第１図ないし第５図は、この考案の一実施例を
示す図である。

これらの図において符号５は容器本体、符号６
は蓋体、符号７は容器本体５に装着された中仕
切、８は中仕切の下方に配置された袋体、９は袋
体８内に設けられたポンプ機構、１０はポンプ機
構９を押圧する操作機構である。

次いで、これらのついて具体的に説明すると、
前記容器本体５は、その内部に袋体８を収納する
収納室Ａを有し、全体として所要の横断面形状
（例えば矩形状）の受皿状に形成されている。

前記蓋体６は容器本体５を覆うもので、その内
面には鏡１１が貼付され、例えば容器本体５の後
壁部にヒンジピンなどを介して開閉自在に構成さ
れている。

そして、前記中仕切７は、前記容器本体５およ
び蓋体６で形成される内部空間を塗布体収納室Ｂ
と液状化粧料の収納室（すなわち袋体４の収納
室）Ａとの上下２段に仕切るものであつて、容器
本体５の両内側壁に両端部が嵌合された基本構成
となつている。この中仕切７の中心部には、上下
に貫通する吐出口１２が形成されており、図示例
の場合、中仕切７のの上面にパフＰが載置されて
いる。

前記袋体８はポリエチレン等の合成樹脂等によ
つて上面に開口部を有する偏平な袋状に形成され
ており、この開口部には前記ポンプ機構９が設け
られている。

このポンプ機構９は、袋体８内の液状化粧料を
吐出口１２から吐出するもので、第２図に示すよ
うにシリンダ１３と、このシリンダ１３の内壁面
に密接した状態で上下動自在に設けられたピスト
ン１４と、このピストン１４を下方に付勢する弾
発部材１５とを主体として構成されている。

前記シリンダ１３の上端中央には、中仕切７の
吐出口１２とシリンダ内部１３ａとを経由する第
１流通路１６が形成されているとともに、シリン
ダ１３の下端内周には周突条１７が突設されてい
る。前記第１流通路１６の上端開口回りには環状
凹部１３ｂが形成されており、この環状凹部１３
ｂにはシリンダ内部１３ａの液圧が設定圧以上の
ときに第１流通路１６を開放する弁体１８ａを有
する外弁１８が環着されている。この外弁１８
は、弁体１８ａ自身の弾発力によつて、常時シリ
ンダ１３の開口部すなわち第１流通路１６を閉塞
状態に保持し、前記シリンダ内部１３ａの液圧
が、このポンプ機構９の設計上の吐出圧などより
大きくされた設定圧を越えたときに、その流体圧
により弁体１８ａの弾性力に抗して第１流通路１
６を開放するように設定されているものである。

そして、前記ピストン１４の上端中央には、シ
リンダ内部１３ａとピストン内部１４ａとを経由
する第２流通路１９が形成されているとともに、
ピストン１４の下端側壁部にはピストン内部１４
ａと袋体８とに連通しピストン１４の上下動によ
つて開閉する流路２０が形成され、さらにこのピ
ストン１４の上端外周には前記シリンダ１３の周
突条１７に係止する同突条２１が突設されてい
る。また、前記第２流通路１９の上端開口回りに
は環状凹部１４ｂが形成されており、この環状凹
部１４ｂにはシリンダ内部１３ａの液圧が設定圧
以下のときに第２流通路１９を開放する弁体２２
ａを有する内弁２２が環着されている。この内弁
２２は、弁体２２ａ自身の弾発力によつて、常時
ピストン１４の開口部すなわち第２流通路１９を
閉塞状態に保持し、ピストン１４が下方移動した
ときにシリンダ内部１３ａに発生した負圧により
弁体２２ａの弾性力に抗して第２流通路１９を開
放するように設定されているものである。なお、
前記外弁１８および内弁２２の構成は、この実施
例のものに限定されるものではなく、他の構成で
あつても良い。

前記操作機構１０は、押釦１３とこの押釦２３
の押圧操作によつて前記ピストン１４を押し上げ
る押圧部材２４とから構成されている。前記押釦
２３は中仕切７の側方下面に設けられかつ上面に
開口する断面Ｕ字状の押釦収容部２５に収容され
ており、前記押釦収容部２５の底部を貫通する孔
２５ａには押釦２３の下部が上下動自在に挿入さ
れている。この押釦２３の下部には押釦２３を押
釦収容部２５内に保持する突起２３ａが形成され
ている。前記押圧部材２４は第５図に示すように
平面十字状に形成されているものであり、この押
圧部材２４の前部には中心部から下方に向かう傾
斜部２４ａを介して、その前方に延びる平坦部２
４ｂが形成されている。また、押圧部材２４の中
心部から左右側方に延びる腕部２４ｃおよび２４
ｄの両端部には係止孔２６および２６が設けられ
ているとともに、この押圧部材２４の後端部には
押釦２３の下面に当接する半円状の凹部２７が形
成されている。この押圧部材２４は容器本体５の
収納室Ａの底面に形成された主突起２８に押圧部
材２４の中心部下面を当接した状態で収納室Ａの
底面と袋体との間に平坦２４ｂを配置するように
なつており、さらに、収納室Ａの両内側壁におい
て主突起２８と同軸上に形成された係止突起２９
および２９に係止孔２６および２６をそれぞれ嵌
合させることにより、収納室Ａに保持されている
とともに、係止突起２９および２９の軸線回りに
設定範囲内で回動可能となつている。

また、前記弾性部材１５としては、実施例では
コイルスプリングが適用されているが、ピストン
１４を下方に付勢するものであれば、他の構成の
ものであつても良い。

次いで、以上のように構成された本実施例のコ
ンパクト容器の使用方法ならびに作用を説明す
る。

このコンパクト容器は、袋体８内の液状化粧料
として、例えばクリーム状フアンデーシヨン等を
収容しておき、この袋体８を容器本体５内に配置
して、ポンプ機構９のシリンダー１３の上端部に
吐出口１２を嵌め合わせた状態で使用に供される
ことになる。そして、これを使用する場合には、
まず蓋体６を開けて、中仕切７の上面に突出した
押釦２３を指先などで押圧すれば、この押釦２３
によりテコの原理によつて主突起２８を支点とし
て押圧部材２４の凹部２７が直接押し下げられる
とともに、平坦部２４ｂが押し上げられ、これに
よりピストン１４も押し上げられる。そして、第
３図に示すように、ピストン内部１４ａと袋体８
との間の流路２０が閉じられるとともにシリンダ
内部１３ａが加圧され、この結果、第１流通路１
６に配設された外弁２０が開口して、シリンダ内
部１３ａの液状化粧料が中仕切７の吐出口１２か
ら吐出する。この際、ピストン１４が流路２０を
閉じ、これによつて、袋体８内へ化粧料が逆流す
るのを阻止する。したがつて、中仕切７上に吐出
する化粧料の量は一定（すなわち、第１流通路１
６よりも下のシリンダ内部１３ａに溜まつている
量）となる。

このようにして袋体８内化粧料を吐出させた
ら、後はパフＰにこれを浸み込ませ、使用すれば
良い。なお、１回の押圧操作で吐出する化粧料の
量が足りないときは、必要に応じて、押釦２３を
再度押圧操作した後、パフＰに浸み込ませて使用
すれば良い。

なお、一度押し上げられたピストン１４は、ピ
ストン１４を下方に付勢する弾発部材（コイルス
プリング）１５の反発力によつて、第４図に示す
元の状態に復帰し、また、この際に、外弁１８が
閉じられるとともに、シリンダ内部１３ａが減圧
されることによつて、第２流通路１９に配設され
た内弁２２が開口して、ピストン内部１４ａの液
状化粧料がシリンダ内部１３ａに流入する。そし
て、ピストン内部１４ａと袋体８との間の流路２
０が開口し、ピストン内部１４ａが減圧されるこ
とによつて、袋体８内の液状化粧料がピストン内
部１４ａに流入する。この際、袋体８内の化粧料
は、ピストン内部１４ａに流入するため、袋体８
はその分しぼんで、次の押圧操作に対する準備が
完了する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、押釦の
押圧操作によつて、袋体内の液状化粧料を一定量
吐出させることができるので、後は、吐出した化
粧料をパフに浸すだけで使用に供することができ
る。これにより、化粧料を無駄に浪費することが
ないので、化粧料を効率良く使用することがで
き、しかも、使い勝手が良い。さらに、中仕切が
容器本体に固定されているので、このことによ
り、不用意に中仕切を押圧して化粧料を吐出口か
ら吐出させてしまう心配がなく、また、袋体がし
ぼんだしても中仕切の位置が下がつてその周囲と
の外見を損つてしまうことがない。しかも、パフ
を収納するための一定空間を常に確保することが
できる筈の優れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の第１実施例を示
すもので、第１図はコンパクト容器の断面図、第
２図はポンプ機構の断面図、第３図および第４図
は作用を示すために示したもので、それぞれポン
プ機構の断面図、第５図はコンパクト容器の分解
斜視図、第６図は従来例を示すコンパクト容器の
斜視図である。 ５……容器本体、６……蓋体、７……中仕切、
８……袋体、９……ポンプ機構、１０……操作機
構、１２……吐出口、２３……押釦、２４……押
圧板、Ａ……収納室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の壁部に蓋体が開閉自在にヒンジ結合
   されるとともにこの容器本体には液状化粧料の収
   納室が設けられ、かつ、前記液状化粧料の収納室
   中には中仕切が設けられたコンパクト容器であつ
   て、前記中仕切には液状化粧料の吐出口が形成さ
   れるとともに前記容器本体の液状化粧料の収納室
   内には、液状化粧料を収容する可撓性の有る袋体
   が配置され、かつ、この袋体には、前記中仕切の
   吐出口から液状化粧料を吐出させるためのポンプ
   機構が設けられているとともに前記容器本体には
   ポンプ機構を操作する操作機構が設けられてお
   り、前記操作機構は、中仕切を上下に貫通する形
   態で上下動可能に設けられた押釦と、前記収納室
   内における前記袋体の下側に位置し前記押釦の上
   下動に連動して前記ポンプ機構を操作する押圧板
   とを備えた構成であることを特徴とする液状化粧
   料収納用コンパクト容器。